鷺の停車場

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ラグビー・ワールドカップが終わって

ラグビーのワールドカップ、11月2日(土)のイングランドvs南アフリカの決勝に南アフリカが勝利し、3大会ぶり3回目の優勝を飾って、9月20日(金)から44日間にわたって開かれた大会が幕を閉じました。

 

ニュージーランドvsウェールズの三位決定戦は、やはりニュージーランド優位の展開で、終わってみれば40-17と、準々決勝のアイルランド戦ほどではないものの、予想以上の大差がついてしまいました。連戦の疲れもあったのだろうと思いますが、準決勝のイングランドと比べると、ウェールズは出足がやや遅く、連携のミスも目立ちました。後になってニュースで知りましたが、ウェールズは1953年に勝利して以降は、ニュージーランドテストマッチ30連敗中だったのだそうで、これで31連敗となったことになります。

そしてイングランドvs南アフリカの決勝、イングランドニュージーランド戦のようには相手の攻撃を止めることができず、苦しい展開。南アフリカ優位ながら、前半は両チームともペナルティゴールのみの12-6というロースコアの緊迫した雰囲気でした。後半も途中までは互いに点が入らず見ていて力が入りましたが、最後の20分で南アフリカが2トライを決めて突き離し、最後は32-12とけっこうな点差になってしまいました。イングランドでさえこれだけの点差を付けられてしまったことを思うと、準々決勝の日本も、内容的には完敗ながら、かなりの健闘だったんだなあと改めて思いました。

日本も、開催国の有利さはあったと思いますが、予選プールは(自分にとっては)まさかの全勝、準々決勝で敗退したものの、その実力の高さを世界中に示すことができたのではないかと思います。
大会前には10位だったワールドラグビーランキングも、予選終了後は一時過去最高の6位まで上がり、準々決勝で南アフリカに敗れて順位を下げたものの、今大会前にはなかった8位という上位にランクインしています。

ラグビー界には、ティアという独特の階級がありますが、今のところ、強豪国であるティア1はヨーロッパの国際リーグ戦「シックスネーションズ」で戦う6か国と南半球の国際リーグ戦「ラグビーチャンピオンシップ」で戦う4か国の10か国で、日本は中堅のティア2の代表格という位置付けになっていますが、過去にはイタリアやアルゼンチンがティア1に昇格した例もあります。

そういえば、「シックスネーションズ」も、私がラグビーの試合をテレビでけっこう見ていた頃は、まだイタリアは参加しておらず、イングランドスコットランドウェールズアイルランド、フランスの5か国で行われる「ファイブ・ネーションズ」でした。イタリアも、それに参加するようになってティア1の仲間入りをしたのだろうと思います。

ニュージーランド、オーストラリア、南アフリカ、アルゼンチンの南半球のティア1の4か国で行われている「ラグビーチャンピオンシップ」に、日本が参加する動きもあるとの報道もあるようです。日本も、継続してティア1の国々と互角に戦い、次回ワールドカップ以降も決勝トーナメント進出を(毎回実現できないにとしても)争う実力が維持できれば、ティア1入りも絵空事ではないだろうと思います。今後の日本代表の活躍にも期待したいと思います。

大会運営という面でも、台風19号の影響で予選プール最後の3試合が中止を余儀なくされたとはいえ、大会前に心配された集客も9割以上の席が売れたそうです。実際、テレビで見る限り、日本以外の試合でもけっこうなお客さんが入っていましたし、大会期間内の盛り上がりは予想以上のものがありました。準々決勝のイングランドvsオーストラリアの中継の視聴率は、同じ時間帯に中継された野球の日本シリーズの2倍近くに上ったそうです。細部はいろいろあったのかもしれませんが、総じて言えば大成功の大会だったと言えるのではないでしょうか。