鷺の停車場

映画、本、グルメ、クラシック音楽、日常のできごとなどを気ままに書いています

京アニ制作のアニメを見て

あの京都アニメーション第一スタジオの放火事件の後、スクリーンで観た映画のほかにも、ネット配信やDVDで京アニ制作のアニメをいくつか見てきました。以前にも見た作品以外で、見た順に挙げると、

・・・という感じ。

10年ほど前だと、テレビアニメも今メインの3か月1クールではなく6か月ものが主流だったのか、20数話あるのが多かったこともあり、専念してじっくり見る余裕はなくて、 多くはながら視聴でしたが、どの作品も、作画をはじめとしてテレビアニメとしてはかなり丁寧に作られている作品という印象を受けました。

ヴァイオレット・エヴァーガーデン」は、映画館で「ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝―永遠と自動手記人形―」を観て一気に見たもので、既にブログにも書きました。

それ以外の作品で、とりわけ心に残ったのは、「氷菓」と「CLANNAD AFTER STORY」でした。

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氷菓」は、高校生の日常生活の中で出会うちょっとした謎を解き明かしていく、いわば日常系ミステリー。全体として大きなヤマがあるわけではない定番の裏を行くような展開、美しい映像、クラシックの名曲を用いたBGMなどから醸し出される独特の雰囲気がとても魅力的でした。キャラクターデザインは西屋大志さん。「聲の形」、「リズと青い鳥」でも同じくキャラクターデザインをされていたことを思うと、西屋さんが描くキャラクターは、たぶん私好みなのですね。本当に残念でなりません。

CLANNAD AFTER STORY」は、前作の「CLANNAD」と同じく、Key(ビジュアルアーツ)が制作した恋愛アドベンチャーゲームをテレビアニメ化した作品。前作「CLANNAD」では、主人公の高校3年生の岡崎朋也中村悠一)が、病気による欠席で留年し同学年となった古河渚中原麻衣)と知り合い、恋人になるまでが描かれますが、本作は、高校を卒業した朋也が就職し、渚と結婚し、子どもが生まれ・・・というその後の物語。詳しくは書きませんが、22話もあった前作がただの前置きに思えてしまうくらい振れ幅の大きな展開で、特に第16話「白い闇」以降の物語は、涙なしには見れませんでした。目がとても大きいキャラクターデザインには最後まで違和感が残りましたが、これは原作ゲームのビジュアルを反映したもののようです。

ほかの作品も、例えばほのぼの・コメディ要素が多いなど、個人的な好みとは多少の相違はありましたが、いずれもクオリティの高さを感じさせる作品で、京アニが高く評価されてきたことがうかがえる良作。「けいおん!」シリーズでは、「リズと青い鳥」や「聲の形」でも多くみられる顔を描かずに脚などで心情を描き出す山田尚子監督に特徴的な描写が、初監督作品である本作にもみることができます。当時まだ20代半ばの若さで監督に抜擢されたのは、こうした表現手法が評価されてのことだったんだろうなあ、と改めて思いました。

涼宮ハルヒ」は、テレビアニメ版の「涼宮ハルヒの憂鬱」も少し気になるのですが、全28話と話数が多いのに加え、中盤、絵コンテや演出などを変えながらも、ほぼ同じストーリーを「エンドレスエイト」という名前のとおり8話も繰り返すという実験的?な部分がある(しかもネットでは否定的な評価が多数)と聞いて、手を出せないでいます。見るとしても、しばらく先になりそうです。