テレビアニメ「俺は全てを【パリイ】する~逆勘違いの世界最強は冒険者になりたい~」、個人的には、2024夏アニメで一番ハマっている作品になっています。parry-anime.com
前回に続いて、8月29日(木)に放送された第9話から9月19日(木)に放送された最終回の第12話までを紹介します。
繰り返しになりますが、小説投稿サイト「小説家になろう」に2019年10月から連載され、2020年9月からアース・スターノベル(アース・スター エンターテイメント)で刊行されている鍋敷の同名ライトノベルを原作にテレビアニメ化され、2024年7月4日(木)からTOKYO MXなどで放送されています。主要スタッフは、キャラクター原案:カワグチ、監督:福山大、シリーズ構成:村越繁、キャラクターデザイン:野間千賀子、メインアニメーター:堀澤聡志、アニメーション制作:OLM など。
公式サイトでキャストが紹介されている主要登場人物・キャストは次のとおりです。<>内は、第9話~第12話でそのキャラクターが登場(声優が出演)する放送回です。
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ノール【濱野 大輝/小針 彩希(少年期)】:冒険者に憧れるも、12歳のときに「全てにおいて、一切の才能がない」と判定されてしまう。しかし夢を諦めず、山に籠って【パリイ】のスキルを磨き続けた結果、千の剣を弾けるまでに成長する。実はとんでもない能力の持ち主だが自分だけがそれに気づいておらず、現在は最低ランクでギルドに登録をして、日々街の雑用をこなしている。<第9~12話>※少年期は第10・12話のみ
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リーン【前川 涼子】:クレイス王国の第一王女で、フルネームはリンネブルグ・クレイス。あらゆる能力に秀でており、王都訓練所をすべて歴代最高の成績で修了。6系統のスキルを満遍なく習得している。魔物に襲われ危ういところをノールに助けられる。以来、ノールを“先生”と呼んで慕う。<第9~12話>
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イネス【森 なな子】:クレイス王国の騎士で、『戦士兵団』副団長。フルネームはイネス・ハーネス。特殊な防御能力【神盾】(しんじゅん) を持っており、その力を使いリーンの護衛を務めている。孤児院の出身で、【盾聖】ダンダルグに引き取られ、力の使い方を教わった。<第9~11話>
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ロロ【村瀬 歩】:魔物と自在に心を通わせる特殊能力を持つ、心優しい少年。絶滅した「忌むべき存在」とされる魔族の末裔であり、奴隷商人の下でかなり不幸な幼少期を送ってきた。<第9~11話>
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ギルバート【武内 駿輔】:クレイス王国を守護する剣士兵団の副団長で、【槍聖】の二つ名を授与されている。 無類の戦い好きで、かつては強者を求めて各地を回っていた。 【剣聖】シグの弟子で、槍を扱う。<第10話>
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クレイス王【山野井 仁】:世界最古の迷宮『還らずの迷宮』を擁する国家・クレイス王国の国王であり、リーンとレインの父親。かつては冒険者として、【六聖】たちと『還らずの迷宮』を探索しており、迷宮最奥部で『黒い剣』を発見している。冒険者を引退した現在も王国の最高戦力の一つであり、この国を覆う不穏な空気に気付き、警戒している。<第10~12話>
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レイン【寺島 惇太】:クレイス王国の第一王子で、フルネームはレイン・クレイス。冷静沈着な性格で、クレイス王の補佐役も務めている。<第10~12話>
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シグ【三木 眞一郎】:クレイス王国を守護する【六聖】のうちの1人。『剣士』(ソードマン)最高位の二つ名【剣聖】を授与されており、王都の『剣士』養成所の教官も務めている。<第10・12話>
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ダンダルグ【三宅 健太】:クレイス王国を守護する【六聖】のうちの1人。『戦士』(ウォリアー)最高位の二つ名【盾聖】を授与されており、王都の『戦士』養成所の教官も務めている。イネスの義父であり、孤児院から引き取り力の使い方を教えた。<第10・12話>
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ミアンヌ【豊口 めぐみ】:クレイス王国を守護する【六聖】のうちの1人。『狩人』(ハンター)最高位の二つ名【弓聖】を授与されており、王都の『狩人』養成所の教官も務めている。<第10・12話>
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カルー【関 俊彦】:クレイス王国を守護する【六聖】のうちの1人。『盗賊』(シーフ)最高位の二つ名【隠聖】を授与されており、王都の『盗賊』養成所の教官も務めている。<第10~12話>
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オーケン【宇垣 秀成】:クレイス王国を守護する【六聖】のうちの1人。『魔術師』(マジシャン)最高位の二つ名【魔聖】を授与されており、王都の『魔術師』養成所の教官も務めている。<第10・12話>
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セイン【羽多野 渉】:クレイス王国を守護する【六聖】のうちの1人。『僧侶』(クレリック)最高位の二つ名【癒聖】を授与されており、王都の『僧侶』養成所の教官も務めている。<第10~12話>
以上のほかに、第9話~第12話に登場する、役名が付けられているキャラクターとしては、次の人たちがいます。<>内はそのキャラクターが登場(声優が出演)する放送回です。
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マスター【関口 雄吾】:クレイス王国の王都の冒険者ギルドのマスター。<第12話>
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デリダス三世【上別府 仁資】:クレイス王国を滅ぼそうとする魔導皇国の皇帝。<第9~11話>
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ランデウス【神尾 晋一郎】:魔導皇国の高官【十機衆】の長。<第9・11話>
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魔竜【森 千晃】:王都を襲った【厄災の魔竜】と呼ばれる魔竜。ノールに服従の姿勢を示す。<第9・10話>
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将軍【堀 総士郎】:クレイス王国侵攻の皇国軍の指揮を任されていた将軍。<第9話>
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近衛隊長【白石 兼斗】:クレイス王国侵攻に赴いたデリダス三世に同行した近衛隊長。<第9話>
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砲兵【木村 隼人】:リーンたちにブリューナクを放った砲兵。<第9話>
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魔術士兵【若林 佑】:クレイス王国侵攻のための大兵団を出現させた魔術士兵。<第9話>
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兵士A【左座 翔丸】:クレイス王国に侵攻した皇国軍の兵士。<第10話>
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兵士B【陣谷 遥】:クレイス王国に侵攻した皇国軍の兵士。<第10話>
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補佐官【内野 孝聡】:デリダス三世に命ぜられてケラウノス発射を指示した補佐官。<第11話>
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側近【こばたけ まさふみ】:デリダス三世の側近。<第11話>
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十機衆A【白石 兼斗】:魔導皇国の高官【十機衆】の一人。<第11話>
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十機衆B【虎島 貴明】:魔導皇国の高官【十機衆】の一人。<第11話>
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親方【堀 総士郎】:パリイが瓦礫撤去などの仕事をする建築ギルドの親方。<第12話>
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訓練生【白石 兼斗】:15年前、シグが教官を務める【剣士】の訓練所に入ったノールが一緒になった訓練生。<第12話>
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盗賊訓練生(男性)【多田 啓太】:15年前、カルーが教官を務める【盗賊】の訓練所に入ったノールが一緒になった訓練生。<第12話>
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盗賊訓練生(女性)【竹内 恵美子】:15年前、カルーが教官を務める【盗賊】の訓練所に入ったノールが一緒になった訓練生。<第12話>
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盗賊訓練生B【内野 孝聡】:15年前、カルーが教官を務める【盗賊】の訓練所に入ったノールが一緒になった訓練生。<第12話>
各話のおおまかなあらすじは、次のとおりです。< >内は公式サイトで紹介されているストーリーです。
第9話 俺は軍勢をパリイする
<クレイス王国と不可侵条約を結んでいたはずの魔導皇国の大軍勢が、ついに侵攻を始める。圧倒的不利な状況の中、ノールはリーンたちの脱出のために、なんと一人で皇国軍に立ち向かう。皇国軍を弾き飛ばし、魔力砲「光の槍(ブリューナク)」すら次々と【パリイ】していくノール。「黒い剣」を振るい続けるノールの姿に、魔導皇国の皇帝・デリダス三世はある強烈な違和感を抱く。>
自分の方が弱いと悟った魔竜は、攻撃を止め、ノールに服従の姿勢を示す。それを見て、こいつを殺すのは無理だと思ったノールは、自分は英雄にはなれそうにない、とその場で座り込むと、そこに追いついたリーンたちが駆け寄ってくる。ノールはロロがその能力を使って魔竜を大人しくさせたのだと勘違いし、ロロがそれを必死に否定しても、能力を知られたくないため隠していると思いこみ、元の住処に帰ってもらうようロロを通じてお願いする。ロロがその能力を使って魔竜と会話すると、竜は我が主の命なら何でも言うことを聞くといい、ノールの希望どおり、王都を飛び立ち住処に向かうが、どこからか光が飛んできて魔竜を撃ち落とす。
そのころ、デリタス三世は、目の前の光景を眺めて、こうも思い通りになるとは、とほくそ笑んでいた。デリタス三世は、異族使いを使って【厄災の魔竜】にクレイス王国の王都を襲わせた後、全兵士にマジックソード(魔装剣)とマジックシールド(魔法楯)を、精鋭部隊にはマジックアーマー(魔装鎧)とマジックキャノン(魔装砲)を、さらに、移動型魔力防壁生成装置のイージス(英雄の盾)3機と、超高出力魔力線放射兵器のブリューナク(光の槍)4門を装備した大規模な皇国軍を派遣する計画で、デリタス三世は、自国のためにならないと再考を求めるランデウスの進言は一顧だにせず、それを実行に移したのだった。
撃墜された魔竜を探しにやってきたリーンやイネスを見つけたデリタス三世は、ブリューナクを発射させるが、ノールが黒い剣でそれを弾き返す。大軍勢を見たイネスはリーンに撤退を進言し、ノールも一緒に逃げようと考えるが、皇国軍の攻撃が始まり、退却の機会を失う。ノールは自分が敵をひきつけて3人を退却させようとする。ノールは【しのびあし】で駆け回りながら攻撃を【パリイ】で弾き返し、マジックソードやマジックシールド、さらにはイージスやブリューナクまでも跳ね飛ばす。
そして目の前に現れたノールに、恐怖に怯えるデリタス三世は、馬にまたがり、戦場からひとり全速力で逃げ出すのだった。
原作小説では、第2巻「俺は全てを【パリイ】する~逆勘違いの世界最強は冒険者になりたい~2」の「36 竜との対話」の中盤以降、「37 魔導皇国の進軍」、「38 銀色の波」、「39 皇帝の早馬」で描かれた部分に対応しています。
第10話 俺は皇帝の威をパリイする
<ノールの活躍により窮地を脱したクレイス王国。しかし魔導皇国の皇帝・デリダス三世は逃走、帰還しつつあった。ノールたちは【厄災の魔竜】の力を借り、デリダスを追う。皇国との国境にある要塞群をイネスの力で突破し、皇都を目指す一行。クレイス王国が誇る規格外の力を持つ最強の面々、そして何より底知れぬ力を秘めたノールとともに、クレイス王国の未来をかけた戦いに挑む!>
皇国軍の大軍勢に立ち向かうノールは、【しのびあし】で駆け回りながら、兵士たちが持つマジックソード(魔装剣)やマジックシールド(魔法楯)を【パリイ】で跳ね飛ばし、さらには巨大な移動型魔力防壁生成装置のイージス(英雄の盾)や超高出力魔力線放射兵器のブリューナク(光の槍)までも跳ね飛ばすが、大軍勢を突き抜けた後、金色の派手な鎧を身に纏った老人が、同じく金ピカの馬具を付けた馬を従えているのに気づく。落ちてくる剣や盾を再び【パリイ】で弾き返して同じ場所に戻ってくると、金ピカの老人はその場所で地面にへたり込んでいた。怯える老人を見て、敵意がないのを分かってもらおうと精一杯の笑顔を作ったノールだったが、老人は金ピカの馬具を付けて馬に跨って逃げて行ってしまう。
しかし、激しく動き回ったノールは、体力が限界に達して、膝が崩れ、剣を持った数人の兵士に囲まれてしまう。ここまでだ、とノールが思ったところに、ミアンヌ、ギルバート、シグ、セイン、オーケンたちが加勢し、大軍勢を圧倒する。
リーンの回復魔法で回復したノールは、訓練所の教官たちとの再会を喜ぶが、魔導皇国の皇帝である金ピカの老人は空でも飛ばない限りは追いつけないと聞いて、【厄災の魔竜】に乗って飛べば何とかなるのではと考える。セインに回復魔法で治療してもらい、ロロに話をしてもらうと、竜も仕返しがしたいと言い、リーンやロロ、護衛のイネスたちが乗って行くことになる。ノールは高いところが苦手だったが、自分が言い出した手前一緒に行くことになる。そこに、レインと国王も駆けつけ、魔導皇国との交渉役にレインも同行することになる。
そのころ、飛び立つ一行をダンダルグと見送るシグは、ノールの実力を目の当たりにして、自分があの少年を引き取って育てようなど、とんでもない思い上がりだった、と口にし、一から鍛え直す、と嬉しそうな顔をしながら誓うのだった。
そして、カルーが竜をスキルで隠蔽しながら皇国に向かう一行は、本格的な皇国の支配地域の入口付近で、馬に乗り疾走する皇帝を発見し、この機会を逃してはならないとさらに進むことを決断する。いつもは護衛に徹しているイネスが、自ら志願してディバインシールド(神盾)で要塞の砲門を破壊し、さらに進む一行。リーンは、何の心配もする必要などない、私は今、考えうる限りの最強に囲まれている、と自らに言い聞かせ、
全く微動だにしないノールを見て、先生は私たちの覚悟を静かに聞いていたのだ、と思うが、その実、ノールは高所恐怖症で意識を失っていただけだった。
原作小説では、第2巻「俺は全てを【パリイ】する~逆勘違いの世界最強は冒険者になりたい~2」の「40 訓練所の教官たち」、「41 追撃の魔竜」、「42 光の大盾」で描かれた部分に対応しています。
第11話 俺は神の怒りをパリイする
<魔導皇国の皇都に乗り込んだノールたちに、皇帝・デリダス三世の強大な魔力光が襲いかかる。ノールは渾身の力で魔力光を【パリイ】するが、反動で吹き飛ばされてしまう。ノールを追ったリーンたちが目にしたのは、国の存亡をかけてデリダス三世を討とうとする敵たちの姿だった。彼らはなぜ、皇帝に手をかけるのか。そして吹き飛ばされたノールの運命やいかに!?>
魔導皇国の皇都に逃げ帰り、王座の間に戻ったデリダス三世は、ブリューナクで倒したはずの【厄災の魔竜】が自分たちの方に向かって飛んでくるのを見て、まだ試験段階で照準がちゃんと調整できないケラウノス(神の雷)を魔力追尾を付与して撃つことを命ずる。しかし、放たれたその強大な魔力光は、ノールの【パリイ】によって弾かれて分裂し、軌道を変えたその光は、魔力追尾を付与したために皇都の魔力供給源である魔力炉に降り注ぎ、それらを破壊してしまう。それまでデリダス三世に付き従っていた政務官・側近・補佐官も、皇帝のもとを逃げ出していく。
一方、渾身の力で魔力光を弾いたノールは反動で吹き飛ばされてしまう。
ちょうどそのころ、王座の間では、デリダス三世を見限ったランデウスたち十機衆が、皇国存続のためデリダス三世を殺そうとしていたが、そこに吹き飛ばされたノールが飛び込んでくる。ノールはわけがわからないまま十機衆の攻撃からデリダス三世を守るが、そこに、レイン、リーン、カルー、セインが入ってくる。レインは、ここから先は自分たちに任せてほしい、と言って、リーンにノールを治療するよう指示し、ノールはリーンとその場を離れる。
残ったレインは、デリダス三世に王国の犠牲者と同じだけの苦痛を受け入れるなら赦すと告げ、デリダス三世は恐怖に打ち震える。そして、ランデウスたちと終戦と賠償のための交渉を行う。
リーンから治療を受け、大きな被害を受けた皇都を眺めるノールは、自分のせいで申し訳ないことをしたと思うが、リーンは被害を受けたのは主に人が立ち入ることができない魔力炉で人的被害は少ない、生活に影響は出るだろうが王国ほどではないと慰める。そこに交渉を終えたレイン、カルー、セインが戻ってくる。レインは、これからお互いの復興に向けた戦後の調整が始まる、デリダス三世は退位し、おそらく10歳の孫が後継者に選ばれ、十機衆が後見人になるだろう、と話す。
そこにランデウスたち十機衆もやってきて、ノールに攻撃したことを謝罪し、ノールが止めに入ってくれたことを感謝する。ノールは大したことはしていないとそれを固辞するが、ランデウスは、今後我々は貴殿にどんな助力も惜しまない、申し出る。
魔竜の背中に乗って王都に帰還したノールたちを国王が出迎える。国王とレインはノールに褒賞を出そうと申し出る。最初はそれを固辞したノールだったが、ロロの姿が目に入り、ロロが王都で他の住民と同じ普通の生活ができるようにしてほしい、それ以外のものは何もいらない、と願う。国王は、魔族を神敵扱いするミスラ教国との関係に亀裂が入ると一瞬迷うが、ノールの頼みを受け入れる。
ロロは、イネスの家で一緒に暮らすことになる。その夜、自分の前に並べられた料理に驚き、柔らかいパンを口にして、感激で涙を流すのだった。
原作小説では、第2巻「俺は全てを【パリイ】する~逆勘違いの世界最強は冒険者になりたい~2」の「43 魔導の火」、「44 玉座の間」、「45 王都への帰還 1」、「46 王都への帰還 2」の前半、「48 おいしい食事」で描かれた部分に対応しています。
第12話 俺は全てをパリイする
<戦いが終わり、クレイス王国では復興が進む中、ノールは瓦礫の撤去に勤しんでいた。彼の脳裏には少年だった日々がよみがえる。才能がないと言われながらも、諦めずに努力を重ねたこと。そして、教官だった【六聖】の教え。再び冒険者になる夢を胸に、ノールは瓦礫へ「黒い剣」を振るう。その姿は新たな冒険の日々への希望が込められているようで――。>
王都に戻ってきたノールは、その惨状に驚きながら、冒険者ギルドに向かう。建物は無事だったが、落ちていた看板を手にしたノールは、15年前に初めてギルドを訪れたときのことを思い出し、教官たちに会ったのは15年ぶりだったのか、と思い返す。
15年前、【剣士】の訓練所に現れたノール。教官のシグは、年端もいかない少年がやってきたことに驚きながら、訓練を始める。粘り強く訓練を続け、優れた資質を見せるノールに、将来有望だ、とひそかに大きな期待を寄せるシグだったが、【パリイ】以外のスキルは身に付かず、別の道に進んだ方がいい、と訓練所を追い出す。
次にやってきた【戦士】の訓練所でも、教官のダンダルグは、タフな心を持っている、スキルさえ身に付けば文字通り不屈の盾になる、と期待するが、やはり身体強化以外は身に付かず、悪いが次に行け、と訓練所を追い出す。
次にやってきた【狩人】の訓練所では、教官のミアンヌは、見事な投石に驚くが、弓はことごとく壊してしまい、結局は訓練所を追い出す。
次にやってきた【盗賊】の訓練所では、教官のカルーは、ノールの忍耐力と修練を評価しつつも、ことごとく罠を発動させてしまう致命的な問題から、冒険者の道を諦めたら自分の下にリクルートしようと内心期待しながらも、訓練所を追い出す。
次にやってきた【魔術師】の訓練所では、3ヶ月訓練しても、最低スキルの【プチファイア】しか身に付かず、教官のオーケンは、自分でも50年かかった二重詠唱を習得したことに驚愕しつつも、他の道を勧める。
最後にやってきた【僧侶】の訓練所では、教官のセインは、小さい頃に祝福の儀式を受けてなければ無理だと最初は断るが、ノールの熱意に折れて、訓練を受けさせることにする。セインは、ノールが祝福なしで最低スキルの【ローヒール】を見に付けたことに驚くが、ノールは肩を落とし、訓練所から姿を消してしまう。
セインは【六聖】を集めて事情を話し、凄まじい素質を持ったノールを【六聖】全員で引き受け、育てることが決まるが、ノールは見つからなかったのだった。
そして、王都に戻り、冒険者ギルドの建物の中に入ったノールは、マスターから、建築ギルドの親方が血眼になってノールを探していると知らされ、その現場に行って働き始め、今日はとんでもない1日だった、と振り返る。
一方、王城では、クレイス王がレインに、今回の件、デリダスの後ろにミスラ教国の影が見える、と話し、レインも、ミスラ教国でしか製造できない高純度の魔石が絡んでいたと同意見を述べる。しかし、クレイス王は、我が国には頼れる者がいる、とノールに思いを馳せるのだった。
翌朝、引き続き作業に当たるノールの前に、被災者にパンを配っていたリーンが現れる。そのパンを食べたノールは、冒険者になりたい、父が読み聞かせてくれた英雄のような冒険をしてみたい、と改めて思いながら、作業を続けるのだった。
アニメオリジナル要素も加えられていますが、原作小説では、第2巻「俺は全てを【パリイ】する~逆勘違いの世界最強は冒険者になりたい~2」の「46 王都への帰還 2」の後半と、巻末の「【才能無しの少年】」で描かれた部分に対応しています。
(ここまで)
以上のように、原作小説では、魔導皇国との一戦が終わるまでを描いた単行本の第1巻・第2巻に当たる部分が、アニメ化されたことになります。原作小説はまだ完結していませんが、今回描かれた部分に続いて、第3巻・第4巻でミスラ教国との対決が描かれているので、これらの部分を描くテレビアニメの第2期もぜひ制作してほしいと思います。