鷺の停車場

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映画「いなくなれ、群青」を観る

先週、映画「いなくなれ、群青」(9月6日(金)公開)を観てきました。

あの京都アニメーションの放火事件の後は、個人的にとても観たいと思える実写映画作品がなく、結果的に京アニ制作の作品を中心にアニメ作品ばかり観てきたので、実写映画を観るのは2~3か月ぶりです。

全国75館で公開されたこの作品、気になる作品の一つだったのですが、映画情報サイトなどを見ると評価が結構分かれていて、観ようかしばらく迷っていました。そうしているうちに上映が終わってしまいそうになってきたので、多少の不安を抱きつつ、観に行くことにしました。

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行ったのはTOHOシネマズ流山おおたかの森。この映画館も9/26(木)で上映終了でした。

平日のレイトショーの時間帯、映画を観終わって出てくる人は結構いますが、ロビーには人はまばらです。

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上映は58席のプレミア・スクリーン。

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入口とスクリーンの間にはゆったりしたこんな前室も用意されています。座席や前後左右の間隔がゆったりしているのは嬉しいところ。本来は追加料金を払って快適な鑑賞を楽しむためのスクリーンなのでしょうけど・・・

スクリーンに入ってみると、お客さんは20人くらいは入っていたのではないかと思います。レイトショーで18歳未満は入場できない時間帯、スクリーンのキャパを考えると、けっこうな入りだったのではないかと思います。この映画館では上映終了間近だったこともあったのかもしれません。大半は女性のようでした。

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(チラシの表裏)

 公式サイトに掲載されているストーリーによると、

 

ある日突然、僕は〈階段島〉にやって来た。ここは捨てられた人たちの島で、どうして僕たちがこの島に来たのか知る人はいない。この島を出るには、失くしたものを見つけなければいけない。だが、疑問さえ抱かなければ、島の日常は安定していた。幼馴染の彼女に再会するまでは──真辺由宇。この物語はどうしようもなく、彼女に出会った時から始まる。「納得できない」と憤慨する真辺は、島から出るために、僕と周囲を巻き込みながら島にまつわる謎を解き明かそうとするのだが──。やがて明かされる真相は、僕らの青春に残酷な現実を突きつける。

 

というあらすじ。

河野裕さんの青春ファンタジー小説を映画化した作品のようですが、原作は未読。監督は柳明菜、脚本は高野水登。主人公の七草が横浜流星、真辺由宇が飯豊まりえ、同級生の堀が矢作穂香、佐々岡が松岡広大、水谷が松本妃代などの主要キャスト、いずれも私自身はあまり知らない人ばかりです。

 

美しい映像で紡がれる静かな雰囲気の中にドラマが進んでいく空気感は個人的にはとても好み。映像美を狙いすぎ?と思うシーンもありましたが、この空気感だけでも個人的には◯。ストーリー展開も青春のある一面を写し出したような青々しい感じは悪くない。原作の構成を生かしたのか、章立てで区切っていく構成もプラスに働いていたと思います。

俳優陣は、飯豊まりえをはじめ、高校生を演じた女性陣は個人的にはちょっとしっくりこない感じがありましたが、主演の横浜流星はいい感じでした。表情を抑えた演技・話し方で、七草のキャラクターが際立っていました。反対に熱っぽい佐々岡役の松岡広大も良かった。

原作に沿ったものなのか、どうしてこうなるかにわかに分からない展開もあって、感動するというまでには至りませんでしたが、映像の空気感・雰囲気、それぞれが抱える影を写し出すような描写などが印象的で、観て良かったと思いました。機会があれば、原作の小説も読んでみたい気もします。