鷺の停車場

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映画「片思い世界」

週末の午後、MOVIX柏の葉に行きました。


時間は15時ごろ、ロビーのお客さんは意外にまばらでした。


この日の上映スケジュールの一部。この日は、33作品・34種類の上映が行われていました。


この日観るのは、「片思い世界」(4月4日(金)公開)。全国368館とかなり大規模な公開です。


上映は360+3席のシアター2。お客さんは30人くらいでした。


(チラシの表裏)


(公開日アナウンス前に配布されていた別バージョンのチラシ)

 

「花束みたいな恋をした」の脚本・坂元裕二と監督・土井裕泰が再び組んで、強い絆で結ばれた3人の女性が織りなす日常とそれぞれの「片思い」を描いたオリジナルストーリーの作品。

公式サイトのイントロダクションでは、

 

広瀬すず杉咲花、清原果耶、奇跡のトリプル主演。『花束みたいな恋をした』の脚本・坂元裕二と監督・土井裕泰の最強タッグ再び――。

大ヒット映画『花束みたいな恋をした』から4年。本家・坂元裕二と監督・土井裕泰が再びタッグを組みました。『花束みたいな恋をした』以降、ドラマだけでなく『怪物』(第76回カンヌ国際映画祭脚本賞受賞)、『クレイジークルーズ』(Netflix)、最新作『ファーストキス 1ST KISS』など映画でも精力的に活動する脚本家・坂元裕二が新たに書き下ろした本作。監督を担うのは、第44回日本アカデミー賞にて計11部門で優秀賞を受賞した『罪の声』や異例のロングランを記録した『花束みたいな恋をした』監督の土井裕泰。あれから4年、本作で再びチームとなりました。
主演に迎えるのは、広瀬すず杉咲花、清原果耶。多数の主演作を持ち、真に実力のある国民的俳優としてトップをけん引する3人が、奇跡のトリプル主演を果たしました。さらに、3人と同じ記憶を胸に秘める青年・典真として出演する横浜流星をはじめ、小野花梨、伊島空、moonriders田口トモロヲ西田尚美など贅沢なキャストたちが、3人の切実な片思いの行く末に寄り添います。
悩み迷いながら、それでも誰かを思い続けることを止めない、美咲、優花、さくらの3人。
優しさを失うことなく前を向く彼女たちの、まぶしいほどの命のよろこびを描く希望の物語。

 

・・・と紹介されています。

 

主な登場人物・キャストは、次のとおりです。

  • 相良 美咲【広瀬 すず】:オフィスで働いている女性。

  • 片石 優花【杉咲 花】:大学で物理学を学んでいる女性。

  • 阿澄 さくら【清原 果耶】:水族館でペンギンの飼育員をしている女性。20歳。

  • 高杉 典真【横浜 流星】:今はスーパーで働いている。

  • 桜田 奈那子【小野 花梨】:典真をデートに誘う女性。

  • 増崎 要平【伊島 空】:12年前の事件の犯人。満期出所して工場で働き始めた。

  • 加山 次郎【田口 トモロヲ】:美咲たちが入っていた児童合唱団の指導者。

  • 木幡 彩芽【西田 尚美】:優花の母親。再婚している。

  • ストーリーミュージシャン【moonriders】:美咲たちが通る道端で演奏していたストリートミュージシャンのグループ。

  • 津永 悠木【松田 龍平】:物理学の研究者。以前に素粒子観測器に侵入した事件を起こした。

 

公式サイトのストーリーによれば、

 

現代の東京の片隅。
古い一軒家で一緒に暮らす、美咲広瀬すず、優花杉咲花、さくら(清原果耶)
仕事、学校、バイト、それぞれ毎日出かけて行って、帰ったら3人一緒に晩ごはん。
リビングでおしゃべりして、同じ寝室で寝て、朝になったら一緒に歯磨き。
お互いを思い合いながら穏やかに過ごす、楽しく気ままな3人だけの日々。
だけど美咲には、バスで見かけるだけの気になる人がいて、そのことに気がついた2人は…。
もう12年。家族でも同級生でもないけれど、ある理由によって強い絆で結ばれている3人。
それぞれが抱える、届きそうで届かない〈片思い〉とは―—。

 

・・・というあらすじ。

 

先日スクリーンで観た、同じ坂元裕二脚本の「ファーストキス 1ST KISS」のときも思いましたが、細部の設定は甘いです。ネタバレにならない範囲では書きにくいですが、何気ないシーンではできていたことが、肝心なシーンではできないことになっているなど、個々のエピソードでいろいろ疑問が浮かんできます。ただ、それを気にし出すと、物語の本筋を見失ってしまいそうな感じで、途中から、そのあたりは軽く受け流しながら観ていかないといけない映画だと思い、割り切って観ていくことにしました。

それは措くとしても、後半、かつての事件の犯人が出てくるシーンは、元犯罪者のステレオタイプな描写が非常にがっかりで、興が一気に覚めてしまいました。その後の美咲と典真のシーンなど、3人の主人公や典真たちの思いが心に響くシーンもあり、全体としてはいい物語だっただけに、とても残念でした。

 

 

ここから先は、ネタバレになりますが、備忘を兼ねて、記憶の範囲でもう少し詳しくあらすじを記してみます。(細部については、多少の記憶違いもあるだろうと思います。)

 

1人の人間が地面にうっすら積もった雪を踏みしめて建物に向かっていく。その建物のとある部屋には、ピアノを弾く男の子と、ノートに音楽劇の台本を書く女の子、2人の小学生がいた。ピアノを弾き終えた男の子は、女の子が空腹でお腹が鳴るのを聞いて、部屋を出ていく。音楽劇を書き終えた女の子は、男の子がいなくなったことに気づき、典真、と男の子の名を呼んで探し回るが見つからない。そのうち、おそろいの服を着た大勢の小学生たちが部屋に入ってくる。かささぎ児童合唱団の団員であるその小学生たちは、翌日のコンクールを前に、当日は時間がないからと、集合写真を撮ることにする。団員の1人がセルフタイマーでカメラの撮影ボタンを押し、シャッターが切られる直前、部屋の扉が開く。探していた典真だと思った女の子がその名を呼び、団員たちが全員扉の方に視線を向けたところで、シャッターが切られる。

さくらがひとり速足で家に帰ってくる。出迎えた優花は家の中に入らないよう押しとどめるが、さくらが優花の気を逸らした隙に部屋に入ると、美咲と優花がさくらの20歳の誕生日を祝う飾りつけをしていた。サプライズが失敗した美咲と優花は、バースデーケーキを出して誕生日を祝うが、さくらはムスッとした表情で2階の寝室に上がっていく。美咲と優花は、反抗期なのかな、などと話しながら寝室に行くが、それぞれのベッドの上には、さくらからの感謝のメッセージが置かれており、喜んだ2人はさくらを抱きしめる。

翌日、美咲が作ったお弁当を持って、3人はそれぞれ家を出る。美咲とさくらは、路線バスに乗るが、そのバスには、美咲がずっと気になっている若い男性が乗っていた。
そして、出勤した美咲は会社のオフィスでパソコンに向かい、優花は大学で講義を受け、さくらは水族館でペンギンの飼育員として働く。

夜、家に帰って一緒に夕食を食べる3人。優花とさくらは、美咲にバスで一緒になる男性に告白すればとけしかけるが、美咲は、無理なことを言わないの、と相手にしない。
またある日、バスでその男性と乗り合わせた美咲。一緒にバスに乗ったさくらがその男性のスマホを覗き込み、デートでコンサートに行く約束をしていることを美咲に報告する。

そして、美咲とさくらは、その男性のデートの待ち合わせ場所に向かい、奈那子と落ち合ってコンサートに向かう典真の後を付けていく。そして会場に着くと、ラフマニノフのピアノのリサイタルだった。典真と奈那子が座った席の2列ほど後ろの空席に座った2人。さくらは会場が静まる中でも気にせず話し出し、美咲は慌ててそれを止める。休憩時間、ロビーに出て奈那子が電話する様子を観察したさくらは、休憩時間が終わって席に戻ると、翌日は40代の中年男性とデート、二股をかけている、と騒ぎだす。美咲が止めるのも構わず席を立ってステージに上がったさくらは、聴衆に向かってそれを大声で訴えるが、誰もそれに反応せず、会場ではピアニストの演奏が続くのだった。

ここで、美咲、優花、さくらの3人は、死んだ後の幽霊であることが明らかになる。美咲、優花、さくらは、12年前、児童合唱団を襲った男性によって殺害された小学生3人で、その後成長して職場で働き、大学で講義を受けているが、その実、周りの人間は誰も、美咲たちの姿は見えず、その声も聞こえないのだった。

美咲が同じバスに乗って見守る男性は、美咲が殺された日、同じ部屋でピアノを弾いていた典真だった。典真は事件をきっかけに、将来を期待されるほど上手だったピアノを辞め、スーパーで働いているのだった。そのスーパーに奈那子がやってきて典真に声を掛け、その後連絡をくれないことに不満を訴える。そして、仕事帰りの典真と同じバスに乗った奈那子は、典真が将来を嘱望されていたことを伝え、ピアノを続けるよう促すが、典真は、いつも1人で給食費を払えずお腹を空かせていた女の子を自分が会費がタダだと児童合唱団に誘ったこと、自分は事件のときコンビニに肉まんを買いに行っていて助かったが、その子が事件で亡くなったことに責任を感じていることを明かす。それを後ろの座席で聞いて、典真の思いに触れた美咲は、そのとき典真が、お腹を空かせた美咲のことを気遣って肉まんを美咲の分も買っていたことを知っていた。

一方、大学で、母親の彩芽が花屋の配達に来ている姿を見つけ、懐かしくなった優花は、大学で勉強している素粒子物理学の知識から、自分たちはまだ発見されていない素粒子と同じで、いずれ発見されるのではないかと考え、その手がかりを見つけるために素粒子観測器のカミオカンデに行くことを思いつく。

さくらも同行して、カミオカンデがある研究機関に行き、研究員が乗り込んだエレベーターに駆け込んだ2人だったが、着いた先は、カミオカンデではなく、研究機関の書庫だった。書庫から帰る研究員が乗るエレベーターに乗り損ねた2人は、次に誰かがやってくるまで書庫から出られなくなってしまうが、書庫にあった資料から、以前に素粒子観測器に侵入した事件があり、その犯人は物理学の研究者の津永悠木であることを知る。津永とは、3人が毎日聞いているラジオのパーソナリティだった。

家に帰ってきた優花とさくらが、津永悠木のラジオに耳を澄ますと、ラジオから津永が自分たちに話しかけるように語り始める。津永は、自分が一度死んだが元の世界に戻れた、生きている人間と心を通じ合わせることで素粒子が同化されて元の世界に戻れる、50時間後の7月7日の夜明けに星ヶ丘灯台に来て、飛べと念じれば元の世界に戻れると話す。

一方、典真は、児童合唱団の指導者の加山から出場するコンクールのピアノ伴奏を頼まれる。加山は事件は典真のせいではないと説得し、その曲の楽譜を渡して引き受けるよう促す。それを目撃して家に帰ってきた美咲は、児童合唱コンクールのチラシを優花とさくらに見せ、一緒に出て歌ってみないかと誘う。

津永の話を聞いた優花は、母の彩芽と心を通わせて元の世界に帰ろうと考え、彩芽が働く花屋に向かう。客に対応する彩芽の、自分の思いが通じたような振る舞いに、一度は心が通じ合うのも時間の問題と思った優花だったが、次に彩芽のところに行くと、彩芽には再婚相手の夫と、その間に生まれた娘がいることが分かる。家で娘と一緒にクッキーを焼く彩芽の様子を見て、疎外感を感じた優花は涙を流し、美咲は優花を抱きしめる。

一方、心を通わせるのは誰でもいいのだろうと考えたさくらは、最近発行された週刊誌で、自分たちを殺した少年が最近出所したという記事を見て、その少年に会いに行こうと思い立ち、その週刊誌の編集部に侵入して、編集者の手帳からその少年・増崎の名前と勤務先を書き写し、勤務先である工場の作業場を訪れる。お昼に作業員に弁当を配るところに居合わせたさくらは、弁当を受け取った増崎が同僚からからかわれて笑いながら歩いてくるのを見て、恐怖で足がすくみ崩れ落ちてしまう。

家にかえったさくらに、優花たちがどうして増崎に会いに行ったのか質すと、さくらは、いい人間になるために頑張っていたのに殺されてしまった、どうして自分が殺されたのかを知りたいと、自分の思いを明かす。

彩芽と心を通わすことが難しいと感じていた優花、そして美咲も同行して、さくらは再び増崎が働く工場に向かう。すると、優花の母の彩芽が増崎に会いに来ていた。満期出所して働き始めたばかりの増崎は嫌そうな顔をするが、彩芽は、今度結婚するそうですね、お相手の家族から連絡があった、場所を変えましょう、と言って増崎を強引に車の助手席に乗せる。

少し離れた人気のない駐車場に車を停め、車から降りた彩芽は、娘を失った苦しみ、そして、前向きに生きるために再婚して子を設けた思いを吐露するが、増崎は彩芽が期待するような反応は見せず、なぜ殺したのかと問うと、早く仕事に戻りたい増崎は、それには答えずに自ら車の助手席に乗り、工場に戻るよう彩芽に促す。促された彩芽は車の運転席に乗り込むが、そこで持っていた果物ナイフを取り出して増崎に向け、2人は揉み合いになる。増崎に蹴られた彩芽は運転席のドアから外に押し出されてしまうが、増崎は彩芽から取り上げた果物ナイフを手に取り、彩芽を追いかけようとする。彩芽は増崎から逃げようと走り出し、3人はそんな彩芽を励ますが、彩芽が足がもつれて転んでしまっても、何もすることができない。一度は起き上がって再び逃げる彩芽だったが、階段を上って道路を横断した先で再び転んでしまい、そこに増崎が近づいてくる。しかし、もはやここまでと思ったその瞬間、道路を横断しようとした増崎は、そこに走ってきた軽ワゴン車に轢かれ、重傷を負いその場に倒れ込んでしまう。

優花は、倒れたままの彩芽のハンカチに、自分のお気に入りの形である三日月のクッキーが包まれているのを見て涙を流す。

そして、津永が言っていた50時間後、優花、美咲、さくらの3人は夜明けの星ヶ丘灯台へ行き、日の出を見つめながら、元の世界へ戻るため、飛べ!と叫ぶ。しかし、灯台を降りて海辺に出て、やってきた人は自分たちには気づかず海岸の釣り客に声を掛けるのを見て、結局何も起こらなかったことを知る。

そうした中、3人が12年間住んでいた家に、夫婦と思しき男女のカップルと不動産屋が下見にやってくる。人が住まれては困る3人が抗議の声を上げるが、その声は聞こえない。長年空き家になっており、床に穴が開いているなど中は古びていたが、不動産屋がリノベーションを約束し、カップルは購入を決める。

そして、美咲は児童合唱団の加山を訪れる典真について来ていた。典真は以前に加山から渡された楽譜を返し、ピアノ伴奏の誘いを、謝罪しながら断る。加山は、典真のせいではない、忘れていいんだと改めて説得しようとするが、典真は、あの子は一人きりだったから、自分が忘れたらいなかったことになってしまう、と美咲への思いを明かす。加山は典真に、事件が起きたリハーサル室の鍵を手渡す。典真がその部屋に入ると、事件の日に典真が弾いていたアップライトピアノがそのまま残っていた。典真が引き返して部屋を出ようとすると、突然吹いた風で、積み上げられていた楽譜などが落ちる。典真がそれらを拾い上げると、その中に、かつて美咲が音楽劇の台本を書いていたノートを見つける。典真は、そのノートを手に取り、美咲が事件直前に書いていた音楽劇の台本のページを開く。そして、そこに書かれた王妃とその従者との悲恋物語の、従者の台詞を読み始める。それを聞く美咲は、かつて自分が書いたその台本の王妃の台詞を、典真に応えるように発していく。そして、何度かの台詞のやり取りの後、王妃を抱きしめるという台本のト書きを見て、典真はノートをいったん床に置いて、両腕で王妃を抱きしめる仕草をし、その典真の腕の中に抱かれた美咲は涙を流す。

それを機に、典真は児童合唱団のピアノ伴奏を引き受ける。3人も練習を重ね、児童合唱コンクールの日、3人は出場する児童合唱団とともにステージに上がり、典真の伴奏で一緒に歌うのだった。

そして、長年住んだ空き家のリフォーム工事が始まる日、荷物をまとめた3人は家を出ていく。人通りの多い街中を歩きながら、3人は次に住むのはどこがいいか話し合うのだった。

 

(ここまで)

 

なお、入場者プレゼントをいただきました。


美咲、優花、さくらの「片思い世界」ソロビジュアルポストカードで、3種からのランダム配布とのこと。私がもらったのはさくらのカードでした。