鷺の停車場

映画、本、グルメ、クラシック音楽、日常のできごとなどを気ままに書いています

映画「ミュジコフィリア」

休日の午前、TOHOシネマズ流山おおたかの森に行きました。

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時間は10時半すぎ、多くのスクリーンでは最初の上映回が続いていそうな時間帯、ロビーは比較的空いていました。

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上映スケジュールの一部。この日最も上映回数が多いのは「Arashi Anniversary Tour 5×20 Film Record of Memories」の13回、合計24作品が上映されていました。

この日観たのは「ミュジコフィリア」(11月19日(金)公開)。全国30数館と小規模の公開、千葉県内の上映館はここだけです。

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上映は58席のプレミアスクリーン。まだ公開2週目ですが、一番小さいこのスクリーンで1日1回のみの上映となっていました。この週か翌週には上映終了となってしまいそうな感じです。

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プレミアスクリーンの入口と客席の間のエントランス。中に入ると、お客さんは15人ほどでした。

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さそうあきら作の同名コミックを原作に実写映画化した作品だそうで、主要スタッフは、監督:谷口正晃、脚本・プロデューサー:大野裕之など。

 

公式サイトのストーリーによれば、

 

京都の芸術大学に入学した朔は、ひょんなことで「現代音楽研究会」に引き込まれる。クセの強い教授や学生たちが集まるそのサークルには、朔が憧れてきた幼なじみでバイオリニストの小夜、そして著名な作曲家の息子で、自身も天才作曲家と期待される大成がいた。実は、大成は朔の異母兄で、朔は子供の頃から色や形を「音」として感じる才能を持ちながらも父と兄へのコンプレックスから音楽を憎んできたのだ。だが天性の歌声を持ち、朔に想いを寄せるピアノ科の凪が現われ、朔の秘めた才能が開花し始める――。

・・・というあらすじ。

 

主な登場人物は、

  • 漆原 朔(うるしばら・さく)【井之脇 海】:天性の音楽の才能がありながら、父と兄へのコンプレックスから音楽を憎んできた。美術学部の新入生。

  • 浪花 凪(なにわ・なぎ)【松本 穂香】:朔に想いを寄せるピアノ科の新入生。朔と同様に天性の音感と歌声を持つ。

  • 貴志野 大成(きしの・たいせい)【山崎 育三郎】:朔の異母兄。若き天才作曲家と将来を期待されるが、父親の呪縛から逃れられないでいる。

  • 谷崎 小夜(たにざき・さよ)【川添 野愛】:「現代音楽研究会」メンバーのバイオリニスト。朔と大成の幼なじみで、大成の恋人。

  • 青田 完一(あおた・かんいち)【阿部 進之介】:「現代音楽研究会」メンバー。6浪し現在は留年中の作曲科3回生。

  • 貴志野 龍(きしの・りゅう)【石丸 幹二】:世界的に著名な作曲家。大成と朔の父。

  • 椋本 美也子(むくもと・みやこ)【濱田 マリ】:貴志野龍のかつての教え子で音楽学部准教授。「現代音楽研究会」顧問。

  • 漆原 君江(うるしばら・きみえ)【神野 三鈴】:朔の母。将来有望なチェリストだったが、現在は子供向けのピアノ教室を開いている。

など。

原作のマンガは未読の状態で観ました。

現代音楽という、クラシックでもマイナーな領域を舞台にした設定は新鮮で、印象に残る映画でした。現代においてクラシック音楽を創作する意味が何かを掴もうとする姿が描かれますが、中核は、音楽そのものというより、優れた才能を持つ異母兄弟が和解し、それまでの呪縛から解き放たれる過程を描いた物語と受け取りました。

原作マンガの描写に引っ張られたのか、阿部進之介が演ずる青木のアクの強さや、松本穂香が演ずる凪が鴨川の中洲で歌うシーンなど、違和感が拭えないシーンもありましたが、なかなか良い作品でした。