鷺の停車場

映画、本、グルメ、クラシック音楽、日常のできごとなどを気ままに書いています

スクリーンで観た映画を振り返る 2020(実写映画)

世界的に新型コロナウイルスの影響が大きかったこの一年、映画の分野でも、3月下旬からの約2か月の臨時休業、その後の隔席販売、新作映画の相次ぐ公開延期など、大きな影響を受けた一年でした。

少し早いですが、昨年中に公開が始まった作品も含め、昨年の年末以降にスクリーンで観た実写映画を印象に残った順に挙げてみたいと思います。 

◎37セカンズ

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障害者の性と自立を描いた作品。主人公が過保護の母親の呪縛から逃れて、周囲のサポートも受けて自立していく過程は、とても心に響きました。また、自分が障害者に多少なりとも偏見、異物感を抱いていたことに気づかされ、考えさせられる映画でもありました。(2月7日(金)公開) 

◎朝が来る

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朝が来る [Blu-ray]

朝が来る [Blu-ray]

  • 発売日: 2021/03/24
  • メディア: Blu-ray
 

子を望むが、不妊治療を受けても成功せず特別養子縁組を選ぶ夫婦の思い、大好きな彼氏と無警戒にセックスをして妊娠してしまい、産むしかなくなった中学生の少女の苦しみ、この2つの部分が交錯する物語。エンドロールの最後に流れる息子の一言でそれらが優しく融け合うような感覚になりました。重要な役割を果たす永作博美蒔田彩珠たちの演技もそれぞれ良かったですし、部分的に用いられているドキュメンタリー風の映像、自然の鮮やかな光景の映像も効果的で、いろいろと考えさせられ、余韻が深く残る作品でした。(10月23日(金)公開)

◎風の電話

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風の電話 [Blu-ray]

風の電話 [Blu-ray]

  • 発売日: 2020/10/02
  • メディア: Blu-ray
 

岩手県大槌町にある、亡くなった人に思いを届ける〈風の電話〉をモチーフに作られた、東日本大震災津波で家族を失い、広島の伯母に身を寄せている女子高生が、あるきっかけから故郷の大槌に向かい、家族を失った悲しみから少しだけ立ち直っていく姿を描いたドキュメンタリータッチなロードムービー。重たいテーマですし、間が長めなので、人によっては退屈に感じるかもしれませんが、私にはとても心に刺さりました。(1月24日(金)公開)

◎もみの家

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「もみの家」 [DVD]

「もみの家」 [DVD]

  • 発売日: 2020/09/25
  • メディア: DVD
 

不登校で、農作業などをしながら共同生活する寮「もみの家」で暮らすことになった女子高生が、少しずつ前に踏み出していく物語。最初はなじめず心を閉ざしていた主人公が、周囲の暖かい眼差しに、心がゆっくりと融け出していき、少しずつ前に踏み出していくさま、富山の美しい風景の中に描かれ、最後はじんわり涙する作品でした。(3月20日(金)公開)

◎ミッドナイトスワン

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身体的には男性だが、トランスジェンダーとして生きる主人公が、育児放棄にあっていた親戚の娘の中学生を預かることになり、一緒に生活する間に、二人の間に芽生えていく特別な関係を描いた作品。重たいテーマで、ハッピーエンドでもありませんが、エンディングには救いを感じさせ、切なく、余韻の深い物語でした。草彅剛と新人の服部樹咲の演技もとても素晴らしかった。(9月25日(金)公開)

◎ステップ

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ステップ [Blu-ray]

ステップ [Blu-ray]

  • 発売日: 2021/01/08
  • メディア: Blu-ray
 

若くして妻を失い、シングルファザーとなった男性とその娘の10年間の歩みと成長を描いた物語。サポートしてくれる周囲の人たちの温かいまなざしにも支えられて、少しずつ成長していく親子、悪い人間が出てこないので、大人のおとぎ話的な感じもありましたが、奇を衒わず抑え気味の演出で、子育てあるある的なところもあって、涙腺が緩みました。(7月17日(金)公開)

◎浅田家!

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浅田家! Blu-ray 豪華版3枚組

浅田家! Blu-ray 豪華版3枚組

  • 発売日: 2021/03/17
  • メディア: Blu-ray
 

やんちゃに育った男性が、ユニークな「家族写真」で入賞し、写真家として家族写真を撮っていく中で、人間として成長していく姿を描いた作品。特に前半はコミカルな要素が多めですが、写真家として仕事を始めるようになってからはシリアス寄りになって、目頭が熱くなる展開。硬軟両方の要素を盛り込みながら、全体をヒューマンドラマとしてうまくまとめているところは、監督の巧さを感じました。(10月2日(金)公開)

◎罪の声

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罪の声 通常版 [Blu-ray]

罪の声 通常版 [Blu-ray]

  • 発売日: 2021/04/23
  • メディア: Blu-ray
 

時効となった大規模な劇場型犯罪の謎に、子ども時代の自分の声が犯罪に使われていたことを知ったテーラーの男性と新聞記者が迫る物語。冒頭から観客を引き込んで、謎解きをメインにしながらも、心を打つエピソードも盛り込まれ、上映時間の長さを感じさせない作品になっていました。(10月30日(金)公開)

◎アルプススタンドのはしの方

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自校の野球部の応援のためいやいやながら球場のスタンドに来た高校生4人が、試合が進む1~2時間の間に一皮剥けて成長する物語。アルプススタンドやその裏の通路だけを描き、グラウンドで行われている試合の様子を全く映さない割り切った演出、巧みな会話劇で、細かいアラを気にさせずに引き込んで、最後のクライマックスまで持っていく展開は見事でした。(7月24日(金)公開) 

◎13月の女の子

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13月の女の子 [DVD]

13月の女の子 [DVD]

  • 発売日: 2021/02/03
  • メディア: DVD
 

親友を心臓病で失った女子高生が、親友の死と同時に現れた謎の転校生が持ってい別の世界に行ける薬を飲むと、その世界では親友のほか十数人の女子高生が、大災害でインフラや通信が途絶し陸の孤島となった学校で自給自足の生活を送っていた・・・という物語。ストーリーはストンとは腑に落ちない難解なところはありましたが、閉ざされた空間の中で物語が進む展開は、息が詰まるような緊迫感がありました。(8月15日(土)公開)

◎彼女は夢で踊る

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閉館が迫るストリップ劇場を舞台に、社長の若い頃の甘酸っぱい恋の記憶が交錯する幻想的なファンタジー。岡村いずみ、矢沢ようこがストリッパーとして舞台で踊るシーンは、エロティックさより芸術的、神秘的な美しさを感じる映像で、ストリップの印象が変わったような気がします。加藤雅也の社長ぶりも見事。(10月23日(金)公開)

◎糸

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糸 Blu-ray 通常版(特典なし)

糸 Blu-ray 通常版(特典なし)

  • 発売日: 2021/02/03
  • メディア: Blu-ray
 

中島みゆきの歌「糸」をモチーフにして制作された映画で、平成元年生まれの男女が出会って恋をするが、引き離され、すれ違い、平成の時代を終えるころ、再び結ばれるまでを描いたラブストーリー。観始めてから数分すると結末は予想できて、実際その通りの結末に至るのですが、そこに至るまでの過程には、いろいろ意外な展開もあって、涙を誘うシーンもあり、130分という長さを感じさせない作品になっていました。(8月21日(金)公開)

◎ラストレター

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映像の美しさもあって、手紙の内容というより、手紙を書く行為に込められた思い、大切な人への思い、果たせなかったことへの悔悟といったものが伝わる、切なくも温かい映画でした。1人2役を演じた広瀬すずと森七菜の透明感ある雰囲気も印象的でした。(1月17日(金)公開) 

◎ロマンスドール

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ロマンスドール [Blu-ray]

ロマンスドール [Blu-ray]

  • 発売日: 2020/07/03
  • メディア: Blu-ray
 

夫婦のすれ違いとそこからの修復、そして喪失を描いた作品。夫婦のあり方について問を投げかける、切なくも、心に響く映画でした。蒼井優の演技も素晴らしかった。(1月24日(金)公開)

思い、思われ、ふり、ふられ〔実写版〕

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親同士の再婚で姉弟となった明るく社交的な同学年の女子高生に明かせない恋心を抱えるクールな男の子、その彼に憧れる内向的な同学年の女の子、彼女の幼なじみの爽やかな男の子、4人の男女のすれ違い、絡み合う片想いの行方を描いた青春恋愛映画。設定や展開は少女マンガ的ではありますが、それをあまり気にしないで観ていけば、4人の心情の絡み合いがうまく描かれていて、途中は切なく、最後はハッピーエンドで終わる、いい作品でした。浜辺美波の透明感ある雰囲気も良かった。(8月14日(金)公開)

◎静かな雨

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静かな雨 [Blu-ray]

静かな雨 [Blu-ray]

  • 発売日: 2020/08/05
  • メディア: Blu-ray
 

次の日になると前日の記憶をなくしてしまう若い女性とそれを見守る男性、2人がその運命を引き受けてともに歩んでいくことを決意するまでを、落ち着いたたたずまいの中で描いた映画。これまでに観た中川監督の作品と同様、叙情的な映像、そして落ち着いた空気感は私好み。物語としての起伏はあまり大きくなく、前に観た「四月の永い夢」「わたしは光をにぎっている」ほどの感銘はありませんでしたが、心にしみる映画でした。(2月7日(金)公開)

◎サヨナラまでの30分

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人づきあいが苦手で内にこもっている大学生が、カセットテープを再生している30分の間だけ、亡くなったバンドの男性と入れ替わることで、仲間と音楽を作っていく楽しさを知っていく成長と、その男性との別れを描いた作品。後半の展開には心を揺さぶられました。音楽、そして主演の新田真剣佑と北村拓海の歌も魅力的でした。(1月24日(金)公開)

弱虫ペダル

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運動が苦手で友達がいないアニメオタクの男の子が、入学してママチャリで通う高校で、その走りに注目する自転車選手の同級生たちの誘いで自転車競技部に入部してその意外な才能を開花させ、先輩や仲間とともにインターハイ出場を懸けたレースに挑む、という物語。おそらく原作やテレビアニメ版を反映した、濃いめの味付けのキャラクターはリアルさにはやや欠ける感じでしたが、そんなもんだと思って観ていくと、王道のスポ根ものといってもいいような展開、CGなしで撮影したという自転車シーンの実写ならではの迫力もあって、手に汗握る展開に爽やかな感動が残る作品でした。(8月14日(金)公開)

◎スパイの妻<劇場版>

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「スパイの妻<劇場版>」Blu-ray豪華版

「スパイの妻<劇場版>」Blu-ray豪華版

  • 発売日: 2021/03/03
  • メディア: Blu-ray
 

2020年6月にNHK-BS8Kで放送されたドラマの劇場版で、ヴェネチア国際映画祭で銀獅子賞(監督賞)を受賞した作品。太平洋戦争前夜、偶然に陸軍の非人道的な機密を知った夫と、反逆者と疑われる夫を信じて共に生きようとする妻を描いた物語。大戦前夜の緊迫した時代の雰囲気が漂う映像に引きつけられる感じがありました。物語そのものは今ひとつ心に刺さるものが感じられませんでしたが、緊張感漂う雰囲気と展開は良かったと思います。(10月16日(金)公開)

◎望み

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息子が行方不明となって心配する夫婦に、友人の同級生が殺害されたとのニュースが入り、報道やネットで拡散する情報から、息子が殺人犯だという眼で見られるようになり、家族は精神的に追い込まれていく・・・という物語。その過程の描写は、観るのが辛いものがありましたが、真実が明らかになってからの展開は心が洗われる感じで、全体としてはいい作品だと思いました。(10月9日(金)公開)

◎劇場

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才能はないが夢を諦めることができないいわばダメ男と、彼を優しく献身的に応援するあまり、かえって彼をダメにしてしまう女の恋愛物語。共依存とも言えそうなその関係は、痛々しくも映りますが、最後には一歩踏み出すような前向きな形で終わります。時間的にはちょっと長い感じもありましたが、深く余韻の残る作品でした。(7月17日(金)公開)

◎のぼる小寺さん

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さしたる目標もなく日常を送っていた高校生たちが、ひたすらボルダリングに打ち込む同級生の小寺さんに感化されて、少しずつ、目の前のものに一生懸命に取り組むようになって、輝いていく青春物語。劇的な出来事が起きるわけではない淡々とした展開ですが、周囲の4人が変わっていく過程をうまく描いて、爽やかな印象が残る作品でした。(7月3日(金)公開)

◎きみの瞳が問いかけている

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視力を失くした女と、罪を犯し夢を失った男がめぐり逢い、ささやかな幸せを手にするが、過酷な運命にのみこまれていく…というラブストーリー。終盤の展開には少し無理があるように思いましたが、起承転結の構成がうまく、期待を裏切らないハッピーエンドに導いていくストーリーは良かったと思います。吉高由里子横浜流星の主役2人も好演。(10月23日(金)公開)

ばるぼら

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人気小説家が、街角で出会った謎の少女・ばるぼらの奇妙な魅力に堕ちていき、破滅に向かっていく物語。耽美的な映像、ジャズを中心とした音楽もあいまって、実際の街角のシーンでも、どこか現実離れした空気が漂っていて、退廃的な雰囲気に引き込まれる作品でした。破滅的な展開に立ち上る美しさ・狂気がうまく表現されていると思いました。主演の稲垣吾郎二階堂ふみをはじめとする俳優陣も好演。(11月20日(金)公開)

◎殺さない彼と死なない彼女

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殺さない彼と死なない彼女 Blu-ray

殺さない彼と死なない彼女 Blu-ray

  • 発売日: 2020/05/08
  • メディア: Blu-ray
 

主人公2人のほか、可愛い女子高生とその彼氏の大学生、同級生を一途に想う純情な女子高生のエピソードも交錯させて、高校生の多感な心の揺れ動きをうまく切り取って描いた作品で、心に響きました。(2019年11月15日(金)公開)

◎僕の好きな女の子

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僕の好きな女の子 [DVD]

僕の好きな女の子 [DVD]

  • 発売日: 2021/03/03
  • メディア: DVD
 

又吉直樹のエッセイを原作に、友達としてフランクに接してくる女の子が大好きだが、今のいい関係が壊れてしまうのを恐れて思いを伝えることができない男の心の揺れ動きを描いた作品。主人公には共感できませんでしたが、2人の独特な関係とその移ろいが、繊細に、巧みに描かれた作品でした。(8月14日(金)公開)

◎世界でいちばんあかるい屋根

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宇宙でいちばんあかるい屋根 [Blu-ray]

宇宙でいちばんあかるい屋根 [Blu-ray]

  • 発売日: 2021/02/03
  • メディア: Blu-ray
 

中学生の少女が、不思議なお婆さんとの出会いと別れを通じて成長する物語。桃井かおり演じる個性的なお婆さんは個人的にはあまり好感が持てませんでしたが、主人公を演じた清原果耶は空気感・雰囲気も良く、爽やかな後味が残る作品でした。(9月4日(金)公開)

◎君が世界のはじまり

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君が世界のはじまり [DVD]

君が世界のはじまり [DVD]

  • 発売日: 2021/02/03
  • メディア: DVD
 

大阪の端っこのとある町で、自分を持て余す高校生たちの姿を描くけっこう尖った青春群像劇。個々の描写、演出はクサいところもありますが、それぞれの心の痛み、苛立ちといったものが、刹那的な振舞いなどを通じてうまく表出されていました。好き嫌いがかなり分かれそうではありますが、刺さる人にはかなり刺さる作品だと思いました。(7月31日(金)公開)

ホテルローヤル

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ホテルローヤル [Blu-ray]

ホテルローヤル [Blu-ray]

  • 発売日: 2021/05/07
  • メディア: Blu-ray
 

高校卒業後に親が営むラブホテルを手伝うことになった女性が、働いていく中で自分の人生に向き合うことになる物語。お客たちの人間模様はそれぞれ味があって、終盤、自分と向き合う主人公の描写も良かったと思いますが、自分探しの要素がもうちょっと出ていると、全体を通じて物語の幹が通った作品になった気がしました。(11月13日(金)公開)

◎Daughters

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ルームシェア生活を送る2人の若い女性の、一方の妊娠、シングルマザーの決断、仕事、家族と向き合う姿などを描いた作品。作品を通じて何を伝えたかったのかよく分からないところもありましたが、若い女性のリアルをスタイリッシュに描いて、合間に挿入される幻想的なイメージシーンなど、映像は印象的な作品でした。(9月18日(金)公開)

◎空に住む

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両親の急死で叔父が所有する高級タワーマンションで暮らすことになった女性が、同じマンションに住むスター俳優との出会い、愛猫の死などを経て少しずつ変わっていく、という物語。個人的にはかなり好きなタイプの展開で、多部未華子の空気感は良かったですし、印象に残るシーンもありましたが、作品全体としては、今一つ響きませんでした。(10月23日(金)公開)

◎水上のフライト

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水上のフライト [DVD]

水上のフライト [DVD]

  • 発売日: 2021/04/21
  • メディア: DVD
 

交通事故で下半身不随となってしまった、将来を期待される陸上選手だった女子大生が、周囲の支えを受けて、カヌーでパラリンピックを目指すまでを描いた作品。感動的な物語にしようとする意図が透けて見える感じがして、私は作品の世界にうまく入りこめませんでしたが、物語の骨格はいいと思いますし、出演の中条あやみは良かった。(11月13日(金)公開)

◎おかあさんの被爆ピアノ

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自分のルーツを探して広島のことを知ろうとする被爆三世の娘と、被爆者やその子孫の労苦から、広島を離れ、子にも広島と関わらせまいとする母が、被爆ピアノを修理・調律してコンサートを開く調律師との交流を通じて、和解していくまでを描いた物語。いい話ではあるのですが、展開に引っ掛かりを感じるところが多く、個人的には今一つでした。(8月8日(土)公開)

◎種をまく人

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一人の少女が犯した罪とそれを取り巻く大人たちの姿、家族の苦悩と葛藤を描いて、観客に大きな問題を提起し考えさせるような作品でした。(2019年11月30日(土)公開)

 

また、ノンフィクション作品なので、上記の作品と同列に比較することはできませんが、この作品も強く印象に残りました。

◎栄光のマイヨジョーヌ

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栄光のマイヨジョーヌ Blu-ray版

栄光のマイヨジョーヌ Blu-ray版

  • 発売日: 2020/09/25
  • メディア: Blu-ray
 

オーストラリア初のプロ・サイクリング・ロードレースチーム、オリカ・グリーンエッジの発足した2012年から5年にわたって、チームの内部からその活動・闘いを追ったスポーツ・ノンフィクション映画。チームを構築し支えるスタッフの努力、選手同士の信頼関係など、まさに「ONE TEAM」というべきチームの一体感を感じました。自転車のロードレースチームを題材にしていますが、一般の組織にも通ずる、優れたヒューマン・ドキュメンタリーになっていました。(2月28日(金)公開)

 

こうして改めて振り返ると、30本以上の作品を観たことになります。私が映画をよく観に行くようになったのはここ3~4年ですが、その中では最も多い本数だろうと思います。

新型コロナウイルスの感染拡大の影響が大きかった一年でしたが、来年またいい作品に出会えるといいなあと思います。