鷺の停車場

映画、本、グルメ、クラシック音楽、日常のできごとなどを気ままに書いています

創作Bistro えん

休日のお昼、柏駅東口の「創作Bistro えん」に行きました。


お店は、柏駅東口を出て、駅前通りを進み、通称「郵便局通り」と交わるセブンイレブンのある交差点を右に曲がり、300mちょっと進んだところ、駅から徒歩10分ほどの場所にあります。9月17日にオープンしたばかりのお店のようです。


店頭に掲げられていたランチメニュー。


ディナーのフードメニュー。


ディナーのランチメニュー。

店内は、カウンターが5席、4人掛けテーブルが2卓、2人掛けテーブルが3卓と比較的小さな作り。若いご夫婦2人で切り盛りしている雰囲気です。


ランチは1,100円、1,200円、1,300円の3種。私はCランチの特製スパイシー焼きチーズカレーを注文してみました。


まずスーぷとサラダが到着。ヘチマを使っているそうで、具だくさんの美味しいスープでした。サラダはマスタードの入った独特の風味のドレッシングがかかっていました。


しばらくして、特製スパイシー焼きチーズカレーが到着。お肉もゴロゴロ入っていてなかなか美味しかったです。


連れが注文したAランチの若鶏のグリル~トマトケッパーソース。少し味見させてもらいましたが、皮もパリッと焼かれており、ソースとの相性も良かったです。


もう1人が注文したポークソテー~オニオンソース。お肉も柔らかく、美味しかったそうです。


Aランチ、Bランチはバゲットとライスが選べます。他の2人はいずれもバゲットでした。

なかなかいい感じのお店でした。機会あれば、違うランチメニューやディナーメニューも食べてみたいと思いました。

 

◎創作Bistro えん
千葉県柏市中央2-3-6 浜田第一マンション106(Tel:04-7114-2282)
営業時間:11:30~14:30(ラストオーダー14:00)/17:00~22:00(ラストオーダー21:00)
定休日:月曜日

映画「さかなのこ」

休日の朝、TOHOシネマズ流山おおたかの森に行きました。


朝9時前の時間帯、ロビーにはけっこうお客さんがいました。


この日の午後の上映スケジュール。23作品・28種類の上映が行われていました。

この日観たのは、「さかなのこ」(9月1日(金)公開)。全国280館以上で公開が始まった大規模公開の作品。


上映は56+2席のプレミアスクリーン。


専用の待ち合いスペースを通ってスクリーンへ。中に入ると、空席はほんのわずか。50人近くが入っていたと思います。


チラシの表裏。


以前に配布されていた別バージョンのチラシ。


2016年に出版された、さかなクンの自伝的エッセイ「さかなクンの一魚一会~まいにち夢中な人生!~」を原作に実写映画化した作品で、監督:沖田修一、脚本:沖田修一・前田司郎などの主要キャスト。

 

公式サイトのストーリーによれば、

 

お魚が大好きな小学生・ミー坊は、寝ても覚めてもお魚のことばかり。他の子供と少し違うことを心配する父親とは対照的に、信じて応援し続ける母親に背中を押されながらミー坊はのびのびと大きくなった。高校生になり相変わらずお魚に夢中のミー坊は、まるで何かの主人公のようにいつの間にかみんなの中心にいたが、卒業後は、お魚の仕事をしたくてもなかなかうまくいかず悩んでいた…。そんな時もお魚への「好き」を貫き続けるミー坊は、たくさんの出会いと優しさに導かれ、ミー坊だけの道へ飛び込んでゆくーー。

 

・・・というあらすじ。

公式サイトで紹介されている主要キャストは、

  • ミー坊【のん/西村 瑞季(幼少期)】:お魚が大好きな小学生。高校生、そして大人になってもお魚に夢中。

  • ヒヨ【柳楽 優弥】:ミー坊の幼なじみ。高校時代は「狂犬」と呼ばれる不良だったが、心機一転、受験勉強に励み、後にテレビ局のプロデューサーになる。

  • モモコ【夏帆】:小学生時代、ミー坊と仲が良かった女の子。大人になって偶然にミー坊と再会し、行き場がなくなった際に幼い娘とともにミー坊の家に身を寄せる。ちなみに映画のオリジナルキャラクターのようです。

  • 総長【磯村 勇斗】:ミー坊が通う高校の不良のリーダー。祖父は漁師。

  • 籾山【岡山 天音】:総長と対抗する不良グループのリーダー。ミー坊に感化されて後に寿司屋を開く。

  • ジロウ【三宅 弘城】:ミー坊の父親。後にミー坊、ミチコと別居する。

  • ミチコ【井川 遥】:ミー坊の母親。お魚に夢中なミー坊を理解し、後押しする。

  • ギョギョおじさん【さかなクン】:小学生時代のミー坊が出会った不思議な魚好きのおじさん。

  • 店長【宇野 祥平】:魚を扱うペットショップ「海人」(うみんちゅ)の店主。仕事がないミー坊をアルバイトに雇い入れる。

  • 田村【前原 滉】:総長の子分的な立ち位置の不良。

  • 鈴木先生【鈴木 拓】:ミー坊が通う高校の理科教師。総長の祖父から学校に寄贈されたカブトガニの飼育をミー坊に依頼する。ミー坊の恩師という位置づけですが、実際のモデルは、さかなクンの中学時代の吹奏楽部の顧問の先生だそうです。

  • 谷崎 ゆりえ【島崎 遥香】:大人になったヒヨの交際相手。ヒヨが紹介しようとミー坊と3人で会食するが、機嫌を損ねて途中で帰ってしまう。

  • 酒井【賀屋 壮也】:水族館の実習生となったミー坊を指導した飼育員。

  • 浜野 庄子【朝倉 あき】:ミー坊が最初にテレビ出演したミニ番組のアシスタント。

  • 木戸 まさし【長谷川 忍】:ミー坊が最初にテレビ出演したミニ番組の司会。

  • 歯医者【豊原 功補】:モモコの紹介でクリニックのロビーに置く水槽をミー坊に依頼した歯科医。

という感じ。

 

子どものときからお魚が大好きだった少年が、それを受け止める母親の理解や周囲の人たちの支えもあって、その夢を実現させていく道のりを、ドタバタ劇も交えて描いた心温まる作品でした。現実にさかなクンが今のように活躍するに至るまでには、様々な苦難や辛い出来事もあったのだろうと想像しますが、そういった要素は必要最小限に抑えられ、あるいはギャグ的な要素を加えて薄められて、観客に辛い思いを与えないくように描かれていました。高校時代以降のミー坊を演じたのんの演技(どう見ても女性にしか見えませんでしたが・・・)も印象的でした。

香月美夜「本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第五部 女神の化身Ⅵ」

香月美夜の小説「本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~」の第五部「女神の化身Ⅵ」を読みました。

ローゼマインの後見人だったフェルディナンドが結婚のためアーレンスバッハに旅立った後を描く第5部の第6巻で、2021年9月に刊行されています。第5巻に続いて読んでみました。

 

単行本の表紙裏には、次のような紹介文があります。

---------------------

「婚約を解消し、王の養女となる」
エーレンフェストに帰還したローゼマインの報告は、領主一族に混乱をもたらす。だが、決定は覆らない。中央に移動するまでに与えられた時間は1年。そんな娘の旅立ちを貴族の母・エルヴィーラは温かく見守る。「貴女は貴女らしさを失うことなく、進みなさい」と。

神殿や印刷業務などの引き継ぎ、そのための最高品質の魔紙作りなど、着々と準備が進められていくのだった。

移りゆく時に翻弄される母と子、側近達、下町の面々――同行する者と残る者。それぞれの選択が未来の扉を開く!

書き下ろし短編×2本、椎名優描き下ろし「四コマ漫画」収録!

---------------------

本巻は、プロローグ・エピローグと見出しで区切られた17節からなり、巻末に番外編の書き下ろし短編が3編、著者によるあとがきの後にはイラストを担当している椎名優による巻末おまけの四コマ漫画が収録されています。各節のおおまかな内容を紹介すると、次のようなあらすじです。

 

プロローグ

ローゼマイン(主人公。エーレンフェストの領主候補生3年生で神殿長)が1年後に王の養女となることが決まり、ヴィルフリート(ジルヴェスターの息子・ローゼマインの義兄のエーレンフェストの領主候補生3年生でローゼマインの婚約者)との婚約が解消されることで、フロレンツィア(ジルヴェスターの第一夫人で、貴族としてのローゼマインの養母)は、ヴィルフリートの今後を心配する。

領主会議の報告会(三年)

エーレンフェスト順位8位の中領地)に戻ってきたジルヴェスター(エーレンフェストの領主でローゼマインの養父)は、領主一族を集め、領主会議の報告会を行う。順位は据え置きになる代わりに勝ち組領地として扱われることになったこと、フェルディナンド(ジルヴェスターの異母弟で元神官長。ローゼマインの後見人だったが、王命により、順位6位の大領地・アーレンスバッハの領主候補生6年生のディートリンデの婚約者となった)とディートリンデ(順位6位の大領地・アーレンスバッハの領主候補生6年生で、ヴィルフリートの従姉)との星結びの儀式(結婚の儀式)が延期されたこと、王族が奉納舞で魔法陣を光らせたことで、次期ツェント(中央の王)候補がディートリンデだけではなくなったことなどが報告される。

婚約解消と未来の選択

その後、ジルヴェスターは側近たちを退室させ、領主一族だけにローゼマインが1年後に王の養女になることが決まったこと、外には知らせないまま、内々に移動準備をする必要あることなどを報告する。ボニファティウス(ジルヴェスターの伯父・カルステッドの父で、貴族としてのローゼマインの祖父)など一同は驚く。ジルヴェスターは、次期アウブ(各領地の領主)を決めるのはゆっくりでいい、シャルロッテ(ジルヴェスターの娘の領主候補生2年生。ローゼマインの義妹)、メルヒオール(ジルヴェスターの次男でローゼマインの義弟)が目指してもいいと答える。さらに、ジルヴェスターは、ヴィルフリートとローゼマインだけを残し、婚約解消後、後ろ盾だった旧ヴェローニカ(現在は幽閉中のジルヴェスターの母親。ディートリンデの祖母)派を失ったヴィルフリートの扱いがどうなるかは、この1年間にライゼガング系(ローゼマインを領主に推す一派)の貴族を抑えられるか次第だと話す。ヴィルフリートのこれまでの不満が爆発するが、ジルヴェスターは、1年後に婚約が解消されれば其方は自由だと話す。ローゼマインも、この1年間に自分がどう生きたいのか考えて過ごせばいい、婚約者として振る舞うのが無理でも、兄妹としてなら過ごせるのではないかと話し、ヴィルフリートも同意する。

側近達の選択

報告会を終えたローゼマインは、側近たちに1年後に領主との養子縁組を解消し、王と養子縁組をして中央に向かうことになると伝える。ジルヴェスターの第二夫人となることが決まっているブリュンヒルデ(ローゼマインの側近の上級側仕え見習い5年生)は、ベルティルデブリュンヒルデの妹でローゼマインの側近候補)を心配するが、ローゼマインは正式な側仕え見習いとして扱うことを伝える。名を捧げたローデリヒ(中級文官見習い3年生)、マティアス(中級騎士見習い5年生)、ラウレンツ(中級騎士見習い4年生)、グレーティア(中級側仕え見習い4年生)は一緒に中央へ、ハルトムート(ローゼマインの側近の上級文官で神官長。オティーリエの息子)とクラリッサ(ダンケルフェルガーの上級文官見習い6年生でハルトムートの婚約者)はローゼマインに名を捧げて一緒に中央に行くことを望み、オティーリエ(ローゼマインの筆頭側仕え)、ユーディット(中級護衛騎士見習い4年生)とエルヴィーラ(カルステッドの第一夫人で貴族としてのローゼマインの母)への名捧げを望むミュリエラ(ローゼマインに名を捧げた側近の中級文官見習い5年生)はエーレンフェストに残ることを決め、フィリーネ(ローゼマインの側近の下級文官見習い3年生)コルネリウス貴族としてのローゼマインの兄で、側近の上級護衛騎士)、ダームエル(ローゼマインの信望の厚い側近の下級護衛騎士)はもう少し時間をかけて考えることになる。

カルステッドの館にて

翌日、ローゼマインは名捧げを迫るハルトムートから名を受け、隠し部屋に入ってフェルディナンドへ手紙を書く。部屋を出ると、コルネリウスからエルヴィーラからの伝言を伝えられ、翌日に実家に戻ることになる。そして、コルネリウス、レオノーレ(側近の上級護衛騎士見習い6年生。コルネリウスの婚約者)、リーゼレータ(側近の中級側仕え見習い6年生)、アンゲリカ(中級護衛騎士でリーゼレータの姉)を連れて実家に帰ったローゼマインは、夕食 の後、カルステッド(エーレンフェストの騎士団長で貴族としてのローゼマインの父)、エルヴィーラに中央行きを望むアンゲリカの扱いについて相談し、コルネリウスはエルヴィーラの言葉で中央行きを決心する。そして、エルヴィーラは側仕えが足りないと、ローゼマインに対し、リーゼレータに自分の希望を伝えるよう求める。ローゼマインは中央行きを望む自分の希望を告白し、リーゼレータもそれを受け入れる。

母と娘

アンゲリカ、リーゼレータ、レオノーレが帰宅した後、ローゼマインは自室でエルヴィーラと話をする。エルヴィーラは、ダームエルとフィリーネを自分の側に置きたいのなら、成人に合わせて、グーテンベルク(印刷業に関わるローゼマインの専属の職人たち)たちと一緒に中央に向かわせること、そしてダームエルとフィリーネを婚約させることを勧める。そして、エルヴィーラはカルステッドとの結婚依頼の出来事についての回想を語り、ローゼマインに感謝し、そして、貴女らしさを失うことなく進みなさい、と助言する。

子供用魔術具

エルヴィーラと話し込み過ぎて翌日寝坊したローゼマインは、エルヴィーラと印刷業の引き継ぎの話をする中で、神殿の側仕え達の扱いについてよく考えなければと思う。王族から、ローゼマインが養女となる条件の1つにしていた子供用魔術具40個のうち12個が届く。ジルヴェスターから一定量の魔力があるなどの条件を満たす孤児院の子どもに与える許可を得たローゼマインは、神殿長室に入り、神殿の側仕えたちに、1年後にエーレンフェストを去ること、次の神殿長がメルヒオールになることなどを伝え、フラン(神殿でのローゼマインの筆頭側仕え)たち神殿の側仕えたちにメルヒオールを支えることを望むが、ヴィルマ(神殿での孤児院担当の側仕えで、絵師としてもローゼマインを支えている)には、自分の専属絵師になるか、エルヴィーラの専属絵師となるかを1年以内に選ぶよう求める。魔術具を与える子どもを選ぶため、ローゼマインは、ハルトムートたちを孤児院の子どもたちの魔力を測ると、ディルク(孤児で、かつてローゼマインの側仕えだったデリアの弟)は貴族となって神殿長か神官長を目指すこと、コンラート(実家を出て孤児院に入ったフィリーネの弟)は、青色神官となってディルクを支える決意を明らかにする。

魔紙の準備

メルヒオールが神殿長と孤児院長を兼任することに難色を示し、ローゼマインはフィリーネに中継ぎという形で成人までの間孤児院長となってもらうことにする。昼食後、ローゼマインはプランタン商会(印刷関係を扱う商会)のベンノ(下町時代のマイン(ローゼマインが領主の養女となる前の下町時代の名前)の保護者的存在だったプランタン商会の旦那)、マルク(ベンノの片腕)に、1年後にエーレンフェストを離れこと、成人する3年後まで事業には関われないので、それまで印刷業関係者に移動はないことを伝え、グーテンベルク達の移動などについて相談する。

最高品質のサンプル作り

ローゼマインは、ブリギッテ(かつてローゼマインの護衛騎士だったギーベ(地方の領主)・イルクナーの妹)から届けられた魔紙などを使って、フェルディナンドから求めがあった最高品質の魔紙のサンプル作りを始め、試行錯誤の末、完成させる。

春の成人式と養父様の出発

春の成人式を終えた後、ローゼマインは、青色見習いたちに人手不足のため秋の収穫祭に参加しなければならないことを告げ、青色見習いたちは祝詞を覚えようと努めるなど仕事に真剣に向き合うようになる。夏の洗礼式を終え、ジルヴェスターがアーレンスバッハ(順位6位の大領地)の葬儀に向かう日がやってくる。ローゼマインは、最高品質の魔紙のサンプルなどフェルディナンドに届けてもらうものを用意する。出発の見送りの後、ローゼマインは名捧げの準備ができたクラリッサの名を受ける。

子供のお茶会

ローゼマインは、シャルロッテが主催した子どもたちだけのお茶会に参加する。シャルロッテは、ローゼマインによってエーレンフェスト内の意識は変わった、それを王の養女の実家として恥ずかしくないように維持していくことが自分にできること、そのためには、発展を得意とするアウブが育つまでの間、自分が中継ぎ的にアウブとなることを目指すと話す。そこにハルトムートから、ローゼマインを中央に出すのは何事か、とライゼガングの古老たちが城に押し寄せてきたと知らせが入る。ローゼマインは誰がライゼガングの貴族に領主会議の様子を知らせたのか調べるようハルトムートに指示し、ヴィルフリートたちと城に戻る。

ライゼガングの古老

城の本館に戻ったヴィルフリートとローゼマインは、古老たちに対応するフロレンツィアの部屋に入る。ローゼマインを中央神殿の神殿長にするなどとんでもない、ローゼマインにこそエーレンフェストを率いてほしいと抗議する古老たちにローゼマインは、ライゼガングの影響力を削ることなど簡単なこと、後ろ盾として不満であることをやんわりと伝える。その後到着したギーベ・ライゼガングとの話し合いの結果、話はうまくまとまり、この件は不問にすることになる。数日後、神殿に戻ったローゼマインに、ハルトムートは、ライゼガングの古老たちを煽ったのはバルトルト(ヴィルフリートに名を捧げた中級文官見習い)で、それを唆したのはバルトルトの不審な行動に気づき、その牽制とライゼガングの勢力を削ぎ落としをあわせて行おうと考えたフロレンツィアだったと報告する。

養父様の帰還

ジルヴェスターがフェルディナンドに託された大量の荷物とともにアーレンスバッハから帰還する。ローゼマインは急いでその荷物の仕分けを行い、ジルヴェスターたちとの夕食に臨む。ジルヴェスターは、ローゼマインの中央行きの条件の1つだったフェルディナンドの隠し部屋はできていたこと、葬儀で中央騎士団の一部が突然暴れ出したこと、ディートリンデの側にはランツェナーヴェの王の孫がいたこと、ランツェナーヴェの者が着ていた衣装に銀の布が使われていたことなどを話す。

フェルディナンドの手紙

夕食を終えて自室に戻ったローゼマインは、フェルディナンドから贈られたお土産の配分をフロレンツィアに委ねることにし、翌日、図書館でレティーツィア(順位3位の大領地・ドレヴァンヒェルから養子に入ったアーレンスバッハの領主候補生)の手紙を読んでその返事を書いた後、フェルディナンドからの手紙を読む。ランツェナーヴェの姫の受け入れを王が拒否したがディートリンデがランツェナーヴェに同情して面倒な事態になっているなどの情勢や、魔紙を改良するレシピなどが書かれた最後に、「君のゲドゥルリーヒを教えてほしい」と記されていた。考えても答えが出せないローゼマイン。

トロンベ狩りと星結びの儀式

神殿に戻ったローゼマインは、フリッツ(神殿での工房担当の側仕え)を呼び、星祭りの前にタウの実を拾って集めるようお願いする。タウの実などの準備が整うと、孤児院の裏側で、灰色神官たちと不燃紙の材料となるトロンベ狩りを行う。間もなくやってきた星結びの儀式で、ローゼマインは神殿長としてグーテンベルクの1人のザック(発想力の豊かな鍛冶職人)たち結婚する人々に祝福を与える。貴族の星結びの儀式のため城に向かうローゼマインは、結婚は無理だとうなだれるダームエルに、フィリーネが求婚を考えていることを教え、自分から求婚した方がカッコいいと勧める。

トゥーリの成人式

ローゼマインは、レオノーレの提案で、成人したらローゼマインに仕える予定の側近や専属たちの目印になるよう、紋章を刻んだ魔石を作り、側近のユーディット、ダームエル、フィリーネ、専属のトゥーリ(マインの姉で、専属髪飾り職人)、エーファ(マインの母で、専属染色職人)たちにそれを手渡す。トゥーリからは間近になった成人式で祝福を皆と同じにするよう釘を刺され、ローゼマインは祝福をやり過ぎないようにする対策を考え、コルネリウスとレオノーレの提案で魔石を使うことにする。迎えた成人式当日、ローゼマインは美しいトゥーリの姿に嬉しくて泣きそうになる。青色見習いたちが見学する中、成人式を執り行うが、最後の最後に失敗してしまう。

アウブの面接

秋の収穫祭を目前に控え、孤児院から貴族として洗礼式を迎える子どものアウブによる面接が行われる。面接を受けたディルクとベルトラム(両親の処分により孤児となったラウレンツの弟)は、貴族となることを認められる。ベルトラムは本当の孤児のディルクが貴族となることに抵抗感を示すが、ジルヴェスターは、両親が処分され孤児扱いとなる厳しい現実を突きつけると、ベルトラムはメルヒオールに名を捧げるつもりであることを話す。その後、ジルヴェスターとグレッシェルのエントヴィッケルン(町全体を造り替える大規模魔術)について相談をしている間に、フロレンツィアが無事出産した知らせが入る。

収穫祭とグーテンベルクの選択

グレッシェルのエントヴィッケルンが無事終わり、秋の収穫祭の季節がやってくる。ローゼマインは後任の神殿長となるメルヒオールと一緒に出発し、最初の目的地ハッセで引き継ぎを行う。その後、直轄地を回って収穫祭を行った後、キルンベルガを訪れ、派遣していたグーテンベルクたちを回収してエーレンフェストに戻る。5日後、ローゼマインはグーテンベルクたちを集めて、自分がエーレンフェストを出ること、3年後に成人したらそちらで印刷を始めるのでグーテンベルク本人か弟子に来てほしいと話をする。インゴ(木工職人)は弟子のディモを行かせることを、ザック、ヨゼフ(インク職人)とハイディ(インク職人でヨゼフの妻)、ヨハン(技術力の高い鍛冶職人)は自身が向かうことになる。

エピローグ

ローゼマインとの神殿での話し合いを終えてプランタン商会に戻ったルッツ(マインの幼なじみで、プランタン商会の見習い)は、ベンノから、中央に行くことになった、いつでも出発できるように準備するよう言われる。自分もローゼマインに付いていきたいと思うルッツは、婚約者となったトゥーリと会うが、成人して雰囲気が変わったトゥーリを見て軽く息を呑む。帰宅したルッツは母親に中央行きの話をすると、母親はその決心を後押しする。

 

さらに、番外編の短編が3編収められています。

ランツェナーヴェの使者

自分の意見を軽んじる婚約者のフェルディナンドに不満を抱くディートリンデが、境界門からやってきたランツェナーヴェの使者、キアッフレード王の孫のレオンツィオに惹かれていくエピソード。

わたくしの希望と問題点

トルステン(ヴィルフリートの側近の上級文官)と婚約したため中央行きを諦めていたリーゼレータだったが、ローゼマインを案じてリーゼレータを望むエルヴィーラの差配により、筆頭側仕えとして中央に向かうことになるエピソード。

騒動の事情聴取

騒動が起きたアーレンスバッハの葬儀に参列していたジルヴェスターが、ジギスヴァルド(中央の第一王子)、フェルディナンド、ゲオルギーネ(亡くなったアウブ・アーレンスバッハの第一夫人で、ジルヴェスターの姉)たちから事情聴取を受け、遠くなく、姉ゲオルギーネと決着を付けなければならないと直感するエピソード。

 

さらに、著者によるあとがきの後に、「毎度おなじみ 巻末おまけ」(漫画:しいなゆう)「ゆるっとふわっと日常家族」と題して、「本当いいですねぇ」「爆裂シスコン」「より良いサービス」の3本の四コマ漫画が収録されています。

前巻は、ローゼマインを取り込もうとする王族との駆け引きがメインでしたが、本巻では、一転して、ローゼマインの中央行きに向けた準備を進めるエーレンフェストの様子が描かれています。王族や他領の貴族はほとんど出てきませんし、大きな騒動が起こることもありません。物語の起伏としては、ちょっと一休みというところ。次巻では、また何やら不穏な出来事が起きてくるのでしょう。