鷺の停車場

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テレビアニメ「推しの子」(第2期)②第17話~第20話

テレビアニメ「推しの子」の第2期、序盤の第16話までに続いて、中盤の第17話~第20話(第2期の第6話~第9話)を紹介します。

ichigoproduction.com

繰り返しになりますが、2020年4月から週刊ヤングジャンプに連載されている、原作:赤坂アカ・作画:横槍メンゴによる同名コミックを原作にテレビアニメ化された作品で、2023年4月から6月までの2023春クールでTOKYO MXなどで第1期が放映され、第2期は、本年7月から9月までの2024夏クールで、TOKYO MXなどで放映されていました。

主要スタッフは、監督:平牧大輔、助監督:猫富ちゃお・仁科くにやす、シリーズ構成:田中仁、キャラクターデザイン:平山寛菜、総作画監督:平山寛菜・渡部里美・横山穂乃花・稲手遥香・監物ケビン雄太、メインアニメーター:早川麻美・水野公彰・室賀彩花、アニメーション制作:動画工房 など。


公式サイトのイントロダクションでは、

 

新たな舞台の幕が開く──

人気マンガ『東京ブレイド』の舞台稽古が始まった。
劇団ララライの役者達に囲まれ、大きく飛躍するかな。
かなの才能を認めながら、ライバル心を激しく燃やすあかね。
才能と熱意のある役者が集う中、アクアは演技すらも利用してアイの死の真相を追い続ける──。
そしてアイドルとして母の背中を追い続けるルビーは……。

 

・・・という物語。

 

公式サイトで紹介されている主要登場人物とキャストは、次のとおりです。< >内は第17話~第20話でそのキャラクターが登場(声優が出演)する放送回です。

  • アクア【大塚 剛央/内山 夕実(幼少期)】:本名は星野愛久愛海(アクアマリン)。ルビーの双子の兄。母親であるアイを殺した犯人を見つけ出すため、芸能界に足を踏み入れる。苺プロダクションに所属し俳優として活動しており、舞台「東京ブレイド」にて刀鬼を演じる。<第17~20話>※幼少期は第20話のみ

  • ルビー【伊駒 ゆりえ】:本名は星野瑠美衣(ルビー)。アクアの双子の妹。苺プロダクションのアイドルグループ「B小町」として活動し、亡き母であるアイのようなアイドルになることを目指している。<第18~20話>

  • 有馬 かな【潘 めぐみ】:幼い頃から子役として活動しており当時は「十秒で泣ける天才子役」と評判だった。舞台「東京ブレイド」では「ツルギ」を演じる。ルビーに誘われて「B小町」としてアイドル活動もしている。<第17~20話>

  • 黒川 あかね【石見 舞菜香】:劇団「ララライ」に所属している女優。舞台「東京ブレイド」で鞘姫を演じる。恋愛リアリティーショー番組でアクアと出会い、ビジネスカップルとなった。<第17~20話>

  • MEMちょ【大久保 瑠美】:YouTubeTikTok共に多くのフォロワーを抱える人気インフルエンサー。「B小町」に加入しアイドルとしても活動している。<第20話>

  • 姫川 大輝【内山 昂輝】:劇団「ララライ」の看板役者。舞台「東京ブレイド」では主人公ブレイドを演じる。<第17~21話>

  • 鳴嶋 メルト【前田 誠二】:「今日は甘口で」にて有馬かなと共演したモデル兼役者。舞台「東京ブレイド」でキザミを演じる。<第17~20話>

  • 鴨志田 朔夜【小林 裕介】:2.5次元舞台を中心に活躍する人気役者。舞台「東京ブレイド」で匁(もんめ)を演じる。<第17~20話>

以上の8人のほか、第17話~第20話で登場する役名が付いている登場人物として、次のような人物がいます。< >内はそのキャラクターが登場(声優が出演)する放送回です。

  • アイ【高橋 李依】:本名は星野アイ。その天性の輝きで一世を風靡した苺プロダクション所属アイドルグループ「B小町」のセンター。秘密裡にアクアとルビーの双子を出産して育てるが、2人が幼い頃に殺されてしまう。<第20話>

  • 雷田 澄彰【鈴村 健一】:舞台「東京ブレイド」の総合責任者。<第17・20話>
  • 鏑木 勝也【てらそま まさき】:敏腕プロデューサー。有馬が主役を務めたドラマ「今日は甘口で」に出演したアクアに恋愛リアリティショー「今からガチ恋始めます」(今ガチ)への出演を誘った。<第19・20話>

  • 金田一 敏郎【志村 知幸】:劇団「ララライ」の代表。舞台「東京ブレイド」の演出を務める。<第17~20話>

  • 五反田 泰志【加藤 康之】:映画監督。幼いアクアに目をかけて出演させ、アクアが芸能界にかかわるきっかけを作る。アクアの弟子入り志望を受け入れ、演技指導や映画撮影の手伝いをさせる。<第18・19話>

  • みた のりお【興津 和幸】:舞台「東京ブレイド」に出演する劇団「ララライ」の俳優。<第17~20話>

  • 化野 めい【関根 明良】:舞台「東京ブレイド」に出演する劇団「ララライ」の女優。<第17~20話>

  • 吉冨 こゆき【水野 朔】:舞台「東京ブレイド」に出演する劇団「ララライ」の女優。<第17~20話>

  • 林原 キイロ【沢城 千春】:舞台「東京ブレイド」に出演する劇団「ララライ」の俳優。<第17~20話>

  • 船戸 竜馬【露崎 亘】:舞台「東京ブレイド」に出演する劇団「ララライ」の俳優。<第17~20話>

  • 雨宮 吾郎【伊東 健人】:宮崎県の宮崎総合病院の産婦人科医。アイの大ファンで、偶然に双子を妊娠したアイの主治医となるが、アイの出産直前、何者かに殺害され、アクアとして生まれ変わる。<第20話>

  • 鷲見 ゆき【大西 沙織】:アクア、あかね、MEMちょが出演した「今ガチ」での共演者の1人で、ファッションモデルの高校1年生。<第20話>

  • 熊野 ノブユキ【大野 智敬】:「今ガチ」の共演者の1人で、ダンサーの高校2年生。<第20話>

  • 森本 ケンゴ【坂 泰斗】:「今ガチ」の共演者の1人で、バンドマンの高校3年生。<第20話>

  • あかねの母【大井 麻利衣】:黒川あかねの母親。<第18話>
  • あかねの父【高橋 伸也】:黒川あかねの父親。<第18話>

  • 笑美里の母【佐藤 榛夏】:子役時代の黒川あかねが参加したオーディションに来ていた子役の母親。<第18話>

  • 音響監督【矢野 優美華】:舞台「東京ブレイド」の音響監督。<第17話>

  • 音響スタッフ【田中 啓太郎】:舞台「東京ブレイド」の音響スタッフ。<第17話>

  • キザミ代役【戸谷 菊之介】:舞台「東京ブレイド」の稽古でキザミ役の代役を務めた男性。<第17話>

  • スタッフ【丸岡 竜馬】:子役時代の黒川あかねが参加したオーディションの際、出来レースだとあかねに明かしたスタッフ。<第18話> 
  • スタッフ【川井田 夏海】:アクアたちが出演した舞台「東京ブレイド」のスタッフ。<第20話>

  • ルナ【天野 聡美】:姫川とアクアが金田一を連れていった会員制のバーのホステスで役者。<第20話>
  • ホステス【仁見 紗綾】:姫川とアクアが金田一を連れていったバーのホステス。<第20話>

  • バーテンダー【山口 智広】:姫川とアクアが金田一を連れていったバーのバーテンダー<第20話>

  • 女性客【遠野 ひかる/宮白 桃子】:舞台「東京ブレイド」を観劇中にメルトの演技の感想を漏らす観客。<第17話>

 

各話ごとに紹介すると、次のとおりで、< >が公式サイトで紹介されているストーリーです。

第十七話【成長】

<優秀な『東京ブレイド』出演陣に囲まれて、メルトは無力な自分に苦しんでいた。『今日あま』での後悔をバネに地道な努力を続けてきたメルトに、アクアが授けた秘策とは──!?>

舞台「東京ブレイド」の初日、劇場は女性ファンを中心に満員となっていた。姫川大輝、黒川あかね、有馬かな、鴨志田朔夜、アクアと、プロデューサーの雷田澄彰が作った隙のない布陣の中で、唯一不安視されていたのがモデル出身で演技経験が少ないメルトだった。アクアと同じく鏑木の推薦でキャストに入ったメルトだったが、周囲とのレベル差は歴然で、雷田の目には、演技は良くて及第点に届くというレベルで、見せ場である鴨志田演じる匁との対決シーンでは、その浮いた演技が目立ちはじめる。

かつてかなと共演したテレビドラマ「今日は甘口で」では、見事な大根役者だったメルトは、そのときアクアが仕掛けた本気の演技に打たれたことで、自分の演技が作品を台無しにしてきていたことを悔やみ、心を入れ替えて本気で演技に取り組み、自分の実力不足に悩みながらも努力を積み重ねてきた。そして、アクアが与えたアドバイスは、演技が下手に思われていることを活用することだった。

そして、匁に追い詰められてからの反撃、その1分のシーンに自分の全てを注いだメルトは、本番で覚醒し、キザミの気持ちに、劣等感に打ちのめされた自分の悔しいという感情を乗せ、気迫の感情演技で会場を飲み込むと、圧倒された観客たちは静まり、遅れて万雷の拍手を送る。

そして、出番を終えた舞台裏。それまでメルトの素人演技を見下してきた鴨志田はメルトの感情演技を認めて、称える。一方、観客席では、厳しい目でメルトを見ていた「今日は甘口で」の原作者・吉祥寺頼子も感動の涙を浮かべるのだった。

第十八話【太陽】

<幼い頃、かなに憧れて演技の世界に飛び込んだあかね。だが、そこで目にした厳しい現実……以来、あかねは努力を重ね続けてきた。そしてついに、待ちわびた真っ向勝負の時が来る!>

大好きなかなのようになるために、あかねは一生懸命にかなの演技を分析していたが、出来レースのオーディションでかなに拒絶されてからは、かなの気持ちを知ろうと心理学に没頭するようになる。そうして生まれたのが、役の人物を考察し、自分の中に取り込むプロファイリング演技だった。それと同時にあかねが理解したのは、かなが抱えていた恐怖。あかねがプロファイリングしたとおり、かなは、子役としての賞味期限が切れるにつれて仕事が減り、必要とされなくなる恐怖に怯えていた。

幼少期から子役として活躍し、経験値をいかした受けの演技で共演者の演技や作品を支える有馬かな。子役時代のかなの演技は、自己主張が強く、自分自身が輝く太陽のようなものだったが、子役の卒業とともに仕事が減り、使ってもらうために、大人にとって使いやすい、周りを引き立てる受けの演技をする役者になったのだ。

しかし、かつてのかなの太陽の演技に憧れたあかねは、本気のかなに勝つために、かなの本気の演技を引き出そうと、自分の全力の演技をぶつけていく。そのあかねに対して、かなも心を躍らせて本気の演技をぶつけようと踏み込むが、直前、仕事がなくなったときの記憶が蘇って、その足は止まり、いつもの受けの演技に戻り、あかねを輝かせることに徹してしまう。

もどかしい思いでかなとの絡みを終えたあかねだったが、アクアも、あいつは自分のことを分かってない。有馬は、私を見ろって顔してるときが一番輝いてるのに、と語り、前に引きずり出すぞ、俺たちで、とあかねに宣言する。

第十九話【トリガー】

<芸能界で生き残るため、使いやすい役者になることを選んだかな。だがアクアに背中を押され……!?一方、演技を楽しいと感じるとパニック障害を起こしてしまうアクアが選んだ、唯一の方法は──>

姫川大輝の炎のような感情演技とアクアの氷のような無感情演技がぶつかる。姫川がが仕掛けたアドリブに対して、さらにアドリブで仕掛け返すアクア。それによって、かなが舞台の真ん中に引きずり出される。かなは、役者の世界で生き残るために、大人が使いやすい調整役の演技を自分に課してきた過去を回想する。

芸能人になりたかったかなの母は娘に夢を託し、かなの活躍を通して芸能界の世界を楽しんでいたが、人気が翳るとともに母親はかなの人気を保つために必死になり、父親は他の女性と不倫するようになり、家庭はおかしくなっていった。そうした中、五反田奏志の助言を受け、芸能界で生き延びるために、自由奔放な演技を止め、人に合わせる調整役の役者になったかな。その方がみんな喜ぶから、大人の人もママも、私は主役じゃなくていい、と自らを納得させていた。

しかし、そんなかなを、アクアは自分が受け役を担うことで解き放とうとする。俺も有馬がやりたい芝居を見てみたい、というアクアの演技に込めたメッセージに背中を押され、かなは好きな演技を好きなようにやる子役時代の太陽の演技を見せる。それを見たあかねは、かなちゃん…かなちゃん…かなちゃん…有馬かな!と、帰ってきた「推し」の演技にときめく。

一方、感情を乗せて演じようとするとパニック症状を引き起こしてしまうアクア。アクアと接する中で、アクアとルビーがアイの子どもであると気づいた五反田は、発症のトリガーとなっているのが演技を楽しむことへの罪悪感、ひいてはアイへの罪悪感だと見抜き、演技から離れて治療に専念するのも手だと言うが、アクアは、アイの無念を晴らすことだけが俺の生きる意味だ、とそれを拒絶していた。それに対し、五反田は、苦しみながら芝居をしろ、お前にとって演技は辛く苦しいものであれ、楽しいなんて二度と思うな、と葛藤を抱きながら助言したのだった。

かなやあかねが持つようなスター性がないことを自覚しているアクアは、瞳の星は闇色へと変化し、復讐心を糧とした鬼気迫る感情演技を見せながら、お前らを下して、俺はこの業界での評価を手にする、他は何もいらない、俺にとって演じることは復讐だ、と心の中で叫ぶのだった。

第二十話【夢】

<過去を思い出しながら、痛々しくも迫真の感情演技を見せるアクア。悔しさ、悲しさ、そして救えていたらという叶うはずもない夢……すべてを利用して、アクアは演じきる──!>

アイ、ルビーとの3人でいたときのことを思い出しながら、鬼気迫る演技でブレイドに鬼の牙を立てるアクア演じる刀鬼。感情演技が苦手なアクアが見せた怒りと憎しみの爆発に、有馬かなは思わず息を呑む。

感情演技をするためにアクアが取った方法は、アイへの罪悪感を抱えて苦しみながら演技をすること。そんなアクアの感情演技に、かなは凄み以上に痛々しさと苦しさ感じ取る。

物語は鞘姫が死の淵から生還する場面に移り、アクアは、もしもアイが生きていたら、という叶わぬ夢を息を吹き返した鞘姫の姿に重ね、圧倒的な演技を見せる。

そうして、「東京ブレイド」の初日公演は大成功を収める。しかし、黒川あかねは、恋愛リアリティーショーで共演した仲間たちに天才役者と称賛されても、本当の天才っていうのは姫川や有馬かなみたいな人だ、もっとうまくなりたい、と号泣してしまう。一方、有馬かなも、私は天才なんかじゃない、板の上で好き勝手にやって天才ぶるのはわりと簡単なこと、とルビーに話し、あかねの演技を思い返していた。

初日の打ち上げに行ったアクアは、劇団の主催者であり創設メンバーでもある金田一敏朗を酔わせて当時のことを聞き出そうとするが、飲ませ過ぎて酔い潰れてしまう。しかし、アクアは、姫川に私的DNA型鑑定書の結果を見せる。そこには、同一の生物学的父親を持つ異母兄弟である可能性が高いと判定できます、と記されていた。

(ここまで)

 

続きはまた改めて。