平日の夜、MOVIX亀有に行きました。
平日の夜、人はまばらです。
この日の上映スケジュール。
観たのは、「寝ても覚めても」(9月1日(土)公開)。
(以前もらったチラシ)
観た後に知ったのですが、柴崎友香の同名の小説を原作とする、濵口竜介監督の商業映画デビュー作で、今年のカンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品された作品だそうです。
もとは、ネットでたまたま見掛けた紹介記事で気になって、仕事帰りに寄ってみた次第。
スクリーンは148席+2席のシアター3。スクリーンサイズは4.86m×9.00m。
予告編が始まる前に入ってみると、他のお客さんは1人のみ。予告編の間にもう1人入ってきましたが、観客がたった3人とは、平日21時過ぎのレイトショーとはいえ、公開初週としてはかなり寂しい。公開時に舞台挨拶が行われた上映館の代表格のテアトル新宿では連日満員との記事をネットで見掛けましたが、上映館は全国で40館、都心など大都市中心部の館以外は、さほどの入りではないのかもしれません。
映画は、大阪で朝子が麦と運命的な出会いをするシーンから始まり、やがて舞台は東京に移り、亮平と出会い、恋人となり、一緒に住むようになり、ささやかだけど幸せな日々を描いていきます。そこに麦の存在が再び明らかとなり、あることをきっかけに朝子に衝撃的な出来事が起きてしまう・・・。
ネタばれになるので詳述するのは避けますが、直感的に自分の気持ちに正直に動く、ある意味衝動的な朝子の行動には、拒絶的な反応をする人もいるでしょう。彼女の行動を、共感には至らないとしても、受け入れて観ることができるかどうかは、この作品の評価に大きく影響するところだろうと思います。
私自身は、彼女の衝動的な行動に振り回される亮平もそうですが、そうした行動をとる彼女自身にも、何か痛々しいものを感じて、胸が苦しくなりました。
物語の最後には、ひとまず和解に至るので、決してバッドエンドではないのですが、明るい未来が暗示されるわけではなく、ハッピーエンドともいいにくい形で終わります。朝子は、自分の行動で傷つけた、自分や周囲の人たちとの関係を、修復していかなければいけないのでしょう。
観た後に深く余韻が残る映画でした。