鷺の停車場

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テレビアニメ「葬送のフリーレン」⑧第27話・第28話

2023年秋クールで日本テレビで放送が始まった「葬送のフリーレン」、今回は、3月15日(金)から放送された、一級魔法使い選抜試験の第二次試験が終了した後に行われた第三次試験を描いた第2クールの最後の2話、第27話と第28話の2話を紹介します。

frieren-anime.jp

繰り返しになりますが、2020年4月から「週刊少年サンデー」に連載されている原作:山田鐘人・作画:アベツカサによる同名マンガを原作とした作品で、主要スタッフは、監督:斎藤圭一郎、シリーズ構成:鈴木智尋、キャラクターデザイン・総作画監督:長澤礼子、音楽:Evan Call、アニメーション制作:マッドハウス など。


この2話分で登場する、名前が付けられている登場人物とキャストは、次のとおりです。< >内がそれぞれのキャラクターが登場(声優が出演)する放送回です。

  • フリーレン【種﨑 敦美】:千年以上生きるエルフで、勇者パーティーとして魔王を倒した魔法使い。魔法であればどんなものでも興味を持つ魔法オタク。性格はずぼらでドライ。仲間たちとの旅を経て、知らず知らずのうちにその心にも変化が現れる。<第27・28話>

  • フェルン【市ノ瀬 加那】:フリーレンの弟子として共に旅をすることになる魔法使い。ハイターに育てられた戦災孤児。冷静な少女で、生活面でずぼらなフリーレンのお母さん役。<第27・28話>

  • シュタルク【小林 千晃】:フリーレンとフェルンと共に旅をすることになる戦士で、アイゼンの弟子。子どものような性格。臆病ながら高い戦闘力を持ち、前衛を務める。<第27・28話>

  • ヒンメル【岡本 信彦】:魔王を倒した勇者パーティーの勇者で、自称イケメンのナルシスト。仲間思いで、困っている人を助けずにはいられない。10年間共に冒険をしたフリーレンに大きな影響を与える。<第27・28話>

  • ハイター【東地 宏樹】:魔王を倒した勇者パーティーの僧侶。ヒンメルの幼馴染で、高度な回復魔法を操る優秀な僧侶だが、酒好き。戦災孤児だったフェルンの育ての親。<第27・28話>

  • アイゼン【上田 燿司】:魔王を倒した勇者パーティーの戦士。頑強なドワーフ族でパーティーの前衛を務める。寡黙だが、パーティーの中ではツッコミ役。シュタルクの師匠。<第28話>

  • カンネ【和氣 あず未】:一級魔法使い試験の受験者の三級魔法使い。臆病で抜けているところがあるが、隠れた努力家で、気遣いのできる性格。同じく受験者のラヴィーネとは幼馴染で同じ魔法学校の出身。水を自由自在に操る「水を操る魔法(リームシュトローア)」を使う。<第27・28話>

  • ラヴィーネ【鈴代 紗弓】:一級魔法使い試験の受験者の三級魔法使い。口調は荒いが面倒見がよい。同じく受験者のカンネとは幼馴染で同じ魔法学校の出身。水を凍らせる魔法や、鋭く尖った形の氷を複数生み出して相手に放つ「氷の矢を放つ魔法(ネフティーア)」を使う。<第27・28話>

  • ヴィアベル【谷山 紀章】:一級魔法使い試験の受験者で、魔王軍の残党と戦ってきた北部魔法隊隊長でもある二級魔法使い。時に人を殺すことも厭わない冷酷さの一方で、根は優しく仲間想いな一面もある。<第28話>

  • ユーベル【長谷川 育美】:一級魔法使い試験の受験者で、三級魔法使い。饒舌で常にうっすらとした笑みを浮かべている。人を殺すことへの抵抗が無い。<第28話>

  • デンケン【斉藤 次郎】:一級魔法使い試験の受験者で、二級魔法使い。権力争いの末に宮廷魔法使いの座に。一級魔法使いと遜色がない実力の持ち主。<第27・28話>

  • リヒター【花輪 英司】:一級魔法使い試験の受験者で、二級魔法使い。魔法への知識も豊富な実力者だが、目的のためには殺しもいとわない。<第27話>

  • ラント【小松 昌平】:一級魔法使い試験の受験者で、二級魔法使い。クールな性格で、他人を信用せず打ち解けようとしない不愛想な青年。<第28話>

  • ラオフェン【石上 静香】:一級魔法使い試験の受験者で、三級魔法使い。魔法使いとしては未熟ではあるが、素直で優しい性格でデンケンに目をかけられている。<第27・28話>

  • エーレ【伊藤 かな恵】:一級魔法使い試験の受験者の三級魔法使い。魔法学校を首席で卒業した実力を持つ。<第27話>

  • シャルフ【村井 雄治】:一級魔法使い試験の受験者の三級魔法使い。無数の花弁を自由自在に操る「花弁を鋼鉄に変える魔法(ジュベラード)」を使う。<第28話>

  • メトーデ【上田 麗奈】:一級魔法使い試験の受験者で、多彩な魔法を操る。常に冷静で落ち着いた性格だが、小さい女の子に目がない。<第28話>

  • ゼーリエ【伊瀬茉莉也】:エルフの大魔法使い。知識量やその強さは圧倒的で、ほぼすべての魔法を網羅している。「大陸魔法協会」の創始者。フランメの師匠であり、フリーレンは孫弟子にあたる。<第27・28話>
  • ゼンゼ【照井 春佳】:一級魔法使い試験の試験官を務める一級魔法使い。少女のような見た目で自称「平和主義者」だが、表情は乏しく口調は厳しい。<第27話>

  • ファルシュ【白石 兼斗】:男性の一級魔法使い。<第27話>

  • レルネン【宮内 敦士】:50年前に最初の一級魔法使いとなった老齢の魔法使い。<第27・28話>
  • 武のおじいさん【チョー】:オイサーストでひとり修行するシュタルクに声をかけた老人。<第27・28話>

各話ごとのあらすじは、次のとおりです。< >内が公式サイトのストーリーで紹介されている内容になります。

#27 人間の時代

<零落の王墓を攻略し、フリーレンやフェルンをはじめとする12名が第二次試験に合格した。その二次試験で粉々になってしまったフェルンの杖を直そうとフリーレンはある場所を訪ねる…。そして一級魔法使い選抜試験の最終試験、その合否のカギは、フランメの師匠で大陸魔法協会の創始者であるゼーリエが握っていた。>

第二次試験が終わった後、外で修業をしているシュタルクのもとにふくれっ面をしたフェルンがやってくる。フリーレンと喧嘩したというフェルンは、今回ばかりはひどすぎる、零落の王墓での第二次試験で杖が壊れてしまったため、直しに行きたいとフリーレンに伝えたが、古い杖は捨てて新しい杖を買った方がいいと言った、と話し始める。シュタルクは、粉々になってしまったから直せないと言っていた、悪気があったわけじゃない、とフォローするが、育ての親で恩人でるハイターからもらった杖に思い入れがあるフェルンは、小さなころからずっと一緒だった、少なくとも私には捨てるだなんて発想はなかった、と俯きながら話すのだった。

そのころ、オイサーストの大陸魔法教会の前では、第二次試験に合格したカンネが、不合格となって落ち込むラヴィーネを慰めていた。ラヴィーネちゃん、なでなでしてあげようか?とふざけてカンネが言うと、ラヴィーネのいつものケンカ早さは影を潜め、カンネのそばに歩み寄って素直に頭を撫でてもらい、カンネはこれは重症だね、とつぶやく。そこに、何やら物が入った袋を持ったフリーレンが歩いていくのが目に入り、カンネたちはフリーレンに駆け寄り、その袋何?と尋ねるのだった。

一方、オイサーストで自分の魔法店を開けていたリヒターのところには、ラオフェンを連れたデンケンがやってきていた。油を売るデンケンに、リヒターは迷惑そうに追い払おうとするが、デンケンは、儂は今客としてここにいる、と相手にしない。そして、今回は運が悪かったな、損な役回りだ、あの場にいた誰もがそうなる可能性があった、と話し始める。リヒターは、負けは負けだ、俺の実力が足りなかった、だがその話は二度とするな、俺は今最悪な気分なんだ、と言う。デンケンが、それでも店はやるんだな、と言うとリヒターは、お前は知らないだろうが、どんな最悪な気分でも人は食っていくために働かなければならん、と言い、さらに、落ちたのが俺で良かったんじゃないか、一級試験は3年に一度、デンケンみたいな老いぼれに3年後はないかもしれないからな、と悪態をつく。確かにな、と反応するデンケンは、お前は本当に生意気な若造だ、権威をバカにし、目的のためなら弱者を足蹴にすることも厭わない、とても褒められたような人間ではない、なのに儂はお前に何の嫌悪も抱いていない、きっと昔儂がそういう生意気な若造だったからだ、そんな儂が今は宮廷魔法使いの地位にいる、そう悲観するな、3年度のお前は今よりもずっと強くなっている、と言って、結局何も買わずに店を出て行く。

老いぼれが、結局何も買っていかないのかよ、とリヒターが口にしたところに、フリーレンがやってくる。今日は厄日か何かなのか、と悪態をつくリヒターに、フリーレンは、街の人たちに聞いて回ったが、ここならどんなに壊れた杖も修理できるんだよね、と言って、バラバラに砕けたフェルンの杖を見せる。リヒターは、こんなゴミを寄こされても困る、少しは気分が良くなってはいたが、お前のせいで最悪な気分に逆戻りだ、俺にだって仕事を選ぶ権利はある、この杖は諦めろ、と仕事を受けようとはしない。しかし、フリーレンが、できないならいいや、と言って店を出て行こうとすると、お前は本当に癇に障る奴だ、俺がいつできないとまで言った?と、結局その仕事を引き受け、杖を直し始める。その途中、リヒターは、フリーレンに、ゴミだなんて言って悪かった、手入れの行き届いたいい杖だ、さぞかし大事にされていたんだろう、と漏らす。

夜になり、串焼きをやけ食いするフェルンだったが、シュタルクに促され、宿に戻ることにする。宿に向かって歩きながら、フェルンは、フリーレンは私のことをまるで分かってない、と不満を漏らすが、シュタルクは、分かろうとするのが大事だと思う、フリーレンは頑張っていると思うよ、と諭す。2人がリヒターの店の前を通りかかると、店じまいをしようとしていたリヒターが声を掛け、今日はお前の師匠のおかげで散々だった、いっそのこと新調してくれた方がこっちも儲かるのに、大事にしろよ、と言う。

フェルンが宿に戻ると、フリーレンは先に寝ており、フェルンのベッドの上には、元通りに修理された杖が置かれていた。それを手に取ったフェルンは、フリーレンに視線を向け、かつて生前のハイターが語ってくれたことを思い出す。ハイターは、フリーレンは感情や感性に乏しい、それが原因で困難や行き違いが起こることもあるだろう、でもひとつだけいいこともある、その分だけきっとフェルンのために思い悩んでくれる、彼女以上の師はなかなかいない、と語ったのだった。フェルンは、杖を置いてフリーレンのベッドに向かい、シーツを掛け直してあげるのだった。

そして、翌日、第三次試験のために大陸魔法協会に集まった12人の受験者たち。フェルンは、フリーレンに杖を直してくれた感謝を伝えようと声を掛けるが、やっぱり何でもありません、と穏やかな顔で口にするのをやめる。そして、ファルシュが、これより第三次試験を始める、と試験開始を告げる。その内容は、ゼーリエとの面接だった。

試験の前、オイサーストの大陸魔法協会にやってきたゼーリエは、ゼンゼ、ゲナウ、ファルシュ、レルネンを前に、第二次試験の合格者は12名、異例の合格者数だ、あってはならないほどの実力を持った者がいたおかげで、実力に見合わない者まで大勢合格した、従来どおりの第三次試験ではそいつらは全員死ぬことになる、私もそこまでの無駄死にはさすがに望んでいない、すべてフリーレンが悪い、と自分がやってきた理由を説明し、第三次試験は自分が担当する、平和的に選別してやる、と告げる。本来第三次試験の担当だったレルネンも、ゼーリエのわがままは今に始まったことではない、それに私はフリーレンを試すような器ではない、とそれを受け入れ、一目見て分かった、彼女は魔力を制限している、ゼーリエに匹敵するほどの絶大な魔力だ、と語る。ゼーリエがファルシュにフリーレンの魔力に気が付いたか問うと、ファルシュは、あの魔力は制限されたものとは思えない、制限特有の魔力のゆらぎもなかった、このゆらぎは魔力を持った生物である限り消せるものではない、仮にそれが可能だったとしても途方もない時間が必要、とても実用的な技術とは思えない、と答える。
ゼーリエは、フリーレンは魔族を欺くためにその実用的でない技術に捧げた、魔族は人類よりもはるかに魔法に敏感、生まれ持った才覚でもなければ100年や200年制限したところで欺けるものではない、まさに時間の無駄だ、その時間を別の鍛錬に使えば何倍も強くなれる、非効率極まりないが、その非効率が相手の隙を生み出すこともある、熟練の魔法使いの戦いにおいて相手の魔力を見誤るのは死に直結しかねない、現にフリーレンは年の割には技術の甘い魔法使いだが、そうやって魔族を討ち倒してきた、それほどまでにフリーレンの魔力制限は洗練されている、私の知る限りそれをたった一目で見破ったのは魔王だけだ、と話す。
レルネンが自分が見破ったのは偶然わずかなゆらぎが見えただけと謙遜すると、ゼーリエは立ち上がって歩き出し、お前が最初の一級魔法使いになってから半世紀が過ぎたが、お前は臆病な坊やのままだ、それだけに残念でならない、これだけの境地に立っておきながら老い先はもう短い、フリーレンと戦うことは例えそれが勝てる戦いであってもこの先一生ないだろう、やはり人間の弟子はとるものではない、本当に残念だ、と言って広間を出て行く。そして、結局あの子にも私の魔力のゆらぎが見えなかったか、と呟く。

ファルシュから第三次試験がゼーリエによる面接だと告げられ、フリーレンは、そうきたか、ゼーリエは私とフェルンを受からせる気はない、たぶん直感で合格者を選ぶつもりだろう、でもゼーリエの直感はいつも正しい、現に私は未だにゼーリエが望むほどの魔法使いにはなれていない、と話す。

そして、最初の受験者のカンネが扉を開けてゼーリエが待つ屋内庭園に入っていくが、ゼーリエはカンネに視線を向けることもなく不合格を告げる。カンネが理由を聞くと、ゼーリエは、今もお前は私の魔力に恐怖を感じている、一級魔法使いになった自分の姿がイメージできないだろう、魔法の世界ではイメージできないものは実現できない、と告げる。

続くドゥンケル、ラオフェン、シャルフ、エーレも不合格となり、フリーレンの番が回ってくる。ゼーリエは、お前も一級魔法使いになった自分の姿をイメージできていないが、他の受験者とは異なる理由だ、お前は私が合格を出すとは微塵も思っていない、と言う。事実でしょ、とフリーレンが言うと、ゼーリエは、一度だけチャンスをやる、好きな魔法を言ってみろ、と言う。フリーレンが、花畑を出す魔法、と即答すると、ゼーリエは、フランメから教わった魔法か、実に下らない、不合格だ、と告げる。

フリーレンは、そう、と一言だけ言って、踵を返して扉に向かって歩き出す。ゼーリエは、愚弄されたのに食い下がりすらしないのか、お前のような魔法使いが魔王を倒したとは到底信じられない、と言うと、フリーレンは、私一人の力じゃない、ヒンメル、アイゼン、ハイター、私、一人でも欠けていたら倒せなかった、と答える。仲間に恵まれたか、運が良かったな、とゼーリエは言うが、フリーレンは、そうだよ、運が良かった、と答え、当時のことを思い出す。

ある夜、フリーレンがどうして自分を仲間にしたのかヒンメルに尋ねると、ヒンメルは強い魔法使いを探していたと答える。それなら王都にいくらでもいる、私じゃなくてもいい、とフリーレンは言うが、ヒンメルは、君がいいと思った、覚えていないだろうが昔一度だけ君に会ったことがある、子どものころ森に薬草を採りに入って道に迷い、長い間夜の森をさまよって二度と村に帰れないと思ったとき、フリーレンが人里の方向を教えてくれた、ただ方向を指し示すだけで励ましの言葉一つも口にしないフリーレンになんて冷たい人だと思う自分に、その不安を感じとったのか、ただの気まぐれだったのか、フリーレンは花畑を出す魔法を見せてくれた、生まれて初めて魔法が綺麗だと思った、と語ったのだった。

それを振り返ったフリーレンは、きっとただの偶然にすぎないことだが、ヒンメルたちと出会わせてくれたのは、師匠(せんせい)が教えてくれた下らない魔法だ、と言い、そして、フェルンも同じように不合格にするつもりだろうが、たぶんそれはできない、あの子はゼーリエの想像を超える、人間の時代がやってきたんだ、と言って立ち去る。

次に入ってきたフェルンを一目見て、最初は、何が想像を超える、だ、私の魔力を見て立ちすくんでいる、他の受験者と何ら変わらない、と思うゼーリエ。しかし、フェルンの様子に何か違うものを感じ、お前、何が見えている?と問うと、フェルンは、揺らいでいる、と言う。レルネンでさえ気づくことのできなかった自分の魔力の揺らぎにフェルンが気づいたのを知って、ゼーリエの口元は緩み、私の弟子になれ、と突然告げる。フェルンは、嫌です、と即答するが、ゼーリエは、悪いようにはしない、私ならお前をより高みへと連れていける、いまだかつて魔法使いがたどり着いたことのないほどの高みへ、となおも誘うが、フェルンは、私はフリーレン様の弟子です、と断る。
フェルンが入る前、フリーレンは、ゼーリエがいろいろと言ってくると思うが要求を呑む必要はない、私がゼーリエに何を言っても不合格になるように、フェルンは何を言っても合格になる、だってゼーリエの直感はいつも正しいから、とアドバイスしていたのだった。
それを聞いたゼーリエは、フリーレンの入れ知恵だな、私は有能な魔法使いを見逃すほど馬鹿じゃない、と言い、フェルンに合格を告げる。

#28 また会ったときに恥ずかしいからね

<一級魔法使い試験の最終試験、フェルンはゼーリエから合格を告げられた。続くデンケン、ヴィアベル、ユーベルたちの合否は…。そして試験を終えた受験者同士の間には、始まる前にはなかった不思議な感情が…。そして、フリーレンたちが魔法都市オイサーストを旅立つ時が近づく―。>

一級魔法使い選抜試験の最終試験となる第三次試験のゼーリエの面接で、フェルンが合格を告げられた後、続くデンケンが入ると、ゼーリエは、お前のことはよく知っている、正直、血の気と野心に満ち溢れた若かりし頃に会いたかった、私は燃えかすには興味がない、と言うが、自分を見てどう戦うかを考えたデンケンに、まだ燃えている、普通はどう戦うかなんて発想は湧かない、と評価して、合格を告げる。
次に入ってきたユーベルを一瞥したゼーリエは、何も話さずに合格を告げる。
次にラントが入ると、ゼーリエは入ってきたのが分身で、本物は試験期間中ずっと故郷の村にいて、今はお茶を飲んでいることを見抜くが、その度胸を買って、合格を告げる。
次のヴィアベルには、私が知っている中でも一番の武闘派だ、と言い、好きな魔法を教えろ、と尋ねると、ヴィアベルは、魔法は殺しの道具、好きも嫌いもあるか、と答え、それを聞いたゼーリエは合格を告げる。
最後に入ったメトーデには、私を見てどう思った?と問う。メトーデが、ちっちゃくて可愛いなと思いました、と答えると、ゼーリエは、今年の受験者はどうなっている、と呟き、合格を告げる。

全員の面接を終え、試験会場から出てきたゼーリエは、ゼンゼに、すまなかったな、確かに今年は豊作だ、と声をかけて大陸魔法協会の建物から出ていく。

会場の外では、不合格になって落ち込むエーレとシャルフを、次があるさ、とヴィアベルが慰め、ラントは相変わらず付いてくるユーベルに、もう付いてくるなよ、と迷惑そうな顔をし、カンネは、3年後か、と呟くのだった。

そして、フェルンは、建物の外で待つフリーレンに合格を報告し、フリーレンは、よくやった、とフェルンの頭を撫でて労う。そこに、出てきたデンケンが声を掛け、ここまでこれたのはお前たちのおかげだ、これで故郷に墓参りに行ける、と感謝する。

翌日、シュタルクと一緒に店にやってきたフェルンがどのお菓子を買おうか迷っていると、デンケンとラオフェンにばったり会い、デンケンが買ったお菓子でお茶を飲むことになる。シュタルクは、無関係な自分までごちそうしてもらうのは、と恐縮するが、デンケンは、遠慮するな、どうせ金の使い道などない、と言う。フェルンがお孫さんとか、と言いかけると、デンケンは、儂には子も孫もいない、20代半ばのときに妻に先立たれた、と身の上話を始める。
妻は戦争に敗れた北部高原の辺境貴族の令嬢で、もともと体が弱かった。あの頃の儂は富も権力も必要だった、それしか救う手立てを知らなかった。ゼーリエが特権を掲げて大陸魔法協会を樹立したのは妻が亡くなってほどなくしてからだった、あれほどの無力感はない、本当に皮肉なものだ、今では儂は国ですら動かせるというのに、と語るデンケン。
そしてデンケンは、フェルンに向かって、儂にとって魔法は戦争の道具でしかなかった、魔法が楽しいものだったと久々に思い出せた、儂は勇者一行のフリーレンに憧れて魔法使いになったんだ、それをフリーレンに伝えてくれないか、と話す。フェルンが、自分で伝えてください、きっとフリーレン様も喜びますよ、と答えると、デンケンは、そうだな、そうしよう、とうなずくのだった。

一方のフリーレンは、魔導書をいっぱい買い込み、街中のベンチに座ってそれを開いていると、ヴィアベルに声を掛けられる。街中で見かけた困った人の手助けをするヴィアベルに、意外だった、とフリーレンが言うと、ヴィアベルは、俺は故郷の村を守るためなら何だってする、一級魔法使いになりたかったのも望む魔法が与えられる特権のため、強い魔法が手に入ればそれだけ魔族をぶっ殺せるから、でも、それと関係ない場所でも困っているやつがいたらなるべく手を差し伸べるようにしている、と語る。
フリーレンが、どうして?と尋ねると、ヴィアベルは、故郷は北の辺境で、子どものころは勇者ヒンメルの冒険譚が大好きだったが、村のじじばばたちは、村を襲った魔物を退治した、商人を護衛をしただの全然大したことじゃないつまらない話を心底嬉しそうにしていた、勇者ヒンメルが死んで、魔族の残党が暴れ始めてからよくわかった、確かに冒険譚は俺の村には関係なかった、みんな日々の生活を守るのに手いっぱい、きっと勇者ヒンメルが俺の村に来なかったら、世界が平和になってもそこに俺の村はなかったんだろう、俺をここまで連れて来たのは勇者ヒンメルのくだらない冒険譚だ、と話す。そして、結局エーレやシャルフと一緒に帰ることになってしまった、と言って立ち上がったヴィアベルは、出会いは大切にしろよ、今生の別れは死別だけじゃない、と言ってエーレたちのところに帰っていく。

フリーレンは、ヒンメルたちとの旅の途中に人助けをしたときのことを思い出す。アイゼンが、俺たちは一刻も早く魔王を倒さねばらなん、こんな小さな人助けに何の意味がある?と不満を漏らすが、ヒンメルは、確かに小さな人助けだ、きっとこんなことをしたって世界は変わらない、でも僕は目の前で困っている人を見捨てるつもりはない、と語ったのだった。それを思い出したフリーレンは、大丈夫だよヒンメル、世界はちゃんと変わっている、と呟くのだった。

その夜、一級魔法使い試験の合格者に特権の授与が行われる。同伴者がいてもいいと聞いたフェルンは、せっかくですしみんなで一緒に行きましょう、と言って、嫌そうな顔をするフリーレンとシュタルクを連れて行くが、大陸魔法協会の建物の入口で、ゼーリエからの通達で、フリーレンは出禁で、今後1000年間は大陸魔法協会の施設には立ち入らないように、と告げられる。フリーレンは、ゼーリエの機嫌を損ねてしまったから仕方ない、まったく子供みたいな人だ、私も来たくて来たわけじゃないし、と言って外で待つことにし、シュタルクもフリーレンを追って外で待つことにする。

大陸魔法協会の建物の外でシュタルクと待つフリーレンは、一級魔法使いはこの世界で50人もいない魔法使いの頂点、フェルンも立派になった、この時代ではきっとフェルンの方が有名な魔法使いになる、うれしいね、とシュタルクに語る。

そこに、やってきたレルネンがフリーレンに声を掛ける。その様子を見て、フリーレンは、やっぱり私の魔力のゆらぎが見えている、とんでもない手練れだ、平和な時代には似つかわしくない、と言う。それを聞いたレルネンは、そうですね、私は戦いしか知らない時代遅れの魔法使い、ゼーリエにも、魔王軍との戦火の時代に生まれていれば名だたる英雄たちとともに歴史にその名を残しただろうとよく言われる、ゼーリエの弟子の中で歴史に名を残したのは大魔法使いフランメのみ、私が老いて死ねばあの方が生きた証がまたひとつ消えることになる、私はあの方を未来でひとり孤独にさせたくない、たとえそれが伝説の魔法使いフリーレンを討ち取ったという悪名であろうとも、と言い、フリーレンに突然攻撃をしかける。フリーレンは反撃せず防御魔法でそれを防ぐが、右肩を少し負傷してしまう。手合わせを願えますか、と言うレルネンに、手合わせはしない、時間の無駄だ、と答えたフリーレンは、まったく戦いしか知らない魔法使いは不器用な連中が多い、と呟き、歴史に名を残す必要なんてない、ゼーリエはちゃんと覚えている、とレルネンに語る。

フリーレンは、第三次試験の面接の最後でゼーリエに、試験会場にあった花畑が魔法で作られたものであることを指摘し、下らない魔法だと言ってなかったか?と問うと、ゼーリエは、正直、フランメは失敗作だった、あれほどの才を持ちながら、私ほどの高みにはたどり着けなかった、その後もたくさんの弟子を取ったが、どれも私の足元にも及ばないままほとんどが先立った、だが、気まぐれで取った弟子なのに、一人一人の性格も、好きな魔法も鮮明に思い出せる、なぜか私は弟子を取って後悔したことは一度もない、たとえ歴史にその名を残せずとも、と語ったのだった。

それを語ったフリーレンは、自分の弟子にすら素直に自分の気持ちを伝えられないんだ、ほんとに子どもみたいな人だ、と言ってレルネンのそばを離れる。そこに特権の授与を終えたフェルンが出てきて声を掛け、3人で帰っていく。それを見送るレルネンは、本当に不器用な人だ、あなたも、わたしも、と呟くのだった。

翌日、フリーレン、フェルンとともにオイサーストを出発するシュタルクは、街の子どもたちから慕われ、街の人たちから温かい声を掛けられる。歩き出したフリーレンが、フェルンに前日に何を特権としてもらったのか尋ねると、フェルンは、服の汚れをきれいさっぱり落とす魔法だ、これで洗濯が楽になる、と自慢する。フリーレンが、さすがは生ける魔導書ゼーリエだ、神話の時代に存在したとされる伝説級の魔法だと言い、でかしたフェルン、それでこそ私の弟子だ、と褒めると、フェルンは、当然です、ゼーリエはすごく嫌そうな顔をしていたが、と言い、フリーレンは、だろうね、いい気味だ、と応じる。

オイサーストと街の外をつなぐ橋の上をさらに歩いていくと、カンネとラヴィーネが待っていた。2人は、フリーレンに感謝の言葉を伝え、自分たちは不合格になったが、3年後にまた頑張ることにする、楽しかった、元気でね、と言って見送り、フリーレンは、じゃあまたね、と言って別れる。フェルンから、ザインのときもそうだったが、ずいぶんあっさり別れますね、と指摘され、フリーレンはヒンメルたちとの旅の途中での別れを思い出す。
すごくあっさり人と別れるんだね、と指摘するフリーレンに、ヒンメルは、旅を続けている以上、また会うことだってあるだろう、涙の別れなんて僕たちには似合わない、だって、また会ったときに恥ずかしいからね、と答えたのだった。
それを思い出したフリーレンは、フェルンたちに、また会ったときに恥ずかしいからね、と答え、よくわからないフェルンは、何ですかそれは?と疑問を口にするのだった。

 

(ここまで)

昨年9月末の異例ともいえる金曜ロードショー枠での4話分の一括放送から始まった本作、いわばラスボスの討伐後という新鮮な舞台設定、独特の空気感、迫力ある戦闘シーンをはじめ作画のクオリティの高さなど、すっかり引き込まれました。個人的には、2023秋・2024冬の2クールのいずれにおいても、最も好きな作品でした。

原作コミックは一読しただけですが、本作で描かれた先も物語は続いており、原作のストックも十分あるようですし、これだけ人気を博した作品で、続編がまったく制作されないとは到底考えにくいところ。本編終了時には続編制作のアナウンスはありませんでしたが、最終回の翌週の3月29日(金)には「フラアニ特別編 葬送のフリーレン大感謝祭~人の心を知る軌跡」が放送されるようなので、そこで何らかの発表があるのかもしれません。ぜひとも期待したいところです。