鷺の停車場

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ミンコフスキ/都響演奏会

東京都交響楽団都響)のコンサートに行きました。


サントリーホールで行われる第978回定期演奏会(Bシリーズ)、マルク・ミンコフスキの指揮で、曲目はブルックナー交響曲第5番変ロ長調です。

ブルックナーは昔から好きな作曲家の1人ですが、交響曲第5番は、以前はあまりなじみのない作品でした。ここ数年でだんだんと好きになってきて、生の演奏も聴いてみたいと思っていたので、前々から関心はあったのですが、仕事の都合で行けなくなってしまうかもしれなさそうな日だったので、前売券を買うのは見送っていました。
当日、問題なく行けそうな見通しが立ったので、都響のホームページからネットで当日券を購入して、行くことにしました。以前であれば、当日券は、ホールまで来ないと購入できませんでしたが、せっかく行っても売切れになっていると無駄足になってしまうので、ネットで購入できるのはとてもいいと思います。


ANAインターコンチネンタルホテル東京の前を通って、サントリーホールに向かいます。


ホールの入口へ。先月、東京オペラシティに東フィル(東京フィルハーモニー交響楽団)のコンサートを聴きに行ったときよりは、余裕をもって到着することができました。


座席表はこんな感じ。この日の演奏会は、S席:7,500円、A席:6,500円、B席:5,500円、C席:4,500円、P席:3,500円となっていました。


取っていたチケットは、1階前方のA席の左側のブロック。発券の手間がもったいないので、電子チケットにしました。スマホでこの画面を受付スタッフに提示して、ホールに入ります。


1階席の後方から見たステージ。


座った席はこんな感じ。1階席の前の方で見たことはあまりなかったので、ステージ上がほとんど見えないのでは心配していましたが、ステージの床が一般的なホールよりも低めだったので、後方の管楽器はほとんど見えないものの、思っていたよりも視界が良くて安心しました。

弦楽器は、第1ヴァイオリンが16人、第2ヴァイオリンが14人、コントラバスが8人とフル編成です。ヴィオラとチェロの人数は席からは確認できませんでしたが、ヴァイオリンとコントラバスの人数から考えると、たぶんヴィオラが12人、チェロが10人だったのだろうと思います。第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンが左右に分かれる対向配置ですが、コントラバスとチェロが第1ヴァイオリンの後ろに配置される一般的な対向配置とは異なり、第1ヴァイオリンの後方にヴィオラが、第2ヴァイオリンの後方にチェロとコントラバスが配置される形になっていました。


もらったプログラム。


プログラムに掲載されていたミンコフスキの紹介。

この日の曲目は、ブルックナー交響曲第5番の1曲のみで、休憩はありません。曲は、以下のような4楽章で構成されています。

  1. Introduktion:Adagio - Allegro(変ロ長調
  2. Adagio:Sehr langsam(ニ短調
  3. Scherzo:Molto vivace(Schnell)(ニ短調
  4. Finale:Adagio - Allegro moderato(変ロ長調

冒頭から、席が前の方ということもあって、生のオーケストラの響きの繊細さと力感に引き込まれました。座った場所的に、全体的に第1ヴァイオリンの音が強めのバランスでしたが、それ自体はあまり気にならず、どんどん引き込まれていきました。ミンコフスキの指揮は、テンポを細かく動かしながら音楽を進めていく感じで、パンフレットにあった「いわば柔構造と言うべき音の伽藍」とは、このことを指して表現したのか、と思いました。とりわけ、終楽章は自分がこれまでCDなどで聴いていた演奏と比べるとかなり早めのテンポでしたが、それにきちんと付いていくオーケストラの能力の高さも感じました。金管楽器のハーモニーも、さらにオルガンのように見事に響くと完璧でしたが、十分いい感じで、先日聴いた東フィルよりも一段、二段レベルが高い印象。


演奏終了後、指揮者が棒を下ろすと同時に、盛大な拍手が鳴り、数多くのブラボーが飛びました。立ち上がって拍手する人もいて、私だけでなく、感銘を受けた方が多かったのだと思います。


カーテンコールの後、オーケストラが退場しても、かなりの人数の観客が残ってなお拍手を続け、最後にもう一度、拍手に呼び出されるようにミンコフスキが登場。丁重にお辞儀をして、ようやく拍手が収まりました。

素晴らしい響きと演奏に、とても満ち足りた気分でホールを出ました。