鷺の停車場

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バッハ「平均律クラヴィーア曲集」

バッハのCDをもう1つ。

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J.S.バッハ
1.平均律クラヴィーア曲集第1巻 BWV.846~869
2.平均律クラヴィーア曲集第2巻 BWV.870~893
ケネス・ギルバート(チェンバロ
(録音 1:1983年1月・2:1983年4月、シャルトル)

バッハのチェンバロ曲は、電車で疲れていてちょっと座れたとき、翌朝早起きしなければいけないときなど、心を落ち着かせたい、早く寝たいときによく聴きます。
酔ったり、とても寝不足な場合でもなければ、つい考え事をしてしまい、なかなか寝付けない性分で、時に布団に入って1時間以上眠れなかったりします。どこでも数分で眠れるような人がとてもうらやましい。

で、チェンバロは、絃をハンマーで叩くピアノと異なり、絃を爪ではじく仕組みで、構造上、強弱が付けられず、ピアノや弦楽器と比べると音量・表現の幅が狭いので、経験的に、強弱の変化で眠気が邪魔されるようなことが起こりにくい(電車の中で聴いても音漏れなどで周りに迷惑をかけるおそれも少ない)のに加え、チェンバロの澄んだ爽やかな響きを聴いていると、気持ちも落ち着きやすいのです。

特にこの曲は、第1巻・第2巻とも、1曲ごとにハ長調ハ短調嬰ハ長調嬰ハ短調…と調性を変えながら、前奏曲+フーガを繰り返す構成なので、より変化が少ないところがあります。

ただ、他より変化が少ないといっても、それぞれの曲調は多岐にわたりますし、そもそも名曲ですので、つい耳を傾けてしまうと、意識が冴えて却って眠れなくなってしまいます・・・

ということで、鎮静用には、考え事を遮る程度の小音量でBGM的に聞き流すようにしています。

さて、このCDは、だいぶ前、同じくアルヒーフから出ていたギルバートの「インヴェンションとシンフォニア」の演奏を聴いて気に入って買ったもの。

これも何種類も聴き比べたわけではないのですが、技術的に確かで変な癖もないので素直に聴けるのと、ほどよく心地よい残響を含んで絃をはじく子音が際立ち過ぎず、イヤホン(ヘッドフォン)で聴いても耳障りな感じがないので、愛聴しています。あっさりし過ぎと思う方もいるのかもしれませんが、私は本盤のように作為をあまり感じない演奏の方が好みです。

近年の他の録音はさっぱり聴いていないので、もっと素晴らしい演奏も出ているのかもしれませんが、本盤を含めギルバートがアルヒーフに録音した一連のバッハのチェンバロ曲のCDは現在入手しにくい状況のようで、ちょっと残念です。

「この世界の片隅に」観客動員数の推移をみる(2017/06/16~6/29)

この世界の片隅に」の観客動員数が200万人達成後も、公式twitterでは、不定期に入場者数のカウントアップをしてくれています。

twitter.com
前回に引き続き、分かる範囲で、入場者数を、その日の上映回数などと比べてみました。

・6/16(金)361人※(10館・延べ14回・延べ2,267席)25.8人/回・15.9%
・6/17(土)395人(12館・延べ19回・延べ2,662席)20.8人/回・14.8%
・6/18(日)457人(11館・延べ16回・延べ2,141席)28.6人/回・21.3%
・6/19(月)290人(12館・延べ18回・延べ2,526席)16.1人/回・11.5%
・6/20(火)248人(10館・延べ13回・延べ1,926席)19.1人/回・12.9%
・6/21(水)298人(12館・延べ17回・延べ2,226席)17.5人/回・13.4%
・6/22(木)255人(12館・延べ17回・延べ2,226席)15.0人/回・11.5%
・6/23(金)286人(12館・延べ19回・延べ2,626席)15.1人/回・10.9%
・6/24(土)617人(14館・延べ20回・延べ3,042席)30.9人/回・20.3%
・6/25(日)644人(15館・延べ21回・延べ3,127席)30.7人/回・20.6%
・6/26~28(月~水)1,086人※(15館・延べ59回・延べ9,058席)18.4人/回・12.0%
・6/29(木)338人(15館・延べ21回・延べ3,192席)16.1人/回・10.6%

(注)※は累計入場者数から逆算した数字。延べ席数は、ネット上で上映スクリーンの席数情報が確認できない映画館について一定の仮定(原則として最少の席数と仮定)の下に算定した推計値です。

少し長い推移をみるため、便宜的に、金~木の1週間単位で集計してみると、次のようになります。
6/2~6/8 1,620人(延べ104回・延べ15,806席)15.6人/回・10.2%
6/9~6/15 2,563人(延べ88回・延べ14,295席)29.1人/回・17.9%
6/16~6/22 2,304人(延べ114回・延べ15,974席)20.2人/回・14.4%
6/23~6/29 2,971人(延べ140回・延べ21,045席)21.1人/回・14.1%

こうやって見ると、6/2~の週で減少したものが、カウントダウンが大詰めとなった6/9~で大幅に観客数が増加し、その後も大きな落ち込みはなく、上映回の増加により順当に?入場者数が増えたことがわかります。アヌシー映画祭での審査員賞受賞も好影響を与えたのではないでしょうか。
個人的には200万人達成後の落ち込みをちょっと心配していたので、ほっとする数字です。
今日からは上映館・上映回数がちょっと減ってしまいますが、引き続きこのくらいのペースでお客さんが入ってくれるといいですね。

探検バクモン「フラガール」

予告編を見掛けて気になったので、録画して見た、探検バクモン「福島いわき フラガール」。
www4.nhk.or.jp
映画「フラガール」で一躍全国的にも有名になった、スパリゾートハワイアンズの名物?の1つであるフラ?ポリネシアンダンス?のダンシングチーム。
ハワイアンズは、子どもの頃、まだ「常磐ハワイアンセンター」だった時代から、それほど頻繁ではありませんが、何度も行ったことがあります。
でも、子どもの頃は、地元のプールにはなかったウォータースライダーや流れるプールなどに夢中で、フラダンスのショーは、へぇ、こんなのやってるんだ、と遠目にちょっと眺める程度でしたし、一から自前でダンサーを養成していたなんて、映画を観るまで知る由もありませんでした。
ロダンサーを客演で呼べば年間1億円程度で済むところ、4億円程度かけて自前でダンシングチームを抱え、ダンサーを養成しているというのはちょっと意外でした。
約50年前の開業当時は、1ドル=360円の時代、外からダンサーを呼ぶのは事実上は不可能だったでしょうし、炭鉱閉山に伴う雇用対策という観点からも、現実的には自前で養成という選択肢しかなかったのでしょうが、それを現在まで約50年も続けるのには、番組では紹介された大震災のほかにもいろいろ困難があったはず。
昔は(先に書いたような子どもの頃の思い出の影響ですが)、今ほどの人気はなく、巡業で来たよく知らない演歌歌手や大道芸人と大差なかった印象だったので、映画で有名になっていなければ、もっと残念な成り行きになっていたかもしれないとも思いますが、そうであったとしても、会社の姿勢、本人や関係者の長年の頑張りがあって、現在の地位が築かれたんだろうなあと、あらためて思いを巡らせた番組でした。