鷺の停車場

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劇場版「銀河鉄道999」大人の音感上映

しばらく前になりますが、GWの後半、キネマ旬報シアターで「ガールズ&パンツァー 劇場版」を観た後、続いて上映された「銀河鉄道999」(1979年8月4日(土)公開)も観てみました。


この週の上映スケジュールと上映作品の紹介。「銀河鉄道999」は、本年2月13日に亡くなった松本零士追悼企画の1つとして、その続編として制作された「さよなら銀河鉄道999 アンドロメダ終着駅」(1981年8月1日(土)公開)とともに、1週間限定での上映でした。

テレビアニメ「銀河鉄道999」が放映されていたのは、私が小学生のころだったと思います。当時は好きでけっこう見ていたはずですが、必ずしも全話欠かさず見ていたというわけではなかったようで、断片的な記憶はありますが、あらすじ全体は覚えていません。今回、劇場版が上映されるとのことで、久しぶりに観てみたくなりました。


上映は、先ほどと同じ136席のスクリーン3。この日は、通常よりも少し音量を上げた「大人の音感上映」となっていました。


そのすぐ近くの壁には、ささやかですが、銀河鉄道999関係の展示もありました。


スクリーンに入ると、かなりのお客さんです。80人くらいは入っていたのではないでしょうか。年代も幅広く、女性も数多く入っていた印象です。

松本零士の同名マンガを原作に、1978年9月14日から1981年3月26日にかけて、全113話とテレビスペシャル3話が放映されたテレビアニメの劇場版。本作は1979年8月の公開なので、テレビアニメシリーズの放映継続中に、並行して制作された作品ということになります。主要スタッフは、企画・原作・構成:松本零士、製作総指揮:今田智憲、脚本:石森史郎、監修:市川崑、監督:りん・たろう、作画監督小松原一男、製作:東映アニメーションなど。なお、2022年4月22日(金)からは4Kリマスター版の上映も行われています。


なお、本劇場での上映は、もともとはフィルム上映の予定でしたが、映写機の不具合により、DCP(デジタルシネマパッケージ)素材による上映になったそうです。

 

公式サイトのあらすじによれば、

 

身体を機械にかえて、人間は死なないですむようになった。そんな時代にも、やはり貧しい人々は存在する。彼らにとって、機械の身体は高価なものであり、買うことができなかった。そんな中、一つの噂が流れる。銀河鉄道999に乗れば、タダで機械の身体を貰える星に行けるというのだ。
少年・星野鉄郎は母と二人、噂をたよりに銀河鉄道の停車駅、メガロポリスに向かう。その途中、二人は機械伯爵による人間狩りに遭い、母は殺されてしまう。メガロポリスのスラムに居着いた鉄郎は、銀河鉄道のパスを手に入れる機会を伺い、実行に移すも失敗に終わる。しかし、そのとき知り合った謎の美女メーテルから、鉄郎は銀河超特急999号のパスをもらい受けて、メーテルとともに地球を旅立つのだった。
旅の途中、鉄郎は山賊アンタレスや女海賊エメラルダス、キャプテン・ハーロックとその親友大山トチローとの出会い、そして別れを通じて、次第にたくましく成長してゆく。
タイタンで老女から受け取った機械人間に有効な銃である『戦士の銃』で、ついに母の仇・機械伯爵を倒す鉄郎。目的を果たした鉄郎は、いつしか機械の体を憎むようになり機械の体をタダでくれるという惑星を破壊すると宣言する。 そして999号は終着駅に向かった・・・

というストーリー。

主な登場人物は、

  • 星野 鉄郎【野沢 雅子】:15歳の主人公。母を機械伯爵に殺され、銀河鉄道に乗ろうとする。999号の旅を通じて、限りある生命の尊さを知った彼は、機械化を進める強大な敵に挑んで行く。

  • メーテル【池田 昌子】:鉄郎に銀河鉄道999のパスを与え、ともに旅をする美しい謎の女。実は全宇宙に機械化を進める女王プロメシュームの娘である。だがその志は鉄郎と同じだ。メーテルギリシャ語で「母」の意。

  • クレア【麻上 洋子】:999号の食堂車のウエイトレス。母親の見栄で、クリスタルガラスの体にされたが、人間の体を買い戻すために働いている。鉄郎を愛する。

  • 大山 トチロー【富山 敬】:ハーロックの親友。機械伯爵を倒すべくヘビーメルダーのガンフロンティア山に住みついている。病に伏した彼は、鉄郎に意志を託し自らはアルカディア号の心となった。

  • キャプテン・ハーロック【井上 真樹夫】:40人の海賊と共に大宇宙を駆けめぐる無法者。しかし自由を重んじ、真の勇者には敬意を払う事を忘れない、男の中の男である。

  • クイーン・エメラルダス【田島 令子】:宇宙をさすらう女海賊。魔性の女と恐れられる彼女は、ただ一人愛した人、大山トチローの姿を今日も追い求める。

  • 車掌【肝付 兼太】:999号のただ一人の車掌。職務に忠実で、乗客に失礼の無いように気を配っている。機械化人間になろうか、元の体に戻ろうか、迷いに迷っていた透明人間である。

  • アンタレス【久松 保夫】:土星の衛星タイタンに住む、山賊をなりわいとしている男。機械伯爵を憎んでおり、伯爵に親を殺された子供たちを集め養っている。

  • トチローの母【麻生 美代子】:タイタンの郊外に一人で住んでいる。トチローの母であり、半ば諦めながらも彼の帰りを待っている。鉄郎に手製の帽子とマント、そして戦士の銃を与えた。

  • 機械伯爵【柴田 秀勝】:機械人間の英雄とされる冷酷残忍な男。移動要塞・時間城に住み、宇宙を渡り歩く。人間狩りを趣味とする。

  • リューズ【小原 乃梨子】:機械伯爵の女。その時間を操る能力は機械化の課程で身についたものである。普段はヘビーメルダーの酒場で歌っている。彼女の歌は聞く者の涙を誘わずにはおかない。

  • プロメシューム来宮 良子】:全宇宙を機械化する野望を燃やすメーテルの母。メーテルやドクター・バン等の生命の尊さを知る多くの同志の犠牲によって、彼女は実体化した分身を破壊された。しかし、惑星プロメシューム地下宮殿の球体の中に再び姿を現す。そして、女王の座をメーテルに継がせて余生を送ろうとしていたが、鉄郎とメーテルによってその野望を打ち砕かれた。

というもの。なお、ナレーターは、城達也が務めています。

今から約44年前、直前に観た「ガールズ&パンツァー劇場版」からみても35年前の作品。当時は、今のようにCGなどは使っておらず、全て手描きで描かれていたのだろうと思いますが、今のアニメの緻密な作画との違いは歴然で、時代の移り変わりを感じます。

原作やテレビアニメ版がまだ継続中に作られた作品で、テレビアニメ版では10歳くらいのまだ幼さの残る少年だったと思いますが、本作では15歳と、設定も多少アレンジされています。あらすじも原作やテレビアニメとは相違があるようですが、少年がメーテルとの旅を経験して自立していく姿を描いた作品として、うまくまとまっていると思いました。

テレビアニメ版も機会あれば見てみたい気もしますが、全113話ということなので、現在でいうと、テレビアニメ1クール(3か月)の9~10回分、各話の本編部分を約20分と少なめに見積もっても、2,260分=37時間40分と、かなりの時間を要することになるので、見始めるにはそれなりの覚悟が必要ですね。