鷺の停車場

映画、本、グルメ、クラシック音楽、日常のできごとなどを気ままに書いています

映画「前科者」

休日の午前、TOHOシネマズ流山おおたかの森に行きました。

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時間は8時半のオープン直後、ロビーにはけっこうお客さんがいました。

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上映スケジュールの一部。この日は宝塚歌劇の劇場公演のビデオ上映も含めて、合計で23作品が上映されていました。

この日観たのは「前科者」(1月28日(金)公開)。全国154館での上映です。

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上映はこの映画館では最大の401+2席のスクリーン9。公開2週目で、一番大きいスクリーンなのは意外です。初週の週末の入りが良かったのかもしれませんが、この日は2~30人くらいの入りでした。

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2018年から「ビックコミックオリジナル」に連載されている、香川まさひこ原作・月島冬二作画の同名コミックを原作に実写映画化した作品だそうで、監督・脚本・編集は岸善幸。

 

公式サイトのストーリーによれば、

 

いま届けたい希望と再生の物語

ふたつの仕事をかけ持つ阿川佳代、28歳。コンビニ勤務は至って平穏だが、もうひとつの務めは波乱に満ちていた。
元受刑者の更生を助ける保護司という仕事で、国家公務員だがボランティアのため報酬は一切ない。
それでも阿川は、次々と新たな問題を起こす前科者たちを、「あなたは崖っぷちにいます!」と厳しく叱り、「落ちたら助けられなくなります」と優しく励ます。「もっと自分の人生を楽しめば」と周りには言われるが、何があっても寄り添い続ける覚悟に一点の曇りもなかった。
そんな中、阿川は殺人を犯した工藤誠を担当することになり、懸命に生きる彼を全力で支える。ところが、工藤は保護観察終了前の最期の面談に現れず、社員登用が決まっていた自動車修理工場からも悠然と姿を消す。折しも連続殺傷事件が発生。捜査線上に工藤が容疑者として浮かぶことで、これまで阿川が隠してきた過去や”保護司になった理由”が明かされていく。置いてきた過去に再び向き合う工藤、彼を信じてその更生に全力を注ぐ阿川。

二人がたどりついた先に見える希望とは――?

 

・・・というあらすじ。

 

主な登場人物は、

  • 阿川佳代【有村架純】:保護司。コンビニのアルバイトで生計を立てており、ある出来事をきっかけに保護司となった。生真面目で頑固だが、使命感は強く、時として周りを驚かせるような行動に出る。

  • 工藤誠【森田剛】:阿川の保護観察対象者。自動車修理工場で働いている。片耳に補聴器を着けており、その原因にもなった職場の先輩からの激しい暴力といじめに耐えきれず、先輩を刺殺した。

  • 滝本真司【磯村勇斗】:警視庁の刑事。阿川の中学時代の同級生で互いに好意を持っていた。交番巡査襲撃事件とそれに続く射殺事件の容疑者として工藤誠が浮かび、工藤の保護司である阿川と再会する。

  • 工藤実【若葉竜也】:工藤誠の前に現れる謎の男。

  • 鈴木充【マキタスポーツ】:警視庁の刑事。滝本の上司で相棒として行動を共にするベテラン刑事。少々頭に血が上りやすい。

  • 斉藤みどり【石橋静河】:阿川の初めての保護観察対象者。便利屋を営んでいる。自由奔放な性格で、阿川を振り回すこともあるが、自信を失くす阿川に「佳代ちゃんの弱さは武器だから」と伝え励ます。

  • 高松直治【北村有起哉】:東京保護観察所保護観察官。阿川を優しく、時に厳しく監督・指導する。

  • 松山【宇野祥平】:佳代がアルバイトするコンビニの店長。時に保護司の仕事を優先させて没頭する佳代に文句を言いつつも、温かく見守る。

  • 遠山史雄【リリー・フランキー】:工藤誠の義父。誠と妻・遠山幸恵を虐待し、しまいには幸恵を殺害。出所後は再犯することなく、工事現場で警備員の仕事をしている。

  • 宮口エマ【木村多江】:遠山史雄の弁護士。犯罪者の更生を、罪の重さで線引きするべきではないという思いから、遠山史雄の弁護を引き受けた。

など。

 

心に響くいい作品。保護司の阿川と、彼女が担当する元殺人犯で仮釈放中の木原の2人の物語を軸に、阿川の中学時代の回想シーン、そして謎の殺人犯の犯行シーンが交錯しながら進んでいき、前半はサスペンス調。後半になって、それらの軸が交わり、心に響くエンディングに進んでいく展開は、よく構成されていると思いました。細部には、実際にはないだろうと思えるデフォルメされたシーンもありましたが、いろいろ考えさせられました。

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スクリーンの入口でスタッフからチラシをいただいたので、上映後に見てみると、企画・制作のWOWOWのチラシでした。映画の3年前に当たる、阿川の新米保護司時代を描いたドラマを放映しているようです。