鷺の停車場

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映画「風のマジム」

休日の朝、MOVIX亀有に行きました。


時間は8時40分ごろ、ロビーにはかなりの数のお客さんがいました。


この日の上映スケジュールの一部。この日は、23作品・24種類の上映が行われていました。

この日観るのは、「風のマジム」(9月12日(金)公開)。9月5日(金)から先行上映している沖縄県内5館を含め全国60館と中規模での上映ですが、公開2週目に入ると、この映画館を含め、1日1回のみの上映となってしまったところも多いようでした。


上映は137+2席のシアター7。お客さんは30人ほどでした。


(チラシの表裏)

実話を基に執筆された原田マハの同名小説を原作に実写映画化した作品で、監督は本作が初の映画監督作品となる芳賀薫、脚本は黒川麻衣。

 

公式サイトのイントロダクションでは、

 

「沖縄のサトウキビからラム酒を作りたい」――社内のベンチャーコンクールを活用してビジネスを立ち上げ、契約社員から社長になった金城祐子氏の実話を基に、原田マハが書き上げた小説「風のマジム」。この小説を原作に据え、平凡に生きてきた契約社員の主人公・伊波(いは)まじむが、純沖縄産ラム酒を作るという夢を実現するため、家族に支えられ、会社や島民を巻き込みつつ、奮闘する物語が紡がれる。

主人公の名であり、本作のタイトルにもある「まじむ」とは、沖縄の方言で「真心」のこと。無謀な夢に真心込めて体当たりで挑む主人公・伊波まじむを演じるのは、社会現象を起こしたNHK連続テレビ小説「虎に翼」で主人公の佐田寅子を熱演した伊藤沙莉。夢に向かって突き進む、爽やかで力強い姿に共感必至の主人公・まじむを柔らかで温かみのある沖縄の方言で瑞々しく演じている。そんなまじむと一緒に暮らす祖母の伊波カマルを高畑淳子、母・伊波サヨ子を富田靖子が演じ、まじむがラム酒と出会うバーのマスター後藤田吾朗を染谷将太、伝説の醸造家瀬那覇仁裕を滝藤賢一が演じるほか、尚玄シシド・カフカ橋本一郎、小野寺ずる、眞島秀和肥後克広など魅力的なキャスト陣が脇を固める。監督を務めるのは本作が映画初監督ながら、広告やショートフィルムで非凡な才能を発揮し続け、常に新たなチャレンジを試みる芳賀薫。

ひとりの夢が、あたりまえを変えてゆく。夢に向かって駆け抜ける彼女を、あなたもきっと応援したくなる。心が晴れ渡る、爽やかで愛おしい物語が誕生した。

真心こめて「風の酒」を育てる「まじむ」が、家族に支えられ、仲間の輪を広げていくーー まっすぐに駆け抜ける彼女を、あなたもきっと応援したくなる。

 

・・・と紹介されています。

 

主な登場人物・キャストは、次のとおりです。

  • 伊波 まじむ【伊藤 沙莉】:通信会社「琉球テレコム」で契約社員として働く若い女性。社内ベンチャーコンテストに沖縄産のラム酒製造事業の企画を応募する。

  • 藤田 吾郎【染谷 将太】:まじむの行きつけのバーのマスター。まじむにラム酒のことを教え、企画に悩むまじむに協力する。

  • 瀬名覇 仁裕【滝藤 賢一】:地元沖縄の伝説的な醸造家。まじむの熱心なアプローチに心を動かされる。

  • 伊波 サヨ子【富田 靖子】:まじむの母。

  • 伊波 カマル【高畑 淳子】:まじむの祖母。豆腐店「伊波とうふ」を営んでいる。

  • 儀間 鋭一【尚玄】:琉球テレコムの新規事業開発部の部長。まじむを温かく見守り、折々でまじむを励ます。

  • 糸数 啓子【シシド・カフカ】:琉球テレコムの新規事業開発部の課長。やり手で仕事は速いが、まじむへの当たりは厳しい。

  • 仲宗根 光章【橋本 一郎】:まじむの部署の上司。

  • 知念 冨美枝【小野寺 ずる】:まじむの部署の正社員。後にまじむに協力するようになる。

  • 朱鷺岡 明彦【眞島 秀和】:メディアにもよく出る東京の人気の醸造家。

  • 東江 大順【肥後 克広】:南大東島電器店の店主で、商工会の会長を務めている。まじむに親身になって協力してくれる。

  • 仲里 一平【なかち】:まじむの高校時代の後輩で、当時はまじむの家によく食べに来ていた。今は南大東島に戻り、商工会の青年特使を務めている。

  • 仲里 志保【下地 萌音】:一平の妻で、食堂「大東そば」で働いている。南大東島に生まれ育ち、高校卒業後に島に戻り結婚した。

  • 仲村渠(なかんだかり)悠太【玉城 琉太】:社内ベンチャーコンテストでまじむとともに最終選考に残った正社員。

  • 友利【川田 広樹】:一平にアグリコールラムを届けた配達員。

 

公式サイトのストーリーによれば、

 

 伊波まじむは那覇豆腐店を営む祖母カマルと母サヨ子と暮らしながら、通信会社・琉球アイコム契約社員として働いている。まじむが任される仕事といえば、簡単なデータ入力やコピーとり、シュレッダー作業、毎日のおやつの補充など、誰にでもできるものばかり。同じ契約社員のしかも、ランチ仲間は、司法書士の試験に合格、ステップアップしていく中、まじむにはこれといった夢や目標もなく、ただ過ぎる毎日に漠然とした不安を抱いていた。
 そんなある日、まじむの人生を大きく変える2つの出会いがあった。1つは、シュレッダー作業中に見つけた社内ベンチャーコンクール募集のチラシ。応募資格には「参加対象者 全社員(契約社員も含む)」とある。
 もう1つは、いつも祖母と一緒に通うバーでラム酒の魅力に取り憑かれたこと。まじむはその原料がサトウキビだということ、沖縄にはサトウキビがたくさんあるのにアグリコールラムは作られていないことを知る。
 そこでひらめいたのが、「純沖縄産のラム酒」を作る企画だった。まじむはその企画で社内ベンチャーコンクールに応募。正社員達に混ざり、第一次審査を契約社員として唯一通過して浮かれるが、意外にもカマルの反応は冷たい。「そんな簡単なことではない。人の口に入るもんつくるのは」と自らの甘さを指摘されてしまう。
 二次審査では事業計画書を作成し、プレゼンにのぞむ流れとなるが、第一次審査通過者のオリエンテーションで聞く言葉は、チンプンカンプン。新規事業開発部部長・儀間には期待していると声をかけられるが、自信のないまじむはとっさに謝ってしまい、アイディアが面白かったから通過したのだ、堂々としていればいいと励まされる。
 二次審査に向けて準備を進める中、バーのマスターからアグリコールラム(糖蜜からではなく、サトウキビジュース100%を発酵・蒸留するラム)の原産地がマルティニーク島というカリブ海の小さな島だと聞いたまじむは、島民の多くがサトウキビを栽培している南大東島に蒸留所を作ることを思いつく。
 まじむは有休を使っていきあたりばったりで南大東島に行くが、島の広大さに途方に暮れていたところ、偶然出会った商工会会長に助けられ、さらに高校時代の後輩・一平とも偶然再会。一平と妻・志保の家でお世話になりつつ、ついに二次審査通過者2名に選ばれる。
 しかし、製造場所も醸造家も決まっていない、免許の申請手続きに手もつけていない甘さを新規事業開発部の糸数に指摘されてしまう。その一方、最初はまじむの思い付きを一時的なものと見ていたカマルら家族も、野心家と笑った先輩社員も、まじむの本気を目にするうち、応援モードになっていく。
 だが、南大東島の村長はじめ、島民達にまじむが新たに始めようとする地方創生が絡む大規模なプロジェクトは歓迎されなかった。さらに、糸数は醸造家の候補として、メディア露出の多い東京の有名な醸造家にアプローチを進めるが、まじむは東京の人が沖縄産のラムを作ることに違和感を覚え……。
 まじむの思いつきから始まった企画は、契約社員と社員、うちなんちゅと本土の人、若い世代と高齢者、個人経営と企業など、様々な立場や価値観の違いを浮き彫りにしつつ、それらを巻き込み、大きな渦となり、思いがけない方向に進んでいくのだった。

 

・・・というあらすじ。

 

特に夢もなく働く契約社員だった主人公が、ラム酒に出会ったことをきっかけに、沖縄産のラムの実現に向けて、困難に直面しても諦めず、まっすぐ突き進んでいく姿が魅力的で、観ていて気持ちがよく、心温まる作品でした。うまく行き過ぎな展開もありますが、全体の構成もうまくまとまっていたと思います。

俳優陣では、何より、主役の伊藤沙莉が主人公・まじむのキャラによく合っていて好演。祖母・カマル役の高畑淳子醸造家・瀬名覇役の滝藤賢一も印象深い演技でしたし、母・スミ子役の富田靖子、バーのマスター・吾郎役の染谷将太、部長・儀間役の尚玄、商工会会長役の肥後克広などもいい味を出していたと思います。

 


以下は、ネタバレになりますが、自身の備忘を兼ねて、記憶の範囲で、より詳しいあらすじを記してみます。(多少の記憶違いはあるだろうと思います。)

 

豆腐店「伊波とうふ」を営む伊波まじむの家。朝、祖母・カマルが豆腐を作る中、母・サヨ子が朝食を準備し、起きてきたまじむもそれを手伝う。カマルができたての豆腐を持ってきて、家族3人で食卓を囲んで朝食を食べる。

家を出たまじむは、勤務先の通信会社「琉球アイコム」に出勤する。契約社員のまじむは、単純な入力作業や書類のシュレッダーかけ、お菓子の補充などが仕事だった。お昼になり、会社の屋上で同じ契約社員の同僚と一緒にお弁当を食べるが、司法書士試験に合格して会社を辞める予定のその同僚は、まじむにも、この会社にずっといてもいいことはない、転職を考えた方がいいと勧める。

そんな中、書類をシュレッダーにかけるよう頼まれたまじむは、その書類の中にあった「第1回社内ベンチャーコンテスト」のチラシが目に留まり、契約社員も応募できると知って、それを持ち帰る。

仕事帰り、カマルとともに行きつけのバーに行ったまじむは、マスターの後藤田吾郎から勧められたラム酒を飲んで美味しいと思う。サトウキビが原料のラム酒なのに、サトウキビが特産である沖縄では作られていないと知ったまじむは、沖縄のサトウキビを使ったラム酒があればいいのにと話し、カマルもそれに賛同する。

そして、沖縄のサトウキビを使ったラム酒製造で社内ベンチャーコンクールに応募しようと考えたまじむが吾郎に相談すると、吾郎は、仏領マルティニーク島で作られているアグリコールラムをまじむに飲ませ、ほとんどのラムは砂糖を作るためにサトウキビを絞った残りの部分から作られているが、アグリコールラムはサトウキビの搾り汁から作られる希少なラムであることを教え、ラム酒を作るならアグリコールラムにすることを勧める。

沖縄のサトウキビでアグリコールラムを製造するというまじむの企画は、見事に社内ベンチャーコンクールの一次審査を通過する。契約社員でただ一人、一次審査に通過したまじむは大喜びするが、まじむの熱はすぐに冷めるだろうと思っているカマルは、人の口に入る物を作るのはそんなに簡単なことではない、と冷ややかな反応を見せる。

まじむは、正社員たちに交じって一次審査通過者を対象とするオリエンテーションに出席すると、新規事業開発部の部長である儀間鋭一の挨拶の後、担当課長の糸数啓子が今後の選考の流れについて説明する。二次審査では事業計画書を作成してプレゼンテーションを行い、二次審査の通過者は新規事業開発部に配属となってさらに計画を詰め、最終審査に臨むという流れだったが、ただの契約社員のまじむはビジネス用語も分からず、「フィージビリティ」(実現可能性)ってどういう意味?と隣に座った社員に尋ねる始末。
オリエンテーションの終了後、残って資料にメモするまじむに、儀間が声を掛ける。自分に自信がなく恐縮するまじむは、思わず「すいません」と謝ってしまうが、儀間は、アイデアが面白かったから通過したんだ、とまじむを励ます。

二次審査に向けていろいろ調べ始めたまじむは、吾郎が飲ませてくれたアグリコールラムがカリブ海の小さな島・マルティニーク島で作られていると知り、サトウキビが島内で広く栽培されている南大東島ラム酒を作ろうと思いつく。

早速有休を使って南大東島に行ってみるが、サトウキビ畑を歩いているうちに迷子になってしまい、途方に暮れるが、そこに偶然通りかかった軽トラックに乗っていた電器店の店主・東江大順が車を停めて声を掛け、街まで乗せてくれる。車を下りて食堂「大東そば」に入り、大東そばと大東すしのセットを食べていると、そこに高校時代の後輩である仲里一平がやってきて、久々に再会する。商工会青年特使としての出張のため、一平はすぐに出ていってしまうが、店で給仕をしていた女性が一平の妻・志保で、車に乗せてくれた東江が商工会の会長であることを知り、帰りの飛行機に乗りそびれたまじむは、志保の家に一晩泊めてもらうことになる。

そうして臨んだ二次審査、まじむの企画は社員の仲村渠悠太のサンゴ養殖植付事業の企画とともに、見事に審査を通過する。喜ぶまじむはトイレで会った糸数にお礼を言おうとするが、糸数は、仲村渠の企画の方が一歩も二歩も先に進んでいることを指摘し、それを聞いたまじむは落ち込む。

サトウキビは足が速く、アグリコールラムを作るためにはサトウキビ畑の近くに醸造所を作る必要があった。プロジェクトのチームリーダーとなったまじむは、独断で南大東島に向かい、東江の紹介で村長に会わせてもらうが、島のサトウキビはすべて砂糖を作るために栽培している、とにべもなく拒絶されてしまう。戻って出勤すると、糸数は、期待を持たせて企画が通らなかったら誰が責任を取るのか、とまじむの勝手な行動を責める一方、醸造家のことまで検討の手が回っていないまじむに先んじて醸造家の候補をリストアップし、メディアにもよく出る東京の人気醸造家・朱鷺岡明彦のアポイントを取り付けていた。

その帰り、地元・南大東島に歓迎されない企画を進めることを躊躇するまじむは、儀間にその悩みを打ち明けるが、儀間は、覚悟を決めて進めるようその背中を押す。

そして、カマルは、朝早くにまじむをたたき起こして、自分が豆腐を作る姿を見せる。そして、できあがった豆腐をまじむに食べさせ、相手を知るところから始めるべきだと諭す。

まじむは、朱鷺岡に会いに東京に出張する糸数に勝手に付いていき、商談に同席することに成功するが、まじむのこだわりとは全く方向性の違う朱鷺岡の話に、違和感を抱く。一方の糸数は、まじむの失礼な態度に、沖縄の儀間に抗議の電話を掛ける。

醸造家に悩むまじむに、吾郎はある泡盛アセロラで作ったワインを飲ませ、それが同じ醸造家・瀬名覇仁裕が手掛けたものであることを教える。瀬名覇のインタビュー動画を見て、その酒造りへの思いに触れたまじむは、メールでアポイントを取り、次第にまじむに協力してくれるようになった元の部署の正社員・知念冨美枝とともに、瀬名覇に会いに行く。
瀬名覇に会ったまじむは、名前に興味を示した瀬名覇に、「まじむ」は祖母・カマルが付けてくれた名前で、「真心」を意味するのだと説明した後、企画を引き受けてほしいと熱心に訴える。瀬名覇は、今手掛けているアセロラワインがまだ手を離せる状況にないことを理由に、まじむの依頼を断るが、心を込めて訴えるまじむの企画に魅力を感じた瀬名覇は、その翌日、まじむに会いに琉球テレコムを訪れる。まじむは休暇中で、代わりに応対した糸数は別の醸造家に依頼する方向だと話すが、その後に姿を見せた冨美枝は、まじむの家に行ってみるよう促す。まじむの家に行った瀬名覇は、カマルからまじむがしばらく南大東島に行っていると聞かされるが、カマルが出した豆腐を食べて、何かを思うのだった。

その頃、南大東島に来ていたまじむは、一平の家で、翌日に控えた住民向けの説明会に向けた準備を進めていた。志保は、自分だったら無理だと諦めてしまうのにすごい、とまじむの諦めない姿勢に感心するが、まじむは、怖い、でも諦めたらそこで終わってしまうから、覚悟した、と思いを明かす。
翌日、村長や商工会長も出席した説明会で、まじむは住民たちに企画を説明するが、村長や保守的な住民たちから、サトウキビを栽培して砂糖を作ることで島はやっていけている、何も変える必要はない、と否定的な意見が続出する。すると、志保が気を振り絞って声を上げ、若者がみんな島を出て行ってしまっていることを指摘して、まじむの企画に賛同する。若者の1人も、どんな酒なのか飲んでみないと判断できないと言うが、まじむの手元にラム酒はなかった。しかし、ちょうどそこに、お店に入荷したら送ってもらうよう一平が吾郎にお願いしていたマルティニーク島のアグリコールラムが届き、一平たちはそのラムを説明会の参加者たちに振る舞う。初めてラム酒を味わって、住民たちの雰囲気は一変し、南大東島醸造所を作れることになる。

しかし、醸造家の問題は解決していなかった。最終審査の日が近づき、糸数は朱鷺岡に依頼する方向で話を進めるが、納得がいかないまじむは、諦めきれず、瀬名覇に自らの思いを伝える手紙を書く。アセロラワインを作っている醸造所でその手紙を読んだ瀬名覇は、後は自分たちに任せろ、とでも言いたげな醸造所の仲間たちの態度に背中を押され、まじむに協力することを決める。

最終審査の前日、プレゼンテーションの資料も完成し、会社を出るまじむは、プレゼン能力の高い仲村渠には同じやり方では勝てない、自分なりのやり方でやっていいか、と儀間に相談すると、儀間は、自分のクビが飛ばない程度にしてくれ、とそれを許す。

迎えた最終審査。仲村渠のプレゼンテーションの後、まじむの番となるが、審査会場に現れたのはまじむではなくウェイトレス姿の冨美枝で、社長たち最終審査の参加者を会社の屋上に案内する。屋上に用意されたテーブルに一同が座ると、吾郎たちがウェルカムドリンクとしてラムを使ったモヒートを振る舞い、まじむは、そのモヒートには沖縄県産のシークワーサーと黒糖が入っているがラムは外国産、とプレゼンテーションを始める。ラムも沖縄産にしたいとのその訴えは、参加者の心をつかみ、沖縄産ラム酒製造事業の企画は、満場一致で選ばれる。

企画の事業化が決まり、設立された子会社「サザンラム」の社長になったまじむは、唯一の社員である冨美枝とともに営業に回り、南大東島では瀬名覇が一切の妥協なくラム酒造りに取り組む。
そんな中、カマルは体調を崩し、代わりにサヨ子が豆腐を作り、まじむもそれを手伝うようになる。

時が過ぎ、ついに、一週間後にお待ちしています、と瀬名覇からラム酒の完成を知らせる電話が入る。まじむが南大東島醸造所に向かうと、出迎えた瀬名覇は醸造タンクからグラスにラムを注いで手渡し、それを口に含んだまじむは満面の笑みを浮かべる。

そして、まじむの家のすぐ近くで、取材も入ってサザンラムの商品発売をPRするイベントが開かれる。発売するラム酒が参加者に振る舞われたイベント会場で、まじむは関係者に改めて感謝を伝え頭を下げた後、高々とコップを掲げて乾杯の発声を行い、カマルとサヨ子も駆けつけて笑顔を見せる。カマルが手にしたそのラム酒のボトルには、瀬名覇が名付けた「風のマジム」との商品名のラベルが貼られていた。

 

(ここまで)

なお、原作小説の基となった実話では、まじむのモデルで、事業化のために設立された(株)グレイスラムの社長を務める金城祐子氏は、沖縄電力の子会社で働いている時に沖縄電力社内ベンチャー制度に応募しており、独身ではなく既婚で応募当時産まれてすぐのお子さんもいたこと、南大東島の商工会が地場のサトウキビを使ってラムを作ることを構想していたこと、醸造所は新設したのではなく1997年に現在の南大東空港の完成に伴い廃止された旧空港の建物を使っていることなど、映画の設定とは違っている部分もあるようです。

機会あれば、原作小説の方も読んでみたいと思います。