鷺の停車場

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香月美夜「本好きの下克上~司書になるためには手段を選んでいられません~第二部 神殿の巫女見習いⅠ」

香月美夜の小説「本好きの下克上~司書になるためには手段を選んでいられません~」の第二部「神殿の巫女見習いⅠ」を読みました。

テレビアニメ版を見て読み始めたシリーズ、第一部「兵士の娘」に続いて読んでみました。

単行本の表紙裏には、次のような紹介文があります。

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洗礼式を終えたマインは「青色巫女見習い」として、神殿での仕事を開始する。そこには待望の図書館と本が待っていた!夢叶い、期待に胸が膨らむマインだが、多くの問題にぶつかってしまう。困った側仕えたち、貴族出身者が突き付ける階級社会の現実など、これまでの常識が全く通じないのだ。おまけに虚弱な体も相変わらず。

そんなマインは仕事の合間に、孤児院の酷い実態を知る。どうしても放ってはおけず、ルッツと共に改善に奔走するが……。

社会の厳しさなんか吹き飛ばせ!ビブリア・ファンタジー第二部開幕!書き下ろし番外編×2本収録! 

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本巻は、プロローグ・エピローグと見出しで区切られた23節からなり、紹介文にあるとおり、巻末に番外編2編も収録されています。各節のおおまかな内容を紹介すると、次のようなあらすじです。

 

プロローグ

魔力と金だけでなく事務処理能力もあるマインを有益な人材と考えた神官長のフェルディナントは、マインを憎らしく思う神殿長の意向も汲んで、青色巫女見習いとなるマインの側仕えにギルとデリアとフランを付けることを決める。

誓いの儀式と側仕え

神殿で誓いの儀式を終えたマインは、17歳のフラン、10歳のギル、8歳のギルと対面する。友好的な雰囲気は欠片もない3人に、全然うまくやっていけそうな気がしないマイン。

このあたりまでが、テレビアニメ版の第15章「神殿の巫女見習い」におおむね対応する部分になっています。

巫女のお仕事

神官長は、マインに自分の事務処理の補助を命じ、寄付金について相談し、最初に小金貨5枚を、その後は毎月1枚ずつ寄付することにする。マインは、小金貨5枚を運ぶために、ベンノの同行を請い、許される。ベンノの店に行ったマインは、ルッツから、早く神殿での生き方を覚えるよう忠告される。

青い衣と異なる常識

マインはベンノ、マルクと神殿に向かう。ベンノの指示どおり貴族らしい言葉遣いをすると、フランの対応がこれまでと変わる。神官長に面会したベンノが、恭しい振舞いで寄付金と贈り物を渡すと、神官長は、この機会にベンノに聞いておきたいことがあると話し出す。

本題

神官長はマインがどのような人物かベンノに尋ねる。ベンノは、発想は随一で、家族や友人、本以外は寛容だと語り、虚弱さに注意を促す。その後、マイン工房の利益の1割を神殿に納める契約を結ぶが、マインは魔法を奉納しすぎて力が入らなくなり、倒れてしまう。フランは、神官長が自分をマインの側仕えに付けた真意を知り、マインに誠実に仕えようとする。

このあたりまでが、テレビアニメ版の第16章「青い衣と異なる常識」におおむね対応する部分になっています。

古着購入

回復したマインは、側仕えが街中を歩くときのための服を買いにベンノ、トゥーリ、ルッツと古着屋に行く。ベンノは勉強のためにルッツとトゥーリに服の見立てを競わせる。

ルッツの怒りとギルの怒り

マインは、買った服を持ってルッツと神殿に向かうが、マインに乱暴に接するギルにルッツは怒って殴ろうとするが、マインはルッツを止める。与えるべきものを与えていないと罵るギルの言葉の意味が分からないマインは、その意味をフランに尋ねる。

与えるべきもの

フランは、青色巫女には衣食住を下の者に分け与える義務がある、側仕えになっても待遇が良くならないことに腹を立てているのではないかと説明する。マインは仕事には正当な報酬を払うとギルに語る。事務処理補助のため神官長の部屋に行ったマインは、着替えや来客対応のため、孤児院の院長室を与えられる。院長室を率先して掃除していたギルに、マインは感謝と誉め言葉をかける。

初めてのお外

院長室に厨房があることを知ったマインは、ここで料理人を育てつつ側仕えや孤児院に食事を与えようと考えはじめる。フランとギルを連れて神殿の外に出て市場で食事をしたマインは、帰りにベンノの店に寄り、マインが厨房の設備を揃え、ベンノが開くイタリアンレストランの料理人の練習に使うことで話がまとまる。

料理人教育

厨房の掃除や調理道具などの準備が整い、ベンノの店の料理人とその助手がやってくる。マインはフランを通じて料理人に指示を出し、ピザとスープを作る。マインはベンノと完成した料理をいただき、神の恵みとして側仕えたちに下げ渡す。そこに怒ったデリアが飛び込んでくる。

デリアの仕事

デリアは、マインのせいで神殿長の部屋を追い出されたと責め立てるが、淡々と説明するフランの言葉に顔色を失い、反省してこれからはきちんと仕事をするから追い出さないで、とマインに懇願する。マインが受け入れると、デリアはこれまでと一変して仕事するようになる。

このあたりまでが、テレビアニメ版の第17章「与えるべきもの」におおむね対応する部分になっています。

孤児院の実情

孤児院の子どもたちの悲惨な実情を知ったマインは、神官長に孤児院の状況を改善できないか頼んでみることにする。

神官長の言い分とわたしの決意

マインの要求は神官長に却下されてしまう。何とか子どもたちを助けたいマインは、孤児院をマイン工房の支店にして、物を作ることで食い扶持を稼がせることを考える。

神官長との密談

マインは神官長にどう報告すれば要求が通りやすいかフランと話し合う。警戒心なく話をするマインの言動を心配する神官長は、隠し部屋にマインを通し二人で密談する。マインの計画を聞いた神官長は、それを許可する。マインは神殿長に通じているデリアに口止めを頼む。

このあたりまでが、テレビアニメ版の第18章「孤児院の大改革」におおむね対応する部分になっています。

孤児院の大掃除

孤児院の大掃除に取り掛かったマインは、子どもたちに仕事を頑張れば報酬をもらえることを知ってもらおうと、率先して掃除をした子どもに食事をサービスする。

新商品考案

孤児院が順調に滑り出し、マインは父・ギュンターに頼んで、紙の原料となる木の皮を集めに孤児院の子どもたちを森に連れていってもらう。マインの様子をルッツに報告するフランを見て、マインはインクがなくてもメモが取れる書字板を思いつき、ベンノに工房を教えてもらい、さっそく製作に取り掛かる。

書字板とカルタ

ベンノと木工工房に向かったマインは、書字板用の板と一緒に、子どもたちに文字を教えるためのカルタを作ろうと、そのため板も一緒に発注する。神殿に戻ったマインは、フランたちの勧めで側仕えのヴィルマに絵を任せることにする。完成品を見たベンノは権利をほしがり、マイン工房でも作ることを条件に契約を結ぶ。

星祭りの準備

普段使いと儀式用の青い衣の注文にコリンナの家に行ったマインは、昼食の最中に、ベンノからベンノが抱えている課題を一覧にした紙を渡される。その紙の最後には、ルッツの親を説得することが記されていた。星祭りでは広場で新郎新婦にタウの実をぶつけると聞いたマインは、孤児院の子どもたちが参加できないか、神官長にかけあい、孤児院の中でぶつけ合う許しを得る。

星祭り

星祭りの日、マインは森で拾い集めたタウの実を子どもたちに配るが、マインがタウの実を持つと、魔力を吸い取ってトロンベの種に変身する。

祭りの後

マインはトロンベの種を投げ、生えてきたトロンベの芽を刈り取り紙の原料にする。その後タウの実を投げ合うが、マインは体調を崩して寝込んでしまう。回復してベンノに呼び出されたマインは、タウの実がトロンベに変わることは黙秘するよう口止めされ、課題の最後の項目について意見を聞かれる。

ルッツの行く道

ルッツの親の許可がなければ、泊りがけの仕事に連れていけない、養子縁組も考えていると相談するベンノ。マインは、ルッツが商人になることは、両親が反対し、兄弟も快く思っていないことを話し、両親と話すことを勧める。神殿に戻ったマインは、タウの実の投げ合いの後始末がきちんとできていなかったことで、神官長に反省室に入れさせられるが、そのために再び体調を崩し、神官長の方が深く反省することになる。

このあたりまでが、テレビアニメ版の第19章「大掃除と星祭り」におおむね対応する部分になっています。

ルッツの家出

マインが寝込んでいる間に、父親と衝突したルッツは家出してしまう。回復したマインがベンノの店に行くと、ルッツは物置にしていた屋根裏部屋に住み込んでいた。

神官長の招待状

ルッツについて頭を悩ませるあまり、事務処理が滞るマインを見かねた神官長は、マインを隠し部屋に呼び、悩みを聞く。マインがルッツの現状を打ち明けると、神官長は、ルッツと両親、ベンノを召喚する招待状を書く。

神殿での家族会議

神殿に呼び出されたルッツたちは、神官長の前でそれぞれの考えを話す。父親は声を荒げるが、最終的には、ルッツの将来性を買うベンノの提案で、ルッツが幹部候補のような扱いの見習いであるダプラとして契約することで話がまとまる。

エピローグ

神殿を出たルッツや父親たちは、ダプラ契約のために商業ギルトを訪れる。そこでのこれまで見たことがないルッツの姿に、父親は感慨を新たにする。

ここまでが本編。テレビアニメ版の第2クール、第20章「ルッツの進む道」までにおおむね対応する部分になります。

最後に番外編が2編。

今はまだ遠い場所

マインやルッツに触発され、上達してより格上の工房に入りたいと目指すようになったトゥーリのエピソード。

側仕えの自覚

側仕えとしての自覚が芽生え、よりマインの役に立とうと努力するようになったギルのエピソード。

(ここまで) 

 

第一部と同様、深刻な苦悩や葛藤といったシリアスな要素は少なく、物事がうまく転び過ぎな感もありますが、面白く読み進めることができました。少しずつ続きも読んでみようと思います。