鷺の停車場

映画、本、グルメ、クラシック音楽、日常のできごとなどを気ままに書いています

映画「劇場版 推しが武道館いってくれたら死ぬ」

先日、TOHOシネマズ流山おおたかの森に行きました。


この映画館に来るのはおよそ4か月ぶり。休日の16時過ぎの時間帯、ロビーのお客さんは少なめでしたが、少し経つと、何かの上映が終わったのか、たくさんのお客さんが出てきました。


この日の残りの上映スケジュール。既に上映が終わっている作品も含めて、この日は25作品・31種類の上映が行われていました。かなり作品・種類が多い方だと思います。

この日観たのは、「劇場版 推しが武道館いってくれたら死ぬ」(5月12日(金)公開)。全国で約90館とやや小さめな規模での公開です。ドルオタ、推し活がテーマということだったので、最初は興味がなかったのですが、映画情報サイトでの口コミ評価がけっこう高かったので、観に行ってみることに。


上映は104+2席のスクリーン10。お客さんは40人ほどは入っていたと思います。


チラシの表裏。

地下アイドルと推し活を描いた平尾アウリさんの同名コミックを原作に、実写映画化した作品だそうで、主要スタッフは、監督:大谷健太郎、脚本:本山久美子、音楽:日向萌など。2022年秋クールにテレビ朝日系列の深夜ドラマ枠で放映されたドラマ版の劇場版だそうです。私自身は、原作、ドラマいずれも未読・未見の状態で観ました。

 

公式サイトのストーリーによれば、

 

何者でもなかったフリーターが、伝説的ファンになった──。その“推し”との出会いは3年前の七夕まつり。岡山のローカル地下アイドルChamJamの舞菜に人生初!のトキメキを感じてしまったえりぴよは、舞菜ひとすじの人生を送っている。パン屋で働き、その収入のほぼすべてを推しに注ぎ、自らの服装は高校時代の赤いジャージのみという徹底ぶり!舞菜を推し続けること4年目に突入したある日、ChamJamに東京進出の話が浮上し、ますます応援に磨きがかかる。一方で、チャンスが訪れながらも、人気が伸び悩み葛藤する舞菜。果たして彼女たちは武道館に行くことができるのかー。

 

・・・というもの。

 

公式サイトで紹介されている主な登場人物は、

  • えりぴよ【松村沙友理】:主人公。地元岡山のローカル地下アイドルChamJamと出会い、メンバーの1人の市井舞菜推しとして熱狂的に活動し、自らの服装は高校時代の赤ジャージのみ。舞奈がパンが好きと知って、今はパン屋さんでバイトしている。

  • 五十嵐 れお(ChamJam)【中村里帆】:ChamJamのリーダーで不動のセンター。グループ最年長で、メンバーのことをいつも見守っている。メンカラーはピンク。

  • 松山 空音(ChamJam)【MOMO(@onefive)】:ChamJamのメンバーで3トップの1人。クールなしっかり者。ファンを思わずガチ恋にさせてしまう、あざとさの持ち主。メンカラーはブルー。

  • 伯方 眞妃(ChamJam)【KANO(@onefive)】:ChamJamのメンバーで3トップの1人。セクシー担当のお姉さんキャラ。メンカラーはイエロー。

  • 水守 ゆめ莉(ChamJam)【SOYO(@onefive)】:ChamJamのメンバー。おっとりした性格だが、ダンスが得意。メンカラーはパープル。

  • 寺本 優佳(ChamJam)【GUMI(@onefive)】:ChamJamのメンバー。いつも自由で元気なキャラ。メンカラーはホワイト。

  • 横田 文(ChamJam)【和田美羽】:ChamJamのメンバー。グループで一番背が小さく、妹的存在。メンカラーはグリーン。

  • 市井 舞菜(ChamJam)【伊礼姫奈】:ChamJamのメンバー。内気でシャイな性格。メンカラーはサーモンピンク。

  • 基【豊田裕大】:空音推し。空音に認知され、ガチ恋オタになっている。

  • くまさ【ジャンボたかお(レインボー)】:れお推しのトップオタ。元は会社員だったが、推し活の時間をとるため会社を辞めた。

そのほか、チラシに名前が掲載されている出演者が演じている登場人物を挙げると、

  • あかせあかり:えりぴよのパン屋のバイト仲間・美結

  • 末吉9太郎(CUBERS):眞妃推しのChamJamのファン

  • 岩永ひひお:優佳推しのChamJamのファン

  • 村田優斗(世界クジラ):文推しのChamJamのファン

  • 喜多乃愛/速瀬愛/根岸可蓮:ChamJamが「対バン」を行う「めいぷる♡どーる」のメンバー

  • 山下航平:空音推しのChamJamのファン

  • 片田陽依:基の妹の高校3年生・玲奈。舞菜推しのChamJamのファン。

  • 西山繭子:えりぴよの母

となっています。

 

ネタバレですが、記憶の範囲でより詳しくあらすじを紹介すると、

 

えりぴよは、3年前の七夕まつりで地元岡山のローカル地下アイドルChamJamと出会って以来、メンバーの中で一番人気のない舞菜の熱狂的なオタクとなり、自らの服装は高校時代の赤いジャージのみ、収入のほぼすべてを推しに注いでいる。
ChamJamが劇場でライブを行う日、岡山をゲリラ豪雨を襲う。えりぴよはくまさ、基とともにずぶ濡れになりながら劇場にたどり着くが、リーダーのれおが劇場に到着できず、ライブは中止になる。ファンを気遣う舞奈の投稿を見て、自分のみに宛てた私信のように思えて喜ぶえりぴよ。
しかし、その豪雨で劇場の雨漏りが見つかり、改修工事のためしばらく劇場での公演ができなくなる。スタッフの提案で、東京に出て路上ライブを行うことにし、メンバーはスタッフが運転するマイクロバスで上京する。メンバーは秋葉原や新宿、渋谷、原宿などで行うことを怖がり、五反田で午前と午後の2回ライブを行うことになる。その告知を当日朝に知ったくまさと基は、新幹線で五反田に向かうが、バイト先での新作パンのアイデアコンペで舞奈への愛にあふれたパンを提案したえりぴよは、プレゼンに夢中で出遅れてしまう。
午前のライブは全く人が集まらず、メンバーたちは行き交う人たちにチラシを配る。チラシを配る舞奈に大学見学のためにたまたま上京していた玲奈が声をかけ、くまさと基が向かっていることを伝え、舞奈はえりぴよも来てくれるのだと思い込む。午後のライブが始まり、くまさと基は間に合い声援を送るが、えりぴよがいないことに動揺する舞奈はダンスの途中で足をひねってしまい病院に運ばれる。えりぴよが着いた頃には、ライブもその後の握手会も終了していた。
その後、五反田のチラシ配りで文がたまたまチラシを渡した男性社長から、ドアストッパーのローカルCMの出演の話が舞い込むが、まだ怪我が治らない舞奈は出ることができない。そのCMは妙にクセになる内容で、ChamJamの知名度は少しずつ上がっていく。そこに、既に武道館行きを果たしている人気グループ「めいぷる♡どーる」からの指名で「対バン」に出演することになる。焦る舞奈は出たいと怪我が治っていないことを隠して練習に参加するが、直前にスタッフにバレてしまい、出演は取りやめとなる。舞奈が復帰すると思って応援に来たえりぴよは落胆するが、気を取り直してChamJamを応援する。一方、お忍びで客席に聴きに来た舞奈は、一番人気がない舞奈はいない方がいい、とのファンの心ない発言に落ち込み、自分がいない方がいいのではないかと考え出す。
卒業する決心を固めた舞奈は、公演のない日に劇場を訪れ、スタッフにその意向を伝えるが、しばらくは黙っていてほしいとお願いされる。その帰り、別のスタッフが舞奈推しのファンから渡されたと、玲奈が書いた手紙を舞奈に渡す。それは、えりぴよが日頃はパン屋でバイトしており、舞奈に一度行ってほしいと願う内容だった。
舞奈がえりぴよのパン屋を訪れると、えりぴよがアイデアコンペで採用され、人気商品となった「サーモンピンクパン」が舞奈への思いから作ったことを来店客に説明し、舞奈を宣伝していた。舞奈は何も買わずに店を出るが、それを追って呼び止めた美結にそのパンを食べてほしいと手渡される。それを食べた舞奈は、再び活動に復帰することを決意する。
CMが話題となって、ChamJamは地元の地上波での出演を果たす。CMに出演しなかった舞奈はスタッフとともに見守っていたが、出演中のれおが本当はメンバーがもう1人いることを話すと、司会者がその場ですぐそばにいた舞奈をスタジオに呼び入れる。その時のやりとりがきっかけで舞奈の人気は高まり、公演の後の握手会でも行列ができるようになる。
そして、再び七夕まつりに出演したChamJam。ライブは盛り上がるが、その最後、れおはサプライズで舞奈をセンターに呼び、新曲を披露する。その姿に、えりぴよは熱狂的な声援を送る。ライブの後の握手会で、舞奈はえりぴよに2人が初めて出会った3年前の思い出を話し、自分にはえりぴよが必要、武道館に行くまで変わらずファンでいてほしいと話し、えりぴよは変わらず応援することを誓う

 

・・・というあらすじ。

 

推しに打ち込む人たち、そしてそれも支えに活動する地下アイドルの姿が、よく知らない人にも入りやすく描かれ、期待以上にいい作品でした。女性アイドルグループの推し活を熱狂的に行う若い女性を主人公にしている設定を始めとして、実際のドルオタ、推し活の実際の姿よりは、おそらくはいくぶんソフィスケートされているのだろうと思いますが、熱狂的に推し活をする人たちの心情が、共感はできなかったものの、理解できたような気がしました。俳優陣では、主人公のえりぴよが熱狂的に推している舞奈役の伊礼姫奈がとても印象的でした。


なお、入場者プレゼントをいただきました。原作者・平尾氏の描き下ろしイラストがデザインされた「チェキサイズステッカー」でした。

後で知ったのですが、アニメ版も以前に制作されており、2020年冬クールにTBSなどで放映していたようです。配信で見られるようなので、機会あればアニメ版も見てみようと思います。