鷺の停車場

映画、本、グルメ、クラシック音楽、日常のできごとなどを気ままに書いています

映画「スパイの妻<劇場版>」

休日、家族と千葉ニュータウンジョイフル本田に出かけました。

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北総線印西牧の原駅の手前、国道461号線沿いにあるこのホームセンター、建物の端から端まで500mくらいあろうかという、ホームセンターとしてもかなり大規模なお店です。

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家族が買い物をしている途中でいったん中抜けして、同じ敷地内、ジョイフル本田の西隣にあるUSシネマ千葉ニュータウンで映画を観ることにしました。

この週末は、「劇場版 鬼滅の刃 無限列車編」の公開初週で、どの映画館も賑わっていたようです。

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この日の上映スケジュール。鬼滅の刃は1日20回以上の上映です。1日40回を超える映画館もあったTOHOシネマズには大きく及びませんが、それでも尋常ではない回数です。土日の2日間だけで、これまでの記録のおよそ2倍という観客動員251万人、興行収入33億5400万円という驚異的な成績を記録したそうですが、それも納得です。

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シネマ1~6が1階、シネマ7~10がエスカレーターを上った3階?にあります。

ロビーからスクリーンへの入口には、スタッフがお客さんを検温してチェックしていました。

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観たのは「スパイの妻<劇場版>」(10月16日(金)公開)。

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シネマの入口を入った通路には少し展示もありました。本作に限らず、大手シネコンでよく見る大きなタペストリーは見当たりませんでしたが、こうした手作り感のある展示には好感が持てます。

ヴェネチア国際映画祭で銀獅子賞(監督賞)を受賞したとのニュースを聞いたこともあり、上映時間がちょうど良かったので、観てみることにしました。

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上映は178席のシネマ1。この週末は全席販売になっていました。お客さんは30~40人くらい入っていたようです。

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2020年6月にNHK BS8Kで放送された黒沢清監督の同名ドラマをスクリーンサイズや色調を劇場版に再編集した作品のようです。

公式サイトの「物語」によれば、

 

一九四〇年。少しずつ、戦争の足音が日本に近づいてきた頃。
聡子(蒼井優)は貿易会社を営む福原優作(高橋一生)とともに、神戸で瀟洒な洋館で暮らしていた。
身の回りの世話をするのは駒子(恒松祐里)と執事の金村(みのすけ)。
愛する夫とともに生きる、何不自由ない満ち足りた生活。
ある日、優作は物資を求めて満州渡航する。
満州では野崎医師(笹野高史)から依頼された薬品も入手する予定だった。
そのために赴いた先で偶然、衝撃的な国家機密を目にしてしまった優作と福原物産で働く優作の甥・竹下文雄(坂東龍汰)。
二人は現地で得た証拠と共にその事実を世界に知らしめる準備を秘密裏に進めていた。
一方で、何も知らない聡子は、幼馴染でもある神戸憲兵分隊本部の分隊長・津森泰治(東出昌大)に呼び出される。
「優作さんが満州から連れ帰ってきた草壁弘子(玄理)という女性が先日亡くなりました。ご存知ですか?」
今まで通りの穏やかで幸福な生活が崩れていく不安。
存在すら知らない女をめぐって渦巻く嫉妬。
優作が隠していることとは――?
聡子はある決意を胸に、行動に出る……。

 

・・・というあらすじ。

 

大戦前夜の緊迫した時代の雰囲気が漂う映像に引きつけられる感じがありました。物語そのものは今ひとつ心に刺さるものが感じられませんでしたが、緊張感漂う雰囲気と展開は良かったと思います。

サスペンス的な色合いが濃い前半で緊張感を高めて、後半になって聡子が真相を知ってからは、夫を信じ、共に行動しようとする聡子の姿に焦点が移っていきます。普通の夫婦の愛の形とは違いますが、これも夫婦愛のひとつの形なのだろうと感じました。2人の壮大な企ては、聡子の方は失敗することになりますが、これも聡子を想う優作の愛情から出たものなのでしょう。

蒼井優高橋一生が演じる夫婦は、今の感覚で見るとキザでよそよそしい感じかもしれませんが、いかにも当時の少し前の時代でいうモボ・モガモダンボーイ・モダンガールの略)という感じ。特に蒼井優のセリフ回しは現代から見ると違和感があるしゃべり方ですが、かなり昔に名画座的なミニシアターで観た記憶では、昭和10~20年代の邦画の女優のしゃべり方はやはりこんな感じで、けっこう研究したのだろうと思いながら観ました。