鷺の停車場

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劇場アニメ「劇場総集編ぼっち・ざ・ろっく! Re:Re:」

お盆期間中の午前、MOVIX柏の葉に行きました。


朝9時すぎの時間帯、既に最初の上映回が始まっているスクリーンが多く、ロビーのお客さんはそこまで多くはありませんでした。


この日の上映スケジュールの一部。この日は26作品・28種類の上映が行われていました。


この日観るのは、「劇場総集編ぼっち・ざ・ろっく! Re:Re:」(8月9日(金)公開)。全国134館と中規模での公開ですが、公開初週の週末は興行収入ランキングで6位と、「インサイド・ヘッド2」、「映画クレヨンしんちゃん オラたちの恐竜日記」、「僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ユアネクスト」、「怪盗グルーのミニオン超変身」など夏休み向けの作品が揃う中、公開初週で1位を獲得した6月23日(金)公開の前編ほどではありませんが、まずまずの滑り出しのようです。


上映は、103+2席のシアター1。台風の接近が近かったこともあってか、お客さんはわずか3人でした。


(チラシの表裏)

 

芳文社まんがタイムきらら MAX」連載のはまじあきによる同名4コマ漫画を原作に、2022年に放送されたテレビアニメ「ぼっち・ざ・ろっく!」を再編集した劇場総集編2部作の後編。主要スタッフは、監督:斎藤圭一郎、シリーズ構成・脚本:吉田恵里香、キャラクターデザイン・総作画監督:けろりら、制作:CloverWorks など。

 

主要登場人物・キャストは、次のとおりです。

  • 後藤 ひとり(ごとう ひとり)【青山 吉能】:主人公。「結束バンド」のギター。秀華高校の1年生。人見知りでコミュ症状。ネットには「ギターヒーロー」という名前で動画を投稿し、かなりの再生数を得ているが、現実のバンド活動ではその性格もあってなかなか本来の実力を出せない。中学時代は友達ができず、高校に入学して今度こそはと意気込むが友達ができずにいたが、偶然虹夏に声をかけられ、「結束バンド」に加入して活動することになる。愛称は「ぼっちちゃん」。

  • 伊地知 虹夏(いじち にじか)【鈴代 紗弓】:「結束バンド」のドラム。ひとりとは違う下北沢高校の2年生。「結束バンド」を結成したリーダーで、公園でいじけているひとりをメンバーに誘った。かつてバンドをやっていた姉・星歌の影響で幼い頃から音楽に触れており、バンドを辞めてライブハウスの店長となった姉に代わり、自分のバンドを有名にする夢を抱いている。

  • 山田 リョウ(やまだ りょう)【水野 朔】:「結束バンド」のベース。虹夏と同じ下北沢高校の2年生。虹夏とは幼い頃からの付き合い。マイペースで変わった性格。結束バンドでは作曲も担当する。

  • 喜多 郁代(きた いくよ)【長谷川 育美】:「結束バンド」のボーカル・ギター。ひとりと同じ秀華高校の1年生。路上ライブをしていたリョウに一目惚れし、ギターが弾けると偽って「結束バンド」に加入するが、実際は弾けないため本番前に逃げ出し、結果的に、ひとりが「結束バンド」に加入するきっかけを作った。その後、ボーカルを探すひとりに誘われ再び「結束バンド」に加入する。ひとりと対照的に社交的で、SNSでは多くのフォロワーがいる。

  • 伊地知 星歌(いじち せいか)【内田 真礼】:虹夏の姉。29歳。下北沢にあるライブハウス「STARRY」の店長。かつては自分もバンドをやっていたが、バンドを辞めてライブハウスの店長になった。

  • PAさん【小岩井 ことり】:「STARRY」の女性PAエンジニア

  • 廣井 きくり(ひろい きくり)【千本木 彩花】:新宿のライブハウス「FOLT」を拠点に活動するバンド「SICK HACK」(シク ハック)のベース・ボーカルで、星歌の大学の後輩。酔っ払って行き倒れていたところをひとりに助けられ、ライブチケットが売れずにいたひとりのために一緒に路上ライブをする。いつも酒を飲んで酔っ払っている。

  • 清水 イライザ(しみず いらいざ)【天城 サリー】:「SICK HACK」のギター。18歳までイギリスにおり、来日3年目。
  • 岩下 志麻(いわした しま)【河瀬 茉希】:「SICK HACK」のドラム。
  •  

    吉田 銀次郎(よしだ ぎんじろう)【三浦 勝之】:「FOLT」の店長。

  • ひとりの父【間島 淳司】:ひとりの父親。

  • ひとりの母【末柄 里恵】:ひとりの母親。コミュ症のひとりを心配し、温かく見守っている。

  • 後藤 ふたり(ごとう ふたり)【和多田 美咲】:ひとりの5歳の妹。ひとりとは対照的に明るい性格。

  • ジミヘン【小岩井 ことり】:後藤家で飼っている豆柴犬。

  • 後藤ひとりのクラスメイト【山口 愛・川井田 夏海】:ひとりのクラスメイト。

 

チラシには、次のようなあらすじが紹介されています。(ちなみに前編と同じ内容です)

 

「ぼっちちゃん」こと後藤ひとりは、ギターを愛する孤独な少女。家で一人寂しく弾くだけの毎日だったが、ひょんなことから伊地知虹夏が率いる「結束バンド」に加入することに。人前での演奏に不慣れな後藤は、立派なバンドマンになれるのか―—

 

原作マンガは未読、かなり前にテレビアニメ版を駆け足で「ながら見」した程度で、ほとんど初見で観た感じですが、前編「劇場総集編ぼっち・ざ・ろっく! Re:」と同じく、テレビアニメ版の続編ではなく総集編なので、原作やテレビアニメ版の予備知識がなくても、前編を観ていれば、まったく問題なく付いていける作りになっていました。動揺したりしたときの顔面崩壊など、ユーモラスな描写も交えながら、バンドの活動を通じて成長していくいい青春物語になっていると思いました。バンドが舞台の作品なので、スクリーンならではの音響も良かったですが、物語としては、前編の方がより心に響いた感じがしました。テレビアニメ版でいうと、前編が第1話から第8話までの8話分だったのに対し、後編の本作は第9話から最終回の第12話までの4話分で、物語が進むテンポ感がちょっと遅く感じられたせいかもしれません。

 

以下は、ネタバレになりますが、備忘も兼ねて、以下、作品のあらすじを紹介します。(多少の記憶違いはあるだろうと思います)

 

ライブハウス「STARRY」での「結束バンド」の初ライブは何とか成功を収めたが、ひとりは残りの夏休みの期間、「結束バンド」のみんなと遊ぼうと思いながらも誘われず、バイトのほかは家に籠って過ごしていた。そして、夏休みの最終日、ひとりのバイト先の「STARRY」では、喜多が虹夏に、ぼっちの様子が変、目も虚ろで会話もままならない、と話す。すると、星夏に言われて喜多、虹夏、リョウが外に出ると、ひとりは店の前でセミの墓を作っていた。ひとりとの会話で、誰もひとりを遊びに誘ってなかったことがわかり、3人はひとりに夏休みの思い出を作ってもらおうと、小田急に乗って江ノ島に出かける。

片瀬江ノ島駅で降りた4人は、名物のたこせんを食べ、写真を撮り、江ノ島エスカーに乗って頂上に向かい、江の島シーキャンドルの展望台に上がり、江島神社でお参りする。ライブの成功を感謝し、これからもよろしくお願いしますと祈った虹夏に対し、ひとりは、夏休み初日に時間を戻してください、それか一生食うに困らない巨万の富と名声を、と不毛なお願いをするのだった。帰りの電車で、久しぶりの外出は楽しかった、と思うひとりは、みんなと遊べて楽しかった、と喜多にお礼を言う。

夏休みが終わり、ひとりがいる1年2組では、文化祭の出し物を決める話し合いが行われるが、一致団結が嫌いなひとりが思わず寝てしまった間に、メイド執事喫茶に決まり、メイド服を着なければいけないと思ったひとりは思わず吐きそうになる。そして、文化祭2日目に行われる体育館ステージでの出し物は個人で参加できると聞いたひとりは、結束バンドで出たいと思うが、申込書を書いたものの、決心がつかず、提出場所の生徒会室の前で意識を失い保健室に運ばれてしまう。喜多が見舞いにやってくるが、出るのは止めようと思ったひとりは、喜多が出て行った後、申込書を保健室のゴミ箱に捨ててしまう。

ひとりが「STARRY」で星夏に相談すると、星夏は出演することを勧め、後からやってきた虹夏とリョウもそれを後押しする。翌日、大失敗したら高校生活耐えられない、と再度出演は止めようと思うひとりだったが、喜多から申込書は出しておいた、と知らされる。ショックを受けるひとりだったが、「STARRY」にやってきた廣井は、ひとりたちに自分たちのバンドのライブのチケットを渡して聴きに来るよう誘う。

新宿のライブハウス「FOLT」で行われる廣井たちのバンド「SICK HACK」に行った「結束バンド」のメンバー。200人を超えるお客さんが集まったライブが始まると、ひとりは廣井のカリスマ性に圧倒される。終演後、すごくキラキラしていて自分なんかとても、と話すひとりに、廣井は、自分も高校時代は根暗だったが、真逆の生き方をしようとロックを始めたことなどを話す。

ライブの後、ファミレスで文化祭のセトリ(曲目)を話し合う4人。リョウは、喜多とひとりの2人の文化祭だ、と2曲目にひとりのギターソロを入れることを決める。その帰り、喜多は、文化祭の申込用紙をひとりが捨てたのを分かっていたが、拾ってわざと出したことをひとりに打ち明け、謝罪するが、ひとりは、最初はどうしようと思ったが今はちょっと楽しみ、と感謝する。その言葉を聞いた喜多は、私もっと練習頑張るから、絶対成功させよう、と熱く語る。そして、ひとりが補修を受けている間、喜多はリョウや虹夏に教えを請い、ギターを練習するのだった。

そして迎えた文化祭の1日目、遊びに来た虹夏とリョウはひとりのメイド服姿を見ようと1年2組のメイド喫茶に行くが、クラスメイトは、メイド服を着せたらトイレに行くと言って消えてしまったと話す。喜多、虹夏、リョウの3人はひとりを探し始めるが、ナメクジが隠れそうな場所を探すんです、との喜多のアドバイスで、人気のない校内の片隅でひとりを無事発見する。4人は、一緒に2年2組のお化け屋敷「幽霊病棟」、3年2組のクレープ店などを回り、文化祭を満喫する。1年2組のメイド喫茶に戻った4人は、クラスメイトの誘いで、喜多と虹夏はメイド服、リョウは男装して接客することになり、メニューのオムライスを完売するなど人気を集める。その後、会場となる体育館を下見した後、翌日のステージに向け練習する4人だったが、ひとりはしばらく見ない間に来喜多のギターがうまくなっていることに気付く。

そして迎えた2日目の体育館でのステージ。舞台袖で手を合わせてオー!と威勢を上げてステージに上がった「結束バンド」の4人。幕が開くと、ひとりの家族や、ひとりのファン1号・2号、ひとりが誘った廣井の姿もあった。1曲目「忘れてやらない」は意外と盛り上がるが、ひとりはギターのチューニングの異常を感じていた。ひとりのギターソロがある2曲目の「星座になれたら」が始まるが、ひとりのギターは1弦・2弦のチューニングが異常に合わず、ついに1弦は切れ、2弦のペグも故障してしまう。せっかくのライブが自分の機材トラブルで台無しになってしまうと焦るひとりだったが、喜多がアドリブでギターソロを弾いて場をつなぐ、それを見たひとりは、とっさの判断で廣井が飲み干してステージの端に置き捨てられていたワンカップの空き瓶を手に取り、ボトルネック奏法でソロを弾いてピンチを乗り越える。2曲目が終わったところで、MC役の喜多が突然ひとりにマイクを向け、予想外の振りに慌てたひとりは、何か面白いことを、と突然ステージ上からダイブするが、誰もひとりを受け止めず、ひとりは床に落ちてしまう。ひとりが意識を取り戻すと、保健室のベッドに横になっていた。ひとりは付き添っていた喜多に、台無しにしてしまったことを謝るが、喜多はなぜか逆に盛り上がったと話す。ひとりが、喜多のギターが上手くなっていて驚いたと話すと、喜多は、自分は人を惹きつけられるような演奏はできないけど、みんなと合わせるのは得意みたいだから、これからもギター頑張る、と言い、ひとりのことを「ひとりちゃん」と初めて名前呼びする。

そして、壊れたギターを買い直すため、虹夏、リョウ、喜多と御茶ノ水の楽器店に行ったひとりは、店員から声を掛けられて困惑するが、喜多の手助けもあって無事にギターを購入する。その翌日、ひとりは買ったばかりのギターを背中に背負って家を出るのだった。

 

(ここまで)