鷺の停車場

映画、本、グルメ、クラシック音楽、日常のできごとなどを気ままに書いています

アニメ映画「劇場版 SPY×FAMILY CODE:White」

年末年始の休日の朝、TOHOシネマズ柏に行きました。


9時前の時間帯、ロビーにはまずまずのお客さんが。


この日の上映スケジュール。この日は16作品・18種類の上映が行われていました。このシネコンとしても少なめの作品数かもしれません。

この日観るのは、「劇場版 SPY×FAMILY CODE:White」(2023年12月22日(金)公開)。全国380館とかなり大規模な公開です。


上映は、265+2席のスクリーン9。公開から1月3日(水)までの13日間で、観客動員数259万人、興行収入34.7億円を超えたというだけあって、この映画館では1日10回の上映ですが、お客さんは50~60人ほどは入っていたと思います。


(チラシの表裏)


(チラシの中見開き)


(その前に配布されていた別バージョンのチラシ)

少年ジャンプ+」連載の同名コミックを原作としたテレビアニメ「SPY×FAMILY」の劇場版で、フォージャー家が繰り広げる初めての家族旅行の行方を描くオリジナルストーリー。主要スタッフは、原作・監修・キャラクターデザイン:遠藤達哉、監督:片桐崇、脚本:大河内一楼、キャラクターデザイン:嶋田和晃、総作画監督浅野恭司、制作:WIT STUDIO・CloverWorksなど。なお、テレビアニメ版で監督・シリーズ構成を務めた古橋一浩は、アニメーションアドバイザーとして名を連ねています。

 

公式サイトのストーリーによれば、

 

世界各国が水面下で熾烈な情報戦を繰り広げていた時代。
西国ウェスタリスの情報局対東課〈WISE〉(ワイズ)の敏腕諜報員エージェントの〈黄昏〉(たそがれ)ことロイド・フォージャーがいつものように任務に当たっていたところ、進行中のオペレーション〈梟〉(ストリクス)の担当を変更する、という指令が。
しかし新たな担当に選ばれたのは、無能な男だった――。

その頃イーデン校では、優勝者に〈星〉(ステラ)が授与されると噂の調理実習が実施されることに。少しでもオペレーション〈梟〉(ストリクス)の進展を示し〈WISE〉(ワイズ)へ任務継続を交渉する為、ひいては世界平和を守る為、ロイドは審査員長を務める校長の好物である“フリジス地方”の伝統菓子≪メレメレ≫を作ることをアーニャに提案。本場の味を確かめるため、フォージャー家は家族旅行でフリジスへ向かうことに。その一方でヨルは、出発前にロイドと謎の女のやりとりの一部始終を目撃してしまい、仮初めの関係に一抹の不安を覚えながらの家族旅行となってしまう……。

そんな家族旅行の途中、列車内でアーニャは怪しげなトランクケースを発見。その中にはなぜかチョコレートが……。不思議に思っていると、トランクケースの持ち主が戻って来てしまい、驚いた拍子にアーニャは誤ってそのチョコレートを飲み込んでしまう……。ところが、そのチョコレートには世界平和を揺るがす重大な秘密が隠されていた――!?

そしてたたみかけるように、旅先で起こるハプニングの連続!!
世界の命運は、またしてもこの仮初めの家族に託されてしまった――。

 

・・・というあらすじ。

 

主要登場人物・キャストは、

  • ロイド・フォージャー【江口 拓也】:西国ウェスタリス)情報局〈WISE〉(ワイズ)に所属する敏腕の諜報員(エージェント)で、暗号名(コードネーム)は〈黄昏〉(たそがれ)。変装のスペシャリストで、東西の戦争を回避するため、偽装家族を作り子供を名門校に入学させる任務・オペ―レーション〈梟〉(ストリクス)に挑んでいる。表向きの職業は精神科医

  • アーニャ・フォージャー【種﨑 敦美】:とある組織の実験で偶然生み出された他人の心を読める超能力者で、孤児院にいたところを、偽装家族を作ろうとするロイドに引き取られる。その能力でロイドとヨルの正体に気づき、自分なりに手助けをしようと奮闘している。表向きは、ロイドの前妻の娘ということになっている。

  • ヨル・フォージャー【早見 沙織】:ロイドの妻。東国(オスタニア)の首都バーリントンの市役所の事務職員として働いているが、裏の姿は、東国の暗殺組織〈ガーデン〉に所属する凄腕の殺し屋で、暗号名(コードネーム)は〈いばら姫〉。周囲から怪しまれずに殺し屋を続けたいという思いから、妻を探していたロイドと利害が一致し、偽装結婚する。

  • ボンド・フォージャー【松田健一郎】:フォージャー家の番犬。元は軍事研究の実験体で、未来を予知する能力を持つ。テロリストに爆弾犬として利用されるところをアーニャと出会い、家族として迎えられる。

  • シルヴィア・シャーウッド【甲斐田裕子】:西国情報局〈WISE〉(ワイズ)の管理官(ハンドラー)で、〈黄昏〉(たそがれ)の上司。

  • フィオナ・フロスト【佐倉綾音】:西国情報局〈WISE〉(ワイズ)に所属するロイドの同僚諜報員(エージェント)で、暗号名(コードネーム)は〈夜帷〉(とばり)。先輩である黄昏(たそがれ)に恋しており、密かに妻の座を狙っている。

  • フランキー・フランクリン【吉野裕行】:〈黄昏〉(たそがれ)の協力者である情報屋で、たびたびロイドにこき使われている。

  • ユーリ・ブライア【小野賢章(幼少期:熊谷 海麗)】:ヨルの弟。表向きは外交官だが、実際は〈秘密警察〉と呼ばれ恐れられる東国(オスタニア)国家保安局の少尉。真面目で仕事熱心な好青年だが、親代わりに育ててくれた姉が大好きで、知らないうちに姉と結婚したロイドを敵視している。

  • ヘンリー・ヘンダーソン山路和弘】:アーニャが入学したイーデン校の寮長(ハウスマスター)で、エレガントであることを最も重視している。

  • ダミアン・デズモンド【藤原夏海】:ロイドの標的であるドノバン・デズモンドの次男で、イーデン校でのアーニャのクラスメイト。

  • ベッキー・ブラックベル【加藤英美里】:イーデン校でのアーニャのクラスメイトで、大手軍事企業ブラックベルCEOの娘。入学してすぐの出来事がきっかけでアーニャと友達になる。

  • スナイデル【銀河 万丈】:東国(オスタニア)軍情報部の大佐。冷酷無比な軍人だが、美食家の一面も持つ。

  • タイプF【武内 駿輔】:圧倒的な戦闘能力を持つ軍情報部の秘密兵器のサイボーグ。

  • ドミトリ【中村 倫也】:スナイデルマイクロフィルムの輸送を任せた部下の1人。占いが趣味。

  • ルカ【賀来 賢人】:スナイデルマイクロフィルムの輸送を任せた部下の1人。特に特徴のない平凡な軍人。

  • うんこの神様【千葉 繁】:窮地に陥ったアーニャの心の中に現れた不思議な神様。

というところ。

 

アクション、ギャグ、グッとくるシーンなど、テレビアニメ版で描かれていた要素がバランスよく盛り込まれ、満足度の高い作品でした。

フォージャー一家が中心の物語ですが、ダミアン・デズモンド、ベッキー・ブラックベル、ヘンリー・ヘンダーソンなどイーデン校の主要人物、シルヴィア・シャーウッド、フィオナ・フロストなどロイドの関係者、カミラなどヨルの市役所の同僚、ヨルの弟のユーリ・ブライアなど、テレビアニメ版での定番のサブキャラクターにも漏れなく出番があり、よく目配せがきいた構成だと思いました。

サブキャラの紹介こそありませんが、メインキャラクターでありフォージャー一家が冒頭に紹介され、劇中では偽装家族が生まれたきっかけである「オペレーション〈梟〉」についても説明されているので、原作コミックやテレビアニメ版を見ていない初見の方でも十分に楽しめるのではないかと思います。

 

ここから先はネタバレになりますが、備忘を兼ねて、記憶の範囲で、詳しくあらすじを記してみます。

 

映画は東国(オスタニア)の首都バーリントで暮らすフォージャー一家の紹介で始まります。ロイド・フォージャーは、西国ウェスタリス)諜報機関「WISE」(ワイズ)随一のスパイで、コードネームは〈黄昏〉(たそがれ)、ヨルは、市役所に勤める女性だが、実は東国(オスタニア)の暗殺組織〈ガーデン〉に所属する凄腕の殺し屋で、コードネームは〈いばら姫〉、それぞれ身分を隠すために偽装結婚した2人だが、互いに相手の素性は知らない。そして、娘として引き取った孤児のアーニャは他人の心を読み取ることができる超能力者。そして、飼い犬のボンドは、未来を予知する能力を持つ実験犬。

アーニャが通う名門校のイーデン校で、お菓子を作る調理実習が行われることになる。審査は校長が直々に行い、前年の実習の最優秀者には星(ステラ)が授与されたという。星(ステラ)を8つ獲得すると、成績優秀者(インペリアルスカラーとしてイーデン校の懇親会に出席することができる。懇親会でターゲットである東国のドノバン・デズモンドに接触することが、オペレーション〈梟〉(ストリクス)の目的なのだ。

そんなころ、ロイドは〈WISE〉(ワイズ)の上官の管理官・シルヴィア・シャーウッドから、オペレーション〈梟〉(ストリクス)の担当が別の者に変わると告げられる。その者の能力では到底務まらないとロイドは抗議するが、シルヴィアは西国の上層部の圧力に押し切られたのだろう、せめてオペレーションの進捗が報告できればと言う。

一方、市役所の屋上で同僚女性職員とポールに旗を掲揚するヨルは、旦那の浮気のサインは、出張が増える、服装が変わる、突然プレゼントを贈る、の3つだと聞かされる。ちょうどその時、シルヴィアと会った後に通りに出てきたロイドがフィオナ・フロストと話をしているのを目撃したヨルは、ロイドはその女性と浮気しており、自分は離婚を告げられてしまうのではないかと不安になる。

イーデン校で調理実習が行われることを知ったロイドは、担当から外れる事態を避けるためオペレーションの進捗を示すべく、アーニャに星を獲得させようと考える。以前に入手した情報から、校長の好物が北にあるフリジス地方の伝統菓子「メレメレ」であることを把握したロイドは、校内新聞で読んだとそれを話して、メレメレを作ることをアーニャに勧め、本場の味を確かめるために、土日の連休にフリジスに旅行に行くことを提案する。ヨルは自分が取り残されるのではと一瞬不安になるが、ロイドはヨルも誘い、家族で旅行に行くことになる。

ボンドも連れて列車に乗って出発したフォージャー一家。列車のコンパートメントでロイドに勉強させられるアーニャは、勉強に嫌気が差してトイレに立つと、置き忘れられた1つの鍵を見つける。ボンドが列車の8号車で何か見つけることを予知したことを読み取ったアーニャは、8号車の荷物室に向かい、積まれていた荷物の中にボンドの予知の中で出てきたトランクを見つける。それに鍵を差し込むと、トランクが開く。その中には、小さな箱が梱包されて入っており、その箱を開けると、1つのチョコレートが入っていた。アーニャがチョコレートを手に取って不思議がっているところに、鍵を失くしてしまい、受け取ることになっているトランクを探してドミトリとルカがやってくる。アーニャは慌ててトランクを元に戻そうとするが、滑って手元を離れたチョコレートがアーニャの口に入り、それを食べてしまう。荷物室に入ってきたドミトリとルカは目当てのトランクを見つけるが、トランクの鍵は開いていて、中のチョコレートはなくなっていた。2人はアーニャを見つけて追いかけるが、なかなかトイレから戻らず心配になってやってきたヨルが2人を叩きのめし、難を逃れる。

雪が降るフリジスに到着したフォージャー一家は、メレメレを食べるためロイドがリサーチした「瓦礫と絆」というレストランに入る。そこは、店主のこだわりで家族でないと入れないお店だった。お店の前にボンドを繋いで入店した3人は、この日最後の1つになっていたメレメレを注文することができ、美味しい食事を満喫する。しかし、ヨルは、寒さ対策のためにタートルネックを着ているロイドを見て、服装が変わる、という不倫のサインの1つに当てはまると不安になり、直接聞いて確認しようとも思うが、アーニャのいる前ではまずいと思い、口に出すのをやめる。

料理を食べ終わるころ、店主が料理の感想を尋ねにやってきて、店名の由来となった戦争時代の思い出を話す。それを聞くロイドは、自分が戦争で孤児となり、二度とそのようことを起こさないためにスパイとなったことを思い出す。

そこに、スナイデルが部下を引き連れて店に強引に入ってきて、最後の1つだったアーニャのメレメレを強引に奪ってしまう。ロイドはこれに抗議し、スイーツに入っている砂糖を当てる味覚勝負をすることになる。任務遂行のため一流レストランに潜入して仕事したこともあるロイドは自信満々で臨むが、スナイデルは砂糖の種類だけでなく量も正確に言い当て、スナイデルにメレメレを食べられてしまう。

ロイドは翌日にまた来店してメレメレを食べようと考えるが、店主から材料が月曜になるまで入らないと聞かされる。しかし、ヨルの発案で、材料を集めればメレメレを作ってもらえることになり、一家はフリジスの商店で店主から聞き出したメレメレの材料を集め始める。ロイドはテキパキと材料を集めていくが、オレンジシロップを見つけることができない。射的の店の景品として目当てのオレンジシロップが並んでいるのを見つけるが、その店は景品を後ろから板で支えて倒れないよう小細工をしていた。しかし、それを見破ったロイドは他の景品に当てて跳ね返った弾で横から景品を倒し、見事にオレンジシロップを手に入れる。

そんな中、ロイドが先の女性と不倫していて自分は間もなく捨てられるのではないかと不安なヨルは、旅行を素直に楽しめないでいた。その様子を見たロイドは、声を掛けた売り子が売っていた彼女に市場で売られていた口紅をヨルにプレゼントするが、ヨルは、突然のプレゼントに、不倫のサインのもう1つに当てはまると更に不安になる。
不安が高じたヨルは、酔いの力を借りてロイドに直接聞いて確かめようと露店でワインをあおるが、飲みすぎて酔っ払い、寝てしまう。目を覚ましたヨルは2人に謝るが、2人の様子を心配するアーニャは、次は観覧車に乗りたいと言い出し、順番が来ると、2人をイチャイチャさせようとロイドとヨルだけを乗せて自分とボンドは残って2人を見送る。観覧車の中で、ヨルは抱えていた不安を打ち明け、ロイドは、どんな困難が訪れようともともに助け合おうというプロポーズの誓いは守ると言ってヨルの不安を打ち消すが、ロイドの言葉に照れて恥ずかしくなったヨルは、思わずロイドを平手打ちしてしまう。

しかし、メレメレの材料のうち、チェリーリキュールだけは手に入らない。ロイドはそれを手に入れるため、すぐに帰ると言ってヨルとアーニャを先にホテルに向かわせ、リキュールがありそうな場所に潜入して探索するが、どうしても見つからない。ロイドは打てる手は打とうと、首都に残る顔馴染みの情報屋であるフランキーに電話を掛け、リキュールを手に入れてフリジスまで届けに来てくれと無茶な依頼をする。

一方、マイクロフィルムがあれば計画を実行できるところまで準備を整えていたスナイデルは、基地に到着すると西国に情報を流していた部下に自ら手を下し、チョコレートがアーニャに食べられてしまったことを恐る恐る報告したドミトリとルカには、アーニャを捕らえることを命ずる。

そのころ、首都では、フリジスの軍基地の動向を察知した国家保安局が動き出す。フリジスに旅行中の姉ヨルが心配なユーリ・ブライアは自分がフリジスに行こうとするが周囲に無理やり押さえられる。一方、諜報組織〈WISE〉(ワイズ)も、鍵となるマイクロフィルムを奪取すべく応援を送ることになるが、それを聞いたフィオナは、自身に命令が下るのを待たず、大好きなロイドに会えると喜び勇んで飛び出していく。

ヨルとともに先にホテルに入ったアーニャは、初めはホテルの豪華な設備にはしゃぐが、ロイドがなかなか帰ってこないことを不満に思い始める。ようやくホテルにやってきたロイドだったが、リキュールを入手するためホテルに用意してもらった車で隣町に行くと言う。家族で一緒に過ごしたいアーニャは一緒に行くと言い出すが、ロイドはホテルに残るよう命じ、不満を募らせたアーニャはベッドルームに籠ってしまう。残ったヨルはアーニャの気持ちを察して家族で一緒に行こうと説得し、ロイドもそれを受け入れるが、そのとき、フリジスに到着したフィオナがホテルスタッフを装って部屋を訪ねてくる。ロイドは部屋を出てフィオナと話し、スナイデルが西国との戦争の引き金を引こうとしているとの情報を入手する。しかし、そこにヨルが慌てて走ってきて、アーニャがボンドを連れてホテルの部屋の窓から出ていって姿が見えないことを伝える。

アーニャは、未来を予知したボンドの心を自身が読み取る形で、ロイドが必死に探しているチェリーリキュールが街中のある店にあることを察知していた。それをロイドたちに話すと自身の能力がバレてしまうため、アーニャは自分で手に入れようとホテルを抜け出したのだった。
街に出たアーニャは、ボンドの予知を頼りに店を探し、チェリーリキュールを手に入れるが、街では、マイクロフィルムが隠されたチョコレートを食べたアーニャを軍が捜索していた。そして、アーニャは捜索隊の一員のドミトリとルカに見つかって捕らえられ、車で軍の基地に連行されてしまい、それに抵抗していたボンドは、急発進した車が跳ね上げて落ちてきた空き缶に頭をぶつけて気絶してしまう。
アーニャを捜索していたロイドとヨルは、気絶していたボンドを見つけ、ボンドが噛みちぎった軍服の切れ端から、アーニャが基地に連行されたことを察知する。

西国との融和を図る東国政府に見切りを付け、再び両国を開戦させようと、独自に開発した飛行戦艦で西国へ単独攻撃を行おうとしていたスナイデルは、そのために必要な中立国を経由する安全な飛行ルートの確保のため、そのデータが入ったマイクロフィルムをチョコレートで包んで運ばせており、そのマイクロフィルムを手に入れるため、チョコレートを食べたアーニャを捕らえさせたのだった。西国への襲撃計画の準備をほぼ整えていたスナイデルは、捕らえたアーニャを乗せ、飛行船艦を出発させる。

基地に潜入したフィオナの協力もあってその状況を察知したロイドは、アーニャを救出すべく、かつて戦争での英雄の記念に駅前広場に保存されていた軍用機を動かし、道路を滑走路代わりに空に飛び立ち飛行戦艦を追う。残されたヨルは、家族一緒に行動しようと、離陸しようとする軍用機を追いかけて、何とかその弾薬倉に潜りこむ。ロイドは飛行船艦にエンジントラブルだとして着陸許可を求めるが、スナイデルは飛行機の撃墜を命じ、本来は戦時でなければ使えない対空誘導弾も使って砲撃する。ロイドは猛烈な対空砲火を必死にかいくぐり、体当たりする形で何とか飛行戦艦にたどり着き、飛行船艦内にめり込んだ機首部分からに侵入する。弾薬倉に潜り込んでいたヨルも、どうして空の上にいるのか疑問に思いながらも、上から飛行船艦内に入ろうとする。それを察知したスナイデルは砲台から銃撃させるが、ヨルはそれをかいくぐってその砲手に一撃を加え、砲台から飛行戦艦に潜入する。

その頃、飛行戦艦に連れ込まれたアーニャは、食べてしまったマイクロフィルムをウンチとして出すよう迫られ、ドミトリとルカに監視されていた。アーニャはウンチをした後は殺されてしまうと思い迫ってくる便意に耐えていたが、もう限界、と思ったところで、早く全部出して楽になるよう説く「うんこの神様」が心の中に現れる。

侵入を知ったスナイデルは、全身に武器を備え圧倒的な戦闘能力を持つ秘密兵器のタイプFに迎撃させる。軍用機の衝突により発生した火災が徐々に広がる艦内でロイドとアーニャを探し回っていたヨルは、タイプFに見つかり、激しい攻撃を受ける。

一方、アーニャがウンチをしないとルカから報告を受けたスナイデルは、腹を切り裂いてマイクロフィルムを確保するよう命じ、ドミトリとルカはじゃんけんで担当を決めて、嫌々ながら、命令に従いアーニャの腹を切り裂こうとする。アーニャはそうした隙を突いて逃げ出し、偶然逃げ込んだ部屋にあったトイレで無事漏らさずに済むが、再び2人に捕らえられ、艦橋に連行される。

スナイデルは、ドミトリとルカに汚物タンク内を探すよう命じ、アーニャは縛って艦橋の真下の船室に監禁する。捕らえたスナイデルの部下に変装して艦内を探索するロイドは、ドミトリとルカが汚物タンク内を調べるべく艦内を移動するドミトリとルカに遭遇する。ルカの軍服の腕章が食いちぎられているのを見て、アーニャを捕らえた人間だと察知したロイドは、2人の会話からアーニャが艦橋に連れていかれたことを知り、2人を叩きのめす。

ロイドはスナイデルへの報告を装って艦橋に入るが、アーニャは見当たらない。アーニャが伝声管を叩く音から、アーニャが下の船室にいると察知したロイドは、わざと軍服のボタンを落として探りを入れようとするが、スナイデルは、匂いの違いから変装であることに気づき、艦橋にいた部下とともにロイドを銃撃する。
応戦するロイドに、スナイデルは自身はマスクを着けた上で毒ガスを放ち、艦橋内部には黄色い毒ガスが充満する。しかし、真下の船室に監禁されていたアーニャが縄を振りほどき、偶然にスイッチを押したことで艦橋の窓が全開となり、ロイドは難を逃れる。そして、黄色い毒ガスが艦橋から抜けて視界が戻ると、2人のスナイデルが組み合っていた。部下たちがどちらが本物なのか判別できずに手出しできない間に、ロイドはスナイデルを叩きのめす。本物なのか疑う部下たちだが、私が負けるわけがないとの言葉に、ロイドの命令に従うようになる。ロイドは、火災の拡大で飛行は不可能として、全員退艦を命じ、部下たちは意識を失ったスナイデルを連れ退艦していく。
一方、タイプFの戦闘能力に苦戦が続いていたヨルだったが、ロイドからプレゼントされた口紅を燃料代わりにしてタイプFの体内に収納された弾薬に引火させ、火だるまにして撃破する。

スナイデルのマスクを外したロイドは、下の船室に監禁されていたアーニャと合流し、タイプFを撃退したヨルもそこに合流する。
しかし、飛行船艦は、火災の拡大により操舵は困難な状態になっていた。このままでは市街地に墜落してしまうと考えたロイドは、唯一動かすことができる操舵輪を回して進路を変えようとする。ヨルとアーニャも手伝い、飛行船艦はギリギリのところで衝突を回避して、市街地に面した湖に着水する。無事に危険を回避した3人は笑い合う。水をかぶってしまったアーニャがクシャミをすると、歯の裏にくっついていたマイクロフィルムが出てくる。

首都に戻ってきたロイドは、シルヴィアにお土産のワインを渡す。そのラベルの裏側には、アーニャから回収したマイクロフィルムが貼り付けられていた。シルヴィアは、オペレーション〈梟〉の担当に変わる予定だった人間が浮気で支持を失ったことを話し、引き続きロイドにオペレーション〈梟〉(ストリクス)を担当させることを告げる。

一方、集めた材料でメレメレを作ってもらったアーニャは、家での特訓も経て、調理実習の日を迎えるが、これから実習が始まろうかという時、調理室の器具の1つが爆発音を立てて壊れ、調理実習は延期となってしまう。延期された調理実習では、都合により校長ではなく教頭が審査することになり、努力が無駄になって落胆するアーニャだったが、ロイドは、教頭は南部地方の菓子が好きだと校内新聞で読んだ、と把握した情報を伝え、今度は南への家族旅行を提案する。

そのころ、フリジスでは、チェリーリキュールを手に入れて駆け付けたフランキーが、〈黄昏〉(たそがれ)は何をやっているんだと寒空の下でぼやいていたのだった。

(ここまで)

 

なお、入場者プレゼントをいただきました。


原作者の遠藤達哉の描き下ろし漫画、原作者インタビューや登場人物の紹介など設定資料が所収された「『SPY×FAMILY CODE: White』Film Files」と題する小冊子でした。

公開日から全国合計400万人限定で配布されるとのことですが、先に書いたように、1月3日(水)までの観客動員数は259万人ということなので、まだまだ余裕はありそうです。