テレビアニメ「魔女の旅々」を見ました。
昨年10月~12月にTOKYO MXなどで放送された作品で、個人的には、2020年秋アニメの中では、最も好感が持てた作品でした。
2016年からGAノベルで刊行されている白石定規さんの同名小説をアニメ化したものだそうで、監督:窪岡俊之、シリーズ構成・脚本:筆安一幸、キャラクター原案:あずーる、キャラクターデザイン・総作画監督:小田武士、アニメーション制作:C2Cなどの主要スタッフ。
若くして魔法使いの最上位「魔女」の試験に合格したイレイナ【本渡楓】が、魔女・フラン【花澤香菜】に弟子入りして魔女となり、魔女見習いのサヤ【黒沢ともよ】、魔女統括協会のシーラ【日笠陽子】をはじめ、気ままに世界を渡り歩く中で出会う様々な人々との出逢いと別れを描く物語。
公式サイトに掲載されているストーリーは、次のとおりです。
第1話『魔女見習いイレイナ』
イレイナは『ニケの冒険譚』を読み、魔女になって旅をする夢を抱く。
試験に合格し、あとは他の魔女に弟子入りして一人前になるだけなのに、どの魔女からも門前払い。
遂に怪しげな「星屑の魔女」に弟子入りを頼むことにする。
第2話『魔法使いの国』
魔法使いの国を訪れたイレイナは、入国早々ほうきに乗って猛スピードで突っ込んできた少女と正面衝突し、散々な1日を送ることに。
少女・サヤはイレイナに、魔女見習い試験の極意を教えてほしいと頼み込む。
第3話『花のように可憐な彼女』/『瓶詰めの幸せ』
『花のように可憐な彼女』
旅の途中で美しい花畑に降り立ったイレイナは、そこにいた少女から花束を預かる。
花が美しいと思われることが大事で、誰でもいいから渡してほしいという不思議なお願いと一緒に。
イレイナは近くの国へと向かうが、何故か門番に入国を止められてしまう。
『瓶詰めの幸せ』
イレイナは、瓶の中に幸せを集めている少年・エミルと出会う。
彼は、自分の家で働く使用人のことが好きで、いつも暗い顔をしている彼女を幸せにするため、その瓶をプレゼントしようとしていた。
第4話『民なき国の王女』
滅びた国に辿り着いたイレイナは、唯一破壊を免れていた王城で美しい女性に出会う。
正体は記憶を失ったこの国の王女であり魔女・ミラロゼ。
彼女と国を滅ぼした巨大な化け物との闘いをイレイナは見届けることになる。
第5話『王立セレステリア』
イレイナはとある本を片手に、半年前に訪れた魔法使いが活躍する国を思い出す。
街中で突然魔法学校の生徒に同行を求められ、拒否したイレイナ。
壮絶な追いかけっこの末に待っていたのはなんと師匠・フランだった。
第6話『正直者の国』
正直者の国――そこは国王が持つ不思議な剣の力で、嘘がつけなくなる国。
一見普通だが、住民は静かで、殺伐とした空気が漂う街に疑問を抱いたイレイナは、嘘をつくための法則性を調べることに。
そこでひとりの魔女と再会する。
第7話『旅人が刻む壁』/『ぶどう踏みの少女』
『旅人が刻む壁』
人によって隔てられた、競い合う2つの土地のお話。
『ニケの冒険譚』に綴られた、壁で分断された仲の悪い2つの国。
ある日役人が旅人のニケに、壁のこちら側がいかに素晴らしいかを自慢したいと相談する。
ニケはおもむろに壁に賞賛の文字を掘り始める。
『ぶどう踏みの少女』
ぶどう酒が特産の「こっちの村」は、道を挟んで競い合う「あっちの村」の姑息な販売商法に対抗するため、イレイナの擁立を企む。
最初は乗り気でなかったイレイナも、あれよあれよと担がれるうち、闘志に火が付いてしまう。
第8話『切り裂き魔』
人形であふれた国で、イレイナは魔法統括協会の魔女が切り裂き魔事件の聞き込み調査をしているところに遭遇する。
首を突っ込むつもりのなかったイレイナだったが、なんと自分自身が次の被害者になってしまう。
第9話『遡る嘆き』
金欠のイレイナは、お金儲けの甘言に釣られて「薫衣の魔女」エステルに会う。
彼女は親友の不幸な結末を変えるため、魔法で過去に戻ろうとしていた。
2人は10年前の街で、悲劇の始まりとなる事件を阻止しようと奔走する。
第10話『二人の師匠』
揃って休暇をとり旅行に出かけるフランとシーラ。
フランは師匠がもうひとり弟子をとりたいといった日のこと、そして犬猿の仲だったシーラと過ごした弟子時代に想いを馳せる。
それは、魔法統括協会からのある高額報酬依頼……。
第11話『二人の弟子』
クノーツの街を訪れたイレイナは、魔法使いを嫌悪する強盗集団「骨董堂」復活の報を耳にして正体を隠す。
いっぽうサヤは謎の小箱を届ける仕事の途中で妹に再会する。
そんなときイレイナとサヤの体に異変が……?。
第12話『ありとあらゆるありふれた灰の魔女の物語』
「あなたの願いを叶える国」と書かれた門を潜ったイレイナは、見知った城の中で眼鏡をかけたもうひとりの自分に出会う。
そこには性格が異なる何人ものイレイナが存在した。
イレイナの願いとはいったい何なのか?。
(ここまで)
全体で大きな物語を描くというスタイルではなく、一話完結ものが積み重なるスタイルで、自分が最近見たアニメでいえば、「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」に近い印象ですが、同作では、小編が積み重なる中での主人公の成長という要素も重要なウェイトを占めていたので、その点はやや異なります。
全体的にはあまりシリアスにならない軽やかな雰囲気で描かれ、各話の内容は、ギャグっぽいもの、人生訓を感じさせるもの、現実の残酷さを描いたものなど様々でしたが、個人的には、第9話の印象が鮮烈でした。