鷺の停車場

映画、本、グルメ、クラシック音楽、日常のできごとなどを気ままに書いています

くら寿司 新柏店

週末のお昼、くら寿司新柏店でお昼を食べました。


お店は、ショッピングモール「PAZ新柏」の2階にあります。


回転寿司チェーンでは、家族の好みなどから、スシローに行くことが多いので、くら寿司は1年以上ぶりです。


この日は、ちいかわとのコラボイベントが行われていたこともあって、かなり混んでいましたが、あらかじめ予約してから来店したので、ほとんど待たずにテーブル席に案内されました。


タッチパネルだけでなく、スマホからも注文できるようになっていました。


ピンボケですが、ちいかわのキャラクターが回ってくる皿の透明カバーに付けられていました。

スシローでは、注文した商品だけが流れてくる方式になっていますが、このお店では、最低価格帯の1皿115円の商品はレーンで流されており、より価格の高い商品は注文する形でした。115円以外の皿を流していないのは、115円の皿だけを流すことで、会計時に、回収口に投入した皿の枚数と注文した商品の数との差を1皿115円として計算することができ、清算がシンプルに行えるからだろうと思います。


この日は、大とろと愛媛県フェアが実施されていました。


今月のおすすめ。


ふり塩熟成まぐろ(115円)。以前よりも美味しくなっている気がしました。


黒鯛(240円)。これはまあまあ。


家族が食べた ビッくらポン厳選6貫(690円)。ネタだけを考えると、500円もしないだろうと思うので、けっこう割高な気もしますが、ビッくらポンがもれなく1個ついてくるので、ビッくらポンの景品が欲しい人には嬉しいメニューかもしれません。


まぐろユッケ(115円)。美味しかったです。


はまち(130円)。これも良かった。


宇和島風鯛めし(180円)。これはまずまずな感じ。


特盛 海鮮(115円)。これはけっこう好きなメニューです。


うな玉(130円)。なかなか良かったです。


太刀魚(115円)。まあまあといったところでしょうか。


かにユッケ(180円)。これは私の好みではありませんでした。


とろける上穴子一貫(115円)。ふわふわの食感が良かったです。


熟成ふぐ一貫(115円)。これはまずまず。


海鮮細巻き(115円)。これはタッチパネルからは注文できず、レーンを流れてくる現品限りのメニューでした。軍艦の特選 海鮮とネタは同じだと思いますが、こちらの方が私は好きです。


〆に魚介 醤油らーめん(460円)をいただきました。〆に食べるには、もう少しあっさりめの味の方がありがたいのですが、味は良かったです。

 

久しぶりに来ましたが、以前よりも全体的に美味しくなっているように感じました。これだったら、もう少し頻繁に来てもいいかもしれません。

 

くら寿司 新柏
千葉県柏市名戸ヶ谷888-1 PAZ新柏2F(Tel:04-7165-0610)
営業時間:11:00~23:00(土日は10:20~、入店は22:30まで)
定休日:なし

テレビアニメ「痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。2」(第2期)

テレビアニメ「痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。」の第1期に続いて、第2期となる「痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。2」を配信で見ました。

テレビアニメ「痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。」の第1期に続いて、第2期となる「痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。2」を配信で見ました。


2016年5月から小説投稿サイト『小説家になろう』に連載され、2017年9月からカドカワBOOKSで書籍化されている夕蜜柑さんのライトノベル「痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。」、略称「防振り」を原作に、2020年1月から3月までの2020冬クールにTOKYO MXなどで放送された第1期の続編で、2023年1月から3月までの2023冬クールにTOKYO MXなどで放送された作品。主要スタッフは第1期とほぼ同じで、監督:大沼心、シリーズ構成:志茂文彦、キャラクターデザイン・総作画監督:平田和也、総作画監督:本多弘幸、アニメーション制作:SILVER LINK. など。

 

公式サイトで紹介されている主な登場人物とキャストは、次のとおりです。< >内はそのキャラクターが登場する放送回です。

  • メイプル【本渡 楓】:本名は本条楓。【楓の木】のギルドマスター。ゲーム初心者だったため、「痛いのは嫌だから」という理由で防御力に極振りしてしまい、どんな攻撃も防ぐ大盾使いになった。凶悪なスキルを多数手に入れ、イベントで実績を重ねたことで、一躍『NWO』の看板プレイヤーに。<第1~12話>

  • サリー【野口 瑠璃子】:本名は白峯理沙。メイプルの親友で、一緒に【楓の木】を結成。ずば抜けた集中力と反射神経を武器に、スキルに頼らずとも相手の攻撃をことごとく回避する。イベントでは斥候としても活躍。友達思いのしっかり者。<第1~12話>

  • カスミ【早見 沙織】:【楓の木】所属。攻撃力と敏捷性の高い刀使いで、強力な刀術スキルを武器に安定して活躍する前衛アタッカー。冷静に戦況を見極め、的確な判断で行動する真面目な常識人だが、和風のアイテムには目がない。<第1~12話>

  • カナデ【新井 里美】:【楓の木】所属。抜群の頭脳を持つ天才少年。日替わりでランダムにスキルを取得できる【神界書庫】が付与されたルービックキューブ型の杖『神々の叡智』を持つ。笑顔を絶やさないが、掴みどころのない性格。<第1・2・4~12話>

  • マイ【加隈 亜衣】:【楓の木】所属。攻撃力に極振りしたプレイヤー。ユイの双子の姉。慎重な性格で、やや優柔不断かつ心配性なところもあるが、みんなに迷惑をかけないよう精一杯努力しており、プレイヤースキルも上昇中。<第1・2・4~12話>

  • ユイ【諏訪 ななか】:【楓の木】所属。攻撃力に極振りしたプレイヤー。マイの双子の妹。マイに比べて前向きな性格で、心配性のマイを気遣うことが多い。初心者プレイヤーだったが、マイとともに成長し、ギルドになくてはならない存在に。<第1・2・4~12話>

  • クロム【杉山 紀彰】:【楓の木】所属。『NWO』のベテランプレイヤーで、大盾使い。HPが0になっても運によって生き残れる特殊なスキルが付与されたユニークシリーズを装備。攻撃スキルも所持し、アタッカーとしても活躍できる。<第1・2・4~12話>

  • イズ【佐藤 聡美】:【楓の木】所属。生産特化のプレイヤーだが、バトルにも加われる戦闘力を持つ。武器、防具の鍛冶のほか、アイテムの製作、製造が可能。ユニークシリーズの装備効果で、ゴールドを素材にあらゆる場所でアイテムを製造できる。<第1・2・4~12話>

  • ペイン【小野 賢章】:【集う聖剣】のギルドマスター。強力なスキルを多数所持する、名実ともに『NWO』の最強プレイヤー。第四回イベントではメイプルをあと一歩のところまで追い詰めた。<第1・4・8・10~12話>

  • ドレッド【山崎 たくみ】:【集う聖剣】所属。第一回イベントで二位を取ったトッププレイヤー。短剣を使った近接戦闘を得意としており、持ち前のスピードと舞うような動きで手早く相手を仕留める。<第1・2・4・8・10~12話>

  • フレデリカ【竹達 彩奈】:【集う聖剣】所属。トップクラスの魔法使い。【多重詠唱】の使い手で、無数の攻撃魔法を放つ、【多重障壁】を張るといった攻防両方の魔法を使いこなす。支援魔法や情報戦も得意。<第1~4・7・10~12話>

  • ドラグ【神奈 延年】:【集う聖剣】所属。第一回イベントで五位を取ったトッププレイヤー。身の丈を超えるほどの両刃の大斧で、破壊力抜群の攻撃を繰り出す。スキルもパワーに特化している。<第1・2・4・8・10~12話>

  • ミィ【佐藤 利奈】:【炎帝ノ国】のギルドマスター。炎魔法が得意なことから【炎帝】の二つ名を持つ。ギルドメンバーの前では威厳たっぷりに振る舞いギルドマスター然としたロールプレイをしているが、本来は気が弱い小心者。<第1・3・4・6・8・10~12話>

  • シン【山口 勝平】:【炎帝ノ国】所属。【崩剣】の二つ名を持つ剣士。スキル【崩剣】は自らの剣を複数の刃に分解し、その刃を自在に操って攻撃する。何度も敗れたカスミとはライバル関係。<第1・4・8・10~12話>

  • マルクス【石田 彰】:【炎帝ノ国】所属。【トラッパー】の二つ名を持つ、罠を仕掛けるのが得意なプレイヤー。相手の人数や戦闘スタイルに合わせた適切な罠を複数仕掛け、メンバーをサポートする。<第1・4・8・10~12話>

  • ミザリー【皆口 裕子】:【炎帝ノ国】所属。【聖女】の二つ名を持つ僧侶。回復魔法でメンバーをサポートするのがメインだが、強力な攻撃魔法も所持している。ミィの素の性格を知る数少ない一人。<第1・4・8・10~12話>

  • ベルベット【川澄 綾子】:【thunder storm】のギルドマスター。装いはいかにもなお嬢様だが、やることは豪快。「~っす」という独特の語尾が特徴。<第12話>

  • ヒナタ【篠田 みなみ】:【thunder storm】所属。人形を抱えた大人しく控えめな少女。友人のベルベットにいつもに振り回されている。<第12話>

  • リリィ【伊藤 静】:【ラピッドファイア】のギルドマスター。メイド服に身を包んでいるが、堂々とした立ち居振る舞いからは強い自信を感じさせる。<第12話>

  • ウィルバート【田丸 篤志】:【ラピッドファイア】所属。物腰が柔らかく、常に余裕を崩さない弓使い。鋭い洞察力と分析力でリリィをサポートする。<第12話>

そのほか、劇中で登場する、役名が付いているキャラクターとしては、次のような人たちがいます。< >内はそのキャラクターが登場する放送回です。

  • シロップ【島袋 美由利】:メイプルが第二回イベントで手に入れた「幻獣の卵」から生まれた亀。<第1・2・4・5・7~12話>

  • 朧【松井 暁波】:サリーが第二回イベントで手に入れた「幻獣の卵」から生まれた狐。<第1・4・5・7~12話>

  • ハク【森永 千才】:カスミがテイムした白蛇。<第5・8~12話>

  • ツキミ【松井 暁波】:マイがテイムした小熊。<第5・8~12話>

  • ユキミ【麻倉 ありあ】:ユイがテイムした小熊。<第5・8・9・12話>

  • フェイ【松井 暁波】:イズがテイムした精霊。<第6・8~12話>

  • レイ【島袋 美由利】:ペインがテイムした竜。<第8・10~12話>

  • シャドウ【蒼谷 和樹】:ドレッドがテイムした黒い狼。<第8・11・12話>

  • ノーツ【麻倉 ありあ】:フレデリカがテイムした黄色い小鳥。<第7・10~12話>

  • アース【玄田 哲章】:ドラグがテイムしたゴーレム。<第8・10~12話>

  • イグニス【ニケライ ファナラーゼ】:ミィがテイムした不死鳥。<第6・8・10~12話>

  • ウェン【蒼谷 和樹】:シンがテイムした鷹。<第8・10~12話>

  • クリア【久野 美咲】:マルクスがテイムしたカメレオン。<第8・10~12話>

  • ベル【小清水 亜美】:ミザリーがテイムした白猫。<第8・10~12話>

  • ドラぞう【丹下 桜】:ゲーム内イベントの案内などをする「NewWorld Online」のマスコットキャラクター。<第1・3・5・7~9・12話>

  • 管理者A【玄田 哲章】:「NewWorld Online」の管理者。<第1・3~5・7~12話>

  • 管理者B【坂本 千夏】:「NewWorld Online」の管理者。<第1・3~5・7~12話>

  • 管理者C【久野 美咲】:「NewWorld Online」の管理者。<第1・3~5・7~12話>

  • 管理者D【高戸 靖広】:「NewWorld Online」の管理者。<第1・3~5・7~12話>

  • 管理者E【竹内 順子】:「NewWorld Online」の管理者。<第3・9・12話>

  • 新人秘書【小清水 亜美】:「NewWorld Online」の管理者たちの秘書。<第1・3~5・7~12話>

  • クリスマスローズ【井之上 潤】:第一回イベントでメイプルに倒された男性プレーヤーで、今は「集う聖剣」に所属している。自らを「白薔薇の騎士」と呼ぶナルシスト。<第2・4~6・8・10~12話>

  • 三連星長男【中村 光樹】:第一回イベントでメイプルに倒された男性プレーヤーで、今は「集う聖剣」に所属している。<第2・4~6・8・10~12話>

  • 三連星次男【藤原 聖侑】:第一回イベントでメイプルに倒された男性プレーヤーで、今は「集う聖剣」に所属している。<第2・4~6・8・10~12話>

  • 三連星三男【蒼谷 和樹】:第一回イベントでメイプルに倒された男性プレーヤーで、今は「集う聖剣」に所属している。<第2・4・6・8・10~12話>

  • 槍使い【松井 暁波】:第二回イベントでサリーに襲撃された槍を使う女性プレーヤー。今は「炎帝の国」に所属している。<第8・10~12話>

  • 剣使い【島袋 美由利】:第二回イベントでサリーに襲撃された剣を使う女性プレーヤー。今は「炎帝の国」に所属している。<第8・10~12話>

 

公式サイトのストーリーで紹介されているあらすじは、次のとおりです。

 

<一緒なら、もっと夢中になれる。

VRMMO『NewWorld Online』に夢中のメイプル。

防御力に極振りしてしまい、プレイ当初はカッチカチの耐久プレイになるかと思われたが、凶悪なスキルを複数取得し、繰り広げたのは蹂躙に次ぐ蹂躙!
異常な戦いぶりから、「ラスボス」扱いされる有名プレイヤーとなったのだった。

親友のサリーと立ち上げたギルド【楓の木】も、個性的で頼れる仲間が集まり、その結束は一段と強まっていった。

そしてー。

『NewWorld Online』に新たな階層が実装!
かつてのライバルと手を組んだり、新たな仲間が増えたり、さらに新たなイベントも
開催されたり!?
ここでもやっぱりメイプルたちの大暴れは確実……?

世界は広がり、冒険はますます楽しくなっていく!>

第1話 防御特化とクリスマス。

<季節はクリスマスシーズン。『NewWorld Online』では四層が解放され、さっそくメイプルたち【楓の木】も新しい階層へと向かった。
探索で街を歩いていたメイプルは、【炎帝ノ国】のギルドマスター・ミィが、変装してこっそりとあるお店に入るところを見かける。
一方、探索中に怪しげな妖刀を見つけたカスミは、その効果を試してみるが……。
ストレスフリーなメイプルの冒険が、いま再び幕を開ける!>

原作小説の第5巻「痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。5」収載のプロローグ「防御特化と四層実装。」、二章「防御特化とカスミ。」の最後の部分、三章「防御特化と星降る夜。」の後半、二章「防御特化とカスミ。」の残りの部分、九章「防御特化と復帰。」におおむね対応しています。

なお、原作小説の第5巻の六章「防御特化とクリスマス。」でも「楓の木」のメンバーがクリスマスパーティーをするシーンが描かれていますが、本話の終盤で描かれているクリスマスパーティーのシーンは、「集う聖剣」と「炎帝の国」の主要メンバーも参加しているなど、アニメオリジナルの内容のようです。

第2話 防御特化と五層と六層。

<五層が実装され、四層のボスと戦うサリーたち。無事に倒すものの、そこにメイプルの姿はなく。……実は風邪を引いていたため、ボス戦に参加できなかったのだった。
五層に行くために改めてボスを倒さなければならないメイプルは、あえて一人で挑んでみることに。強敵との戦いに苦戦しながら勝利するが、なぜか五層への道は開かない。疑問に感じていたメイプルに衝撃の通知が届くのだった。>

原作小説の第5巻「痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。5」収載の七章「防御特化と五層へと。」、八章「防御特化と雲の町。」の前半、さらに、第6巻「痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。6」収載のプロローグ「防御特化とアイテム。」の後半、二章「防御特化と六層へ。」、三章「防御特化と幽霊屋敷。」、四章「防御特化と延長戦。」におおむね対応しています。

第5巻で描かれた部分はだいぶ省略しながら駆け足で通り過ぎた感じになっていますね。

第3話 防御特化と第七回イベント。

<幽霊や人魂といったゴースト系モンスターが多く出現する六層。とあるクエストで新しいスキルを手に入れたメイプルは、前々から約束をしていたミィと一緒にレベル上げに行くことに。メイプルのサポートを受けながら、強力なスキルや魔法を展開させ、圧倒的な強さを見せるミィ。戦いを終えた二人は、カフェでお茶をしながら、次に開催される第七回イベントについて話をする。>

原作小説の第6巻「痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。6」収載の八章「防御特化と二人の少女。」、七章「防御特化とお手伝い。」、九章「防御特化と第七回イベント。」、十章「防御特化と塔一階。」、十一章「防御特化と塔二階。」、第7巻「痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。7」収載の「一章 防御特化と塔三階」、「二章 防御特化と塔攻略。」におおむね対応しています。

原作小説では、塔三階の攻略はいったん引き返し、日を改めて踏破していますが、コンパクトに物語を進めるためでしょう、アニメでは二階を踏破した後に続けて突破する形で描かれています。

第4話 防御特化と塔攻略。

<サリーと共に第七回イベントに挑戦中のメイプル。各階ごとに地形の変わる塔型ダンジョンを昇っていく。だが五階は幽霊系モンスターがいる階。別行動中のクロムたちもホラーが苦手なサリーを案じていた。、怖い一方、ペインやミィといった高レベルプレイヤーたちも次々と塔を攻略していく。そしてようやく最上階へと辿り着いたメイプルとサリーの前に現れたのは……。>

原作小説の第7巻「痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。7」収載の「三章 防御特化と塔四階」、「四章 防御特化と塔五階。」、「幕間 防御特化と集う聖剣。」、「幕間 防御特化と炎帝の国。」、「七章 防御特化と塔八階。」、「八章 防御特化と塔九階。」、「九章 防御特化と塔十階。」、「エピローグ」におおむね対応しています。

原作小説の第7巻収載の「五章 防御特化と塔六階。」、「六章 防御特化と塔七階。」で描かれた塔の6階・7階攻略のシーンは省略されてショートカットされるなど、戦闘のシーンはかなり圧縮されており、原作小説の第5巻から第7巻までの部分は、かなりの駆け足で描かれた感じになっています。

第5話 防御特化と触手。

<イベントのクリア報酬で新たなスキルを手に入れたメイプルたちは、イベント終了後間もなく解放された七層へと向かう。訪れた七層はモンスターの楽園のようなエリア。どうやらゲーム内に新要素が追加され、モンスターをテイムできるらしい。既にシロップや朧のいるメイプルとサリーは、まだテイムモンスターのいない他メンバーのサポートに回ることにするのだった。>

原作小説の第8巻「痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。8」収載の「プロローグ」、「一章 防御特化と七層。」、「二章 防御特化と追加。」、「三章 防御特化と触手。」におおむね対応しています。

原作小説の第8巻に入ってからは、第1期と同じくらいのより落ち着いたペースに戻った感じです。

第6話 防御特化とテイムモンスター。

<無事、モンスターをテイムできたカスミとマイ、ユイ。皆をサポートしていたメイプルは新たなスキルを習得し、触手を出せるようになった。クロムやカナデ、イズの三人は、自分の能力とぴったり合うモンスターを求め、七層を探索する。
ミィとレベル上げに向かっていたメイプルは、イズから素材集めの協力を依頼され、三人でダンジョン攻略へと向かうのだった。>

原作小説の第8巻「痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。8」収載の「四章 防御特化と追跡。」、「五章 防御特化と同行。」、「六章 防御特化とテイムモンスター。」におおむね対応しています。

第7話 防御特化と宝石探し。

<フレデリカにテイムしたモンスターを見せてもらったり、第八回イベントが告知されて胸を躍らせたりしつつ、久々に二人で探索することにしたメイプルとサリー。七層の探索を続ける中、羊に跳ね飛ばされたメイプルは、とある泉で不思議な宝石を手にする。アイテムの説明欄を確認すると、それは『白の鍵』と呼ばれるものだった。どうやら何かのクエストが発生してしまったようで……?>

原作小説の第8巻「痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。8」収載の「七章 防御特化とイベント情報。」、「八章 防御特化と宝石探し。」におおむね対応しています。

第8話 防御特化と第八回イベント。

<シロップと朧を進化させることができたメイプルとサリー。二匹に新しいスキルを獲得させるため、レベリングに勤しむのだった。やがて始まった第八回イベントは予選と本戦に分かれており、まずは予選に挑むメイプルたち。モンスターを狩ってポイントを稼ぐシンプルなものと思いきや、今回のイベント特有の仕様で、モンスターを倒すたびに様々なバフやデバフがかけられるというギミックがあった。>

原作小説の第8巻「痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。8」収載の「九章 防御特化と第八回イベント。」、第9巻「痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。9」収載の「プロローグ 防御特化とイベント本戦。」におおむね対応しています。

第9話 防御特化と拠点作り。

<第八回イベント本戦に進むメイプルたち。イベント中にレアドロップする銀メダルは、ギルド内で共有できるとのことだった。効率を考え、二手に分かれることにしたメイプルたち【楓の木】メンバーは、メダルを持っていそうな強力なモンスターと戦いながら、順調にイベントを進めていく。本戦はゲーム内時間で3日間あるため、休憩ポイントが必要と考えたメイプルたちは拠点を作ることに。>

原作小説の第9巻「痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。9」収載の「一章 防御特化と人形退治。」、「二章 防御特化と拠点作り。」におおむね対応しています。

第10話 防御特化と新コンビ。

<第八回イベント本戦2日目を迎えるメイプルたち。みんなで作った拠点で一夜を過ごして外に出たところ、まるで夜が明けていないかのように辺りは真っ暗。しかもマップも開けなくなっていた。そして突然、メイプルたちはバラバラの場所に転移させられてしまう。メイプルたちと合流を果たそうと、単身でモンスターと戦っていたサリーは、助太刀に現れたフレデリカと共闘することに。>

原作小説の第9巻「痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。9」収載の「三章 防御特化と新コンビ。」と「四章 防御特化と同盟戦。」の冒頭部分におおむね対応しています。

第11話 防御特化と新パーティ。

<【楓の木】の拠点に【集う聖剣】、そして【炎帝ノ国】の主要メンバーも合流。メイプルやペイン、ミィたちは4つのパーティに分かれ、引き続きイベント攻略に乗り出す。時間経過とともに狭くなっていくフィールド。強力なモンスターの出現。イベント特有の様々な仕掛けの中、普段はライバルである他ギルドメンバーたちが仲間であることを心強く感じながら、メイプルたちは奮闘する。>

原作小説の第9巻「痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。9」収載の「四章 防御特化と同盟戦。」の途中からと「五章 防御特化と新パーティ。」、「六章 防御特化と大決戦。」の冒頭部分におおむね対応しています。

第12話 防御特化と大決戦。

<イベント最終日、ついに運営の虎の子である超巨大なモンスターが出現。その強さにやられそうになった他プレイヤーたちを助けようとするメイプル。彼らとも協力してモンスターに立ち向かおうと、ペインやミィも賛同。【楓の木】、【集う聖剣】、【炎帝ノ国】が率先して超巨大モンスターへと挑む。これまで培った技術やスキルを駆使し、戦うメイプルたちの大決戦の行方は――!?>

原作小説の第9巻「痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。9」収載の「六章 防御特化と大決戦。」の途中から最後までにおおむね対応しています。

(ここまで)

 

以上のとおり、原作のラノベの第5巻から第9巻まで、ゲーム内での節目でいうと、第4回イベント終了後の四層実装から第8回イベント終了までの物語が、時系列の変更も含めアレンジを加えて描かれています。

第1期と同様、ゲームが舞台とはいえリアリティは感じられませんが、いい意味で無茶苦茶な展開で、ストレスを感じることなく楽しんで見ることができました。

なお、公式サイトで紹介されている主要キャラクターのうち、一番最後の4人、すなわち、「thunder storm」所属のベルベットとヒナタ、「ラピッドファイア」所属のリリィとウィルバートは、いずれも、本筋での登場はなく、最終話の第13話のエンディング・テーマが終わった後、メイプルとサリーが街を歩くシーンで初めて登場し、それぞれ思わせぶりな台詞を吐いています。公式には続編期の制作開始はアナウンスされていませんが、次に続く物語の伏線としてわざわざ挿入された描写であることは明らかなので、テレビアニメの第3期なのか、あるいは劇場版なのかはわかりませんが、いずれ続編が制作される可能性が高いのだろうと思います。

ショスタコーヴィチ:交響曲第10番

ショスタコーヴィチ交響曲第10番を聴きました。

ニコライ・アレクセーエフ指揮アーネムフィルハーモニー管弦楽団
(録音:2009年9月3・4日 アーネム、ムシス・サクルム、コンサートホール(ライヴ)

 

この曲は、ショスタコーヴィチ交響曲の中でも、個人的に一番好きな曲。各楽章をごく簡単に紹介すると、次のような感じです。

第1楽章:Moderato

ホ短調・3/4拍子、ソナタ形式。演奏時間は約22分13秒(スコアに記載されているメトロノーム記号どおりの速さで機械的に演奏した場合。以下も同様)。低弦による問いかけのようなモティーフに始まる序奏の後、少しテンポを速めてクラリネットによる第1主題が現れ、いったんクライマックスを迎えた後、テンポをさらに速めてフルートが第2主題を奏します。再び第1主題のテンポに戻って始まる展開部では、2つの主題が絡み合いながら高揚し、クライマックスの頂点を迎えたところで、弦楽器が強奏する第1主題で再現部に突入します。音楽が鎮まっていったところで、クラリネットによる第2主題、弦楽器による序奏の再現の後、2本のピッコロが第1主題の断片を奏し、静かに曲を閉じます。

第2楽章:Allegro

変ロ短調・2/4拍子。演奏時間は約4分5秒。暴力的なスケルツォ。リズムを強奏する弦楽器の伴奏で木管楽器が甲高く叫ぶような第1主題、弦楽器による嵐のような中間部の後、再現部では金管楽器が引き延ばされた第1主題を威圧的に奏し、終止まで突進していきます。

第3楽章:Allegretto

ハ短調・3/4拍子、三部形式。演奏時間は約10分28秒。ヴァイオリンによる第1主題の後、木管楽器ショスタコーヴィチのイニシャル(D-Es-C-H:レ-ミ♭-ド-シ)が埋め込まれた第2主題を奏し、中間部ではホルンによる悲しげなモティーフが現れ、再現部では第2主題の再現とともに、音楽が高揚していき、クライマックスでは中間部のホルンのモティーフが強奏されます。

第4楽章:Andente-Allegro

ロ短調・6/8拍子 - ホ長調・2/4拍子、ソナタ形式。演奏時間は約11分1秒。深く、悲しげなオーボエ・ソロによる序奏の後、テンポを速めた主部では、ヴァイオリンによる明るい第1主題、リズミカルな第2主題、低弦による第3主題が現れ、クライマックスではD-Es-C-Hのイニシャルが咆哮のように強奏されます。再現部の後のコーダでは、再びイニシャルのモティーフが、ホルン・トランペットで6回、ファゴットトロンボーン・チューバ・低弦で4回、最後にティンパニが6回繰り返され、高揚のうちに曲を閉じます。
どうでもいいことですが、個人的には、このイニシャルの繰り返し部分を聴くと、なぜか候補者の名前を連呼する選挙カーを連想してしまいます。

ちなみに、ショスタコーヴィチ交響曲は、国内版のミニチュアスコアが入手可能になっています。

アレクセーエフの指揮は、比較的遅めのテンポで、奇を衒うことなく、音楽に語らせていくような演奏で、特に、1楽章で、音楽の高揚に合わせてテンポを上げていく演奏が多い展開部においても、殊更にテンポを上げることなく、音楽をがっちり構築していくのは、強い印象を受けました。テンポの動きが少ないがゆえに単調に感じてしまったり、テンポが速い部分では安全運転に聞こえるところもあり、オーケストラにもう少し力があれば、とも思いますが、演奏が終わって拍手が入って初めてライヴだと気づくくらい、アンサンブルはしっかりしていて、なかなかの好演でした。

 

手元にある他のCDも聴いてみました。

録音が新しいものから紹介します。

ルドルフ・バルシャイ指揮WDR交響楽団
(録音:1995年7月12・14日、9月14日、1996年4月26日[Op.70]、1996年10月15・24日[Op.93]  ケルン、フィルハーモニー

バルシャイが1992年から2000年にかけてWDR(西部ドイツ放送)交響楽団(旧:ケルン放送交響楽団を振って録音した交響曲全集の1枚。

奇を衒わず、実直に向き合った演奏という印象。派手さはありませんが、オーケストラの凝集度も高く、この交響曲全集の中でも、最も優れた演奏なのではないかと思います。

 

マリス・ヤンソンス指揮フィラデルフィア管弦楽団、ロバート・ロイド[Bs、ムソルグスキー]
(録音:1994年3月5~7日 フィラデルフィア、メモリアル・ホール)

ヤンソンスが1988年から2005年にかけて、8つのオーケストラを振って録音した交響曲全集の1枚。録音順でいうと、第7番、第6番、第9番に続く4曲目の録音となります。

これは以前の記事でも紹介したことがあります。

reiherbahnhof.hatenablog.com

どっしり腰を据えた感じが印象的で、手元にあるこの曲のCDの中では総合的にはかなり優れた演奏だと思います。フィラデルフィア管弦楽団というと華やかな音色のイメージがありますが、曲調に合わせたのか、ほのかに暗い音色を感じさせる録音も効果的です。 

 

交響曲 第10番 ホ短調

交響曲 第10番 ホ短調

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サー・ゲオルグショルティ指揮シカゴ交響楽団
(録音:1990年10月 シカゴ、オーケストラ・ホール(ライヴ)

ショルティが、晩年になって音楽監督を務めていたシカゴ交響楽団などと積極的に取り組んだショスタコーヴィチ交響曲の録音の中の1枚。録音順でいうと、第8番、第9番に続く3曲目の録音となります。シカゴ交響楽団の優れた能力が存分に発揮され、スケールも感じさせる演奏ですが、第1楽章のクライマックスに向かってテンポをどんどん上げていくところなど、解釈が好みでない部分が少なくないのと、ライヴ録音のためか、この時代のCDとしてはそれほど音質が良くないので、個人的な評価は今一つです。

 

クリストフ・フォン・ドホナーニ指揮クリーヴランド管弦楽団
(録音:1990年2月12日 クリーヴランド、メイソニック・オーディトリウム[ショスタコーヴィチ]、1990年8月21日 クリーヴランド、セヴェランス・ホール[ルトスワフスキ]

ドホナーニが唯一録音したショスタコーヴィチの録音。全体に引き締まった造形の完成度の高い演奏。圧倒的な迫力を期待する人には物足りないかもしれませんが、スコアを細部まで見通したようなバランスの良さ、虚飾を廃した端正な表現、隙のないアンサンブル、クリアさが際立つパーカッションなど、独特の魅力が感じられる演奏で、個人的にはかなり好きです。カップリングのルトスワフスキ―「葬送音楽」も秀演。

 

ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
(録音:1981年2月 ベルリン、フィルハーモニー

カラヤンが唯一録音したショスタコーヴィチ交響曲で、1966年の録音に続く2回目の録音です(なお、1969年のモスクワでのライヴ録音も入手可能なようです)

カラヤンらしい流麗な演奏で、オーケストラの威力も十分。以前はあまり好きな演奏ではありませんでしたが、久しぶりに聴くと、響きの雰囲気は好みではありませんが、下手な小細工なく、かなり楽譜に忠実に演奏されていて、好感が持てる演奏です。4楽章の最後のクライマックスで、イニシャルを連打するティンパニが1小節ずれているのはいただけませんが・・・。

 

クルト・ザンデルリング指揮フランス国立管弦楽団
(録音:1978年1月8日 パリ、シャンゼリゼ劇場(ライヴ)

クルト・ザンデルリンクのこの曲の録音としては、当時首席指揮者を務めていたベルリン交響楽団(現:ベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団との1977年盤がありますが、本盤は、その約1年後のライヴ録音。

かつてムラヴィンスキーの下でレニングラード・フィルの第一指揮者を務めていたこともあるザンデルリンクは、いわゆるロシアものもよく振っており、以前にもブログで書きましたが、晩年のベルリン・フィルへの客演時にもショスタコーヴィチ交響曲を取り上げていました。この演奏も、ザンデルリンクらしくやや遅めのテンポながら、確かに歩みを進めていくような音楽の運びが印象的で、個人的には好きな演奏のひとつ。ところどころ入り間違いなどイージーなミスもあり、この時期のフランス国立管にはなじみのない曲だったのだろうと思われますが、ファゴットのソロがフレンチ式のバソンで聴くことができる珍しい演奏であるのも、個人的には魅力です。

 

エフゲニー・ムラヴィンスキー指揮レニングラードフィルハーモニー交響楽団
(録音:1972年1月27日[Op.54]、1976年3月31日[Op.93] レニングラードフィルハーモニー大ホール(ライヴ)

この曲を初演したコンビによる、ショスタコーヴィチが亡くなって間もない1976年のライヴ録音。初演間もない時期の1954年、1955年の録音も残されているようですが、入手しやすいのは、本盤と次に紹介する1976年3月のライヴだと思います。本盤の第10番の方は、なぜかモノラル録音です。

録音はあまり良くなく、ライヴならではのキズもありますが、ムラヴィンスキーらしい、ピンと張りつめたような厳しい雰囲気の演奏。ちなみに、カップリングされている交響曲第6番は、個人的には名演だと思います。

 

エフゲニー・ムラヴィンスキー指揮レニングラードフィルハーモニー交響楽団
(録音:1976年3月3日 レニングラードフィルハーモニー大ホール(ライヴ)

上の3月31日のライヴ録音の4週間前のライヴ録音。

ピンと張りつめた緊張感が漂っているのは共通ですが、こちらはステレオ録音なので、3月31日のライヴ録音よりはだいぶ聞きやすくなっています。録り直しなしの一発ライヴなので、細部にはキズもありますが、この厳しい雰囲気はムラヴィンスキーならでは。名盤とまでは思いませんが、一度聴く価値のある演奏だと思います。
なお、上の3月31日のライヴ録音でも同様ですが、4楽章のコーダの盛り上がった箇所(645小節目)で、スコア上は8分音符の打ち込みになっている金管楽器を3拍分伸ばさせるムラヴィンスキー独自の演出・変更が加えられています。

 

キリル・コンドラシン指揮モスクワ・フィルハーモニー管弦楽団
(録音:1967年9月15日[Op.54]、1973年9月24日[Op.93] モスクワ)

コンドラシンが1962年から1975年にかけて、当時首席指揮者を務めていたモスクワ・フィルと録音した交響曲全集の1枚。

変なたとえですが、速球で真っ向勝負、という印象の演奏。オーケストラの技術的な部分などは見劣りする部分はあり、全体に荒削りなので、初めて聴く人にはお勧めしにくいですが、細部のキズは厭わず、作品に正面から組み合った感じは好感が持てます。まだショスタコーヴィッチが存命だった当時の旧ソ連における本格的な交響曲の録音であり、当時の時代の雰囲気の一端を感じさせてくれる一枚ともいえます。

 

カレル・アンチェル指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、ヴォルフガング・シュナイダーハン[Vn][ストラヴィンスキー]チェコ・フィルハーモニー管弦楽団[ショスタコーヴィチ]
(録音:1962年12月 ベルリン、イエス・キリスト教会[ストラヴィンスキー]、1955年10月 ミュンヘンヘラクレスザール[ショスタコーヴィチ]

初演間もない時期、アンチェルが当時首席指揮者を務めていたチェコ・フィルとの演奏旅行中に、ドイチェ・グラモフォンがミュンヘンで録音したスタジオ録音。

当然ながらモノラルで、あまり良い録音ではないですが、リマスターもあってか、この時代の録音としては、鮮やかな音で聞くことができます。ザラザラとした空気感の中で、ビブラートをかけたクラリネット・ソロをはじめこの時代のチェコ・フィルならではの音色と、全体としてかなり速めのテンポながら、当時としては精度が高かったであろう乱れのないアンサンブルで、緊張度の高い演奏になっています。

 

紹介したCDの楽章ごとの演奏時間は、それぞれ次のようになっています。

・アレクセーエフ    :Ⅰ26'07/Ⅱ4'51/Ⅲ12'24/Ⅳ13'13
バルシャイ      :Ⅰ23'14/Ⅱ4'31/Ⅲ12'08/Ⅳ12'19
ヤンソンス      :Ⅰ21'49/Ⅱ4'19/Ⅲ12'03/Ⅳ12'59
ショルティ      :Ⅰ21'34/Ⅱ4'20/Ⅲ11'37/Ⅳ12'27
・ドホナーニ      :Ⅰ22'24/Ⅱ4'13/Ⅲ11'46/Ⅳ13'25
カラヤン       :Ⅰ22'30/Ⅱ4'09/Ⅲ11'38/Ⅳ13'03
ザンデルリンク    :Ⅰ24'07/Ⅱ4'26/Ⅲ11'52/Ⅳ12'59
ムラヴィンスキー[3/31] :Ⅰ22'22/Ⅱ4'05/Ⅲ11'10/Ⅳ11'28
ムラヴィンスキー[3/03] :Ⅰ22'03/Ⅱ3'59/Ⅲ10'56/Ⅳ11'10
コンドラシン     :Ⅰ21'25/Ⅱ4'07/Ⅲ12'06/Ⅳ11'24
アンチェル      :Ⅰ20'48/Ⅱ3'51/Ⅲ10'57/Ⅳ11'54

 

こうやって演奏時間を比べてみると、アレクセーエフ盤は第1楽章で最も早いアンチェル盤よりも5分以上(曲全体では約9分)も時間が長くなっており、テンポが遅いことが演奏時間からもわかります。アレクセーエフ盤は、第2楽章・第3楽章でも最も時間が長く、第4楽章こそ最長ではないものの、これもかなり時間が長くなっていて、全体的にアレクセーエフ盤のテンポが遅いことが演奏時間からもうかがえます。一方、録音が古いムラヴィンスキー盤、コンドラシン盤、アンチェル盤はいずれも全体的にテンポが早めになっていることがわかります。なお、楽章全体の演奏時間だけでみると、ムラヴィンスキー盤が、全体的にスコアの指定のテンポに最も近いように思われます。

 

最後にいくぶん余談になりますが、この曲(に限らずショスタコーヴィチの曲の多く)では、例えば、第1楽章の2小節目の1拍目(最初から4つ目の音)にチェロとコントラバスの低弦が奏する低いレ♯(ドイツ語の音名ではDis)など、コントラバスに、一般的な4弦の楽器*1では出ない音も使われています*2。しかし、上記の録音のうち、最後の4枚、旧ソ連レニングラード・フィルとモスクワ・フィル、同じく共産圏だったチェコ・フィルの録音では、耳で聴く限り、そうした部分は1オクターブ上げて演奏されており、これらのオーケストラはいずれも、録音当時、通常の4弦のコントラバスだったことがうかがえます。

旧ソ連で作曲活動を行ったショスタコーヴィチは、当然、そうした楽器事情も知っていたはずですが、それでもなお、通常の4弦のコントラバスでは出ない低い音を使っていたのは、どのような考えによるものなのでしょうか。

*1:通常の4弦のコントラバス最低音はミ(E)です。

*2:下に1弦(調弦はシ(H))追加した5弦のコントラバスか、一番下の第4弦の長さを延長して、チェロの最低音の1オクターブ下のド(C)の音まで出るようにした「Cマシン」を付けたコントラバスであれば、これらの音も出すことができます