鷺の停車場

映画、本、グルメ、クラシック音楽、日常のできごとなどを気ままに書いています

テレビアニメ「本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~」を見る

2019秋シーズンのテレビアニメ「本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~」を見ました。

booklove-anime.jp

10月からWOWOWプライムなどで放送されていた作品、25日深夜の放送で14話の第1クールが終了しました。ここしばらく見てきたテレビアニメ作品は、既に放送を終えた後にDVDや配信で見た作品ばかりなので、放送中に同時並行で見るのは(子どもの頃を除いては)初めてだったかもしれません。

ネットで調べてみると、香月美夜さんが2013年9月から2017年3月まで小説投稿サイト「小説家になろう」に投稿された同名小説をアニメ化したもの。原作は5部677話、現在逐次発刊されている単行本は第4部までで本編21巻とけっこうな大作なようです。

 

本作は、そのうちの第1部に当たる部分をアニメ化したもののようで、テレビアニメ版の公式サイトでは、この春の第2クール放送決定がアナウンスされています。

主要スタッフは、監督:本郷みつる、副監督:川崎芳樹、シリーズ構成:國澤真理子、アニメーション制作:亜細亜堂など。亜細亜堂といえば、先日観た劇場アニメ「ぼくらの7日間戦争」でもアニメーション制作でした。

「本好きの下剋上 司書になるためには手段を選んでいられません」 DVD Vol.1

「本好きの下剋上 司書になるためには手段を選んでいられません」 DVD Vol.1

  • 出版社/メーカー: フライングドッグ
  • 発売日: 2019/10/18
  • メディア: DVD
 

ネタバレを避けて簡単に紹介すると、本に埋もれて亡くなった本好きで司書として図書館への就職が決まっていた本須麗乃(もとすうらの)が、中世ヨーロッパ風の異世界の少女マインとして転生し、本が高価で貴重な世界で、前世の知識をいかして本作りを目指していく物語。

異世界へ転生するという設定は、以前見た幼女戦記もそうでしたし、けっこう多い印象ですが、戦いの要素がなくものづくりを目指すというストーリーは珍しいと思って見始めた作品、涙するような深みはないものの、前世の知識をいかしたオリジナリティーを売りに中世ヨーロッパ風の異世界で本作りに打ち込むさまは、転生した女性の一種の冒険物語のような感じで、楽しんで見ることができました。

 

公式サイト(http://booklove-anime.jp/)に掲載されている各話ごとのストーリーを紹介すると、次のとおりです。

第一章 本のない世界

本が大好きな女子大生・本須麗乃は本に埋もれて亡くなり、気がつくと別の世界で、病弱な少女・マイン【井口裕香】として転生していた。本があれば、どんな環境でも耐えられると思ったマイン。さっそく本がないか家中を探し回るが、どこにも本が見つからない。さらに母親のエーファ【折笠富美子】と一緒に街へ出ても、文字すらなかなか見かけることができない。そこは識字率が低く、本がとても高価な世界だったのだ――。

第二章 生活改善と石板

本が貴重なこの世界で、マインは自ら本を作ろうと決意する。だが、体が弱いマイン。姉のトゥーリ【中島愛】と一緒に、父親・ギュンター【小山剛志】の忘れ物を届けるため門へ行こうとするが、少し歩いただけで息が上がってしまう。そんなマインの前に、ルッツ【田村睦心】が現れる。マインと同い年のご近所さんだ。転んだマインに手を差し伸べてくれるルッツにマインは感激する。そして、門へ着いたマインはそこで古い石板をもらい、字を書ける喜びをかみしめる。

第三章 冬のできごと

冬。雪に閉ざされる中、マインは本作りの第一歩としてパピルスもどきを作ることに。一方、姉のトゥーリは夏に洗礼式を控え、母・エーファから様々な仕事を教わっていた。マインも見習い仕事について考えるよう言われるが、相変わらず本のことしか頭にない。そんなマインと家族との距離は冬を過ごす間に徐々に縮まっていき、マインはトゥーリの洗礼式のためにある物をプレゼントしたいと思いつく。

第四章 初めての森と粘土板

春になり、家族に森へ行きたいと言うマイン。だが、体力がないからと反対されてしまう。しばらく門へ通い、皆に遅れずに歩けるようになれば、森へ行っても良いと言うのだ。オットー【日野聡】の書類仕事を手伝うことになったマインは、門へ通いながら体力をつけることに。そして、次第に歩けるようになり、ついに森へ行くことを許されたマイン。さっそく森で、粘土板を作ろうとするのだが……。

第五章 洗礼式と不思議な熱

季節は夏に移り、トゥーリの洗礼式の日がやって来た。マインが作った髪飾りをつけ、注目を集めるトゥーリ。そして森へ行く機会が増えたマインは、ルッツに手伝ってもらいながら木簡作りを始める。そんな中、マインはルッツに、オットーに会わせてほしいと頼まれた。ルッツには、旅商人になりたいという夢があったのだ。だが、度重なる紙作りの失敗にショックを受けたマインは、オットーとの会合を前に高熱で倒れてしまうのだった。

第六章 会合

ルッツをオットーに紹介することになったマイン。だが、それはただの会合ではなく、見習い先を紹介してもらうという意味を持っていた。身なりを整え、緊張しつつ会合に臨むマインとルッツ。そんな二人の前に、オットーとベンノ【子安武人】が現れる。オットーの旅商人時代の知り合いだというベンノは、値踏みするように二人を見、ルッツに商人になって何を売りたいかを聞く。果たして二人の答えは……。

第七章 不信感の芽生え

いよいよ紙作りをすることになり、わくわくするマイン。そんなマインとルッツに、ベンノから呼び出しがかかる。紙作りに必要な材料を、ベンノが調達してくれると言うのだ。マインは、材料の担保や今後の援助についてベンノと交渉。そして不思議なインクを使い、契約魔術を結ぶ。だがその帰り道、いつもは快活なルッツの態度がよそよそしいことが気になるマイン。ルッツは、ベンノと平気で難しい話をするマインに違和感を覚えていた。

第八章 ルッツのマイン

本格的に紙作りの作業が始まった。マインとルッツは作業用の倉庫を借り、必要な道具を揃えていく。さらに二人は森へ行き、木の枝を蒸して紙を作ることに。だが、慣れた様子で紙作りを進めていくマインに、ルッツはさらに違和感を募らせる。紙ができたら話をしたいと言うルッツ。そして最初の紙が完成した時、ルッツはマインに、これまでの疑念をぶつけるのだった。

第九章 ギルド長の孫娘

ベンノに連れられて商業ギルドへ行ったマインたちは、そこでギルド長に会うことになった。マインが作っているという髪飾りを見て、驚くギルド長。それは、ギルド長の孫娘・フリーダが欲しがり、ずっと探していた髪飾りだったのだ。ギルド長から、フリーダの髪飾りを作るよう依頼されたマインは、フリーダ【内田彩】に会いに行くことに。フリーダは、可憐で可愛らしい少女だったのだが……。

第十章 二度目の冬に向けて

すっかりフリーダに気に入られたマイン。フリーダの話から、マインは身食いという病気だったことが分かる。治すためには、多額のお金がかかるらしい。そのことに気づいていたベンノは、商品についてのマインの情報を買ってくれる。さらに髪飾りの注文を受け、新しい商品のアイデアも次々と考えていくマイン。だが、そんな最中にも身食いの熱はマインを蝕んでいき……。

第十一章 究極の選択と家族会議

気がつくと、マインはフリーダの家にいた。フリーダの持っていた壊れかけの魔術具のおかげで、マインは命を取りとめたのだ。だがフリーダは、これで身食いを治せたわけではないと言う。この先、魔術具を持つ貴族と契約して貴族に飼い殺されて生きるか、このまま家族の元で朽ち果てるか、二つに一つを選ばなければならない。マインに残された時間は、あと一年。しかし、マインは家族に本当のことをなかなか話せずにいた。

第十二章 洗礼式と神の楽園

それぞれの進む道が決まったマインとルッツ。そして、二人の洗礼式の日がやってきた。初めて神殿に入ったマインは、神殿長が読む聖典に目を奪われる。その洗礼式の最中、ひょんなことからマインは神殿の中で迷子になり、偶然、図書室を見つける。転生してからはじめて目にする図書室に感激するマイン。しかし、中に入ろうとしても入れない。図書室には神殿関係者しか入れないのだ。その話を聞いたマインは……。

第十三章 巫女見習いという選択肢

神殿の巫女見習いになりたいと言うマインに、激怒するギュンター。神官や巫女見習いは孤児がなるもの。しかも神殿に住み込みで、きつい仕事をしなければならないらしい。マインは、巫女見習いになるのを諦めることにする。そして再び神殿へやって来たマインは、神殿長と神官長のフェルディナンド【速水奨】に、巫女見習いの話を断ろうとするが……。そこで思わぬことが起こってしまう。

第十四章 決着

神殿に呼び出されるマインと両親。交渉次第では、貴族に近い扱いの青色巫女見習いになれるかもしれないと聞き、ギュンターはマインを守る覚悟を決める。そして、交渉の日。神殿長は、マインの両親の貧しい身なりを見たとたん、これまでの温和な態度を一変。両親の言葉には聞く耳をもたず、マインを差し出すよう命じる。断固として断るギュンター。そんなギュンターに神殿長が牙を剥く!

 

(【    】内のキャストは、私が補足で追記しました。)

個人的には、自分が別の世界からマインに転生したことをルッツに明かす第8話あたりから、延命と家族とのどちらを取るか選択していく第11話あたりまでの展開は気に入りました。詳述は避けますが、最終話のマインの豹変ぶりは意外で、これはこれで面白かった。

春には第2クールも放送されるそうなので、また見てみようと思います。