鷺の停車場

映画、本、グルメ、クラシック音楽、日常のできごとなどを気ままに書いています

映画「君は放課後インソムニア」

週末、TOHOシネマズ流山おおたかの森に行きました。


夕方16時近い時間帯、ロビーはそれほど混雑していませんでした。


この日の残りの上映スケジュール。既にこの日の上映は終わった作品も含めて、この日は25作品・31種類の上映が行われていました。かなり作品・種類が多い方だと思います。

この日観たのは、「君は放課後インソムニア」(6月23日(金)公開)。全国で約129館と中規模での公開です。


上映は103+2席のスクリーン3。お客さんは15人ほどだったでしょうか。公開初週の週末としてはちょっと寂しい入りです。


(チラシの中見開き)

2019年5月から週刊ビッグコミックスピリッツに連載されているオジロマコトさんの同名コミックを原作に実写映画化された作品で、主要スタッフは、監督:池田千尋、脚本:高橋泉など。

公式サイトのストーリーによれば、

 

石川県七尾市に住む高校一年生・中見丸太は、不眠症のことを父親の陸に相談することもできず、ひとり憂鬱で孤独な日々を送っていた。そんなある日丸太は、学校で使われていない天文台の中で、偶然にも同じ悩みを持つクラスメートの曲伊咲と出会い、その秘密を共有することになる。天文台は、不眠症に悩む二人にとっての心の平穏を保てる大切な場所となっていたが、ひょんなことから勝手に天文台を使っていたことがバレてしまう。だが天文台を諦めきれない二人は、その天文台を正式に使用するために、天文部顧問の倉敷先生、天文部OGの白丸先輩、そしてクラスメートたちの協力のもと、休部となっている天文部の復活を決意するが――。

 

・・・というあらすじ。


公式サイトで紹介されている主要登場人物は、

  • 曲 伊咲(まがり・いさき)【森 七菜】:不眠症に悩む女子高生。

  • 中見 丸太(なかみ・がんた)【奥平 大兼】:眠れない夜を過ごし、偶然にも天文台で伊咲と出会う男子高生。

  • 倉敷 兎子(くらしき・うさこ)【桜井 ユキ】:天文部顧問となる養護教諭

  • 白丸 結(しろまる・ゆい)【萩原 みのり】:天文部のOGで、倉敷の紹介で中見たちに天文部の活動についてアドバイスする。ゲームセンターの店長。

  • 受川 太鳳(うけがわ・たお)【上村 海成】:丸太の幼馴染で、生徒会委員。

  • 穴水 かなみ(あなみず・かなみ)【安斉 星来】:伊咲の友達で、ソフトボール部。

  • 蟹川 モトコ(かにかわ・もとこ)【永瀬 莉子】:伊咲の友達。よくしゃべる。

  • 野々 三奈(のの・みな)【川﨑 帆々花】:伊咲の友達で、美術部。

  • 曲 早矢(まがり・はや)【工藤 遥】:大学生の伊咲の姉。

  • 伊咲の父親【斉藤 陽一郎】

  • 伊咲の母親【MEGUMI

  • 丸太の父親【萩原 聖人】

  • 伊咲の幼馴染の母親【田畑 智子】:伊咲が子供のころ入院していた時の亡くなった友人の母。伊咲を可愛がっている。

  • 歴史資料館の館長【でんでん】:丸太と伊咲が真脇遺跡を訪れた際に出会った男性。

というもの。

 

石川県七尾市を舞台に、ともに不眠症の女子高校生と男子高校生が学校の使われていない天文台で偶然出会い、距離を縮めていく青春ストーリー。壁にぶつかりながらも真っすぐに向かっていく高校生の姿が清々しく、心地よい余韻の残る作品でした。主人公の伊咲を演じた森七菜の飛び跳ねるように表情豊かな演技が印象に残りました。七尾市をはじめ能登半島の美しい風景もいい空気感を醸し出していました。

 

思い切りネタバレになりますが、自分の備忘を兼ねて、詳しめにあらすじを記すと、次のような感じでした。(多少の記憶違いはあるだろうと思いますが)

 

不眠症の中見は、昼休み、当番になっていた中庭の掃除をさぼって寝ていると、蟹川に天文台に脚立を取ってくるよう指示される。天文台はお化けが出ると噂の場所だった。階段を上がって最上階にある天文台に行くと、鍵が開いていた。物置のようになっている室内に入ると、1人の女子が寝ているのに気が付く。驚く中見。曲は不眠症であることを明かし、ここに寝に来ていること、お化けが出るといううわさも自分が流したことを話す。中見が中に入った時に扉を閉めてしまったため、かぎが壊れて外からでないと開かない扉に閉じ込められてしまう2人。中見は曲に持っているスマホで連絡して外から開けてもらえばいいというが、曲は心配させるから誰にも言っていない、そんなことできないと拒む。中見は自分が不眠症であることを受川にだけ打ち明けているから連絡すればたぶん開けてもらえると話す。曲は中見にスマホを差し出し、中見は受川に連絡する。しばらくして受川がやってくると、曲は鍵の番号を中見に教えて、逃げるように出ていく。誰なのか尋ねる受川に中見は、お化けだという。

数日間、中見は天文台に顔を出さなかったが、共に寝不足でボーっとして体育の時間に怪我をした2人は保健室で鉢合わせし、それをきっかけに再び中見は天文台に行くようになり、意気投合した2人は、天文台の中を片付けて、ドームを動かす。曲は、中見と「夜のお楽しみ会」を結成し、夜に外で待ち合わせする。父が夜勤の中見は支障なく出てくるが、夜に初めて家族に黙って出かけた曲は気持ちが高ぶる。夜の街を探検するように歩く2人。巡回の警察官から身を隠し、中見の背中に頭を当てた曲は、曲の胸の鼓動を感じる。

捨てられるソファーを天文台に運び上げる2人だが、天文台のドームが動いたことに気づいた養護教諭の倉敷によって2人は見つかってしまう。中見は自分たちの居場所がここしかない、許してほしいと頭を下げ、曲も頭を下げる。倉敷は、天文部として認められれば天文台が使えるとアドバイスして顧問を引き受け、天文部OBの白丸を紹介する。

白丸を訪ねた2人は、助言に従って、星空観望会を開くことを考える。顧問に話すが、2人だけで開催できるのか指摘する。中見は美術部の野々にポスター制作を依頼すると、望遠鏡などの絵では面白くないと、野々は中見と曲にポーズを取らせてスケッチする。さらに、生徒会の受川、ソフトボール部の穴水、飲食店でバイトしている蟹川にもイベントの手伝いを依頼する。中見は野々が描き上げたポスターを街中のお店などに貼ってもらい、準備を進める。

しかし、観望会の当日、本降りの雨となり、顧問は観望会の中止を告げる。自分がやるといつもダメになってしまう、と自らを責める中見。手伝ってくれた友人たちに謝ると、外に駆け出す。街中に貼ってもらったポスターを剥がして回る中見のもとに、曲が駆けつける。曲は、自分が小さいころに手術をして心臓が片方しかないことを打ち明け、ダメになってない、前に進んでいる、と中見を慰める。

再び白丸を訪ね、部員が自分1人になっても廃部にならなかったのは、写真コンテストで入賞したことが大きいと聞いた中見は、写真を撮り始める。以前、父親からクリスマスに買ってもらったカメラを引っ張り出し、星空の撮影方法を勉強する中見。

夏休みに入り、2人は能登半島の星空撮影スポットをめぐる撮影合宿を計画する。顧問は中見の父親を訪問して了承を求める。不眠症であることを知っているか尋ねると、父親は知らなかった。父親は、それは、母親が朝食だけ準備して夜中に出ていったと話す。そして父親は合宿への参加は無理だと前言を撤回するが、顧問は、中見は大丈夫、前に進んでいる、と話す。曲の両親にも訪問し、両親は、曲の姉が同行することを条件に認める。

姉が運転する車で今は使われていない曲の祖父母の家に行った2人。高台にある近くの神社に行って撮影の準備をする中見に、姉がやってきて、曲はやめておきなと話すが、中見は、心臓の手術をしたことは知っていることを話し、自分にはまぶしい人だと話す。翌日、姉は親には内緒で祖父の家を出て彼氏と会いに行く。曲は文句を言い姉と言い合いになるが、出かけ際に姉は、曲の病気で両親がずっと曲にかかりきりだったことを話し、自分は曲をかわいそうだと接しないことにした、と話す。
しかし、姉が内緒で彼氏と旅行していたことがバレて、曲の親が2人を迎えに来ることになる。中見は、祖父の家を掃除した後、自分にさらわれてほしいと曲に話し、白丸が入賞作品を撮った場所で、撮影の最終目的地だった能登町にある真脇遺跡にバスで向かう。

真脇遺跡に着いた2人に、歴史資料館の館長が声を掛ける。その話を聞いて、2人は時の流れに思いを馳せ、未来について話す。日が暮れて、一晩撮影するためテントを張って撮影に臨む2人。中見は曲に好きだと告白する。すると曲は、人生で一番幸せな自分を取ってほしい、と言い、中見は曲の写真を撮り、曲もスマホで中見の写真を撮る。しかし、2人が帰ってくるころには、曲の体調は悪化していた。両親は曲に駆け寄り、謝る中見には構わず、曲を連れていく。

中見の父は中見を連れて曲の両親に謝罪に行くが、両親は、中見を信用していたのに残念、何かあってからでは遅い、曲にはもう天文部の活動はさせない、と告げる。中見の父親は、平謝りするが、しかし、中見はわがままひとつ言わない子で、と言う。

夏休みが明けるが、曲は学校を休む。友人たちは心配するが、穴水は、詳しくは知らないが心臓の手術をしたことがあって、たぶん今も病院に行っているはず、と話し、初めて聞く蟹川は驚く。

そんなある日の朝、力になれなかったことを詫びる父に、中見は、わがままを言わないのではなく、言えなかった、言ったらまたいなくなってしまうのではと不安だったと言う。父は、それは自分のせいだ、丸太は前に進んでいると話す。

一方、入院することになった曲は、その前日、自分を可愛がってくれている亡くなった友人の母親の家を訪ねる。母親はいつものように曲を褒めるが、曲は、もう来たくないと思うこともあったが、彼女がいつも褒めてくれるのが辛かったと本心を打ち明け、涙する。彼女は、本心を話してくれたことに感謝し、曲を元気づける。

やる気を失って天文台でぼんやりしている中見のもとに突然白丸が訪ねてきて、中見の写真がコンテストで入賞したことを知らせる。
中見は、受川、穴水、蟹川、野々に集まってもらい、このまま終われない、再び観望会を開きたいので力を貸してほしいとお願いし、4人はそれを快諾する。曲が入院することを知った中見は、走って曲の家まで向かい、玄関先で、どうしても伝えたいことがある、ちょっとだけでいいので、と曲の母親にお願いするが、母親は曲を刺激させたくないと断る。しかし、その声を聞いた曲が窓を開けて中見を見つける。中見は写真が入賞したことを報告すると、曲は喜ぶ。そのやり取りを聞いた母親は、よろしくお願いします、と中見が差し出した写真を受け取り、家に入っていく。その後、曲は、自分も中見が好き、大好きだと告白する。

(ここまで)

 

ちなみに、今年4月から6月まで、いわゆる2023年春クールに、テレビアニメ版の「君は放課後インソムニア」もテレビ東京などで放送されていました。私は配信で最初の1~2話を試しに眺めてみたのですが、キャラクターなど画調が今一つ好みの感じではなくて、その先は見ないままになっていました。実写版とどう違うのか、もう一度試しに見たい気もします。