鷺の停車場

映画、本、グルメ、クラシック音楽、日常のできごとなどを気ままに書いています

ムンバイ@柏

インド料理ムンバイ柏モディ店に行きました。
かつてマルイの新館だったところがMODIにリニューアルしてオープンしたお店。

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週末のお昼時でしたが席に余裕があり、すんなり入店できました。
ランチメニューはこんな感じ。

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私は2種のカレーセット800円(税込)。中辛のキーマと日替りほうれん草(この日はほうれん草と豆のカレー)をセレクト。
もう1人は1種のカレーセット750円(同)甘口のバターチキン。
 いずれも、ナンorライスはお代わり自由です。

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中辛なので、本場の辛さに比べれば控えめの辛さなのでしょう、ほど良い辛さで、カレーもナンも胃がもたれるようなこってりさもなく、美味しくいただきます。
甘口の方もちょっと食べてみました。甘口のカレーというと、お店によっては、もとはちょっと辛いカレーに甘味を加えたいかにもお子様向けみたいな味の場合もありますが、そのように甘味が先に立つ感じではなく、もとの辛味が少なめな感じなので、辛味が苦手な大人の方も食べやすいと思います。もう1人も、この甘口はけっこう好みに合ったようです。
2人とも食が進み、ナンを1枚お代わりして半分ずつ分けて完食

個人的には、これまでいろいろ行ったインド料理店の中でもけっこういい感じの方のお店でした。

バッハ「ブランデンブルク協奏曲」

先日に続いて、バッハの作品をもう1つ。

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J.S.バッハブランデンブルク協奏曲(全曲)BWV1046~1051
シギスヴァルト・クイケンバロックヴィオリーノ・ピッコロ、ヴァイオリン、ヴィオラ
ルシー・ファン・ダール(バロック・ヴァイオリン&ヴィオラ
アンナー・ビルスマバロック・チェロ)
ヴィーラント・クイケンバロック・チェロ、ヴィオラ・ダ・ガンバ
アンソニー・ウッドロウ(ヴィオローネ)
クロード・リッパース(バロック・トランペット)
フランス・ブリュッヘンブロックフレーテフラウト・トラヴェルソ
パウル・ドンブレヒトバロックオーボエ
アブ・コスター(ナチュラル・ホルン)
ボブ・ヴァン・アスペレン(チェンバロ)、他
グスタフ・レオンハルト(指揮、チェンバロ
(録音:1976年1月(5番)、7月(3,6番)、12月(1番)、1977年3月(4番)、6月(2番)ハーレム、ルーテル教会

いうまでもなく、バッハの数ある作品の中で最も有名なものの1つ。
ブランデンブルク協奏曲というと、トランペットの超絶的な高音域のソロもあって華やかな2番が有名なのだろうという印象を持っていますが、フルートの素朴な旋律が美しい4番や弦楽のみでしっとりした3番や6番も魅力的。次のとおり、それぞれの曲ごとに楽器編成が違っていて、全曲を通して聴くと音色の変化の幅が広く感じられます。

第1番ヘ長調
独奏 コルノ・ダ・カッチャ2、オーボエ3、ファゴットヴィオリーノ・ピッコロ
合奏 ヴァイオリン2、ヴィオラ、チェロ、通奏低音ヴィオローネ、チェンバロ

第2番ヘ長調
独奏 トランペット、ブロックフローテ、オーボエ、ヴァイオリン
合奏 ヴァイオリン2、ヴィオラヴィオローネ、通奏低音(チェロ、チェンバロ

第3番ト長調
ヴァイオリン3、ヴィオラ3、チェロ3、通奏低音ヴィオローネ、チェンバロ

第4番ト長調
独奏 ヴァイオリン、ブロックフローテ2
合奏 ヴァイオリン 2、ヴィオラ、チェロ、ヴィオローネ、通奏低音チェンバロ

第5番ニ長調
独奏 フルート・トラヴェルソ(横笛)、ヴァイオリン、チェンバロ
合奏 ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、ヴィオローネ

第6番変ロ長調
ヴィオラ・ダ・ブラッチョ2、ヴィオラ・ダ・ガンバ2、チェロ、通奏低音ヴィオローネ、チェンバロ

よく聞いたことのない楽器名がいろいろ出てきますが、
「コルノ・ダ・カッチャ」は直訳すると「狩りのホルン」で、丸く管を巻きベルが後ろを向いた今のホルンの原型、
ヴィオリーノ・ピッコロ」は今のヴァイオリンより短3度または4度高く調弦される小型の楽器、
ヴィオローネ」は後述のヴィオラ・ダ・ガンバと同属の最低音域の楽器で、今のコントラバスの原型、
「ブロックフローテ」は縦笛で、今でいうリコーダー、
「フルート・トラヴェルソ」は横笛で、今のフルートの原型、
ヴィオラ・ダ・ブラッチョ」は直訳すると「腕のヴィオラ」で、今のヴィオラの原型、
ヴィオラ・ダ・ガンバ」は直訳すると「脚のヴィオラ」で、足で支えて弓で弾いて演奏する弦楽器(発祥の由来は別系統ですが、音域は今のチェロとほぼ同じと思ってよいでしょう)。

本盤は、作曲当時の楽器(またはそれを復元した楽器)、いわゆる古楽器を用いて演奏した録音。トランペットも、現代のようなピストンまたはロータリーのヴァルブの付いた楽器ではなく、ヴァルブがなく、ホルンのように丸く管を巻いた楽器で演奏されているそうで、解説のブックレットにその写真が載っています。

録音は約40年前で、古楽器の演奏ではかなり初期のもの。その後指揮者として18世紀オーケストラを率いるブリュッヘンもフルートの演奏者として参加しています。

聴き比べはほとんどしていないので、他の演奏との比較はできませんが、古楽器による演奏に少なからずある、テンポの速さやスタッカートの鋭さなど、現代の奏法との違いをことさらにデフォルメする奇をてらったようなところはなく、自然体という感じがします。古楽器による演奏に我々がだいぶ馴染んだということかもしれませんが、古楽器の演奏に抵抗を感じがちな人でも自然に聴けるのではないかと思います。
最新の録音と比べると、もしかすると技術的には若干見劣りするところがあるのかもしれませんが、古楽器演奏史の古典というべき名盤と言えますし、今でも廉価版で入手することができます。

 

映画「夜明け告げるルーのうた」を観る

夜明け告げるルーのうた」(5月19日(金)公開)をようやく観ました。

6/24(土)からTOHOシネマズ18館で始まった凱旋上映も、ほとんどは1週間で、残っていた新宿も7/6までの週で、早々と終了していまいました。東宝配給なのに、かなりシビアですねぇ。
凱旋上映直前には唯一の上映館となっていたHumaxシネマズ池袋も7/6で上映が終わり、公式HPの劇場情報などを見ると、上映館は7/7~の週は6館、7/15~の週は1館と、再び風前の灯に。ただし、ミニシアターなどいくつかの映画館で8月の上映予定もあるようなので、全国1~3館程度の規模ながら、少なくとも9/1までは上映が継続するようです。

さて、行ったのはTOHOシネマズでは最後の上映館となったTOHOシネマズ錦糸町。ほんとはもう少し行きやすい場所で上映があると嬉しいのですが、そんな機会がありそうな気配もなく、この映画館も7/13(木)上映終了で、現実的には映画館で観れる最後の機会になりそうなので、子どもを連れて行ってみました。

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錦糸町は、トリフォニーホールで演奏会を聴きに何度か来たことはありますが、けっこう久しぶり。昼間に降り立ったのは初めてかもしれません。
北口を出てすぐ右に曲がり、錦糸公園を横目にちょっと北に上がると、ショッピングモールのOLINAS錦糸町が見えてきます。

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モールに入ってちょっと奥に入ったエレベーターで4階に上がると、TOHOシネマズの入口がすぐ近くにあります。

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この週末公開の「メアリと魔女の花」や公開2週目のパイレーツ・オブ・カリビアンなどがお目当ての方が多いのでしょうか、ロビーはけっこう混雑しています。
予約済みのチケットをプリントアウトし、飲み物などを買って、スクリーンのある5階に上がります。

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スクリーンは 一番小さいスクリーン7。入ってみると、意外に埋まっています。
ざっと見た感じ、定員114人なので、6~70人くらいでしょうか。ほとんど大人1人か2人連れで、子ども連れは他にはいないようです。

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席は前から4列目。スクリーンサイズはこの映画館では一番小さいはずですが、部屋の空間の割には大きめで、全く不満を感じません。

入って間もなく上映開始となりましたが、予告編は約15分と長め。近くにある「塩とたばこの博物館」のCMなどもありました。

さて本編。ネットで感想などを見ると、個性が強い作品のようでしたので、期待外れになるかも、と思って見始めましたが、いい意味で裏切られ、涙腺もすっかり緩んでしまいました。子どもたちも引き込まれて観ていました。

ネットでもよく見るとおり、ジブリ宮崎駿)作品との類似点は、かなり意図的です。ルーは、人魚と魚の違いはあれど、ポニョそっくりな部分がありますし、ルーのパパも、外観は魚ですが、雰囲気はトトロそっくりです。遠泳大会のBGMがワーグナーの「ワルキューレの騎行」なのも、嵐の中ポニョが再度現れる場面を思わせます(これはポニョのその場面のBGMが「ワルキューレの騎行」の真似っぽい音楽だからですが)。

しかし、全体の画調は全然違います。技術的なことは全然分かりませんが、一般的なコマ割りではなくフラッシュという技法で作られているとのことですし、おじいさんの回想シーン、ルーに引っ張られて海に潜るシーンのカイの表情の壊れ方など、現実からちょっと離れたシーンになると、画面の雰囲気が俄然それぞれ全然違ってきて、時にはシュールな雰囲気が匂ってくるところなど、おそらく、湯浅監督の面目躍如というところなのでしょう(他の作品を見ていないので勝手な推測ですが)。

予算や時間の制約もあったのでしょう、粗削りな感があるのは否めません。批評家的に細かくチェックし出すと、いろいろ突っ込みどころはあるのかもしれませんが、大きな流れに身を任せて観ていくと、そういう細かいところはほとんど気にならなくて、自然と涙がこぼれてくる、そういう映画でした。
余談ですが、映画を見て私が妙に気に入ったワン魚の声が、「この世界の片隅に」で主人公の義母の声を演じている新谷真弓さんだったのは意外でした。全然違うキャラ、声色だったので、エンドロールで初めて知りびっくりしました。新谷さんの経歴はほとんど知りませんが、幅広い役をこなされる方なんですね。

もう上映館はかなり限られていますが、映画館で観て損はしない作品、行ける機会があれば、ぜひ足を運んでみてください。