鷺の停車場

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テレビアニメ「やり直し令嬢は竜帝陛下を攻略中」①第1話~第6話

テレビアニメ「やり直し令嬢は竜帝陛下を攻略中」を見ています。

yarinaoshi-reijyou.com

2019年11月から小説投稿サイト「小説家になろう」に連載され、2020年3月からKADOKAWA角川ビーンズ文庫で文庫本化されている永瀬さらさの同名ライトノベルを原作にテレビアニメ化した作品で、2024年10月~12月の2024年秋クールにTOKYO MXなどで放送されました。主要スタッフは、監督:鈴木健太郎、シリーズ構成:イシノアツオ、キャラクターデザイン:小松沙奈、アニメーション制作:J.C.STAFFなど。

今回は、10月9日(水)から11月13日(水)にかけて放送された前半の第1話から第6話までを紹介します。

公式サイトでは、

 

処刑前夜、牢から逃げ出す令嬢ジル。
何の咎もない自分を罪人に仕立て上げたのは、婚約者の王太子・ジェラルドだった。
戦場で「化け物」と恐れられ、いつしか「軍神令嬢」と呼ばれるようになった働きも
すべて初恋のためだったのに……。
初対面で求婚された、あの夜。
もし、もしも、渡された薔薇を手に取らなければ……。
後悔にくちびるを噛みながら兵の矢に討たれたジルは生涯を終え――た、はずだった。
気がつけば、そこは2人が出会った6年前の夜。
ジルは、10歳に戻ってしまった自分に戸惑いながらもジェラルドの求婚をかわすため、
たまたま手を掴んだ男に「一目惚れした」と嘘をつく。
だがそれは、6年後の未来に暴虐の限りを尽くし、クレイトスを火の海に沈めた隣国の皇帝・ハディスだった――!
でも、ジルが知る姿とはまるで違うピュアすぎる「恋愛オンチ皇帝」で……!?
やがて、ジルは決意する。
ジェラルドではなく、ハディスと結ばれることで失ったすべてを取り戻していこうと。
「あなたを必ず更生――いえ、しあわせにいたします」
生涯最悪の選択を回避したやりなおし令嬢の大逆転劇が、幕を開ける!

 

・・・と紹介されています。

 

公式サイトでキャストが紹介されている主要キャラクター・キャストのうち、第1話から第6話までのエンドクレジットで名前が出ているのは、次のとおりです。<>内はその人物が登場(声優が出演)する放送回です。

  • ジル・サーヴェル【内田 秀】:婚約者に裏切られ、死ぬ間際に 16歳から10歳へと時間が逆行した。 軍神令嬢と恐れられるほどの強い魔力を持つ。同じ過ちを繰り返すまいと、とっさに掴んだ男性、呪われし皇帝・ハディスに求婚してしまう。<第1~6話>

  • ハディス・テオス・ラーヴェ【戸谷 菊之助/玉城 仁菜(少年期)】:ラーヴェ帝国の若き皇帝陛下。竜神ラーヴェの生まれ変わりで、 “竜帝”と呼ばれている。<第1~6話>※少年期は第6話のみ

  • ラーヴェ【井澤 詩織】:竜神。魔力が強い者でないと姿を見ることができない。<第1~6話>

  • カミラ【日野 マリ】:本来の時間軸では死んでしまったジルの元部下。弓の名手。ジークと行動を共にしている。<第2~6話>

  • ジーク【橘 龍丸】:本来の時間軸では死んでしまったジルの元部下。剣士。カミラと行動を共にしている。<第2~6話>

  • ジェラルド(ジェラルド・デア・クレイトス)【土岐 隼一】:クレイトス王国の王太子。本来の時間軸では婚約者であるジルを裏切り、冤罪をかけて処刑を言い渡した。<第1・5・6話>

  • スフィア(スフィア・デ・ベイル)【貫井 柚佳】:ハディスの婚約者候補。本来の時間軸では非業の死を遂げている。<第2~5話>

以上のほかに、第1話から第6話までのエンドクレジットで名前が出ているキャラクターとしては、次の人たちがいます。<>内はその人物が登場(声優が出演)する放送回です。

  • ビリー・サーヴェル【佐々 健太】:ジルの父。<第1話>
  • シャーロット・サーヴェル【鳥越 まあや】:ジルの母。<第1話>

  • ベイル侯爵【青山 穣】:ベイルブルグの領主の侯爵。<第2~4話>

  • ミハリ【菅原 慎介】:ジルたちとともに捕らえられた北方師団の兵士。<第3~5話>

  • ヒューゴ【石谷 春貴】:ベイル侯爵家の私兵の隊長だったが、ハディスによって北方師団に取り立てられる。<第3・4・6話>

  • 神父【相馬 康一】:ベイルブルグの教会の神父。<第2・3話>

  • 女神クレイトス【後藤 沙緒里】:元は竜神ラーヴェと夫婦神になるはずだった女神。今はクレイトス王家に代々受け継がれている女神の聖槍に封じ込められている。<第5・6話>

  • クレイトス兵A【新倉 健太】/クレイトス兵B【濱岡  敬祐】/クレイトス兵C【根津 大輔】:処刑の前日に牢を抜け出したジルを追ったクレイトスの兵士。<第1話>

  • 北方師団兵士A【沢城 千春】/北方師団兵士B【菅原 慎介】:ベイルブルグの軍港を守っていた北方師団の兵士。<第2話>

  • ベイルブルグ兵【岡井 カツノリ】:ジルたちを捕らえたベイルブルグ兵。<第2話>

  • 衛兵【盆子原 康】:ベイルブルグで軟禁状態となったジルを監視していた衛兵。<第2話>

  • 北方師団兵士A【堂島 颯人】/北方師団兵士B【沢城 千春】:賊によって捕らえられ、教会に監禁された北方師団の兵士。<第3話>

  • ベイル侯爵私兵【盆子原 康】:ベイルブルグ城にいたハディスに安全な場所へ避難するよう告げた私兵。<第3話>

  • 賊【岡井 カツノリ】:教会で拘束した北方師団の兵士たちを見張っていた賊。<第3話>

  • クレイトス兵【松岡 洋平】:船でベイルブルグに向かっていたジェラルドに間もなく到着することを報告したクレイトス兵。<第5話>

  • 町民【山下 タイキ】:兵になりすましてハディスを殺そうと城に忍び込んだ住民。<第5話>

  • 市民A【大町 朋裕】/市民B【秋山 泰聖】:ジルたちの戦いを目の当たりにしたベイルブルグの市民。<第6話>

 

各話のあらすじは、次のとおりで、< >内が公式サイトで紹介されている内容になります。

第1話「破滅ルートを避けようと思ったら、何故か最大の敵に求婚してました」

<婚約者の王太子・ジェラルドに裏切られ、悔しさの中で16年の生涯を終えようとしていたジル。だが、気がつくとそこは求婚を受けた6年前の夜。破滅ルートを回避すべく、たまたま目に入った男を利用するのだが……。>

婚約者であるクレイトス王国の王太子・ジェラルドに冤罪をかけられて捕らえられ、処刑の前日に牢を抜け出したジルだったが、追い詰められ、12歳の時に求婚を受け入れたことを後悔し、次があったら利用されたままで終わらないのに、と思いながら、命を落とす。

しかし、そこで時間が巻き戻り、ジルが意識を取り戻すと、目の前にはとっくに死んだ両親の顔があった。そして、この日が求婚を受け入れたジェラルド王子15歳の誕生パーティーの日で、自分が12歳に戻っていると知ったジルは、パーティーの場で、ジェラルドの求婚を避けようと会場から逃げ出す。
ジルの婚約は、ジェラルドとその妹フェイリスの禁断の恋をカモフラージュするためのもので、禁忌を知ったジルは婚約を破棄されて冤罪で投獄され、命を落としたのだった。
ジルはテラスに逃れるが、ジェラルドは求婚しようとそこまで追いかけてくる。ジルは、何とかこの場を切り抜けたい一心で、会場でたまたま目に入った男性の腕を掴み、この方に一目惚れした、一生かけて幸せにする、と宣言する。

すると、その男は、ジルの求婚を受け入れるが、その声を聞いたジルは、王太子も簡単に手が出せないという意味では非常に正しかったが、人生の選択としてはこの上なく間違っていた、と後悔し、呆然となって意識を失う。その男は、6年後にクレイトス王国を火の海にした最大の敵、隣国ラーヴェ帝国の皇帝・ハディスだったのだ。

翌朝ジルが目を覚ますと、王宮の客間だった。そこにやってきたハディスの従順な振舞いを見て、6年後の冷酷な姿と印象が違うと思うジル。そこにジェラルドがやってくるが、ハディスは強大な魔力でジェラルドたちを威圧して動けなくし、ジルを抱っこしながらその場を立ち去り、魔力で船に移動する。

船内で紅茶とケーキをごちそうされるジルは、どこまで本気なのかと尋ねると、ハディスは、高い魔力も持っていて、自分の求めていた理想的な女性だ、と顔を赤らめながら語る。戸惑うジルが、自分の求婚が嘘だったことを白状すると、大笑いする竜神ラーヴェが姿を現す。それを見て、ジルは言い伝えの神話を思い出す。落ち込んだハディスはジルを帰そうとするが、利用するために求婚し、不要になったら捨てるのは、まるで自分がされたことと同じ、と思い当たったジルは、前言を撤回し、改めてハディスに求婚し、生涯をかけて幸せにすると誓う。

第2話「これから起きる悲劇も既に知っていたの、どうにか回避したいと思います」

<ジルの求婚を受け入れ「竜妃の指輪」を贈るハディス。謎の敵襲に見舞われながらも、二人は水上都市ベイルブルグに辿り着く。そこへ、領主ベイル侯爵の娘にしてハディスの婚約者候補・スフィアが駆けつけ……。>

ハディスは、改めて求婚したジルを抱きしめて受け入れ、ラーヴェが祝福すると、皇帝の妻の証である「竜妃の指輪」を贈り、結婚式までは対外的には婚約者だが、僕の妻だと語る。

そのとき、謎の敵襲がジルたちが乗る船を襲う。ジルは、その強大な魔力で船をベイルグルグの港まで投げ飛ばし、砲弾を拳で破壊する。港に着くと、具合の悪くなったハディスは担架でベイルブルグ城に運ばれていくが、ハディスの身を案じて港に駆け付けた、領主であるベイル侯爵の娘でハディスの婚約者候補であるスフィアは、ジルを泥棒猫呼ばわりして去っていく。

スフィアは、後に「ベイルブルグの無理心中」と呼ばれる事件を起こした人物だった。クレイトスから帰国した皇帝のため催された宴で、ハディスに婚約を拒否されて錯乱したスフィアが、他の婚約者候補たちを殺害し、城に火を放って自殺した、という事件だったが、ジルは、スフィアを見て、そんな事件を起こす人間なのか疑問に思う。

そこに、意識を取り戻したハディスが、城を抜け出しエプロン姿で尋ねてくる。ハディスは、ジルの胃袋をつかもうと、クロワッサンを焼いてきたのだ。ハディスは、ベイル侯爵が何か企んでいることを仄めかし、自分は元々皇位継承権からほど遠い末端の王子で、辺境に飛ばされたが、自分の11歳の誕生日から異変が起こり始め、異母兄の皇太子が毎年自分の誕生日に命を落としていき、父は自分を辺境から呼び戻して皇太子に据えて姿を消し、母は自分の戴冠式の日に命を落とした、と「呪われた皇帝」と呼ばれるようになった経緯をジルに説明する。

それを聞き、ハディスの周りに敵が多いことを知ったジルは、ベイル侯爵の情報収集に動くことにする。翌日、軟禁状態にあった屋敷を抜け出したジルが少年に扮して街を歩くと、教会で神父に悩みを打ち明けるスフィアの声が耳に入る。14歳未満でないと駄目だと婚約を拒否された、16歳の自分が悪いのか、と涙するスフィア。そこに、不穏な動きをする兵士たちが教会に押し入り、スフィアは捕らえられてしまう。ジルは情報収集に徹しなければと思いながら、スフィアを見捨てることができず、兵士たちの前に姿を現してスフィアとともに捕らえられてしまう。

そのころ、城では、ベイル侯爵がハディスを訪れ、軍港が何者かに占拠された、ハディスがクレイトスから連れ帰った少女による手引きと報告を受けている、しかも襲撃者は自分の娘スフィアを人質に取った、北方師団は役に立たない、自分の私兵を向かわせている、これはハディスの失態だと告げ、ハディスに揺さぶりをかけて去っていく。

捕らえられたスフィアはジルに、ハディスは自分の恩人だと話す。ジルは、スフィアを助けたいが父親と神父はクロ、どうすればいいかと考え、侯爵の陰謀を大衆の前で暴くしかないとの結論に至る。そこに、捕らえられたカミラとジーク、ミハリが、ジルたちが閉じ込められている部屋に放り込まれてくる。本来の時間軸では死んでしまった自分の元部下の姿を見て、ジルは涙を流すが、自分はまだ何も失ってないのだ、と思い直し、今度は失ってたまるか、と決意する。

第3話「絶望的状況でしたが軍神令嬢なので、物理で無双してやろうと思います」

<ハディスの地盤を揺るがすべく、実の娘をも捨て駒にしようというベイル侯爵の陰謀を看破したジルは、カミラたちに正体を明かして協力を求める。驚いたスフィアは、ジルに「なぜ、恋敵の自分を助けるのか」と尋ね……。>

前の時間軸でラーヴェ帝国からクレイトス王国に逃れてきたカミラとジークに出会った時のことを思い出して涙するジルは、手首に嵌められた鎖をその力で壊し、スフィア、カミラ、ジーク、ミハリの鎖も壊す。そして、驚く4人に、互いの情報をすり合わせようと呼びかける。

情報を整理したカミラたちは、ベイル侯爵の私兵が賊を討ち取れば北方師団は価値なしと判断されてベイルブルグから引き揚げさせられる、さらに、ハディスが連れてきたジルが賊を手引きしたとなればハディスの大失態となる、運悪くスフィアが命を落とせばベイル侯爵の天下、とこの騒動がベイル侯爵の陰謀だと見抜く。それを聞いたスフィアは、自分がここに残るので、みんな逃げるよう勧める。

ジルは、前の時間軸でもスフィアが同じように皆を逃がしたとしたら、と考え、カミルたちを逃がして一人残ったスフィアが父に汚名を着せられて殺されたのが「ベイルブルグの無理心中」の真相なのだと思い至り、カミルたちに自分がその少女であることを明かし、北方師団を助け、スフィアを守り、賊から港を取り戻す、と宣言して、スフィアに協力を求める。なぜ恋敵であるはずの自分を助けるのかと尋ねるスフィアにジルは、ハディスとの結婚は恋愛感情のない形だけのものだが、互いに夫婦となった理由がある、と答え、迷った末にスフィアはジルの求めを受け入れる。

そのころ、ベイルブルグ城で、恐怖政治が合理的な気がしてきたと語るハディスに、ラーヴェがそれはジルが嫌がると牽制すると、ハディスは、ジルの無事は絶対、何かあればすぐに動く、ベイル侯爵は黒幕を探るのに泳がせたかったが、もう見せしめしか使い道はない、ちょうどいいチャンスだ、と言い、ラーヴェにジルの様子を見てくるよう頼む。

ジルは閉じ込められていた部屋の壁を拳で壊して抜け出し、教会に閉じ込められていた北方師団の兵士たちを救出して逆に賊を拘束する。そして、兵士たちを前に、皇帝の命により助けに来た、これは北方師団を貶め、皇帝の地盤を崩すためのベイル侯爵の自作自演の襲撃だ、今こそ軍港を我らの手で取り戻す、と演説して鼓舞し、兵士たちはジルを隊長と呼んでその命に従う。

一方、ベイルブルグ城のハディスは、自分が動けないため、戻ってくるジルのために桃のタルトを作り始める。そこに戻ってきたラーヴェは、自力で脱出して敵と交戦中、とジルの様子を報告する。ハディスは、騒動による損害からの再建費用はベイル侯爵に賄わせる、一家断絶よりはマシ、と言うと、ラーヴェは、良かった、スフィアも北方師団もベイル侯爵家も見捨てずに済む、恐怖政治せずに皆に嫌われない皇帝になれるかも、ジルはいい嫁だ、案外本当にお前を幸せにするかも、と話す。

そこに、ベイル侯爵の私兵が訪れ、賊がこの城を襲ってくる、と安全な場所への避難を求める。ベイル侯爵が騒動から自分を遠ざけようとしていると読んだハディスは、魔力で私兵を威圧する。

軍港を制圧し、スフィアを守って教会に立てこもるジルたちだが、ヒューゴ率いる北方師団兵になりすました部隊が到着し、ジルを差し出せば軍港から引き揚げると取引を求める。ジルは、カミラにロープで自分の手首を縛らせて、教会を出てヒューゴの前に進み出るが、その力でロープを引きちぎり、ヒューゴたちを圧倒する。一方、教会の中では、神父がスフィアを短刀で襲おうとするが、事前にジルから神父がクロであることを聞いていたジークがそれを防ぐ。

そこに、ベイル侯爵率いる私兵が到着する。ベイル侯爵は、間に合った、貴様らを全員始末すればいいのだから、と呼び寄せた竜でジルたちを襲わせようとするが、竜は突然おとなしくなり、教会の屋根には、異変を察知して駆け付けたハディスが姿を現す。

第4話「婚約相手が本気で口説いてくるので、対処方法がとにかく分かりません」 

<ジルの願いに応えたハディスは、ベイル侯爵の命を奪わなかった。だが、ベイル侯爵は、そんなハディスに「人の皮を被った化け物」と心無い言葉を浴びせかける。ジルは、ハディスが無理をしていないか心配で……。>

ベイル侯爵の前に姿を現したハディスは、ベイル侯爵が呼び寄せた竜を帰らせ、ジルを抱き上げて無事か確認する。ジルが、北方師団が捕らえられた自分とスフィアを救出して軍港を死守したと報告すると、ベイル侯爵はその少女は密偵、敵はまだ軍港に残っていると言って、陛下は城に残るよう迫るが、ハディスはヒューゴにベイル侯爵が首謀者であることを吐かせ、ベイル侯爵を魔力で威圧して動けなくする。ハディスはベイル侯爵に、家族の処刑をちらつかせ、ベイルブルグを差し出せば助けると仄めかすが、ベイル侯爵は、この国でお前が皇帝であることを望む人間は誰もいない、と心ない言葉を浴びせるが、ハディスはその挑発には乗らず、望む望まざるにかかわらず、僕が皇帝だ、と言い、ベイル侯爵を捕らえさせる。

その夜、ジルは、頭の上に乗ったラーヴェから、ハディスは皇帝になるだけの能力も器も最初から持っている、恐怖政治はしない方向で修正中と聞かされるが、人から傷つけられたことをなかったことにするのは違う、それが当たり前になると何も感じなくなり、いずれ自分にも他者にも鈍感になると危惧する。ハディスと恋愛関係に発展する予定はない、互いの利益だけでつながった理想の夫婦を目指す、とラーヴェに宣言するジルが寝室に行くと、珍しくワインを飲んだハディスが酔っぱらって寝ていた。

ハディスを看病するジルだが、リンゴの皮がうまくむけず、ハディスにやってもらう破目になる。自分の前では子供っぽいハディスを弟のように感じるジルは、昼間のことをハディスに感謝し、私は呪われていても何でも陛下に生きていてほしい、今度同じことを言われたら言い返してほしい、と話す。

寒気がすると嘘をついてジルを抱きしめるハディスは、僕が君を好きになるなんて、そんなひどいことはしたくない、と語る。その意味は何か考えるジルに、ハディスはさらに、僕を好きになってみないか、でないと僕は君のことを全部暴いてやりたくなっていまう、と話すが、ジルは寝入ってしまう。その寝顔を眺めながら、ハディスは、14歳未満、ラーヴェが見える強い魔力、それ以上は望んでなかったのに、僕を幸せにする、とは本気なのか、愛されてみたい、と思うのだった。

翌日、鴨肉のローストを使ったバゲットサンドをジルに振る舞うハディス。そこにやってきたカミラとジークは、勉強の時間だとジルを連れていく。恋愛にウブなジルとハディスをからかうカミラに、男性にまともに口説かれるのは初めてなので対処の仕方が分からない、と話すジルは、今度は間違えるわけにはいかないと思う。
ハディスが呪いは自分がいれば収まると言っていたことが気になっていたジルは、どうして竜帝が結婚すれば呪いが収まるのか、誰が呪っているのか、とジークとカミラに尋ねる。ジークは、神話が事実だとすれば女神クレイトスの呪い、と答え、カミラは、元は夫婦神になるはずだった女神クレイトスと竜神ラーヴェの間に争いが起きて、大地の恵みが呪いに変わり、ラーヴェの大地に何も育たなくなった時代があったらしいが、竜帝は凄く能力の強い嫁を竜妃にもらい魔法の盾を作り女神の呪いを防いだのだと話す。

そこに、スフィアがジル宛てに届いた手紙を持ってくる。それは、ジェラルドからのもので、ジルの顔色は一変する。風に吹かれて飛んだその手紙を拾ったハディスは、今から君を迎えに行く、と書かれたその手紙を読んで、楽しい歓迎会の準備をしよう、受けて立つ、愛は戦争だ、と言い放つのだった。

第5話「真実を知ろうとしたところ喧嘩になったので、私は何もできなくなりました」

<ジェラルドが来訪する。誘拐されたわけではないことを証明するため、2人の幸せを見せつけなければならなくなったジルは大慌て。だが、会合の最中、ベイル侯爵が獄中で自ら命を絶ったことが伝えられ……。>

帆船でラーヴェ帝国のベイルブルグ港に向かうジェラルドは、ジルが竜妃となったのか否かを確かめさせてもらう、と内心思う。そして、その船内には謎の黒い槍が積まれていた。

一方、ベイルブルグ城では、ジェラルドの訪問の目的が何なのか話すジークとカミラの前に悪役顔をしたジルが姿を現す。スフィアは、ジルが誘拐されたと主張するジェラルドを否定するならジルは幸福であることを証明しなければならないと、表情で示すことを助言する。

ハディスとともにジェラルドとの会談に向かうジルは、ジェラルドへの殺気に満ちていた。ジルの異変を察したハディスはジルを置いて1人でジェラルドに会おうとするが、ジルは1人で行かせるなんてできない、ともめる。ハディスはジルが可愛い態度がとれるようジルにキスをするが、不意にファーストキスを奪われたジルは怒りでハディスを平手打ちする。

怒ったままのジルとともにジェラルドと会うハディスは、ジルと痴話喧嘩をしたと説明するが、ジェラルドは、ジルは自分との婚約が内定していた、王太子の妃となる身、家族も故郷も捨ててまでなぜ残るのか問うと、ジルは、ハディスは自分を必要としてくれていると答える。それを聞いたジェラルドは、なら必要がなくなればいいのだな、ハディスが竜神が見える少女を探しているのは呪いを防ぐため、しかし、ジルではその呪いが防げていないとしたら、と語る。そこに、報告にやってきたミハリから、ベイル侯爵が獄中で死んだを絶ったことを知らされる。

ジェラルドとの会談後、ジークとカミルから状況を聞いたジルは、ジェラルドがハディスの呪いで殺されるという噂を煽っていると考える。カミラは、以前に話した神話の続きをジルに話す。国境に魔法の盾を作って呪いを防いだ後、女神は凄く怒ったが、本来の姿では盾に弾かれてしまうため、黒い槍に化けて運んでもらったのだという。ジルは、それはクレイトス王家に代々受け継がれている女神の聖槍では、と言うと、ジークは、何百年も前に消えたと言われている竜帝の天剣とあわせて伝説だと思っていた、と話す。カミラは、さらに神話の続きを語り、海を渡ってラーヴェ帝国にやってきた黒い槍はクレイトス王国の人間によって竜帝夫婦に献上されたその場で竜妃を刺し、正体が女神だと気づいた竜妃は剣で自らを女神ごと貫き、女神を自分の影に封じ込めた、結果魔法の盾は消滅したが、女神は元の姿に戻れなくなり、大地の呪いも消えたのだという。

ジルが、ハディスは呪われた王子として孤立するよう仕向けられているのではないかと言うと、そこに入ってきたいつもと様子が違うスフィアが、私こそ竜帝の妻、お前は偽物だと言って黒い槍でジルに襲い掛かる。そこに駆け付け、スフィアごと女神を殺そうとするハディスをジルは止め、ジルに向けられた黒い槍を掴むと、女神は、逃がさない、貴方には私しかいない、と言って姿を消す。

まだ女神が潜んでいるかもしれないと警戒するハディスは、女神が憑りつかないよう、領内の全ての女性を城に連行するようジークとカミラに命ずる。ジルは、女神の能力が目覚めたのが14歳、14歳未満の少女は女神が憑りつく器になり得ない、とハディスが14歳未満を結婚相手の条件にしていた意味に気づく。

自分の寝室に戻ってハディスのことを考え、謝らなければと部屋を出たジルは、ジルの部屋を訪ねようとしたハディスと鉢合わせする。そこに、街中で火が起こり、住民が暴動を起こし城に迫っていると兵が報告に来る。それを聞いて、剣を抜いたハディスは、ラーヴェにジルを結界の中に閉じ込めさせ、報告に来た兵を剣で斬り倒す。そこに駆けつけたミハリに、火災と暴動が真実であることを確認したハディスは、消火に全力を注ぐよう命じ、後は全て自分が処理する、と言って去っていく。ジルはハディスを止めようとするが、結界に閉じ込められたジルの声は届かない。

第6話「婚約相手に近寄る輩がいたので、返り討ちにしてやりたいと思います」

<ジルはベイル侯爵とジェラルドの結託を見抜き、ハディスを守るための策を密かに講じていた。だが、ラーヴェはジルを結界に閉じ込めて出そうとしない。そして、ジルを竜妃として迎えた本当の理由を語るのだった……。>

ハディスを止めようと声を上げるジルを結界に閉じ込めたラーヴェは、聞こえないぜ、ここは世界一安全な結界の中だ、ごめんな、とジルを止める。

一方、街を見下ろしながら、ジルの読みどおりということなら…、と言うジークに、カミラはジルは何者なのか、と口にする。ジルは、カミラたちに、この街を火の海にするならどこから火をつけるかと尋ね、対策を練っていたのだ。ヒューゴは、人が死ぬ前には消し止められる、ベイル侯爵に聞かされた放火案とほぼ同じ火のつけ方、ジルの言うとおりベイルが生きているかもしれないと話す。

そこに、住民を扇動する一団を発見したカミラたちは、その中にベイル侯爵とジェラルドの姿も見つけ、対処に動き出す。

結界から出すよう懇願するジルにラーヴェは、ハディスの心配なら必要ない、その気になればこんな街は一瞬で焼け野原だと言い、あの槍が持ち込まれた以上はスフィアのような者が出続けて手が付けられない、槍は女神クレイトスの一部でジルを偵察に来たのだろう、元の姿に戻れない女神は器を探して復活しようとしている、条件は14歳以上の女、適合者じゃなくても14歳以上なら操ることができる、ジルはハディスを女神の愛から守る魔法の盾というわけだ、クレイトスは愛の女神で愛しているなら何をしてもいいと考えている、女神の狙いは竜帝と夫婦になることだが、女神はとても嫉妬深く下手するとこの大陸から女が全員いなくなってしまう、少なくともジルは死ぬだろう、と話す。そして、女神は必ず竜妃の指輪を付けているジルを狙うと言い、天剣に姿を変える。さらにラーヴェは、簡単に女神を殺せる方法があることにハディスは気づいていない、俺はハディスを守ってやらなければいけない、と語る。

自分を利用するはずだったハディスが自分を守ろうるなんて、と思うジルは、自分が天剣を使って女神を退ける、私は未来を知っている、ベイルブルグが壊滅するだけでは終わらず、皇太子派がジェラルドと結託してハディスを追い詰め、いずれクレイトスとも戦争になる、なのにハディスは国を守りながら周囲に疎まれ続ける、そんな未来を許すのか、協力しろ、と結界から出すことを求める。

そして、天剣を手にしたジルは、好きだから助けに行く、と心に決め、結界を壊して女神を退けに向かう。

どうして僕には父も母も兄弟もいるのにいないの?とラーヴェに疑問をぶつけた少年ハディスに、ラーヴェは、お前が俺の生まれ変わりだからツケを払うことになっている、ごめんな、と謝るが、ハディスは、ラーヴェのせいじゃない、これは女神のせいだ、愛という名の呪いが僕から全てを取り上げてしまう、呪いさえ何とかすればいいと言い、呪いが解けるときのために立派な皇帝になれるよう努力してきたのだった。

女神クレイトスはハディスに、貴方を必要とする人なんて誰もいない、幸せにすると言ってくれた女の子を囮にする人でなし、そんな貴方を愛してあげられるのは私しかいないと言い寄るが、ハディスは、かつてジルに私は生きていてほしいと思っていると言われたことを思い出し、竜神の加護がなくなればこの国は女神に蹂躙される、もう全部殺してしまおうか、と思い始めるが、そこに天剣を手にしたジルが現れ、女神に向け、私は竜帝の妻、街を燃やすな、女たちを呪うな、お前が本当に用があるのは私一人、ハディスは私のもの、お前には渡さない、と挑発する。

挑発された黒い槍は、船から飛び出してジルに向かってくる。ジルはラーヴェが姿を変えた天剣で立ち向かい、ハディスの必死の助けも受け、飛んでくる黒い槍を捉えて叩き折るが、魔力を使い果たしたジルはジェラルドに捕らえられてしまう。しかし、ハディスとラーヴェが助けて、ジェラルドを結界に閉じ込めて国境に追いやり、ベイル侯爵は捕らえられ、住民たちの騒動も収まる。

騒動が一段落したハディスは、改めて、結婚してくれないか、とジルに申し込む。もう認めるしかないと諦めつつ、そのまま認めるのも癪だと思ったジルは、正直に言えば別れたい、でも私は貴方が好き、と照れながら告白しようとするが、最初の一言でショックを受けたハディスはその後の言葉まで聞かずに意識を失ってしまう。

公衆の面前でフラれて意識を失ってしまった皇帝に、住民たちも同情し、優しくしないと突然死ぬという噂も広まり、城には住民たちからのお見舞いも届く。両想いであることを照れながら確認するハディスに、ラーヴェが呆れて出て行くと、ハディスはジルに、ラーヴェにも内緒の話だが、たぶん自分は未来を信じていない、ラーヴェを悲しませないために立派な皇帝のふりをしているだけ、でもジルが好きだ、離れないでほしいと打ち明けるのだった。

 

続きはまた改めて。