鷺の停車場

映画、本、グルメ、クラシック音楽、日常のできごとなどを気ままに書いています

劇場アニメ「北極百貨店のコンセルジュさん」

週末の朝、TOHOシネマズ流山おおたかの森に行きました。


9時半すぎの時間帯。もう朝イチの上映回が始まっているスクリーンも多いはずですが、その割にはけっこう多いお客さんがいました。


この日の上映スケジュールの一部。この日は計25作品・30種類の上映が行われていました。

観るのは「北極百貨店のコンセルジュさん」(10月20日(金)公開)。全国125館と中規模での公開です。


上映は125+2席のスクリーン5。公開2週目で早くも1日1回の上映になってしまっていたので、あまり入りが良くなかったのかと思いましたが、40人くらいはお客さんが入っていました。


(チラシの表裏)


(公開日のアナウンス前に配布されていた別バージョンのチラシ)

 

第25回文化庁メディア芸術祭マンガ部門で優秀賞を受賞した、西村ツチカさんの同名コミックを原作に、アニメ映画化した作品だそうで、監督:板津匡覧、脚本:大島里美、キャラクターデザイン・作画監督:森田千誉、アニメーション制作:Production I.Gなどの主要スタッフ。

 

公式サイトのストーリーによれば、

 

新人コンシェルジュとして秋乃が働き始めた「北極百貨店」は、来店されるお客様が全て動物という不思議な百貨店。
一人前のコンシェルジュとなるべく、フロアマネージャーや先輩コンシェルジュに見守られながら日々奮闘する秋乃の前には、あらゆるお悩みを抱えたお客様が現れます。
中でも<絶滅種>である“V.I.A”(ベリー・インポータント・アニマル)のお客様は一癖も二癖もある個性派ぞろい。

長年連れ添う妻を喜ばせたいワライフクロウ
父親に贈るプレゼントを探すウミベミンク
恋人へのプロポーズに思い悩むニホンオオカミ・・・

自分のため、誰かのため、様々な理由で「北極百貨店」を訪れるお客様の想いに寄り添うために、秋乃は今日も元気に店内を駆け回ります。

 

・・・というあらすじ。

 

主な登場人物・キャストは、

  • 秋乃【川井田 夏海】:北極百貨店で新人コンシェルジュとして働く主人公。

  • エルル【大塚 剛央】:北極百貨店内をなぜかいつも歩いている謎のペンギン。

  • 東堂【飛田 展男】:神出鬼没のフロアマネージャー。

  • 森【潘 めぐみ】:秋乃の大先輩コンシェルジュ

  • 岩瀬【藤原 夏海】:秋乃の先輩コンシェルジュ

  • 丸木【吉富 英治】:北極百貨店のベテランコンシェルジュ

  • 給仕長【福山 潤】:北極百貨店にあるレストランの給仕長。

  • トキワ【中村 悠一】:北極百貨店の外商員。

  • ワライフクロウ夫【立川 談春】・ワライフクロウ妻【島本 須美】・
    ウミベミンク娘【寿 美菜子】・ウミベミンク父【家中 宏】・
    クジャク【七海 ひろき】・クジャク彼女【花乃 まりあ】・
    二ホンオオカミ【入野 自由】・二ホンオオカミ彼女【花澤 香菜】・
    バーバリライオン【村瀬 歩】・バーバリライオン彼女【陶山 恵実里】・
    カリブモンクアザラシ【氷上 恭子】・ゴクラクインコ【清水 理沙】・
    ネコ【諸星 すみれ】:客として北極百貨店を訪れる動物たち。

  • ウーリー【津田 健次郎】:有名な彫刻家。

お客さんが全て動物である北極百貨店の新米コンセルジュとして働くことになった秋乃。先輩コンセルジュの森・岩瀬、フロアマネージャーの東堂などからの指導も受けながら、お客さんとの触れ合いの中で、少しずつ成長していくお話。

 

ネタバレになりますが、備忘も兼ねてより詳しくあらすじを記すと、次のようなもの。

幼いころ、北極百貨店でコンセルジュさんに優しく話しかけられた思い出がある秋乃は、新人コンセルジュとして働くことになる。先輩コンセルジュの森と岩瀬、フロアマネージャーの東堂からのアドバイスや注意を受けながら、お客さんと向き合う。

資産家である“V.I.A”(ベリー・インポータント・アニマル)のワライフクロウ老夫婦を接待したいとある男性から相談を受ける秋乃。接待のために北極百貨店に連れてきたのに、奥様が選んだ品物を旦那様が自腹で買っていくため、接待できないという。秋乃は、奥様が2つの品物のどちらにするのか迷った末に買う品物を決めているのを見て、選ばなかった方の品物を飼ってプレゼントすることを提案する。そのアドバイスは功を奏し、フクロウ夫婦は満足して帰っていく。

久しぶりに会う女優のウミベミンクの娘とその父がお互いにプレゼントを上げようと秋乃に相談する。最初は娘には万年筆を、父にはブラシを勧めた秋乃だったが、父親は既に万年筆を持っていて、腕時計が毛で見えにくくなっていること、一方の娘が髪を短くしたことを知って、娘には懐中時計を、父にはスカーフを勧める。娘が懐中時計を選んでいる間に店内を歩く父と遭遇しそうになり慌てた秋乃は、お客さんのクジャクにうまく話しかけて翼を広げてもらって娘を見えないようにし、事なきを得る。

レストラン研修で給仕のサービスを行う秋乃。リングケースを持って1人でたたずむニホンオオカミの男性を見て給仕長は彼女に約束をすっぽかされたと推測するが、秋乃が話を聞くと、今度彼女にプロポーズするために1人で下見に来たと話す。自分がプロポーズを切り出せるが不安になる男性に、秋乃は自分が何とかすると約束し、レストランのスタッフに協力を求める。そして男性は彼女とレストランにやってくる。秋乃はスタッフの協力を得て行った仕掛けは成功し、男性は彼女にプロポーズする。

バーバリライオンの男性は、本に挟まれた栞にかすかに匂いが残っている香水と同じ香水がほしいとやってくる。彼女からそれを見つけてくれれば交際してもいい?と言われたという。鼻が敏感なお客さんの手助けもあり、その香水が何かは判明するが、それは既に生産が終了している香水だった。秋乃がライオンにそれを説明しお詫びしようとしたところに現れたベテランコンセルジュの丸木は、在庫が残っていたお店を探し出してその香水を手に入れ、マジックで出した風を装って、それをバーバリライオンの男性に渡す。

たくさんの服を買った挙句にそれらをキャンセルし、気に入った別な服のサイズがないと難癖を付けるカリブモンクアザラシのクレーマーの客に、秋乃は言われるがまま土下座しようとするが、先輩コンセルジュの森は笑みを浮かべながらも毅然として対応し、そのクレーマーを退散させる。

クリスマスの日、あるゴクラクインコの母親がコイン1枚で病気で寝込んでいる子どもへのプレゼントを見繕ってほしいと秋乃に相談する。高級百貨店である北極百貨店には、ワンコインで買えるものはほとんどなく、秋乃はライオンのカップルにお願いし、店内を紹介する動画をスマホで撮影してもらい、それをディスクにコピーして母親に渡す。

彫刻家のウーリーの作品展が開かれる。パティシエ見習いで、ウーリーの彫刻が大好きなネコが会場にやってくるが、アクシデントで彫刻の台座にぶつかってしまい、彫刻が倒れて一部が壊れてしまう。彫刻を壊したことを責められるネコだったが、秋乃の計らいで、ウーリーと亡くなったその妻をあしらったケーキを作って、ウーリーに贈る。それを見たウーリーは喜び、ネコを温かく抱き上げる。

(ここまで)

 

東堂の登場の仕方をはじめ、コメディタッチの描写も多く、ユーモラスな雰囲気で進んでいきますが、秋乃の成長ぶり、百貨店を訪れるお客さんの反応などほっこりと心が温まる物語で、観終わった後に心地よい余韻の残る作品でした。本編70分と、もともと長編映画としてみれば短めの作品ですが、あっという間に時間が過ぎていったような感じがしました。