鷺の停車場

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ほのぼのる500「最弱テイマーはゴミ拾いの旅を始めました。3」

ほのぼのる500「最弱テイマーはゴミ拾いの旅を始めました。」の第3巻を読みました。

2018年11月から小説投稿サイト「小説家になろう」に連載され、TOブックスで単行本が刊行されているライトノベルの第3巻。2020年4月に刊行された第2巻の約7か月後の2020年11月に刊行されています。2024年1月から3月までの2024冬クールにTOKYO MXなどで放送されたテレビアニメ版を見たのをきっかけに、第2巻に続いて読んでみました。 

背表紙には、次のような紹介文が掲載されています。 

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ゴミ拾いの旅を続ける少女アイビーと相棒ソラの最弱コンビ。
旅のお供を探し中の彼女たちは、瀕死の冒険者ドルイドと出会う。
すぐさま治療に勤しむものの―—なぜかソラが二匹に分裂!?
頭を抱えるアイビーだったが、親身になってくれるドルイドとの日々に心を救われていく。
次第に打ち解けて、彼もまたアイビーと同じ「役立たず」で「問題大あり」なスキルを持つものだということが発覚!
家族に疎まれて、新しい冒険への一歩を踏み出せないドルイドを見て彼女は声をかける―—。
「私と旅をしてくれませんか?」
同じ傷を背負ったアイビーの言葉は届くのか?

似たもの同士大集合で、賑わいも和みの力も倍増!
愛され癒し系ほのぼのサバイバルファンタジー第3弾!

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本巻からは、冒頭のキャラクター紹介のページが設けられています。そこで紹介されている登場人物は、次のとおりです。

  • アイビー:スキルの星がなかったため、親から見放され、サバイバルの旅に出る。前世の記憶を持つ。男の子に間違えられがち。

  • ソラ:アイビーが初めてテイムしたスライム。崩れスライムというレア種族。ぶるぶる震えがち。

  • シエル:行く先々で出会ったアダンダラ(猫の魔物)。なぜかアイビーに懐いている。ついもふもふしがち。

  • オグト:ラトメ村の自警団員、門番・見回りの隊長。考えるよりすぐ行動しがち。

  • ヴェリヴェラ:ラトメ村の自警団員、門番・見回りの副隊長。面倒見がいいので、つい隊長のフォローをしがち。

  • セイゼルク:上位冒険者チーム「炎の剣」のチームリーダー。がっちりしていて、つい脳筋な行動をしがち。

  • ラットルア:上位冒険者チーム「炎の剣」のメンバー。褐色の陽気な青年。仲間想いで、喜怒哀楽がコロコロ変わりがち。

  • シファル:上位冒険者チーム「炎の剣」のメンバー。紺色の髪の爽やかな青年。いつも笑顔だが、怒った時の無表情を怖がられがち。

  • ヌーガ:上位冒険者チーム「炎の剣」のメンバー。色黒の野性的な男性。肉が好きすぎて、食事の内容が偏りがち。

  • ボロルダ:上位冒険者チーム「雷王」のチームリーダー。いい加減なのに優しい見た目から、メンバーに相談されがち。

  • リックベルト:上位冒険者チーム「雷王」のメンバー。食い意地はヌーガといい勝負。吊り目なので、人相悪く見られがち。

  • ロークリーク:上位冒険者チーム「雷王」のメンバー。マールリークと名前が似ているけれど兄弟ではない。大雑把なボロルダに振り回されがち。

  • マールリーク:上位冒険者チーム「雷王」のメンバー。ロークリークと名前が似ているけど兄弟ではない。目が悪いせいで、不機嫌だと思われがち。

  • ミーラ:上位冒険者チーム「緑の風」のメンバー。アイビーと同じテイマー。大人っぽい見た目に反して、罠に嵌りがち。悪徳な奴隷商組織に手を貸していた。

  • マルマ:上位冒険者チーム「緑の風」のメンバー。トルトと双子で冒険者をしており、よく名前を間違えられがち。

  • トルト:上位冒険者チーム「緑の風」のメンバー。マルマと双子で冒険者をしており、よく名前を間違えられがち。

以上の登場人物のほかに、本巻で登場する名前が付けられているキャラクターとしては、次の人物がいます。

  • ログリフ:オルトワ町の冒険者ギルドのギルドマスター。通称「ギルマス」。

  • バークスビー:オルトワ町の自警団の団長。

  • アグロップ:オルトワ町の自警団の副団長。

  • ドルイド:オール町で出会った中位冒険者。33歳。

  • ゴトス:オール町の冒険者ギルドのギルドマスター。

  • エリド:オール町の冒険者ドルイドの後輩。

  • ドロ:オール町の冒険者
  • フレム:アイビーがテイムしたもう1匹の崩れスライム。赤いポーションを食べる。ソラの子ども。

  • ゴルギャ:オール町のゴルギャ奴隷商の店主。

  • ヒルス:オール町で出会った冒険者チームのメンバー。

  • ドルガス:ドルイドの兄。

  • ドルウカ:ドルイド、ドルガスの兄。商家の跡継ぎ。

  • シリーラ:ドルウカの妻。

  • トキヒ:ドルウカの商家の常連の肉屋。

  • マシューラ:オール町で出会った冒険者

本巻は、全体が「第4章」とされており、44話と番外編1話で構成されています。各話の概要・主なあらすじは、次のようなもの。

第4章 オール町と仲間 前編

127話 出発

アイビーは、ボロルダたちから正規版のマジックバッグなどをもらって、オール町に向け出発する。

128話 ソラの苛立ち?

ソラの精神状態がかなりおかしくなり、アイビーは心配になる。

129話 雷は怖い

雲が空全体を覆い、雷を恐れるアイビーは、少し遠回りになるが岩山のある方に行き、洞窟で雨と雷をやり過ごす。

130話 森の被害

晴天となった翌日、オール町に向かうため、アイビーが岩場を抜けて森に出ると、前日の風雨で木々がなぎ倒されていた。耳の大きな動物が木に挟まって動けなくなっているのを見つけたアイビーは、木を浮かせて助けてあげる。

131話 ソラの不思議

救出した動物を包み込んで怪我を治したソラは、寝床を探そうとするアイビーの言葉に反応して、岩場に突き進んでいき、洞穴を見つける。

132話 汚れ過ぎは駄目

翌日、岩場を抜けて森に戻ったアイビーは、ソラの様子を見て、ソラには治療が必要なのではと考えるが、シエルの反応を見て、まっすぐ町に向かうことにする。

133話 洗濯日和

オール町に向かいながら川を探したアイビーは、川で体の汚れを落とし、洗濯をする。

134話 ソラとソラ?

あと少しでオール町というところまでやってきたアイビー。ソラが突然どこかに向かって飛び跳ねていく。その後を追うと、ソラが血まみれになった人を治療していた。その周りを見ると、馬車や冒険者が大きな動物か魔物に襲われていた。そして、アイビーは馬車の中に魔物を惹きつける実である幸香があるのを見つける。ソラが治療を終えると、おかしな鳴き声が聞こえる。見ると、ソラが青いスライムと赤い崩れスライムの2匹に分裂していた。

135話 混乱、現状把握

混乱するアイビーだったが、ソラの治療で腕は失ったものの一命を取り止めた中位冒険者ドルイドに、ソラに治療されたことは話さないようお願いする。ドルイドは、幸香が積まれていた馬車は、依頼人が乗っていた馬車だと話す。

136話 幸香

オール町からギルドマスターのゴトスなど救援の冒険者たちが駆け付ける。ドルイドがゴトスに幸香を見せると、ゴトスは驚愕する。

137話 幼くはない!

ゴトスは組織を潰すのに貢献したアイビーのことを知っていた。ゴトスたちが帰っていった後、アイビーはドルイドたちと一緒にオール町に向かう。

138話 増えてる!

オール町の門にやってきたアイビーは、口座の白いプレートを出すと、保証人の欄には、ラトメ村のオグトに加えて、オルトワ町のログリフやバークスビーの名前が増えていた。

139話 魔物の変化?

オール町に入るアイビーは、ドルイドから、自分を襲ったグルバルはここ1~2年で強くなって狂暴化したと話す。ドルイドといったん別れたアイビーは、広場に行ってテントを張る。

140話 巻き込もう!

森に行くと、シエルがグルバルを8頭も討伐していた。報告する必要があるため、アイビーは急いで町に戻り、ドルイドに口裏合わせの協力を求めると、ドルイドはギルマスを巻き込もうと、アイビーがテイムしたアダンダラがグルバルを討伐したと報告する。

141話 私の性格?

現場を確認したギルマスは、アイビーが目立たないように協力してくれる。

142話 ソラの子供?

テントに戻ったアイビーは、ソラの子どもにフレムと名前を付ける。

143話 ソラと……剣?

翌日、ソラとフレムの食料であるポーションを求めて捨て場に行くと、ソラは勢いよく剣を食べる。それを見たアイビーはポーションのほかに、剣もマジックバッグに詰め込む。

144話 奴隷商は疲れる

町に戻ったアイビーは、シファルとラットルアが書いた紹介状を持ってゴルギャ奴隷商を訪れる。提示した条件に合った男性を紹介してもらうが、違和感を感じたアイビーはそれを断る。

145話 休憩中

奴隷商に行って疲れたアイビーは、見かけたドルイドを誘ってドーナツを買って休憩する。

146話 ギルマスさん

翌朝、ギルマスに呼び出されたアイビーは、持っていた果物などを冒険者ギルドを通して売ってもらえることになる。

147話 自分で判断します!

ドルイドを探して門番に尋ねると、そばにいたその兄のドルガスから、あんな奴と一緒にいると死ぬぞ、と文句を言われ、険悪な雰囲気になる。

148話 ギルマスさんはちょっと残念

アイビーは、門番にドルイドの家を教えてもらって訪ね、2日後に夕食を作ってあげる約束をする。

149話 らいす、こめ?

お店に行って籾殻付きの米「こめ」を見つけて買うアイビーだが、店の人から「こめ」は家畜のエサだと聞かされる。

150話 グルバルなんて嫌いだ!

森に行ったアイビーは、野兎などを捕まえるための罠を仕掛ける。

151話 暇人?

ドルイドのために料理を作ったアイビーのところに、ドルガスがやってきて、俺は奴のせいで星を失った、とドルイドの悪口を言う。そこにドルイドがやってくる。自警団の人が止めに入り、ドルガスは広場から出て行く。

152話 大満足!

ドルイドと作った料理を食べ、アイビーは自分が作った料理に大満足する。

153話 倒したのはいいけれど……

翌日、アイビーがドルイドと一緒に森に向かうと、いたるところでグルバルの痕跡が見つかる。さらに、グルバルの大群が見つかるが、シエルが襲い掛かり、20頭以上のグルバルを倒す。

154話 問題はギルマスに

アイビーは冒険者ギルドに行ってグルバルの件をギルマスに報告するが、ギルマスは誰が討伐したことにするか頭を抱えるが、結局、魔物に襲われたことにする。

155話 ぷらす? まいなす?

ドルイドはアイビーに、自分の3つめのスキルが「+/-」で、それが知らない間に兄たちのスキルを奪ってしまった、アイビーの星を奪ってしまう可能性もあると打ち明ける。

156話 びっくり箱

アイビーは、自分が星なしのテイマーであること、前世の記憶を持っていることを打ち明け、ドルイドに一緒に旅をしてくれないかとお願いする。

157話 最善の答え

ドルイドは旅の話の返事は少し待ってほしいと話し、アイビーは最善の答えを出してくださいとお願いする。

158話 ドルイドとギルマス

本話と次の159話は、ドルイドの視点から描かれています。

ドルイドが店で飲んでいると、ギルマスから声を掛けられる。アイビーにはすべて話したけど問題ないと伝え、旅に誘われたことを話すと、いい加減に自分の道を歩け、と背中を押される。

159話 ドルイドとドルウカ

店を出て家に帰ったドルイドは、家の前で待っていた長兄のドルウカに声を掛けられる。ドルウカは、店の常連のトヒキに諭されたこと、父にお前には店を任せられないと告げられたことなどを話し、星に拘りすぎて酷いことをしたと謝る。

160話 決定!

翌日、ドルイドはアイビーに、ドルウカに謝られたが答えることができなかったことを打ち明けると、アイビーは、すぐに答える必要なんてない、新しい関係を築いてからでいいのではないかと話す。ドルイドは、一緒に旅をしたいとアイビーに答える。

161話 少しずつ役割分担

森に仕掛けた罠を確認すると、シエルのおかげで15匹の野兎がかかっていた。アイビーは前に米を買った店が、ドルイドの父の店だと知る。

162話 少しずつ好転

アイビーはドルイドと一緒に肉屋のトキヒを訪れ、捕まえた野兎の肉を売る。

163話 お年は?

肉屋を出て、米を買いにドルイドの父の店に向かったアイビー。米の感想を聞く店主にアイビーは、今日ドルイドと一緒に食べるので食べに来ないかと誘う。

164話 あった! でも逆?

「しょうゆ」と「ぽんず」も買ったアイビーは、野バトの肉と卵を使って、親子丼もどきを作る。

165話 親子だな~

米もうまく炊き上がり、親子丼もどきを食べたドルイドや店主のドルイドの父も旨いと言う。店主は「こめ」だけはあるかと尋ね、アイビーはおにぎりを作って渡すと、それを食べた店主は、グルバルの問題で物資が届かなくなって食料が足りなくなっている、「こめ」は勝手に育って収穫できるので、おいしく食べられればなんとかなるのでは、と話す。

166話 弱い奴ほど……

話の流れで、アイビーは、焼きおにぎり用のソースを作ってあげることになる。その夜、テントに戻ったアイビーに、ドルガスが怒鳴り込んでくる。

167話 白パン

ギルマスたちもやってきて、ドルガスは去っていく。翌日、ドルガスの一件を謝るドルイドに、アイビーはお詫びに白パンを買ってもらう。

168話 ソラだから

ドルイドと一緒に森の捨て場に向かったアイビー。ソラが剣を食べると聞いて、ドルイドはいろいろな剣を集めてきてソラの前に並べると、ソラは魔法が付与された剣も食べてしまう。

169話 制限?

ソラはドルイドが持ってきた剣を次々に食べ、19本も一気に食べてしまう。

170話 見抜かれた!

町に戻り、ドルイドの父の店に行くと、店番をしていたドルイドの母らしき女性から、一目で女の子だと見抜かれる。アイビーは店主に「こめ」の炊き方を教え、焼きおにぎり作りに挑戦する。

171話 おにぎりは難しい

用意された調味料を使って焼きおにぎりに塗るソース作りに取り掛かったアイビーは、試行錯誤して焼きおにぎりを作ると、ドルイドの両親や、ドルウカの奥さんにも好評を得る。

番外編 贈り物と無意識?

ドルイドに自分の秘密を打ち明けた後、町に戻ってきたアイビー。ドルイドは、ドルガスが迷惑をかけたお詫びだと、甘味を買ってくれるが、旅に誘った返事はまだもらっていないのに、ドルイドは、無意識なのか、一緒に旅をするつもりのような言葉を洩らし、それを聞いたアイビーは、いい返事が聞けるかな、と楽しみになる。

 

(ここまで)

 

なお、本編と著者によるあとがきの後には、巻末おまけとして、コミカライズ第2話の前半、19ページが収められています。

 

テレビアニメ版で描かれたエピソードは、本巻の冒頭の出発の場面までで終わり、その後は、テレビアニメ版では描かれていない物語に入ってきました。この先の展開もちょっと気になるので、機会あれば、もう少し先まで読んでみてもいいかなという気がします。