鷺の停車場

映画、本、グルメ、クラシック音楽、日常のできごとなどを気ままに書いています

劇場アニメ「アリスとテレスのまぼろし工場」

仕事帰りにMOVIX亀有シアターに行きました。


平日の夜19時半ごろ、ロビーのお客さんは少なめでした。


この時間からの上映スケジュール。この日は、既に上映が終わった回を含めて、27作品・31種類の上映が行われていました。


この日観るのは、「アリスとテレスのまぼろし工場」(9月15日(金)公開)。全国324館と大規模な公開です。


スクリーンに向かう通路の壁には、タペストリーも飾られていました。


上映は170+2席のシアター4。お客さんは20~25人ほどでした。


(チラシの表裏)

 

さよならの朝に約束の花をかざろう」に続く岡田麿里の脚本・監督によるオリジナル長編アニメーションで、その他の主要スタッフは、副監督:平松禎史、キャラクターデザイン:石井百合子、制作:MAPPAなど。主題歌は中島みゆきの「心音」です。

 

主な登場人物は、

  • 菊入 正宗【榎木 淳弥】:表向きはクールに振る舞っているが、家族のことや将来の夢、抑えつけた恋心など様々な葛藤を抱えている。絵を描く事が好き。

  • 佐上 睦実【上田 麗奈】:ミステリアスな正宗の同級生。周囲から控えめで優しい女子だと思われているが、本当は気が強い。連れ子として佐上家に入る。

  • 五実【久野 美咲】:製鉄所に閉じ込められている野生の狼のような少女。時さえも止まってしまい変化を禁じられたこの町で、唯一一人だけ成長を続けている。

  • 菊入 時宗【林 遣都】:正宗の叔父。普段は何も考えていないように見えるが、消えた兄の代わりに正宗とその母・美里行成とあを守ろうとしている。

  • 菊入 昭宗【瀬戸 康史】:正宗の父親。自称「逃げてばかりの人生」。美里からも一度は逃げた。結婚して落ち着いたはずが製鉄所の爆発事故をきっかけに失踪する。

  • 笹倉 大輔【八代 拓】:下ネタ好きで、何でもギャグにするお調子者。進路希望はフリーター、ただし他の町で。

  • 新田 篤史【畠中 祐】:いつも冷静で大人びた性格。何が起きても動じない。さりげなく皆をフォローしている。

  • 仙波 康成【小林 大紀】:おっとりした優しい性格。人前に出るのは苦手だったが、将来はラジオのDJになりたいと夢見るようになる。

  • 園部 裕子【齋藤 彩夏】:自分に自信が持てなくて、心の中に熱くてドロドロした想いを抱えている。

  • 原 陽菜【河瀨 茉希】:頭の回転が速くて活発で、男子に対しても堂々としている。だが、心の中は乙女でロマンチスト。

  • 安見 玲奈【藤井 ゆきよ】:ファッションもヘアスタイルもカワイイ系女子だが、性格は裏表のないサッパリ系。

  • 佐上 衛【佐藤 せつじ】:見伏神社の代々の社家。変わり者として嫌われていたが、爆発をきっかけに権力を手にする。 

というもの。

 

公式サイトで紹介されているストーリーによれば、

 

菊入正宗14歳。彼は仲間達と、その日もいつものように過ごしていた。すると窓から見える製鉄所が突然爆発し、空にひび割れができ、しばらくすると何事もなかったように元に戻った。しかし、元通りではなかった。この町から外に出る道は全て塞がれ、さらに時までも止まり、永遠の冬に閉じ込められてしまったのだった。

町の住人たちは、「このまま何も変えなければいつか元に戻れる」と信じ、今の自分を忘れないように〈自分確認票〉の提出を義務とする。そこには、住所、氏名、年齢だけでなく、髪型、趣味、好きな人、嫌いな人までもが明記されていた。

正宗は、将来の夢も捨て、恋する気持ちにも蓋をし、退屈な日常を過ごすようになる。
ある日、自分確認票の〝嫌いな人〟の欄に書き込んでいる同級生の佐上睦実から、「退屈、根こそぎ吹っ飛んでっちゃうようなの、見せてあげようか?」と持ち掛けられる。

正宗が連れて行かれたのは、製鉄所の内部にある立ち入り禁止の第五高炉。そこにいたのは、言葉も話せず、感情剥き出しの野生の狼のような謎の少女。この少女は、時の止まったこの世界でただ一人だけ成長し、特別な存在として、長い間閉じ込められていた。

二人の少女とのこの出会いは、世界の均衡が崩れるはじまりだった。
止められない恋の衝動が行き着く未来とは?

 

・・・というあらすじ。

 

最後まで引きつけられる展開の作品でした。ファンタジー要素を取り込んだ世界観ですが、見事な美術・丁寧で躍動感ある作画は圧倒的で、物語にリアリティを感じさせていました。また、終盤の展開の契機となる正宗と睦美のキスシーンなどは、映像の鮮やかさだけでなく、生々しい感情を描く脚本の巧みさも感じました。

劇中に織り込まれた伏線やメタファーなどは、私にはにわかに理解が及ばなかったところもあって、前作の「さよならの朝に約束の花をかざろう」ほどには心に響きませんでしたが、一方で、改めて観ることで、初回観た時には理解が及ばなかったところが理解できれば、より感銘を受けるのではないだろうか、という気もしたので、機会あればもう一度観てみたいと思います。


なお、入場者特典の「恋する狼少女「五実」ビジュアルカード」をいただきました。公式サイトによると、6週連続で入場者プレゼントが用意されるとのこと。6回も観に行くことはないと思いますが、ひとまず、2週目のどこかで再度観に行ってみようと思います。