鷺の停車場

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武田綾乃「君と漕ぐ5―ながとろ高校カヌー部の未来―」を読む

武田綾乃さんの小説「君と漕ぐ5―ながとろ高校カヌー部の未来―」を読みました。

以前に読んだ「君と漕ぐ4―ながとろ高校カヌー部の栄光女王—」の続編となる作品で、webマガジン「yom yom」で2022年10月から2023年1月まで連載された後、2023年2月に文庫本が刊行されています。

文庫本の背表紙には、次のような紹介文が掲載されています。

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夢って、叶うんだ 君がそう教えてくれた

日本代表選手となり注目を集める天才カヌー少女・恵梨香。だが大会で思いがけない事態に見舞われる。親友の舞菜は彼女を見守るが。一方、三年生になった希衣は自らの進路に悩んでいた。大学でも夢を追い続けるべきだろうか、それとも。そして迎えたインターハイ。今度こそ全国制覇の夢は叶うのか―—。感動のエピローグに熱い涙が溢れ出す、水しぶき眩しい青春小説、ついに完結。

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本巻に出てくる主な登場人物は、

  • 黒部舞奈:ながとろ高校カヌー部の2年生。中学時代は水泳部で、カヌーは初心者だが、練習を重ねフォアに出場する。両親の離婚で、埼玉の実家に戻った父、祖父母と一緒に暮らしている。東京の母についていった社会人の姉・大久保愛奈、墨田大学2年の兄・大久保奈音がいる。

  • 鶴見希衣:ながとろ高校カヌー部の3年生。部長を務める。高い目標を持つ努力家。両親と妹と4人暮らし。

  • 天神千帆:ながとろ高校カヌー部の3年生。副部長で、農園部と掛け持ちしている。希衣とは幼なじみ。家は和菓子屋「天神堂」で、離婚して実家に戻ってきた叔母の久美、その娘で小学1年生の海美も一緒に暮らしている。

  • 湧別恵梨香:ながとろ高校カヌー部の2年生。天才カヌー少女。

  • 土器富歌:ながとろ高校カヌー部の1年生。初心者で運動は苦手。

  • 檜原(恵美):ながとろ高校カヌー部の顧問で、3年目の美術教師。カヌー部員からは檜原ちゃんと呼ばれている。

  • 芦田(康隆):ながとろ高校カヌー部のコーチ。元オリンピック選手で、長瀞で喫茶店「せせらぎ」を営んでいる。50代。

  • 利根蘭子:東京・蛇崩高校の3年生。「孤高の女王」との異名を持ち、国内では敵なしの強さを誇るスター選手。

  • 大森桜:千葉・小見山高校の3年生。カヌーのインフルエンサー

  • 大森楓:千葉・小見山高校の3年生。双子の妹・桜とペアを組む。姉の椿は墨田大学の2年生で日本代表候補。

  • 神田優紀:墨田大学の1年生。パワフルさが持ち味。山梨・富士曙高校出身。

  • 菜々香:墨田大学の1年生。山梨・富士曙高校では神田とペアを組んでいた。

  • 奥山華恵:蛇崩学園の2年生。舞奈と同じく初心者で、入部して間もない時期に開かれた合同練習で舞奈と知り合いになった。

など。

 

あらすじを、各章ごとに簡単に紹介すると、次のような感じです。

本編は、プロローグ、エピローグと6章で構成されています。前の2巻「君と漕ぐ3―ながとろ高校カヌー部と孤高の女王―」、「君と漕ぐ4―ながとろ高校カヌー部の栄光―」と同様、舞奈と希衣の視点から描かれており、第一章・第三章・第五章の冒頭には「side 舞奈」、第二章・第四章・第六章の冒頭には「side 希衣」と記され、どちらの視点で描かれるのかを表しています。

プロローグ

雨の中練習していた蘭子。華恵がコーチが話があると呼ぶ。華恵から、恵梨香と2人で取材を受けてほしいらしいと聞いた蘭子は、孤高の女王って異名もそろそろ変わるかもしれへんね、と口にする。

第一章 画面に映るあの子の現在

波久礼にある自宅で祖父母、父と夕食を食べていた舞奈に、富歌から電話がかかってくる。テレビを富歌の言うチェンネルに切り替えると、アスリートが出演しているバラエティ番組で、蘭子の隣に恵梨香が映っていた。
翌日、学校で注目を浴びる恵梨香は、最初は取材だと聞いていたのに気付いたらテレビ出演ということになっていたと舞奈に弁解する。芦田が用意した練習メニューに沿って、練習を行うカヌー部員たち。富歌は前日の番組に大森椿も出ていたと言って、楓・桜の大森姉妹の動画を見せ、最近投稿頻度が減ったと話す。希衣、千帆、恵梨香とフォアを練習をする舞奈は、千帆はフォアで大会に出場することが夢だと話していたが、もっと夢を欲張りたい、結果は輝かしいものがいいと思う。

第二章 あてのない未来と約束

喫茶せせらぎに来たカヌー部員たち。貸し切りの店内で、檜原は部員たちに自分で作ったセキレイのストラップを渡す。富歌が撮影した埼玉県大会の映像を見る部員たち。日本代表に選出され、世界選手権を目標にする恵梨香だが、世界選手権だけに注力するつもりはない、今年こそ希衣とインターハイで優勝したいと話す。喫茶店の裏口から繋がる川辺に移動したカヌー部員たちは、シングル艇で川へ乗り出すが、希衣は店にやってきた父親と岸に残る。父親は、東京の大学に行くのなら、綺麗だと思った瞬間をたくさん目に焼き付けておくといい、と話す。希衣は、大学に行ってカヌー部に入ることを親に伝えていたが、本当にそれでいいのかと不意に不安になる。
関東大会を一週間後に控えた土曜日、恵梨香は蘭子との練習で欠席で、部員たちはシングルんの練習を行う。舞奈は、墨田大学でインド哲学を研究している3つ上の兄が関東大会を見に来るかも、と希衣に話す。練習後、後輩と別れた希衣は、千帆と最寄駅の野上駅に歩きながら、来年の部長は舞奈かな、と話す。千帆は、このまま頑張れば、蘭子に勝てるようになるんじゃないかと話し、希衣は、今後は楓だけでなく椿にも勝てるようになりたいと言う。千帆の進路について聞く希衣に、千帆は女子大の製菓コースに行くと話す。
そして、精進湖カヌー競技場で関東大会が始まる。開会式を終え、トイレに行った希衣は、楓と桜が言い争っている声が聞こえる。見てみぬふりをするのもバツが悪いと思った希衣だったが、思いとどまり、千帆たちが待つ待機スペースに向かう。

第三章 トラブルはいつも突然

大会の1日目を終え、ながとろ高校カヌー部は、舞奈が出場したWK-4(フォア)だけでなく、出場した全競技で全員が決勝進出を果たす。舞奈の兄は応援に来たがっていたが、バイトの都合で来れなくなっていた。
宿泊所が蛇崩学園と一緒になったながとろ高校。夕食時、舞奈は食堂で華恵に声を掛けられる。フォアでのインターハイ出場が決まった舞奈を羨む華恵は、棘のある物言いをするが、互いにいい選手になることを誓う。
その夜、気が昂って寝付けない舞奈は、同じく寝付けない千帆に誘われて一緒に散歩に出る。千帆は、夕食時に蘭子が来て、インターハイ後に行われる代表選考会の話をしているのを聞いて、自分が高校生のうちにカヌー大会に出るのはこの関東大会とインターハイの残り2回だけだと急に実感した、毎日が名残惜しいと話す。舞奈は、それは部活が楽しかったことの証だと思う、まだ満足しちゃダメです、全部のレースを楽しみましょう、と言うと、千帆は眼差しを和らげる。
翌日、前日の夕食でサバの味噌煮を食べた恵梨香は、食あたりのトラブルに見舞われる。芦田は、9時からのWK-1(シングル)は棄権させ、体調の回復を待って9時40分からのWK-2(ペア)、10時20分からのWK-4(フォア)に出場させることを判断する。
WK-1の決勝は、大差で蘭子が1位となり、希衣、楓と続く。楓は希衣に負けたことで桜と喧嘩になる。WK-2の決勝、恵梨香は何とか出場するが、体調不良の影響は明らかで、蛇崩学園、大森姉妹に続く3位に終わる。WK-4の決勝も、恵梨香はいつもの調子を出せず、3位に終わる。浮かない顔をする恵梨香に、蘭子がやってきて、自分を責めるのはほどほどにしとき、と肩を叩くと、恵梨香の目から涙が溢れる。

第四章 再会、オープンキャンパスにて

7月に入り、関東大会から1か月ほどが経っても、恵梨香の様子はずっとおかしいままだった。練習の休憩時、富歌は、大森姉妹のインスタグラムで、楓が墨田大学の外国語学部を目指していること、大学ではカヌー部に入るつもりがないことが書かれていたことを話す。希衣は、他人事ながら呆然となり、関東大会で揉めていたのはこれが理由だったのかもしれないと思う。トイレに立った希衣に舞奈がついてきて、恵梨香だけじゃなく、希衣も元気がないように見えると声をかけ、希衣がいてくれたら、きっと恵梨香は大丈夫と励ます。
7月の終わり、終業式でカヌー部は関東大会での入賞を表彰されるが、恵梨香の表情は浮かないままだった。
夏休みに入り、カヌー部はインターハイに向けて練習の日々を送るが、日曜日、希衣はカヌーの強豪校である墨田大学のオープンキャンパスに行く。キャンパスに着いた希衣は、彼氏と会う楓を隠れて追う桜と遭遇する。そこに見知らぬ男性と仲睦まじく話す楓がやってくる。それを見て動揺する桜に、希衣はその腕をつかんで2人のところに連れていく。楓は、その男性を交際中の大学2年生の大久保と紹介する。大久保は、カヌー部の友人に誘われて参加したバーベキューで楓と意気投合したと出会いのきっかけを話し、楓は大久保に出会って学問の面白さに目覚めた、とカヌーを続けようと思わなくなった理由を話す。腹を立てた桜は目に涙を溜めて、捨て台詞を吐いて駆け出していってしまう。
オープンキャンパスの説明会に参加した後、カヌー部に顔を出した希衣は、神田優紀と再会する。神田は、上を目指すならウチに来い、今の伸びだったら十分戦える、代表選手入りは夢じゃない、と希衣を誘う。そして、堀は多分上には行けない、自分と同じ大学に行くのが夢だったから、叶った後モチベを維持するのは難しい、と神田は言い、一緒に戦うことを諦めない希衣が一緒で恵梨香は嬉しいと思う、と話す。
帰路に就いた希衣は、恵梨香に電話をかける。その声に、困惑の気配と喜びの感情を感じる希衣は、恵梨香というトップ選手と一緒に漕げている自分は恵まれているが、いつかは対等に戦える選手になりたい、私もオリンピックを目指す、と自分の気持ちを打ち明ける。恵梨香も、希衣と一緒にいる時間を大事だと感じている、カヌー部に入って本当に良かった、と話す。

第五章 ノー・ミュージック・ノー・ライフ

翌日、舞奈と一緒に自転車で高校に向かう恵梨香は、前日に希衣から電話があったこと、電話をもらって嬉しかったことを話す。舞奈は、自分も恵梨香を嬉しいって思わせたい、皆が良かったと思えるレースがしたい、と告げる。
インターハイが近付くにつれ、舞奈はドキドキして眠れなくなる。そんなある日、希衣が2年生に大事な話があると切り出し、来年の部長をどうするか2人で決めるよう話す。舞奈は恵梨香がいいと言うが、恵梨香は自分がオリンピックで忙しくなるから部長として動くのは舞奈の方がいい、と言い、その流れで舞奈が部長になることが決まる。
その日の練習後、希衣が舞奈ならもっとできる、と言うと、恵梨香も同じことを言い、一番の課題はスタートダッシュのムラだと思うと指摘する。希衣は音楽を聞けばと言い、恵梨香も漕ぐ時のリズムと同じテンポの曲を聞けば自然とリズムが定着する、とそれを勧める。
自分に合う音楽を探す舞奈は、たまたま父親と話しているときに、父親が学生時代に聞いていたフォークソング岬めぐり」を聞き、これだ!と思い、それを競技前に聞くことに決める。
インターハイの開会式前日、カヌー部員たちと檜原、芦田は、会場の鹿児島県の菱刈カヌー競技場に入り、開会式の翌日、競技が始まり、WK-4の予選は余裕でトップ通過となる。千帆は、このインターハイが自分にとっては最後の大会になるという実感が湧いた、インターハイに出るのは、私の夢じゃなく希衣の夢だった、私は色々なことを諦めていたから、自分が選手として参加できることが信じられない、負けたくない、どうしても決勝の舞台に立ちたいと、舞奈に胸の内を明かす。勝ちましょう、絶対!と言う舞奈に、千帆は力強く頷く。
続いてWK-1の予選に出場する恵梨香を応援する舞奈に、檜原は、WK-4の予選は、信じられない光景だった、希衣と千帆がずっと2人で練習するのを見ていたから、と話す。恵梨香はダントツの1位で予選を通過する。WK-2の予選の後、WK-4の準決勝に向かう舞奈は、応援に来た兄の大久保奈音に声を掛けられる。奈音は、彼女の応援で来たこと、彼女が楓であることを話し、舞奈は衝撃を受ける。
WK-4の準決勝、舞奈は、この4人で少しでも長い時間を共にしたい、足手まといになりたくないと力をこめ、1位で決勝進出を決める。千帆は喜びで嗚咽するが、希衣は泣くのは早い、優勝するんだから、と冷静に声を掛ける。ようやく頭を上げた千帆は、ここまできたら優勝しよう、と言い、4人は一致団結する。

第六章 そして戦いが始まる

その日の夕方、家族などに会う他の部員より一足早く宿に戻り、大浴場にやってきた希衣は、桜と鉢合わせする。桜は、このインターハイが終わったら楓はカヌー部を辞めてしまうと弱気な発言をし、カヌーをやっていない楓なんて信じられない、子どものころから、椿と楓が2人でオリンピックに出場するのが家族全員の夢だったと溜息をつく。希衣は、自分の夢を他人に託すのはダメだ、自分の夢は自分で叶えるべきだと話す。それを聞いて気付いた桜は、最後のインターハイだから2人で勝ちたい、と立ち直って去っていく。
翌朝、時折強く風が吹く最悪の天候だが、競技は決行される。午前のWK-1の準決勝は蘭子がベストタイム、WK-2の準決勝はながとろ高校がベストタイムで決勝に進出し、午後、WK-1の決勝は恵梨香が先行するが、残り100メートルで仕掛けた蘭子が逆転し、3年連続優勝を果たす。
続いてWK-2の決勝に臨む希衣と恵梨香。恵梨香は今年こそ蘭子に勝ちたいと思っていたので、悔しくないと言えば嘘になるが、関東大会で一番悔しいのは自分の実力が発揮できないことだと気付いた、今回全力で戦えて嬉しかったと話す。そして、WK-2の決勝が始まり、希衣と恵梨香は1位でゴールする。恵梨香は叫ぶように歓声を上げ、やっと勝ちましたと嗚咽交じりに言葉を漏らす。
そして、ながとろ高校の4人は、この日の最後のレースであるWK-4の決勝に臨む。大粒の雨が降る中、疲労を気遣う千帆に恵梨香は、このくらい平気、せっかく舞奈や千帆と一緒に漕げる、少しくらい疲れていても関係ない、ときっぱりと言い切る。胸の奥から愉快な気持ちが込み上げた希衣が、期待してるよ、エース、と告げると恵梨香は、任せてください、とパドルを振る。そして、レース開始の合図が高らかに響き渡る。

エピローグ

オリンピックのカヌースプリントの競技会場の観客席。親にねだってチケットを買ってもらってやってきた舞奈。隣には1つ上の先輩で大学1年生の千帆も来ていた。そこに檜原先生もやってくる。ここは友人たちの晴れ舞台。舞奈のスマホの画面には、湧別恵梨香の名前と国旗のマークがあった。スマホをロック画面に戻すと、舞奈にとって最高の思い出、去年鹿児島で行われたインターハイでながとろ高校カヌー部がWK-4で1位になった時の写真が写し出される。今年のながとろ高校カヌー部には、1年生3人が加わり、うち1人は経験者だ。そこに、トイレに行っていた富歌と芦田も戻ってくる。スマホで出場選手のページを開くと、WK-2には利根蘭子と湧別恵梨香、WK-4には鶴見希衣、大森椿、神田優(優紀の誤り??)の名前があった。千帆は「夢ってさ、本当に叶うんだね」としみじみと呟く。そして、カヌー艇が競技場に現れると、舞奈は応援幕を掲げ持って声援を送る。

(ここまで)

 

なお、このエピローグの前半、スマホに湧別恵梨香の名前が映し出されるところまでは、第1巻「君と漕ぐ―ながとろ高校カヌー部―」のプロローグとほぼ同一(異なるのは細部のごく一部だけ)となっています。東京オリンピックのカヌー競技会場に恵梨香の応援に来た舞奈たちを描いているのですが、第1巻が刊行された時点では、まだ2020年に開かれる予定だったので、第1巻のプロローグも当然その前提で描かれていました。その後、新型コロナウイルスの感染拡大によって、ご存知のとおり、実際のオリンピックは1年延期されたわけですが、本作のエピローグでは、明示はされてないものの、第1巻のプロローグを踏襲して描かれています。

 

本巻で「君と漕ぐ」シリーズは完結となります。これまでの巻と同じく、ながとろ高校カヌー部の4人の部員、舞奈、恵梨香、希衣、千帆を中心に描いた青春小説。主観的な視点から心の襞が描かれるのは、主に希衣、千帆の2人で、これまでは、舞奈の視点からの描写でも、彼女自身の心の内が描かれることは少なく、彼女の目から見た恵梨香、千帆などの心の揺れ動きの描写が多かったように思いますが、本巻では、舞奈自身の心の動きを含め、4人の心情がバランスよく描かれ、インターハイでのフォアの決勝に臨む4人を描いたラストには胸が熱くなりました。

この先の、3年生となった舞奈と恵梨香の姿も読んでみたい思いもあります。翌年の大会では、順当であれば、恵梨香はインターハイのシングルで優勝するでしょうし、恵梨香と舞奈がもしペアを組んで出場すれば、舞奈の成長ぶりを考えると、優勝に手が届くかはともかく、インターハイ出場は夢ではなさそうです。とはいえ、経験者を含む1年生3人が加わったとはいえ、希衣と千帆が抜けた穴は大きいでしょうから、ながとろ高校カヌー部の全体の成績としては、本巻で描かれた時点が頂点であることは確かなので、物語としては、ここで幕を下ろして正解だとは思いますが、スピンオフ的な短編だけでも・・・と期待しています。