鷺の停車場

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テレビアニメ「色づく世界の明日から」①

テレビアニメ「色づく世界の明日から」を見ました。

色づく世界の明日から Blu-ray BOX 1

色づく世界の明日から Blu-ray BOX 1

  • 出版社/メーカー: Happinet
  • 発売日: 2019/02/02
  • メディア: Blu-ray
 

2018年の10~12月にTBSなどで放送された作品。原作はヤシオ・ナツカ、監督は篠原俊哉、シリーズ構成は柿原優子、キャラクター原案はフライ、キャラクターデザイン・作画総監督は秋山優希、アニメーション制作はP.A.WORKS

P.A.WORKSは、以前にスクリーンで観た「さよならの朝に約束の花をかざろう」で強く印象に残っていて、本作も以前から気になっていたのですが、Amazonプライム・ビデオの独占配信だったようで、配信では見ることができないでいたので、今になって鑑賞したのですが、期待を裏切らないいい作品でした。

 

2078年の長崎、幼いころに色が見えなくなってしまい他人から距離を置いて過ごす内向的な女子高生・月白瞳美が、魔法使いの祖母に、高校2年生の自分に会ってきなさいと60年前の過去に飛ばされ、そこで知り合った高校の写真美術部のメンバーや高校時代の祖母・琥珀たちと交流していく中で、少しずつ変わっていき、幼いころ無意識に自分にかけた魔法から自らを解き放つまでを描いた作品。

 

公式サイト(http://www.iroduku.jp/)に掲載されているストーリーを交えながら、各話のあらすじを簡単に紹介します。(<   >内は、公式サイトに掲載されているストーリーです。)

 

第1話:キミノイクベキトコロ

<幼い頃に色覚を失ってしまった、魔法使い一族の少女・月白瞳美。祭りの夜、彼女は祖母の琥珀から「高校2年生の私に会いに行きなさい」と告げられ、魔法で60年前の過去へと飛ばされる。気づくと彼女は、南ヶ丘高校に通う高校生・葵唯翔の部屋にいた。自分の身に何が起きたかわからず、あわてて部屋から逃げ出す瞳美。しかしその姿が、唯翔の友人である川合胡桃たちに目撃されていて……。>

 

お祭りの日の夜、高校生の月白瞳美【石原夏織】は、魔法使いの祖母【島本須美】に、高校2年生の私に会いに行きなさい、と突然時間魔法をかけられ、60年前の2018年に送られてしまう。

気づくとそこは男性の部屋で、慌てて隠れ、男性が部屋を出た隙に窓から外に逃げ出す。川合胡桃【東山奈央】と風野あさぎ【市ノ瀬加那】はその様子を目撃する。そこは胡桃たちと同じ写真美術部の部員の葵唯翔【千葉翔也】の部屋で、胡桃たちは唯翔の恋人だと勘違いする。

その後、胡桃や風野あさぎ【市ノ瀬加那】、山吹将【前田誠二】は、街中で道に迷っている瞳美を見かけて声をかける。3人は南ヶ丘高校の写真美術部のメンバーで、唯翔もその部員だった。南ヶ丘高校は瞳美が通う高校でもあったが、60年前の制服は違っていた。

胡桃たちの道案内で、瞳美は祖母の琥珀の家を訪ねる。そこは魔法の星砂を売る「まほう屋」というお店だった。店頭に立つ琥珀の母親・瑠璃【大原さやか】に琥珀はイギリスに留学中と聞いて途方に暮れる瞳美だったが、未来の琥珀にそっくりな祖母の柚葉【潘恵子】が声をかける。瞳美が持っていた未来の琥珀からの手紙を読んで事情を知った柚葉は、瞳美を温かく迎え入れる。

翌日、公園で唯翔に出会った瞳美は、唯翔が絵を描いているタブレットを覗きこむと、その絵は鮮やかに色づき、金色の魚が絵から飛び出してくる。(ここまで)

 

冒頭、お祭りに向かうシーンの描写では、瞳美が自分の殻に閉じこもって友人たちと距離を置いていることが端的に描写されます。このあたりの演出・描写はうまいなあと思います。

時間魔法で過去に向かうのは、時空を超えて進むバスですが、運賃を払わず下りようとして止められて、ポッキー(作中では「ポポッキー」とされています)を渡すと運転手がご満悦になって下りられるくだりは、本編が基本的にシリアスなだけにユーモラスなシーンを入れる趣旨なのでしょう。

 

第2話:魔法なんて大キライ

<唯翔が描いていた絵を見て、一瞬、色の溢れる世界を取り戻した瞳美。海外留学中だという琥珀の実家に、身を寄せることになった彼女は、琥珀の両親に押し切られるようにして、近くの南ヶ丘高校に転入することになる。嫌々ながら通い始めた学校で、若い頃の祖母の意外な一面を知ることになる瞳美。さらに彼女は、自分が魔法使いだと証明するために、生徒たちの前で魔法を披露することになる。>

 

琥珀の家で暮らすことになった瞳美は、琥珀の両親の強引な勧めにより南ヶ丘高校に2年生として転入することになる。学校に行ってみると、琥珀は魔法で天井を壊したりする要注意人物で、同級生には同じ魔法使いということで警戒する者もいた。

瞳美が同じクラスになったあさぎと一緒にお昼を食べていると、やってきた写真美術部のメンバーに呼び出され、唯翔の求めで魔法使いと証明して唯翔との関係について誤解を解くために魔法を使うことになる。それを知った周囲の生徒たちの注目を集めるが、魔法が嫌いでずっと練習をしていなかった瞳美の魔法は稚拙で、期待が外れた生徒たちはがっかりする。

胡桃とあさぎは、気まずくなってしまったことを謝り、瞳美を写真美術部の部室に見学に連れてくる。その後、唯翔を探す瞳美は、屋上で見つけた唯翔に再び絵を見せてもらう。その絵はやはり鮮やかに色づいていた。唯翔は魔法を無理強いしたことを瞳美に詫び、また魔法を見せてほしいと言葉をかける。(ここまで)

 

親族とはいえ、住民票や戸籍もなく、前の学校の成績などの情報が全くない瞳美が、瑠璃の事務手続だけで高校に転入できるなんて、実際にはあり得ないと思います。ただ、本編では、しばらくの間、琥珀の家にマジカル・ステイに来た、と紹介されており、短期留学生のような扱いで編入する形にして違和感を薄めています。

なぜ唯翔の絵だけ色鮮やかに見えるのかは、この時点では全く謎で、都合のいい設定に写りますが、最後まで見ると、そのわけが(完全に納得するには至りませんが)理解できる形になっています。

 

第3話:No Rain, No Rainbow

<新入生を対象に、部活に体験入部する「クラブ活動紹介」が始まった。唯翔が描いた絵が忘れられない瞳美は、写真美術部を訪れる。自分に色覚がないことを隠したまま、唯翔に促され、生まれて初めて絵筆を手に取る瞳美。さらに彼女はそのまま、写真撮影会にも参加することに。胡桃に懇願され、撮影のモデルを務めることになる瞳美だったが、そこで思いも寄らぬトラブルが彼女の身に降りかかる。>

 

新入生の体験入部が始まり、胡桃やあさぎたちは瞳美を写真美術部へと誘う。一方、唯翔に魔法を見せる約束をしてしまった瞳美は、瑠璃の指導で少しずつ魔法の練習を始める。

写真美術部の部室を訪ねた瞳美は、そこにいた唯翔の勧めで絵を描くことになる。色が見えず、絵具の色名を頼りに絵を書く瞳美だったが、でき上った絵を見た唯翔は大胆な色使いに驚く。

その後、撮影会のイベントに参加した瞳美は胡桃に頼まれ急遽モデル役を務めることになる。水の上を歩くために魔法の星砂を使うが、色が見えない瞳美は間違えて違う星砂を使ってしまう。途中までは水面を歩くが、星砂を間違えたことを聞かされた途端、プールに落ちてしまう。唯翔は瞳美に色が分からないことに気づいてそれを質すと、瞳美はそれを認めるが、誰にも言わないようにお願いする。

翌日、申し訳なさから胡桃たちを避ける瞳美だったが、プール掃除中に唯翔から部長の翔が白黒の写真を撮っていると聞き、写真美術部に入部することを決める。(ここまで)

 

クラブ活動紹介で、写真部は新入生の注目をひこうとコスプレをして校内に出かけ、撮影会に人を集めますが、撮影会に集まった新入生たちに部長の将が込み入った難しい説明をしてしまったせいで、新入生たちはすっかりひいてしまい、結局新たな新入部員を獲得することはできません。これもユーモラスな要素を織り交ぜる趣旨なのでしょう。

その撮影会で途中まで水面を歩く瞳美のシーンは、瞳美が、自分は意識していないものの強い魔力を持っていることを象徴的に示しています。

唯一鮮やかな色が見える唯翔の絵を見たいという思いで興味を持ち、モノクロ写真の世界があることを知って入部した写真美術部の部員たちとの交流で、少しずつ、瞳美の世界が変わっていくことになります。

 

第4話:おばあちゃんはヤメテ!

琥珀が留学から帰ってきた。さっそくクラスで見事な魔法を披露し、さらには写真美術部のメンバーともすぐに馴染んでしまう琥珀。自分とは正反対な祖母の姿に、瞳美は圧倒される。一方、写真美術部は次の文化祭で、絵と写真を組み合わせた作品集を発表することに。その最初の活動として、夜景の撮影を行うことになり、瞳美たちは夜の学校へ向かう。だがそこは、普段と少し違った雰囲気で……。>

 

琥珀本渡楓】が留学先のイギリスから帰ってくるが、学校でクラスメートに乗せられて魔法を使い、早速問題を起こしてしまい始末書を書く破目になる。

写真美術部は文化祭でテーマを決めて写真と絵で作品集を作ることを決め、そのために部員それぞれが行きたい場所にみんなで行って撮影会を行うことにする。琥珀は瞳美に、瞳美は秘めた力を持っているが、その魔法は迷子になっているとアドバイスする。

瞳美が入った写真美術部に興味を持った琥珀は、将の提案で夜の校舎の屋上で行った夜景撮影会に参加し、魔法でお化けを出したりする。琥珀と瞳美の関係をあやしむ部員たちに、瞳美は自分が琥珀の孫で、未来から来たことを明かす。そして2人は、魔法で夜空に汽車を走らせる。

琥珀は、以前魔法部が廃部にされてしまったことから、自分も入部して「魔法写真美術部」にすると宣言する。(ここまで)

 

留学から戻ってきた琥珀が、さっそく魔法でトラブルを起こして始末書を書かされるシーンも、ユーモラスな要素として効いています。その魔法で、琥珀は写真の風景を教室に現出させるのですが、瞳美は無意識にその風景に蒸気機関車を登場させ、琥珀は瞳美の魔法使いとしての高い潜在能力を実感することになります。

高校生の琥珀は、第1話に出てきたおばあさんの印象とはかなり異なって、すぐに人と打ち解けることができるとても活発で前向きな、でもちょっと抜けたところもあるおてんばな女の子として登場します。瞳美とは対照的な性格ですが、瞳美のことを真剣に考える琥珀の思いも、瞳美を変えていく大きな力になっていきます。

 

続きはまた改めて。