鷺の停車場

映画、本、グルメ、クラシック音楽、日常のできごとなどを気ままに書いています

MARE@ 柏本店

柏にあるMARE@で昼食。

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お店は、柏駅東口から旧水戸街道(県道51号:市川柏線)を右(南方向)に曲がり、しばらく歩いたところにあります。駅からは8~10分くらいでしょうか。

昔は柏駅近くに支店もありましたが、その閉店後はこの店だけになっていましたが、今年の2月に増尾駅近くに支店がオープンしているそうです。

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店頭のランチメニューとテイクアウトメニュー。

週末の11時半過ぎ、店内はまだ余裕がありましたが、お昼近くになるにつれお客さんが入ってきて、お店を出るころにはほぼ満席になっていました。

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ランチメニューとその裏面のドリンクメニュー。ランチメニューは税込みで1,000円か1,100円。パスタは大盛り無料です。

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注文して15分ほどで、ジャコとネギとキノコの和風スパゲッティ(1,000円)が到着。パスタは大盛りにしてもらいました。強いていえばちょっと塩味が濃いめでしたが、いい味わいで美味しかった。

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連れが頼んだサーモンとほうれん草のパルメザンチーズ入りクリームソース・スパゲッティ(1,100円)と、渡り蟹のトマトクリームソース・スパゲッティ(1,100円)。パスタはどちらも大盛りです。どちらもちょっとだけ味見しましたが、トマトクリームソースのまろやかな味わいの方が私の好み。今度は自分も食べてみたいと思いました。

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食後のデザート。この日はパンナコッタでした。コーヒーか紅茶(ホットorアイス)が付くので、アイスコーヒーをいただきました。

久しぶりに来ましたが、前回同様美味しくいただけました。 

 

◎MARE@ 柏本店
千葉県柏市若葉町1-1(Tel:04-7167-1170)
営業時間:11:30~14:30(ラストオーダー14:00)、17:30~23:00(ラストオーダー22:00)※通常の営業時間、現在(まん延防止等重点措置の適用下)は20:00閉店
定休日:月曜日

映画「BLUE/ブルー」

GWに入った休日、MOVIX柏の葉に行きました。

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朝8時台の早朝、それほどにはお客さんはいません。まん延防止等重点措置が適用され、不要不急の外出などの自粛が要請されている影響もあるのでしょう。緊急事態宣言の対象となった東京都ではシネコンも休業要請を受け休館している状況ですが、個人的には、シネコンは換気もちゃんとしているので、飲食禁止にしてマスク着用を徹底し、席間を開ければ休業までしなくてもいいのでは、と思ったりもします。

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この週の上映スケジュール。

観たのは「BLUE/ブルー」(4月9日(金)公開)。公開当初から少し気になっていたのですが、全国60数館での公開、うまく観に行く時間を作れず、3週目で上映を終了する映画館もけっこうあったので、行けずに終わるかと思っていたのですが、この日うまく予定が合った朝一番の時間帯(この映画館では、3週目から1日1回の上映になっていました)に行くことにしました。

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上映は103+2人のシアター1。公開4週目だったこともあってか、お客さんは私のほかにもう1人だけ、席もだいぶ離れていたので、安心して観ることができました。

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監督の𠮷田恵輔が、自身が長年続けてきたボクシングを題材に脚本を書いた作品。

公式サイトのストーリーによれば、

誰よりもボクシングを愛する瓜田は、どれだけ努力しても負け続き。一方、ライバルで後輩の小川は抜群の才能とセンスで日本チャンピオン目前、瓜田の幼馴染の千佳とも結婚を控えていた。千佳は瓜田にとって初恋の人であり、この世界へ導いてくれた人。強さも、恋も、瓜田が欲しい物は全部小川が手に入れた。それでも瓜田はひたむきに努力し夢へ挑戦し続ける。しかし、ある出来事をきっかけに、瓜田は抱え続けてきた想いを二人の前で吐き出し、彼らの関係が変わり始める—。

 

というあらすじ。

主な登場人物・キャストは、

  • 大牧ボクシングジムのボクサー兼トレーナー・瓜田信人:松山ケンイチ
  • 瓜田のジムの後輩で運送会社に勤めながら日本チャンピオンを目指す小川一樹:東出昌大
  • 瓜田の友人で小川の恋人の美容師・天野千佳:木村文乃
  • ゲームセンターに勤めジムに入会してきた初心者・楢崎剛:柄本時生
  • ボクシングジムの練習生・洞口正司:守谷周徒
  • 楢崎が恋しているゲームセンターの同僚・佐藤多恵:吉永アユリ
  • 佐藤と仲の良いゲームセンターの同僚:長瀬絹也
  • 瓜田や楢崎の対戦相手となるボクサー・比嘉京太郎:松浦慎一郎
  • 他のボクシングジムのトレーナー:竹原ピストル
  • 大牧ボクシングジムの会長:よこやまよしひろ

など。

 

物語は、ボクシング好きで練習に打ち込むが才能に乏しく試合では勝てない瓜田、瓜田の後輩でその才能で将来を期待されるが秘かにボクシングによる脳障害(パンチドランカー)に苦しむ小川、恋するゲームセンターの同僚に好かれようと軽い気持ちでジムにやってきた楢崎、そして瓜田の古くからの友人(映画では直接は出てきませんが、瓜田の初恋相手という設定のようです)で小川の恋人である千佳の4人を軸に進んでいきます。

映画は、試合のリングに向かう瓜田を映して始まった後、舞台は一変して楢崎が働くゲームセンターのシーンで始まります。

ネタバレになりますが、記憶の範囲で詳しめに内容を紹介すると、次のような感じです。

ゲームセンターで、恋する多恵に頼まれて喫煙する中学生を注意し逆ギレされて反撃できず怪我をした楢崎は、話の流れから、ボクシングしている(から手を出せなかった)と嘘をつくことになり、「ボクシングしてる風」になろうと瓜田がいるボクシングジムにやってくる。最初は基礎的なトレーニングも嫌がる楢崎だったが、瓜田に親切に指導されていくうちに、基礎を身に付け、次第に向上心が芽生える。
ボクシングを愛し、努力を重ねる瓜田が試合では負け続けるのに対し、瓜田の誘いでボクシングを始めた小川は、先輩の瓜田を慕いつつも、瓜田の友人だった千佳を恋人にし、その才能とセンスで日本チャンピオンに挑むチャンスを手にする。しかし、次第に、物忘れ、強い頭痛などボクシングの後遺症であるパンチドランカ―の症状に苦しむようになる。
そのころ、センスもあり、試合で負け続ける瓜田を軽んじる練習生の洞口がプロテストを受けることになり、楢崎も急に一緒に連れていかれるが、基本をおろそかにする洞口を差し置いて、楢崎だけがプロテストに合格する。くさる洞口は基本に忠実だけど勝てない瓜田に悪態をつくが、それに我慢できなくなった楢崎は、洞口にスパーリングを申し込む。最初は調子の良かった洞口だが、基本のガードの甘さから次第に楢崎に打ち込まれてダウンし、容態が急変して病院送りとなり、ボクシングができなくなってしまう。
迎えた小川のタイトル戦、前座で瓜田の試合と、楢崎のデビュー戦が組まれていた(オープニングのシーンはこの試合の瓜田の入場シーン)。瓜田はこれがデビュー戦のキックボクシング出身の相手に余裕を見せつけられてKO負けし、楢崎もボディの甘さを突かれてあっけなくKO負けするが、その後のタイトル戦で、見事に小川は日本チャンピオンの座を掴む。
その打ち上げで、負けが悔しくて仕方がない楢崎は、敗戦を悔しがるそぶりを見せずニコニコと振る舞う瓜田に厳しい言葉を投げるが、千佳に一喝される。その帰り、小川と千佳との別れ際、瓜田は、いつも小川が負ければいいと思っていた、と抱え続けていた思いを吐露する。小川は、分かってました、と答え、歩み去る瓜田に頭を下げる。
翌日、楢崎がジムに行くと、会長から瓜田は昨日の試合で引退したと聞かされる。瓜田の引退は小川も聞かされていなかった。その後、小川の防衛戦が組まれ、その前座に先の試合で瓜田を倒したボクサーが出ると聞いた楢崎は、自分が戦いたいと会長に申し出る。練習を重ねた2人の試合の日、楢崎は健闘するも判定で敗れ、小川は余力が残っていたが目の上を切ってレフリーストップで敗れる。瓜田はその試合を観客席の最後列でひそかに見ていた。
その試合の後、小川はボクシングを引退するが、手の震えなどの後遺症が残り、運送会社の仕事でミスを頻発するようになっていた。ボクシングへの復帰も考える小川が河川敷をランニングしていると、同じくランニングしている楢崎とばったり出会う。一方の瓜田は、魚市場で働いていたが、仕事の合間にふとボクシングを思い出し、一人シャドーボクシングをするのだった。

(ここまで)

ボクサーとして登場する3人の俳優は、身体作りを含めて見事な演技。特に、主演の松山ケンイチの身体の絞り方は凄いものがありましたし、ボクシング自体も(少なくとも素人の私には)十分うまく見えました。

瓜田と小川は、方向は違えど切ない結果に至るのですが、柄本時生演じる楢崎の成長ぶりが、未来への光を感じさせる要素として、いい役割を果たしていました。チラシにもある、平凡と非凡、憧れと嫉妬、友情と恋、それらが絡み合った複雑な想い、そして決して甘くはない現実に立ち向かう男たちの姿が巧みに描かれ、心に残りました。

村山早紀「花咲家の人々」

村山早紀さんの小説「花咲家の人々」を読みました。

花咲家の人々 (徳間文庫)

花咲家の人々 (徳間文庫)

  • 作者:村山早紀
  • 発売日: 2012/12/07
  • メディア: 文庫
 

たまたま手にしてみた作品。文庫本のために書き下ろされ、2012年12月に刊行されています。著者は児童文学作家ということですが、これは大人向けの作品なのだろうと思います。

文庫本の背表紙には、次のような紹介文が掲載されています。

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 風早の街で戦前から続く老舗の花屋「千草苑」。経営者一族の花咲家は、先祖代々植物と会話ができる魔法のような力を持っている。併設されたカフェで働く美人の長姉、茉莉亜、能力の存在は認めるも現実主義な次姉、りら子、魔法は使えないけれども読書好きで夢見がちな末弟、桂。三人はそれぞれに悩みつつも周囲の優しさに包まれ成長していく。心にぬくもりが芽生える新シリーズの開幕!

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上の紹介文にあるとおり、植物と友達で会話ができる特殊能力を持つ花咲家が舞台になっています。

主な登場人物は、

  • 花咲りら子:神様やサンタクロースは信じない理系・現実主義的な高校生。
  • 花咲茉莉亜:りら子の10歳上の美人の姉。カフェを経営し、毎週木曜日の夕方、地元のFM風早にメインパーソナリティーとして出演している。
  • 花咲桂:りら子の5歳下の小学5年生の弟。本が好き。
  • 花咲草太郎:りら子たちの父。植物学の博士号を持ち、私立の風早植物園の広報部長をしている。
  • 花咲優音:りら子たちの母。結婚前はこども図書館で司書をしていた。10年前に亡くなっている。
  • 花咲木太郎:りら子たちの祖父。一流の庭師で、若い頃はプランツハンターをしていた。
  • 磯谷唄子:木太郎の幼なじみの随筆家。今は旅行で各地を飛び回っている。木太郎は若い頃秘かに恋心を寄せていたが、今は友人。
  • 磯谷皓志:木太郎の幼なじみで唄子の夫。大学で植物学を研究していたが、5年前に亡くなっている。
  • 野々原桜子:FM風早のアナウンサーで、ディレクターなども兼任している。
  • 有城竹友:茉莉亜が出演する番組で共演している、この街在住の新人少年漫画家
  • 真丘野乃実:りら子のクラスメートで幼い頃からの親友。実家は古くからの文房具屋。
  • 三角屋玩具店のおじいさん:若い頃は怪盗をしていたらしいおじいさん。
  • 十六夜美世子:この街に住む有名なイラストレーター。三角屋玩具店のおじいさんが若い頃手に入れた絵を返しに行く。
  • 秋生:桂のクラスメートの転校生。
  • 鈴木翼:桂のクラスメート。
  • 佐藤リリカ:桂のクラスメート。
  • 石田先生:桂の担任の先生。りら子が小学5・6年生の時の担任でもあった。
  • お兄さん:桂が出会った中学生。母親と二人暮らしだったが、母親は家出している。

というあたり。

作品は、次の4章で構成されています。各章のおおまかなあらすじは次のとおりです。

黄昏時に花束を

花咲家の朝。りら子は庭に亡き母親が準備していたロックガーデンを見て、母・優音のことを思い出す。りら子と桂が学校に行き、夕方、ふらりと帰ってきた磯谷唄子を杢太郎は家に迎え、疲れている唄子を布団に寝かせる。茉莉亜は、出演したFM風早の番組で母親との思い出を語った後、話しかければ花にも言葉が届くと信じたい、と言い、ちょっと咲いてみましょうか?とマイクに向かって声を掛ける。すると、横になっている唄子の目の前の庭の桜が満開となり、かつての愛犬ポチと、亡き夫晧志の姿を見る。

夏の怪盗

りら子は野乃実にある夏の夜に会った怪盗の話をする。塾に行く途中、公園のベンチで泣くOLらしいかわいらしい女性を見かけたりら子は、ベンチの脇の薔薇に自分の思いを伝えると、女性のまわりの薔薇の木が次々と蕾をつけ、咲いていく。女性は顔を輝かせ、その薔薇を手に取ってその香りを吸い込む。薔薇の花はやがて消えてしまうが、女性は少し元気になる。そこにマントをつけ、シルクハットをかぶった怪盗が声を掛ける。それは三角屋玩具店のおじいさんだった。女性が帰った後、りら子が聞くと、おじいさんは若い頃手に入れた絵を怪盗として返しに行くという。その絵は、この街に住むイラストレーターの十六夜美世子が若い頃に母を想って描いた油絵だった。

草のたてがみ

桂が給食後の昼休みに「ライオンと魔女」を読んでいると、転校生の秋生が悪口を言ってくる。同級生の鈴木翼と佐藤リリカが止めに入るが、ちょっとしたトラブルになり、放課後に先生に呼び出されてしまう。早く帰りたい桂は、秋生は悪くないと嘘をつき、翼やリリカもそれに話を合わせてくれて、職員室を出る。それがきっかけで秋生と一緒に歩いていると、川に子猫が3匹入った箱が流れているのを見つける。助けようとする桂たちは川に落ちてしまうが、中学生くらいのお兄さんが子猫を助けてくれ、ひとまず家で預かってくれることになる。家に帰った桂は子猫のうち1匹を飼いたいとお願いすると、自分で面倒を見るなら、と許してくれる。その夜、部屋のコスモスが「火事、燃えるよ」と言っているように感じた桂は、お兄さんの家が火事だと直感して、家を出て、お兄さんの家に走る。キャンドルが倒れ、カラーボックスやカーテンが燃えていたが、桂の心の叫びに反応した観葉植物たちが蔓や葉を伸ばして火を消し止める。

十年めのクリスマスローズ

クリスマスイブの日、FM風早の番組に出演する植物園の広報部長の草太郎は、10年前に亡くなった妻・優音のことを回想する。茉莉亜やりら子は千草苑でお店で売る花束や花かごを作り、桂は子猫と優音が造りはじめ、木太郎が完成させた庭のロックガーデンを眺める。閉店後、カフェの片付けをする茉莉亜の前に、母の優音が姿を現し、言葉を交わす。こたつでうたた寝をする桂、花束の配達から帰ったりら子、FM番組の出演から帰宅した草太郎の前にも優音が現れ、つかの間に言葉を交わす。そして、居間に集まった花咲家の人たちがごちそうを食べながら不思議な訪問者の話をしていると、雪降る庭のロックガーデンに白いクリスマスローズが咲き誇り、優音が再び姿を現して微笑む。優音が歩み去った後、ロックガーデンの花々が枯れているのを見たりら子は、花たちの10年分の祈りが起こした奇跡だと悟る。

(ここまで)

 

花咲家の特殊な能力には個人差があって、草太郎は、植物たちの声は聞こえますが、木太郎やりら子のように、植物たちに語りかけ、不思議な力で動かすまでの能力はありません。桂も、最初はその能力がありませんでしたが、「草のたてがみ」で描かれたエピソードで、初めて植物たちの声を聞くことになります。

植物と心を通わせることができる特殊な能力で、ホロッとするエピソードが紡がれる優しく詩的な物語で、心温まる作品でした。続巻も読んでみようと思いました。