平日の夜、MOVIX亀有に行きました。
この日の上映スケジュール。夜まだそれほど遅くない時間帯ですが、ロビーの人は少なかったです。
観るのは「恋する寄生虫」(11月12日(金)公開)。ネットでの口コミ評価を見て、行くかどうかしばらく迷っていたのですが、この映画館も含め、この週で上映終了になる映画館が多そうなので、観に来ることにしました。
上映は139席のシアター7。お客さんは10人弱という感じでした。
チラシの表裏。
公開日公表前に配られていたチラシ。
2016年に刊行された三秋縋の同名小説を基に、実写映画化した作品で、監督:柿本ケンサク、脚本:山室有紀子などの主要スタッフ。
公式サイトのストーリーによれば、
極度の潔癖症で人と関わることができずに生きてきた青年・高坂賢吾。
ある日、見知らぬ男から視線恐怖症で不登校の高校生・佐薙(さなぎ)ひじりと
友だちになって面倒をみてほしい、という奇妙な依頼を受ける。
露悪的な態度をとる佐薙に辟易していた高坂だったが、
それが自分の弱さを隠すためだと気付き共感を抱くようになる。
世界の終わりを願っていたはずの孤独な 2 人はやがて惹かれ合い、恋に落ちていくが———。
・・・というあらすじ。
主な登場人物は、
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高坂賢吾【林 遣都】:8歳のときに両親を自殺で失ったことで、ひどい潔癖症となり人と接することができない孤独な青年。コンピューターに詳しく、秘かにウイルスを作っている。
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和泉【井浦 新】:佐薙の主治医。佐薙の母親の生前、彼女と恋愛関係にあった。
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瓜実【石橋 凌】 :佐薙の祖父で和泉が勤める病院の院長。寄生虫について研究している。
など。
三秋縋の小説は2冊ほど読んだことがありますが、「恋する寄生虫」は未読です。以前読んだ作品は、いずれも、現実にはあり得ない奇抜な設定の下で、若い男女が恋愛関係になっていく物語で、本作も、同じような感じなのだろうと思って観始めました。
冒頭、CGも使った刺激的な映像、落ち着かない音楽で、主人公の2人が紹介されます。その後も、尖った雰囲気のシーンが多く、三秋縋の小説とはかなりテイストが違うのだろうと思いつつ、うまく現実離れした作品の世界に引き込まれました。ところどころ腑に落ちない展開もありましたが、小松菜奈と林遣都の演技の上手さもあって、最後まで一気に観させられた感じです。
なお、エンドロールでは、三秋縋の小説「恋する寄生虫」は、「原案」としてクレジットされていました。ネットの口コミでは、エンディングなどが小説と違うことを批判する書込みもありましたが、「原作」としていないのは、小説を踏襲していない部分がそれなりにあるということなのでしょう。機会があれば、小説の方も読んでみようと思います。
ここから先はネタバレになりますが、社会に溶け込めない高坂と佐薙が互いに惹かれ合っていくが、それは子孫を残そうとする脳に寄生した寄生虫のせいで、放っておくと自殺に追い込まれてしまうため、瓜実たちは手術で寄生虫を摘出しようとするが、佐薙たちは摘出によってそれまでの自分の恋心が失われることに悩む・・・というのが物語の骨格。寄生虫が生存のため、宿主を、同じ寄生虫を持つ人間に恋をさせる、ということなので、「恋する寄生虫」ではなく「恋させる寄生虫」というのが正しいのかもしれません。