鷺の停車場

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劇場版アニメ「青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない」を観る

劇場版アニメ「青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない」(6/15(土)公開)を観に行きました。

週末はかなり混み合うようなので、客足が落ち着いた頃に仕事帰りにでも観ようとも思っていましたが、そんな機会がうまく取れるか不透明なので、観れる時に1回行っておこうと、たまたま家族を気にせず自由に動けることになった土曜の午前に行くことに。

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行ったのは、TOHOシネマズ上野。ここは先日観た「誰ガ為のアルケミスト」もそうですが、上映館が少ないアニメ作品をけっこう上映している印象。そういえば昨年観に来た「リズと青い鳥」も、全国73館での公開だったものの、松竹配給だったので、TOHOシネマズで上映したのはかなり少なかったはず。

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チケット売り場に表示されていたこの日の上映スケジュール。「青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない」は真ん中の列の上から3番目。公開3週目の入場者特典の配布開始日ということもあるのか、4回ある上映が全て完売になっていました。ほかの映画も完売や残りわずかの表示がいっぱいです。

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上映は1フロア上がった8階にある201席のスクリーン8。先日「誰ガ為のアルケミスト」を観たのと同じスクリーンです。
お客さんの9割以上は男性で、10代後半と思われる比較的若い世代も多い一方、アニオタっぽいおじさんもちらほら。私は一目でオタクに見えるような風貌ではない(と自分では思っている)けど、1人で観に来たオッサンであることは同じで、若い人にはたぶんアニオタに映るのだろうなあ。まあ、グッズを買い求めたりはしていないにしても、スクリーンやdアニメでアニメ作品をそれなりに観ているのは否定できないところではあるし・・・

ところで、完売だったにもかかわらず、本編上映が始まっても、10~20ほどは空席が残っていました。もちろん急に来れなくなった人もいるはずですが、もしかすると入場者特典のミニ色紙だけゲットして帰ったコレクターor転売目的の人もいたのかもしれません。

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(チラシの表裏)

映画は、鴨志田一著のライトノベル青春ブタ野郎」シリーズ(「青ブタ」という略称のようです)のうち、同名の第6巻と第7巻「青春ブタ野郎はハツコイ少女の夢を見ない」をアニメ化したもの。なお、第5巻までは、テレビアニメ「青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない」でアニメ化されています。

公式サイト掲載のストーリーを紹介すると、

 

空と海が輝く街“藤沢”に暮らす梓川咲太は高校二年生。
先輩で恋人の桜島麻衣と過ごす心躍る日常は、初恋の相手、牧ノ原翔子の出現により一変する。何故か翔子は「中学生」と「大人」がふたり存在しているのだ。
やむなく翔子と一緒に住むことになった咲太は「大人翔子」に翻弄され、麻衣との関係がぎくしゃくしてしまう。
そんな中、「中学生翔子」が重い病気を患っていることが判明し、咲太の傷跡が疼き始める――。

 

というもの。

監督:増井壮一 、脚本:横谷昌宏、制作:CloverWorksなど、主要スタッフはテレビアニメ版と共通。
キャストも、主人公の梓川咲太に石川界人、高校の先輩・芸能人で咲太の恋人の桜島麻衣に瀬戸麻沙美、咲太の初恋の人の牧之原翔子に水瀬いのり、高校の後輩で友人の古賀朋絵に東山奈央、同学年の友人の双葉理央に種﨑敦美、麻衣の母違いの妹でアイドルグループの一員の豊浜のどかに内田真礼、咲太と一緒に暮らす妹の梓川花楓に久保ユリカ、など、テレビアニメ版と同じ声優さんが務めています。

以前ブログにも書きましたが、原作の小説はいずれも読んだことがあります。テレビアニメ版では、カット・圧縮やそれに伴うアレンジはあっても、基本は原作どおりだったので、劇場版も同じなのだろうという予想の上で、テレビアニメ版でのアレンジの帳尻合わせはどうするのかなあと思って観始めました。

原作では、第5巻の最後、花楓の記憶が戻った日に咲太を助けに現れた大人の翔子がそのまま咲太の家に居候することになり、第6巻の第2章で花楓が退院した時には翔子と(2人の関係を心配する)麻衣が咲太の家に泊まっているのですが、テレビアニメでは、最終話で咲太を助けに現れた翔子は翌日に姿を消し、そのまま花楓の退院を迎えていました。映画では、花楓の退院後、翔子が行く所がないと咲太の家を訪れて居候するという設定になっていました。後で考えてみると、テレビアニメ版で姿を消してから劇場版で咲太の家を訪れるまでの数日の間翔子はどうしていたのか謎ですが、観ている間は気になりませんでした。
もう1つ、中学生の翔子が重い病気であることは、原作では第3巻、テレビアニメ第8話の咲太が病院に運ばれたシーンに相当する場面で入院中の翔子に出会って判明するのですが、テレビアニメでは最後まで病気のことは出ませんでした。劇場版では、花楓の検査で通院した時に入院中の翔子に出会って判明するという不自然さのない形で処理されていました。

あとは、予想どおり、基本的に原作に沿った展開で、ネタばれは避けますが、シリアスな展開にやはり心打たれて、周囲が気になって泣かないよう堪えて観ていても、涙がこぼれました。

ただ、本編は約90分とやや短めで、展開にちょっと駆け足感はありました。テレビアニメ版と基本的に共通するスタイルで、テレビアニメ版を見た時にはさほど気にならなかったのですが、今回は先に原作を読んでいたことがあったのと、また、最近見たテレビアニメ「月がきれい」のしぐさや風景などセリフ・表情以外の要素を効果的に使った演出が余韻深かったことが影響した気もします。家で見る1回話20数分のテレビアニメとスクリーンで観る90分の映画の違いもあるのでしょう。
ぜいたくを言えば、もう20分くらい時間を使って、もう少しゆったり描くとさらに凄くなったように思います。原作を読んだ人なら分かると思いますが、保健室での咲太と翔子のシーンとか、楽屋での咲太と麻衣のやりとりとか、もう少しじっくり見たかったところ。

それでも、第6巻の最後に当たる夕刻の江ノ島の場面とか、画と音があるからこそ、さらに衝撃が強くなったシーンもあって、やはりいい作品です。何とか機会を見つけて、周りを気にせず涙できる環境でもう一度観たいと思います。

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なお、入場者特典のミニ色紙は、麻衣、翔子、理央、朋絵の4種類からのランダム配布。

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家に帰って開けてみると、双葉理央でした。サイズはおおむね、幅12cm×高さ13.5cmという感じです。

1・2週目の入場者特典は、おおむね配布初日の土曜日のうちに終了してしまって、オークションサイトでは高値での転売もあるようです。公開3週目にもなるのだから、興行サイドにはぜひとも改善してほしかったところですが、2日目の日曜日の早々に終了してしまったところも多かったようです。何だかなあ・・・