週末の朝、久しぶりに映画を観に行きました。
来たのはキネマ旬報シアター。この映画館は、1月に「劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン」を観にきて以来なので、およそ3か月半ぶりになります。
この週の上映作品。
観たのは「街の上で」(4月9日(金)公開)。公開当初から気にはなっていたのですが、上映館が少なく、行きにくい映画館まで出かけようとまでは思わなかったので、観に行く機会がありませんでした。4月24日(土)からこの映画館で上映が始まったので、来てみました。
シネコンなどでは、ほとんどが全席販売に戻っていますが、この映画館は、1席ずつ間隔を開けての販売が続いていました。
上映は148席のスクリーン2。実質的な定員は74人。けっこう埋まっていたので、40人くらいは入っていたのではないでしょうか。
(映画館でもらったチラシ)
「愛がなんだ」、「アイネクライネナハトムジーク」などの監督を務めた今泉力哉が、漫画家・大橋裕之との共同脚本で、オール下北沢ロケで撮影したオリジナル作品。もとは昨年5月に公開予定だったものが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で延期されて公開されています。
公式サイトのストーリーによれば、
『下北沢の古着屋で働いている荒川青(あお)。青は基本的にひとりで行動している。たまにライブを見たり、行きつけの古本屋や飲み屋に行ったり。口数が多くもなく、少なくもなく。ただ生活圏は異常に狭いし、行動範囲も下北沢を出ない。事足りてしまうから。そんな青の日常生活に、ふと訪れる「自主映画への出演依頼」という非日常、また、いざ出演することにするまでの流れと、出てみたものの、それで何か変わったのかわからない数日間、またその過程で青が出会う女性たちを描いた物語。』
というもの。
主な登場人物・キャストは、
- 古着屋で働く27歳の主人公・荒川青:若葉竜也
- 一度は青を振るが、最後にはよりを戻す彼女・川瀬雪:穂志もえか
- 青がよく通う古本屋の店員・田辺冬子:古川琴音
- 青に自分が監督する自主映画への出演を依頼する大学生・高橋町子:萩原みのり
- 自主映画の衣装スタッフで青と仲良くなる大学生・城定イハ:中田青渚
- 自主映画に出演する俳優・間宮武:成田凌(友情出演)
- 青が入ったラーメン屋「珉亭」で見かけた女性:村上由規乃
- 青が働く古着屋を訪れた男性客・茂:遠藤雄斗
- 茂と一緒に古着屋を訪れた女性・朝子:上のしおり
- 青が訪れたライブハウスで出会った女性:カレン
- 路上喫煙する青に声を掛ける警察官:左近洋⼀郎(ルノアール兄弟)
- 青がよく行くバーのマスター:小竹原晋
- そのバーの常連客:廣瀬祐樹
- 青が行ったカフェのマスター:芹澤興人
- そのカフェのバイト:春原愛良
- そのカフェを訪れた女性客:未羽
など。
冒頭、後半に出てくる青の自主映画の撮影シーンに始まりますが、すぐに不倫した雪が青に別れを告げるシーンに移り、青の日常生活を描いていきます。前半は緩いテンポで進みますが、自主映画の話が出てから物語が動き始め、イハとの出会い、雪との復縁など描きながら、それまでの伏線を回収して見事に着地します。深く心に刺さるような物語ではありませんが、漂う雰囲気が心地よい佳作でした。
これまで観た今泉監督の作品は、有名俳優が出演し、公開規模も大きい映画でしたが、この作品は、それらの作品とは違って、有名な俳優は友情出演の成田凌だけ、ところどころベタなお笑いシーンも交え、自主制作風の肌触りのする映画でした。商業ベースを考えなければ、このような映画が今泉監督の好みなのだろうかと思いながら観ました。