鷺の停車場

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テレビアニメ「アルテ」

TOKYO MXで放送されていた2020年春アニメ「アルテ」を見ました。

arte-anime.com

テレビアニメ作品は入っているdアニメストアで見るのがほとんどなのですが、本作は以前見た「この音とまれ」と同様にFOD独占配信のようだったので、試しにテレビ放映を初回から録画してみました。それほど悪くない感じだったので、最後まで続けて見ることに。

2013年から月刊コミックゼノンに連載されている大久保圭さんの同名コミックをアニメ化したものだそうで、監督:浜名孝行、シリーズ構成:吉田玲子、キャラクターデザイン・総作画監督:宮川智恵子、アニメーション制作:Seven Arcsといった主要スタッフ。

 

ルネッサンス期のフィレンツェ、裕福でない貴族の娘で絵に夢中なアルテが、画家のレオに弟子入りし、様々な困難を乗り越えて画家への道を歩んでいく・・・という物語。

 

各話ごとの大まかなあらすじは、次のようなもの。(<  >内は公式サイトに掲載されているストーリーです。)

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#1「弟子入り志願」

フィレンツェの貴族の家に生まれたアルテは子どもの頃から絵を描くことに夢中だった。母親の反対を押し切って、画家になるために家を飛び出した。画家工房への弟子入りを決意し工房を回るが、女というだけで絵を見てもらうことすらできない。
そんな中、唯一自分の絵を見てくれたレオに出会う。レオはアルテに弟子入りを認めるための課題を出す。>

貴族の娘だが絵に夢中なアルテ【小松未可子】は、父【青山穣】が亡くなった後、まともな結婚を望む母【園崎未恵】に反発し、画家を目指して家を飛び出す。工房を回るアルテは女であることで門前払いされるが、唯一入れてくれたレオ【小西克幸】が出した無謀な課題を根性でこなす。その姿に、物乞いから画家になった自分との共通点を見いだしたレオはアルテを徒弟にする。

#2「新生活」

<レオの工房に弟子入りをしたアルテは、小屋の修繕を命じられる。市場で木材を手に入れる途中で、別の工房で働く徒弟のアンジェロと出会う。姉妹がいて女性に優しく世話好きなアンジェロは手伝いを申し出るが、アルテはその申し出を断ってしまう。なぜ断られてしまったのか分からないアンジェロは普段接している女性とは違うアルテに興味を持つ。>

別の工房の徒弟として働くアンジェロ【榎木淳弥】は、家は自分を頼りにする女性ばかりで、女性には優しくすることが当たり前だと思っている。そんなアンジェロは、重い荷物を運ぶアルテに出会って当然のように手伝おうとするが、女性だからと特別扱いするのではなく、1人の徒弟として同じように扱ってほしいアルテはそれを断る。自分の家族とは全く異なるその姿に好感を抱いたアンジェロは、何かとアルテを気にかけるようになる。

#3「初仕事」

<レオの工房に弟子入りして半年。見習い仕事に勤しんでいたアルテは、ある日板絵の背景の一部を描く仕事を命じられる。工房入りして初めて絵を描く仕事を与えられ張り切るアルテだったが、レオからは何度も描き直しを命じられてしまう。アルテは自分が担当する箇所以外が完成していく板絵を前にレオの邪魔にしかなっていないと焦ってしまう…>

初めての仕事を任せられて人物画の背景に取り組むアルテだったが、何度描いてもレオにダメ出しをされていまう。自分がレオの邪魔になってしまっていると焦るアルテだったが、ダメ出しされていたのは、背景にもかかわらず主張が強すぎるからだった。レオの示唆で、自分が描く部分の絵画全体における役割に気づいたアルテは、無事に背景を仕上げる。

#4「コルティジャーナ」

<アルテはレオと工房のお得意様であるコルティジャーナ(高級娼婦)のヴェロニカの元を訪れる。ヴェロニカは娼婦である自分に尊敬の眼差しを向けるアルテのことを気に入り、彼女に肖像画の依頼を出す。知れば知るほどますますヴェロニカのことが好きになるアルテだったが、ヴェロニカの娼婦としての駆け引きを目のあたりにして、彼女に反発心を抱いてしまう…>

高級娼婦のヴェロニカ【大原さやか】の高いプロ意識と博識にひかれていくアルテ。アルテがレオに恋していることに気付いたヴェロニカは、かつては高級娼婦だったが恋に堕ちて落ちぶれてしまった娼婦の姿を見せ、女性が自立して生きていくことの大変さを諭す。自分に夢中にさせるために訪れる男性をわざと焦らす駆け引きを目の当たりにし、アルテは反発を感じるが、職業にプライドを持って仕事する街の人々の姿を見て、自分の仕事に打ち込む。

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#5「腐れ縁」

<レオの工房に街の大商人であるウベルティーノが訪れる。レオとは昔馴染みの腐れ縁の関係だという。そんなウベルティーノから仕事の依頼があったが、そのままでは受けることが到底できない無茶な注文だった。
交渉をめんどくさがっているレオを見たアルテは代理でウベルティーノとの交渉を自ら買って出る。意気揚々とウベルティーノの元を訪れるアルテだったが・・・>

ウベルティーノ【秋元羊介】の無茶な依頼に、アルテはヴェロニカにも交渉術のアドバイスを求め、ウベルティーノに交渉する。何度も出直すその熱意に負けて、最後は交渉は成立する。実は、ウベルティーノは、かつてレオの師匠【東地宏樹】から、レオのことを頼むと頼まれて、仕事を発注している腐れ縁だったのだ。

#6「同業組合」

<アルテが女性でありながら工房に弟子入りしていることが同業組合から物言いが入る。画家修業を続けるためには、宮殿の大広間の装飾画の手伝いの仕事を受けなければならなくなった。そして今回の仕事ぶり次第ではアルテは工房をやめないといけない。 アンジェロたちほかの工房の徒弟や親方たちも参加する中で、果たしてアルテは無事工房に残ることができるのか・・・>

宮殿の大広間の装飾画の手伝いを他の工房と分担して行うことになったレオとアルテ。レオは事情をアルテに伝えた上で、衆人環視の中であえて厳しくアルテを指導し、アルテはそれにくらいついて他の徒弟以上によく働く。その姿に、組合の役員長のアロルド【高岡瓶々】もアルテを認めるようになる。

#7「ヴェネツィアの貴族」

ヴェネツィアからやってきた有名貴族のユーリ・ファリエルは、大広間の天井に描かれたアルテの落書きを見て彼女に興味を持つ。そしてアルテにヴェネツィアでの姪のカタリーナの家庭教師を依頼する。
そんな中、レオの旧友であるルザンナが彼の元を訪れる。ルザンナが一人でフィレンツェに来た理由とはいったい・・・。そしてアルテのユーリの申し出に対する答えとは?>

宮殿の大広間に書かれたアルテの下書きを見て興味を持ったヴェネツィアの貴族のユーリ【鳥海浩輔】は、姪のカタリーナの家庭教師と家族の肖像画をアルテに頼もうとする。まだレオの下で学びたいと考え、一度は断るアルテだったが、レオのもとにやってきたレオの師匠の娘・ルザンナ【恒松あゆみ】が、夫を亡くしたが持参金を返してもらえない状況にあると知る。ヴェロニカに相談したアルテは、ユーリに助けてもらうことを思いつき、それと引き換えに家庭教師となることを決める。

#8「新天地」

ヴェネツィア行きを決めたアルテは出発の準備をする。ヴェロニカやアンジェロ、ダーチャたち仲間から見送られる中、レオからの言葉で自分がフィレンツェに戻ってくる必要がないのかと不安になる。
そんな不安を抱えたままアルテはユーリとともに船でヴェネツィアを目指す。>

ヴェネツィアに向け出発するアルテは、レオから、フィレンツェに戻ってこなくてもいい、と声をかけられ、自分は不要になってしまったのかと不安に苛まれる。不安のあまり自分が見えなくなったアルテはヴェネツィアに向かう船中で海に落ちてしまうが、介抱するユーリは、出発前にレオから伝えられた伝言をアルテに話す。それはアルテの将来を案ずるレオの心遣いだった。

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#9「悪童」

<ユーリの姪であるカタリーナの家庭教師をするため、ヴェネツィアにやってきたアルテ。ユーリやカタリーナの母親であるソフィアたちからの期待に応えるためにカタリーナと向き合おうとするアルテだったが、カタリーナはいっこうに真面目に授業を受けようとしない。
カタリーナがきちんとした振る舞いをしない理由とはいったい・・・。 >

カタリーナ【M・A・O】は貴族らしい振舞いをきちんと身につけていたが、両親の前ではわざと身についていないふりをしていた。カタリーナがそうする理由を探るアルテは、カタリーナが料理について熱心に勉強していることを知る。ある出来事から肩肘張らずに自然体で接すればいいと気付いたアルテの接し方の変化に、自分との共通する部分があることに気付いたカタリーナは、アルテに親近感を抱き始める。

#10「カタリーナの晩餐」

<アルテはカタリーナから晩餐の招待を受ける。ユーリの家の厨房で料理を楽しそうに作っている姿を見て、アルテはカタリーナの意外な一面を知ることとなる。そしてカタリーナが自らの過去を語り、彼女がきちんとした振る舞いをしない理由を知ったアルテ。すべてはカタリーナの幸せのため。悩んだ末に出したアルテの行動とはいったい・・・。>

アルテをユーリの邸宅での晩餐に招待したカタリーナは、自らの過去を話す。幼くして両親と離れ、乳母のボーナ【長尾歩】の下で育てられ、ボーナが亡くなった6歳の時に両親のもとに戻されたカタリーナは、ボーナとその息子で2歳上のジモ【寺崎裕香】を家族のように感じていた。それを聞いたアルテは、カタリーナをジモに会わせようと連れていく。生まれは選べない、貴族として前向きに生きるんだ、とのジモの言葉に励まされるカタリーナ。戻ったアルテは、勝手に連れ出したことでカタリーナの父・マルタ【宮本崇弘】から解雇を告げられるが、カタリーナが貴族らしい振舞いで解雇しないよう願い出る。そして母親・ソフィア【田中理恵】とカタリーナは初めて心を通わせる。

#11「ファリエル家の肖像画家」

<アルテはカタリーナたちを連れて工房の見学にやってきた。「女性で貴族出身で教養もあるのは羨ましい」と工房の徒弟から言われた何気ない一言にアルテは戸惑ってしまう。 工房見学の一件以降、アルテは朝から晩まで一日中がむしゃらに絵の勉強を続ける。そんな中、アルテは無理がたたって倒れてしまう。>

見学に行った工房で案内してくれた徒弟・マテイ【梯篤司】から受けた一言に、アルテは自分が優遇されているが実力が足りないと感じ一心不乱に絵の勉強に打ち込むが、過労で倒れてしまう。そんなアルテが心配で仕方がないカタリーナ。完成した自分の肖像画を見たカタリーナは、それを持ってマテイにその絵を見せに行き、女性で貴族というだけで絵を描いているわけではないと主張する。その帰り、カタリーナは、羨ましいと言われたって、自分の生まれは選べないし変えられないとアルテに言葉をぶつける。帰ってきたアルテにユーリは、自分がパトロンとして生活を保障するからヴェネツィアに残らないか、と提案する。アルテは、出発するときのレオの言葉を反芻するのだった。

#12「弟子」

<ユーリからヴェネツィアに残ることをお願いされ悩むアルテだったが、フィレンツェに戻ることを決意する。そのころフィレンツェでは、レオがウベルティーノから教会の天井画の仕事を受ける。復活祭までに仕上げないといけない時間のない中で、レオにアクシデントが!?>

ファリエル家の肖像画を完成させたアルテを、マテイが謝罪に訪れる。マテイと話し自分の進む道を決めたアルテは、ユーリの誘いを断り、フィレンツェのレオの工房に戻る。しかし、レオは高熱で倒れ、ウベルティーノの屋敷で寝込んでいた。ウベルティーノのもとを訪れ、レオが教会の天井画の仕事を受けて描きかけになっていることを知ったアルテは、期限である復活祭に間に合わせるため自らその続きに取り組み、アンジェロたち徒弟仲間の助力も受けて、何とか復活祭に間に合わせる。回復してその絵を見るレオは、アルテに厳しくも暖かい言葉をかけるのだった。


(ここまで)

 

女性が職人になるなんて常識的にはあり得なかったルネッサンス期のイタリアで、根気と努力、そしてレオを初めとする理解者を得て、女性画家の道を切り拓いていく、という展開は、個人的には好感が持てました。

原作コミックがもともとそうなのか、アニメ化する際の尺の都合からかは分かりませんが、困難や葛藤といった要素は薄く、直面する問題がどんどんクリアされていく印象もあって、物語としての彫りの深さはそれほど感じませんが、1人の女性の成長物語として快く見ることができる作品でした。

映画「もみの家」

週末に柏駅西口のキネマ旬報シアターに行きました。

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ここに前に来たのは、年末に「天気の子」の音感上映を観に行って以来だと思うので、ほぼ半年ぶりです。

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この週の上映作品。

入口に入ってチケットを買うと、以前は通常上映は自由席だったのですが、コロナ対策の一環で、全席指定になっており、1席ずつ間隔をあける形になっていました。これは先日行ったイオンシネマと同様です。

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観たのは「もみの家」(3月20日(金)公開)。以前から気になっていたのですが、公開まもなく映画館の休館が始まり、観に行ける機会がなくなっていました。

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上映はここでは一番小さい136席のスクリーン3。

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上映時間はこんな感じ。

中に入ると、もう予告編の上映が始まっており場内は暗くなっていましたが、ざっと見て20人くらいはお客さんが入っているようでした。

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不登校になった16歳の女子高生・本田彩花が、母親に連れられ、東京から富山にある「もみの家」で暮らすことになる。そこは、農作業などをしながら共同生活する寮だった。主宰する佐藤泰利、妻の恵と息子、5人の寮生と9人での共同生活、最初はなじめず心を閉ざす彩花だったが、周囲の暖かい眼差しに、次第になじんでいき、自分と向き合い、少しずつ前に踏み出していく・・・という物語。

期待を裏切らないいい映画でした。

もみの家の人たちや地域の人々との触れ合っていく中で、彩花の心がゆっくりと融け出していって前に踏み出していく過程が、富山の美しい風景の中に描かれ、最後はじんわり涙する、そんな作品。監督の坂本欣弘の作品は私は初めてですが、富山の風景の織り込み方など、うまいなあと思いました。

主演の南沙良、脇を固める緒形直人田中美里の演技も見事。南沙良は、様々な映画賞で新人賞を受賞した「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」での印象が鮮烈でしたが、毛色の違う本作でも印象的なたたずまいでした。

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上映が終わって外に出ると、スクリーン3のある2階のロビーに小さいながら、「もみの家」の展示がありました。

ここでの上映は7月3日(金)までのようです。首都圏でも上映館はほとんどなくなっていますし、県をまたぐ移動も解除されていますので、興味ある方にはぜひ観てほしいと思います。

うなぎ静可@柏

この日は、柏のうなぎ店「静可」に行ってみました。

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お店は柏レイソルの本拠地である三協フロンテア柏スタジアム日立柏サッカー場)の入口そばの「緑ヶ丘交番前」にほぼ面したところにあります。柏駅から歩くと東口から20分ほどかかるのではないでしょうか。

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お店の外に貼ってあった主要メニュー。

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入口にはテイクアウトメニューもありました。見えにくいですが、うなぎ弁当が2,500円、天重が1,080円、やきとり弁当が600円とのこと。

お店に入ると、4人掛けのテーブルが3卓、小上がり席に2人掛けのテーブルが3卓という店内。世間的には平日の12時台、入ったときにはお客さんはいませんでしたが、食べているうちに、もう1組お客さんがやってきました。お店はやや高齢のお母さんと、息子さんと思しき男性の2人でやっている感じでした。

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店内のメニュー。うなぎは、ランチタイム限定のうな丼が1,600円、うな重が竹2,700円、松3,200円、特大4,000円です。お店の人に聞いてみると、うな丼は1切れちょっと、竹が3/4尾とのこと。値段の差を考えると、松が1尾、特大は1.5尾という感じなのでしょう。この日は、初めてのお店ということもあったので、うな丼を注文してみました。

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卓上の調味料は、シンプルに山椒と七味のみ。

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注文して10分ほどでうな丼が到着。なお、うな重は肝吸いですが、うな丼は肝の入っていない普通のお吸い物です。

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うなぎは予想していたよりも大きめでしたが、お椀が意外に小ぶり。個人的には、このくらいうなぎの量があるなら、ご飯大盛りにした方がよかったかも。少し前に、同じ柏のうなぎ店「植きん」でテイクアウトのうな丼を食べましたが、それと比べると、より脂が落ちている感じで、こちらの方が私好みでした。ふわとろ感もあって、なかなか良かったです。

次に来る時はうな重を食べてみたいと思います。

 

◎うなぎ静可
千葉県柏市緑ヶ丘24-27 (Tel:04-7166-4107)
営業時間:11:30~14:00/17:00~20:00
定休日:木曜日