テレビアニメ「魔導具師ダリヤはうつむかない」、後半の第7話から最終話までを紹介します。dahliya-anime.com
繰り返しになりますが、小説投稿サイト「小説家になろう」に2018年4月から連載され、2018年10月からMFブックス(KADOKAWA)より「魔導具師ダリヤはうつむかない 〜今日から自由な職人ライフ〜」として刊行されている甘岸久弥のライトノベルを原作にテレビアニメ化され、2024年7月から9月までの2024夏クールにTOKYO MXなどで放送された作品。主要スタッフは、キャラクター原案:景、監督:久保洋祐、シリーズ構成:東出祐一郎、キャラクターデザイン:栗田聡美、アニメーション制作:颱風グラフィックス×イマジカインフォス など。
公式サイトでキャストが紹介されている主要登場人物・キャストは次のとおりです。<>内は第7話~第12話でそのキャラクターが登場(声優が出演)する放送回です。
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ダリヤ・ロセッティ【大西 沙織】:駆け出しの魔導具師。過労により命を落とした前世の後悔を繰り返さないため、そして人々の生活を豊かにする、父・カルロのような魔導具師になるため奮闘中。魔導具づくりに夢中になると無茶をしてしまうこともしばしば。美味しいお酒と料理が好き。<第7~12話>
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ヴォルフレード・スカルファロット【田丸 篤志/小橋 里美(幼少期)】:端正な顔立ちに黄金色の瞳を持つ美青年。水の魔石の生産管理を担う伯爵家・スカルファロット家の四男。魔物討伐部隊の騎士であり、部隊の中でも最も死に近いとされる「赤鎧」(スカーレットアーマー)を務めている。魔剣の話になると少年のような一面を見せる。<第7~12話>※幼少期は第9話のみ
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イルマ・ヌヴォラーリ【飯田 里穂】:ダリヤの幼馴染であり友人。ダリヤが住む緑の塔の門を開けることができる数少ない人物の1人。幼少期からの夢を叶え、現在は美容室を営んでいる。明るく優しい性格で、自分自身の優先度が低いダリヤのことをいつも心配している。<第12話>
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マルチェラ・ヌヴォラーリ【松田 健一郎】:イルマの夫で運送ギルド員。妻のイルマを愛しており、その友人であるダリヤのことも気遣う。ダリヤの引っ越しの際には、運送ギルド員として率先して手伝う。ダリヤの商会設立について背中を押した一人でもある。<第10・12話>
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ルチア・ファーノ【和泉 風花】:ダリヤの友人の服飾師。ダリヤの魔導具制作に欠かせない職人の一人。家族で営むファーノ工房で働いている。明朗闊達な性格で、物事を嫌味なくはっきりと言う。いつか自分の工房を持つことと、素敵な服で王都を埋め尽くすことが夢。<第8・12話>
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イヴァーノ・バドエル【高橋 広樹】:商業ギルドの契約書管理担当。ダリヤが開発した魔導具登録などの手続きに立ち会う。魔導具師としてのダリヤの可能性に期待しており、商会設立に一役買う事に。<第8~12話>
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ガブリエラ・ジェッダ【山口 由里子】:商業ギルドの副ギルド長。夫はギルド長のレオーネ・ジェッダ子爵。商業ギルド職員として、そして一人の人間としても、ダリヤの成長を見守り、サポートする。ダリヤの父・カルロとも昔から親交がある。<第8~10・12話>
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トビアス・オルランド【大野 智敬】:ダリヤの魔導具師としての兄弟子。オルランド商会の次男。商家に生まれながらも魔導具師になった努力家。ダリヤとロセッティの名前を守るため、ダリヤとの婚約の話を承諾する。※第7話以降には登場しません。
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カルロ・ロセッティ【成田 剣】:国から名誉男爵の位を与えられた有能な魔導具師であるダリヤの父。ダリヤの魔導具師としての素質を見抜き、溺愛しながらも、魔導具師としての成長をさりげなく促す一面も。酒好きでいつも飲みすぎてはダリヤに怒られている。オルランド商会商会長のテオドーロとは親友。<第10・12話>
以上のほかに、第7話~第12話で登場する役名が付けられているキャラクターとしては、次の人たちがいます。<>内はそのキャラクターが登場(声優が出演)する放送回です。
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グラート・バルトローネ【小西 克幸】:ヴォルフの上司である魔物討伐部隊長で侯爵。<第7・11話>
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アルテア・ガストーニ【大原 さやか】:王の妻の義姉に当たる前公爵夫人。<第7話>
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グリゼルダ・ランツァ【土岐 隼一】:魔物討伐部隊の副隊長。<第7・10話>
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ドリノ・バーティ【浦 和希】:魔物討伐部隊の騎士。ヴォルフと同期で、同じく「赤鎧」を務めている。<第7・11話>
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ディーノ・モルフェ【KENN】:魔物討伐部隊の騎士。<第7・11話>
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ランドルフ・グッドウィン【上田 耀司】:魔物討伐部隊の騎士。ヴォルフと同期で、同じく「赤鎧」を務めている。<第7・11話>
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グイード・スカルファロット【小野 賢章】:ヴォルフの異母兄であるスカルファロット伯爵家の長男で、魔導部隊の中隊長を務める。<第8・9話>
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アルフィオ・ジオーネ【近藤 隆】:魔物討伐部隊の騎士で、ヴォルフの先輩。<第11話>
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ニコラ・アストルガ【近藤 浩徳】:魔物討伐部隊の騎士で、ヴォルフの先輩。<第11話>
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ジスモンド・カフィ【麻生 智久】:魔物討伐部隊の騎士で、ヴォルフの先輩。<第11話>
- フォルトゥナート・ルイーニ【平川 大輔】:服飾ギルド長で、子爵 。<第8話>
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ジャン・タッソ【稲田 徹】:冒険者ギルドの素材管理部長。<第8話>
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フェルモ・ガンドルフィ【宮澤 正】:ダリヤが泡ポンプボトルを共同開発することになる小物職人。<第9話>
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ヴァネッサ・スカルファロット【衣川 里佳】:スカルファロット伯爵の第三婦人で、ヴォルフの母。女性騎士で、襲撃から第一夫人とグイードを守って亡くなった。<第9話>
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討伐隊員A【君成田 晃佑】:ヴォルフたちとともに遠征に出た魔物討伐部隊の隊員。<第7話>
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討伐隊員B【秋葉 佑】:ヴォルフたちとともに遠征に出た魔物討伐部隊の隊員。<第7話>
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隊員A【石狩 勇気】:ヴォルフたちとともに遠征に出た魔物討伐部隊の隊員。<第8話>
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隊員B【金子 誠】:ヴォルフたちとともに遠征に出た魔物討伐部隊の隊員。<第8話>
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隊員C【田島 章寛】:ヴォルフたちとともに遠征に出た魔物討伐部隊の隊員。<第8話>
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隊員D【上原 健太】:ヴォルフたちとともに遠征に出た魔物討伐部隊の隊員。<第8話>
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女性騎士【矢野 優美華】:王城に行ったダリヤを待合室に案内した女性騎士。<第11話>
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女性店員【矢野 優美華】:。<第12話>
各話のおおまかなあらすじは、次のとおりです。< >内は公式サイトで紹介されているストーリーです。
第7話 大騒動の予感
<一緒に人工魔剣をつくる約束をしたダリヤとヴォルフだったが、ヴォルフの遠征任務が入り延期になってしまう。魔剣作成が待ちきれないヴォルフは、いつになく積極的に任務にあたり、予定よりも早くダリヤの家を訪れる。二人は協力しあいながら魔剣作成に挑むが、やはり一筋縄ではいかず試行錯誤する。やがて一本の試作品が出来上がったのだが、それは禍々しいオーラを放っており……?>
急な遠征が入ったヴォルフは、ダリヤに人工魔剣を作る約束を延期させてほしいと手紙を送る。冷蔵庫の試作をしていたダリヤだったが、製作中にヴォルフの身の安全が気になり、魔力の操作を誤り失敗してしまう。
ゴブリン討伐のため遠征に出たヴォルフは、早く帰ってダリヤと魔剣制作をしたい一心で、自ら作戦を提案し、いつになく積極的に任務に当たって予定より早く討伐を終え、大量の食材などを持ってダリヤの家を訪れる。ヴォルフは魔法付与がされたワイン用の高級グラスも持ってくるが、ダリヤは、友達からただただもらう側になるのは避けたい、と一方的に贈られるのを固辞し、妖精結晶を使った眼鏡の代金と相殺する。
2人はヴォルフが持ってきた食材をダリヤが開発した卓上コンロで料理し一緒に昼食を食べた後、人工魔剣制作を始める。刃、鍔、柄、鞘にそれぞれ魔法を付与し、組み立てようとするが、魔力が相互に干渉して反発し、組み立てることができない。魔力をカットするためブラックスライムを使ってコーティングすると、組み立てることはできたものの、今度は手袋が浸食されて使うことができず、魔封箱に入れておくことにする。
魔剣制作は終わりにし、赤ワインで乾杯する2人。ヴォルフは2日後からこの時期恒例のビックフロッグ退治に行くことになっているが、暑さで靴の湿気がひどく水虫に悩む隊員も多いと話し、それを聞いたダリヤは、父カルロのために試作した五本指靴下をヴォルフに渡し、代金の代わりに試作品のレポートを書くことを依頼する。
遠征の前日、アルテアを訪ねたヴォルフは、楽しい女性に出会った、会えて幸運だったと話す。ヴォルフが帰った後、アルテアは、罹りかけている麻疹(はしか)にいつ気が付くのかしら、とつぶやく。
遠征に出たヴォルフは、ダリヤに渡された乾燥魔法が付与された五本指靴下と風魔法が付与された中敷きを試してみるが、効果は抜群だった。ヴォルフの勧めで履いてみた、同僚のドリノもその効果に驚き、水虫予防になると聞いた隊員たちはみんなほしがる人気商品となり、ヴォルフは、これは大変なことになりそうだと内心焦る。
原作ラノベでは、第2巻「魔導具師ダリヤはうつむかない~今日から自由な職人ライフ~ 2」の1~3節目、「約束を待つ二人」と「人工魔剣制作~魔王の配下の短剣~」、「公爵家の魔女」におおむね対応するエピソードになっています。
第8話 ロセッティ商会
<暑さと湿気の厳しい土地へ遠征に向かうヴォルフに、ダリヤが渡した試作品の魔導具・五本指靴下と乾燥中敷きが討伐部隊内で話題となり皆が欲しがる大人気商品になってしまう。ただちに正式導入したいと、騎士団から大量発注がかかり、手に負えなくなったダリヤはヴォルフとともに商業ギルドへ相談に行くことに。服飾ギルドや冒険者ギルドも巻きこんでの大きな話となっていき……。>
ビッグフロッグ退治の遠征でダリヤがヴォルフに渡した試作品の五本指靴下と中敷きは魔物討伐部隊の隊員たちに大人気となり、ヴォルフはあまりの効果に興奮する隊員たちの感想を書きとめる。
遠征から帰ったヴォルフは、ダリヤに五本指靴下と中敷きを80セットを早急にお願いしたいと伝え、大量のレポートと導入計画書を見せる。ダリヤは予想外の反響の凄さに驚き、商業ギルドに相談に行くことにする。
翌日、ダリヤはヴォルフと一緒に商業ギルドに行ってガブリエラたちと相談し、ヴォルフにロセッティ商会の保証人になってもらうことにすると、ヴォルフは公証人のドミニクからスカルフォロット家に挨拶と報告に行くことを勧められる。ガブリエラとドミニクは、ダリヤが開発した靴下と中敷きが王城全体、そこから貴族、庶民にも広まるだろうと考え、拡大する需要に応えるため、服飾ギルドや材料となるグリーンスライムを養殖するため冒険者ギルドも巻き込むことにする。商業ギルドの仲介で、ダリヤは服飾ギルドと冒険者ギルドと打ち合わせを行い、契約条件を詰める。
打ち合わせが終わってホッとするダリヤに、打ち合わせでのダリヤの発言が気になったヴォルフは、これから貴族と話す際に避けたい言い回しを知っておいた方がいいと助言する。一方、ガブリエラは、打ち合わせで商業ギルドよりもロセッティ商会の利益を優先させる発言をしたイヴァーノにその理由を問い質すと、イヴァーノは商業ギルドを辞めると申し出て辞表を提出する。
イヴァーノはヴォルフと会い、ロセッティ商会は大きくできる商会、私はダリヤの隣で商会を発展させたい、自分をダリヤに推薦してほしいとお願いする。ヴォルフは、ダリヤと商会に意図して不利益をもたらさない、何かあったときは商会よりも何よりも優先してダリヤを守ってほしい、の2つの約束を条件にそれを受け入れる。
翌日、再びガブリエラと会ったダリヤは、ダリヤが開発した泡ポンプボトルを友達に勧めたら200本の注文が来たと告げ、オルランド商会長から取次の依頼が来ていると知らされる。オルランド商会長のイレネオは、ダリヤに謝罪として金貨を差し出し、魔導具登録の件でトビアスを訴えないでほしい、代わりに、今後3年間ダリヤからの注文素材は仕入れ値で回すと提案する。それを受け入れたダリヤは、妖精結晶をできるだけ早く入手してほしいとお願いする。そして、イレネオは、カルロに頼まれた、自分からの迷惑料だと思ってくれ、と結婚祝のために用意していたユニコーンの角をダリヤに差し出す。
一方、ドミニクの勧めに従って、スカルファロット家を訪れたヴォルフは、長兄のグイードと久しぶりに会うのだった。
原作ラノベでは、第2巻「魔導具師ダリヤはうつむかない~今日から自由な職人ライフ~ 2」の5節目「黒の死神と魔物の抜け殻」、7節目「大蛙討伐とレポート」の前半部分、8節目「商業ギルドで打ち合わせ」の前半部分、9節目「商業ギルドで迷走会議」、6節目「謝罪と一角獣の角」におおむね対応するエピソードになっています。
第9話 悪夢を越えて
<ロセッティ商会の保証人になった件について話すため、王都にある実家スカルファロット家の別邸を訪れるヴォルフ。 迎えた兄・グイードは歓迎し、惜しみない協力を申し出る。 これまで交流のなかった弟の世話を熱心に焼こうとするのはなぜなのか、その原因が、ヴォルフの母がグイードらを守って命を落としたことにあると気づき……。 一方、ダリヤは泡ポンプボトル改良のため、職人のフェルモに共同開発の依頼を持ち掛ける。>
スカルファロット家の別邸を訪れたヴォルフに長兄のグイードが対応する。ヴォルフがロセッティ商会の公証人になったことを報告すると、グイードは、この別邸は好きに使っていい、困ったことがあったら言ってくれ、と協力を申し出る。不自然なほどに親身なグイードの態度は、ヴォルフの母・ヴァネッサがグイードと彼の母を襲撃から守って命を落としたときに自分が何もできなかった罪悪感が原因だと知る。惜しみない協力を申し出るグイードに、ヴォルフは妖精結晶の入手をお願いする。別邸を出たヴォルフは、これまで繰り返し見てうなされてきたヴァネッサが命を落とした時の悪夢を、ダリヤと出会ってから一度も見ていなかったことに気付くのだった。
一方、泡ポンプボトルの改良のため、ガンドルフィ工房の小物職員・フェルモと会ったダリヤは、使い方に応じた改良のアイデアを立て続けに提案するフェルモに、共同開発者となってもらうことを申し出る。職人気質のフェルモは、既に完成している泡ポンプボトルの共同開発者となることを頑なに拒むが、最後はダリヤの強い希望を受け入れ、共同開発者となることを認める。
翌日、ヴォルフは貴族の会話マナーが書かれた本を持ってダリヤの家を訪れると、ダリヤは怪我をしていた。心配するヴォルフに、ダリヤは魔法を付与しようとして吹っ飛んだだけだとを明かす。スコル(天狼)の牙で風魔法を付与した腕輪にうっかり魔力を流してしまったことが原因だった。ダリヤからその腕輪を見せられたヴォルフは、外部魔力のない自分なら使えるのではと考え、試してみてもいい?と申し出る。
原作ラノベでは、第2巻「魔導具師ダリヤはうつむかない~今日から自由な職人ライフ~ 2」の11節目「兄弟と悪夢」、8節目「商業ギルドで打ち合わせ」の後半部分、10節目「一角獣のペンダント」、12節目「天狼の腕輪」の冒頭部分におおむね対応当するエピソードになっています。
第10話 王城への招待
<風魔法の効果を付与した腕輪型の魔導具を試作したダリヤ。 すさまじい跳躍を可能にする腕輪に興味をそそられたヴォルフは、自分専用の魔導具にしてもらうことに。 一緒に食事を楽しんだり、ヴォルフの話をヒントにダリヤが靴乾燥機の魔導具を新しく作ったり、二人の時間は過ぎていく。 その翌日、商業ギルドを訪れていたダリヤの元に、魔物討伐部隊の副隊長が書簡を届けに来る。>
ヴォルフは、ダリヤが風魔法の効果を付与したスコルの腕輪を、自分の持ち物として登録する「紅血設定」をしてほしいと頼み、ダリヤはヴォルフに腕輪を試してもらうことにする。ヴォルフがダリヤの家の庭に出て跳躍すると、家の3階まで軽々と飛ぶ。面白がって飛び跳ねたヴォルフだが、危険な実験は1人でやらないでほしいとダリヤにお願いし、ダリヤは自分に何かあったときにヴォルフが家の門を開けられるよう、魔法登録する。
家に入って、ヴォルフが持ってきた貴族の会話マナーの本を開いたダリヤは、意味が分からないと思いながら避けたい言い回しを何気なしに読み上げるが、それを聞いて困惑するヴォルフから、音読は控えてほしいと言われ赤面する。ちょうどそこに、マルチェラがアサリを届けに来てくれ、ダリヤはそれを料理してヴォルフと一緒に食べる。ヴォルフとの話の中で、ドライヤーを改造して革靴を乾かせればと思いつき、さっそく靴乾燥機を試作し、20分くらいで完成する。ダリヤの話で水虫が人からうつると初めて知ったヴォルフは、ダリヤが話す注意事項をメモする。
翌日、完成した靴乾燥機の取り扱いについてイヴァーノに相談すると、必ず売れると太鼓判を押し、今後の販売戦略の参考に、作りたいと思っているものを思いつく限り教えてほしいと頼む。ダリヤは、小型魔導コンロの小型化や防水布の軽量化など、考えているものをイヴァーノに話すと、イヴァーノは、片っ端から登録して売っていくが、人工魔剣だけは身の安全のために口外しないよう注意する。
イヴァーノとの打ち合わせの後、書類を確認してもらうためガブリエラを訪れたダリヤだが、そこに、魔物討伐隊長の使者として、副隊長のグリゼルダがダリヤを訪ねてくる。グリゼルダが渡した隊長からの書簡は王城への招待状で、翌日の午後に王城に向かうことになり、大慌てで支度を始め、従者として同行するイヴァーノとともにガブリエラから作法と挨拶を仕込まれる。
原作ラノベでは、第2巻「魔導具師ダリヤはうつむかない~今日から自由な職人ライフ~ 2」の12節目「天狼の腕輪」の冒頭の後からの部分と13節目「商会員と王城への招待状」におおむね対応当するエピソードになっています。
第11話 空へと咲く花
<魔物討伐部隊長からの書簡で招きを受けたダリヤは、王城へ向かう。 急な呼び出しに緊張しながら待っていると、現れたのはヴォルフだった。隊長のグラートがダリヤに直接、五本指靴下と乾燥中敷きのお礼が言いたいのだという。 王城訪問を終えた夜、訪ねてきたヴォルフ。彼と酒を飲みながら互いに秘密を暴露しあう遊びをする。 ダリヤは今まで一度も触れなかった自身の母についてヴォルフに語り……。>
イヴァーノとともに緊張しながら馬車に乗って王城に向かったダリヤは、城門から入ってすぐの馬車の停まり場で降り、イヴァーノに見送られて1人で王城に入る。待合室に案内され、魔物討伐部隊の迎えが来るまで待つダリヤに、ヴォルフが迎えにやってくる。魔物討伐部隊に向かう馬車の中で、ヴォルフは隊長のグラートが五本指靴下と乾燥中敷きのお礼を直接言いたいのだと急な呼び出しの理由を話す。
魔物討伐部隊の応接室でグラートたちと面会するダリヤ。同席した靴下と中敷きを試した隊員たちも、ダリヤが差し出した試作中の量産型の靴下と中敷きを喜ぶ。ダリヤは水虫対策の方法を書いたメモを渡し、対策について説明すると、一同は大喜びした感謝するが、あまりの詳しさに、ダリヤ自身が水虫なのではと疑い、ヴォルフの軽はずみな一言で、ダリヤは声を荒げてしまう。
隊員たちからの勧めで、ヴォルフは花束やシュークリームを持って謝罪に行くことにする。ヴォルフが出て行った後、残った隊員たちは、ダリヤに対するヴォルフの態度を見て、ヴォルフがダリヤに恋しているのだろうと話す。
ダリヤの家を訪れたヴォルフは、ダリアの花束とシュークリームを差し出して謝罪する。ダリヤは謝罪を受け入れて、ヴォルフを家の中に招き入れ、一緒にシュークリームを食べる。
その後、氷温ワインを一緒に飲む2人は、ヴォルフが隊員たちとやっている秘密を打ち明ける「ディザスラドゥ」(暴露大会)をやることにする。先番になったダリヤは、母が自分を産むために実家に戻ったきり父のもとには帰らず、別の人と再婚したこと、母は押し掛け女房だったが、子どもができて恋が冷めてしまったのかもしれない、でも、父は一度も母の悪口を言ったことがない、と母のことを初めて話す。
後番のヴォルフも、騎士だった自分の母の話を始め、自分が10歳の時に襲撃に遭って、母を含めて20人ほどが命を落とし、第一夫人と兄、自分だけが生き残ったことなどを明かし、自分が魔剣をほしがる理由を話す。そして、ヴォルフは、「ダリヤ」という名前は君に似合っている、うつむかず、空に向かってまっすぐに咲いているダリヤという名前が、と自分の思いを話すのだった。
原作ラノベでは、第2巻「魔導具師ダリヤはうつむかない~今日から自由な職人ライフ~ 2」の14節目「王城と水虫と魔導具師」と15節目「謝罪と暴露大会」におおむね対応当するエピソードになっています。
第12話 魔導具師ダリヤはうつむかない
<久しぶりに人工魔剣の試作に取り組むダリヤとヴォルフ。 作業を終えて机を片付けていた時、置きっぱなしになっていた鏡蛇の鱗が目に留まる。 めくらまし効果があると言われている鏡蛇の鱗。ダリヤが付与を試みると、突如鱗が光り出し二人を取り囲む。 光の中で二人が見た光景は、煌びやかなダンスホールで一緒に踊る自分たちの姿だった。>
ヴォルフが短剣を持ってダリヤの家を訪れ、2人は久しぶりに人工魔剣の試作に取りかかる。準備をしながら、ヴォルフは先の遠征で紅血設定をした腕輪が役に立ったことを話す。
前回の反省から、土魔法を使うイエロースライムを使った人工魔剣の試作を始めた2人。それぞれの部位に前回と同じ魔力を付与して組み立てようとするが、土魔法のせいで付与した魔力が完全に遮断されていた。前回の魔剣をイエロースライムの薬液で包むことを試してみると、浸食はなくなり、素手で持てるようになったが、テーブルの上に置くと、その剣は這い寄るように少しずつ移動し、2人とも不気味に感じる。
魔剣の試作を終えて部屋を片付けるダリヤが目を留めた木箱が気になったヴォルフがそれは何か尋ねると、ダリヤは、目くらまし効果があるという鏡蛇の鱗だと言ってそれを見せ、珍しい物だからと取引先の人が特別に届けてくれた、輝きが綺麗すぎて、その鱗を付与したランタンで未来が見えたという話もある虹蛇かと思ったと話す。ヴォルフがそれを短剣に付与してみることを提案し、ダリヤがその鱗に触れると、突然その鱗が光り出す。光に取り囲まれた2人が見たのは、多くの人が集まったダンスホールで一緒に踊る自分たち2人の姿だった。意識を取り戻したダリヤは、これが紅蛇の鱗だとすると、見たのは未来の光景なのかと考えをめぐらせる。ダリヤの家を辞したヴォルフも、歩きながら、あれが未来だったら、と思う。
商業ギルドでイヴァーノ、ガブリエラと打ち合わせをするダリヤは、恋愛も結婚も考えていないと話し、お見合い話は断ってもらうようお願いする。ダリヤが出て行った後、ガブリエラは、ダリヤが商会を大きくして男爵になれば公爵家の息子を婿に取るのもアリだろうと話し、イヴァーノは、俺が目指す商会規模は最低でもそのくらいにする、と話す。
ダリヤが家に帰ると、イルマ、ルチア、マルチェラがもう来ていた。ダリヤは婚約破棄からの3人の助けに感謝し、4人は久しぶりに楽しくお酒を飲む。その夜、ダリヤはカルロの夢を見る。
ダリヤは、ヴォルフと一緒に馬車に乗り、カルロの墓参りに出かける。墓地の入口でダリヤと別れたヴォルフは、母のヴァネッサの墓前に立ち、グイードと話したこと、守りたい友ができたことを報告し、守りたい者を守れる騎士になると誓う。一方、カルロの墓前にやってきたダリヤは、トビアスとは終わってしまったこと、商会を立ち上げたこと、友人ができたことなどを報告して、カルロに感謝し、とうさんを超える魔導具師になると誓う。それぞれの墓参りを終え、再び落ち合った2人は、楽しく語らいながら、墓地を後にするのだった。
アニメオリジナルの要素も加えられているようですが、原作ラノベでは、第3巻「魔導具師ダリヤはうつむかない~今日から自由な職人ライフ~ 3」の5節目「人工魔剣制作二回目~這い寄る魔剣~」と4節目「茨の道」、第2巻「魔導具師ダリヤはうつむかない~今日から自由な職人ライフ~ 2」の16節目「雨上がりの墓参り」におおむね対応当するエピソードになっています。
(ここまで)
原作小説はまだ続いていますので、テレビアニメの続編の制作も期待したいところです。