休日の朝、TOHOシネマズ流山おおたかの森に行きました。
朝9時台、ロビーはまだ閑散としていました。
この日の上映スケジュールの一部。
観るのは、劇場版アニメ「映画 さよなら私のクラマー ファーストタッチ」(6月11日(金)公開)。新川直司さんの「四月は君の嘘」がアニメ・原作コミックともに良かったので、同じ漫画家の作品の映画化と知って、行くことにしました。
上映はこの映画館で一番小さい58席のプレミアスクリーン。お客さんは20人弱でした。
入口とスクリーンの間には、くつろげるスペースも用意されていますが、元々の狙いのように活用されている感じではないように見えます。
「さよなら私のクラマー」は、月刊少年マガジンに2016年から連載された新川直司さんのマンガで、この4月からテレビアニメが放送されていますが、本作は、2009年から2010年にかけて描かれた、その前身となる「さよならフットボール」のストーリーを中心にアニメ化した作品のようです。私自身はいずれの原作も未読の状態で観ました。
公式サイトのストーリーによれば、
女子中学生サッカープレイヤー・ 恩田希は、誰よりも練習し、誰よりも努力してきた。それでも、彼女は試合になかなか出してもらえなかった。
藤第一中学校、男子サッカー部──。それが、彼女の今いるフィールドだ。
中学2年生となった希は、監督に「新人戦の1回戦に出たい!」と何度も願う。
その理由は、対戦相手にあった。
一緒にサッカーを続け、小学4年生で転校していった、幼馴染の“ナメック” 谷安昭がいる、江上西中学校なのだ。
「サッカーはフィジカルだ。身体のデカイ俺に、女のお前が敵うわけがない。
男というだけで俺は──お前を超えたレベルにいるんだ」
再会したナメックから受けたその言葉を、希は試合に出て、勝つことで、はねのけたかった。
「上等だわ。見せてやろうじゃない。私に何ができるのか」
という物語。
主な登場人物は、
- 主人公・恩田希:島袋美由利
- 希の幼なじみでサッカー部のマネージャー・越前佐和:若山詩音
- 幼なじみでサッカー部のキャプテン・山田鉄二:内山昂輝
- 幼なじみでサッカー部のメンバー・竹井薫:逢坂良太
- かつて一緒にサッカーをしていた江上西のキャプテン・谷安昭:土屋神葉
- サッカー部の監督・鮫島幸造:遊佐浩二
- 希の1歳下の弟・恩田順平:白石涼子
など。
冒頭、トイレで髪を切り、ユニフォーム姿でグラウンドに出ていく希のシーンから始まりますが、それがどのような意味を持つのかは、後半になって明らかとなります。
熱心に練習に打ち込み、高い技術を持つ希は、1年生で唯一メンバーに選ばれて出場した新人戦で、フィジカルが違う男子選手との競り合いで腕を怪我してしまいます。身体的に成長途上の希、体格の違う男子選手の厳しいコンタクトで有望な将来を失わせてはいけないと思う顧問の鮫島は、公式戦には出さないと通告しますが、2年生として迎えた新人戦の対戦相手となった谷との偶然の再開をきっかけに、希は新人戦に出場しようといろんな手段を使って鮫島に訴えますが、希を壊してしまうことを怖れる鮫島は、それまでと同様、ベンチ入りメンバーから外します。それでも諦めない希は、マネージャー・佐和の手伝いとしてベンチに入り、ハーフタイムにある手を使って、強引に後半の試合のグラウンドに立ちます。これが冒頭のシーンにつながっています。体格の違う谷たちの厳しいコンタクトに苦しみ、最後には足を痛めて途中交替することになりますが、その高い技術と創造的なプレーは顧問の鮫島や観客たちを魅了する・・・というあらすじ。
サッカーの試合の描写も丁寧に描かれ、爽やかな後味が残るいい作品でしたが、物語の起伏などからすると、劇場公開作品としては盛り上がりが今一つだったかもしれません。変な例えかもしれませんが、現在放送中のテレビアニメのスペシャル版としてテレビで放送するくらいがちょうどいいような感じ。とはいえ、これまでつまみ食い的にしか見ていないテレビアニメ版をきちんと見てみようと思わせる魅力はありました。
入場者特典もいただけました。
公開2週目に入った週末で既に、1日1回、一番小さいスクリーンでの上映になったということは、公開直後の入りがかなり悪かったのだろうと思います。この映画館では、公開3週目の6月30日(水)上映終了予定とアナウンスされましたし、他の映画館では既に2週間の上映で打ち切ったところもあるようです。作品自体は悪くないと思うのですが…。