鷺の停車場

映画、本、グルメ、クラシック音楽、日常のできごとなどを気ままに書いています

テレビアニメ「葬送のフリーレン」①第1話~第4話

2023年秋クールで日本テレビで放送が始まった「葬送のフリーレン」、気に入って見続けています。

frieren-anime.jp

2020年4月から「週刊少年サンデー」に連載されている原作:山田鐘人・作画:アベツカサによる同名マンガを原作とした作品で、原作コミックは2021年に第14回マンガ大賞や第25回手塚治虫文化賞新生賞などを受賞しているそうです。主要スタッフは、監督:斎藤圭一郎、シリーズ構成:鈴木智尋、キャラクターデザイン・総作画監督:長澤礼子、音楽:Evan Call、アニメーション制作:マッドハウス など。

ネット記事などを見ても、2023年秋アニメの放映作品の中でも注目作品の筆頭に挙がる作品になっていますが、私自身は、もともとは、「響け!ユーフォニアム」シリーズや劇場版アニメ「リズと青い鳥」で鎧塚みぞれ、「この音止まれ」の鳳月さとわなどを演じて強く印象に残っていた種﨑敦美さんが主人公のフリーレンを演じると知って、興味を抱いて見始めてみたのですが、初回放送を見てすっかりハマってしまいました。

まずは、初回放送に2時間スペシャルとして放映された、第1話から第4話までを紹介します。

 

第4話までに登場する、名前が付いている登場人物とキャストは、次のとおりです。< >内がそれぞれのキャラクターが登場する放送回です。

  • フリーレン【種﨑 敦美】:千年以上生きるエルフで、勇者パーティーとして魔王を倒した魔法使い。魔法であればどんなものでも興味を持つ魔法オタク。性格はずぼらでドライ。仲間たちとの旅を経て、知らず知らずのうちにその心にも変化が現れる。<第1~4話>

  • フェルン【市ノ瀬 加那】:フリーレンの弟子として共に旅をすることになる魔法使い。ハイターに育てられた戦災孤児。冷静な少女で、生活面でずぼらなフリーレンのお母さん役。<第1~4話>

  • ヒンメル【岡本 信彦】:魔王を倒した勇者パーティーの勇者で、自称イケメンのナルシスト。仲間思いで、困っている人を助けずにはいられない。10年間共に冒険をしたフリーレンに大きな影響を与える。<第1~4話>

  • ハイター【東地 宏樹】:魔王を倒した勇者パーティーの僧侶。ヒンメルの幼馴染で、高度な回復魔法を操る優秀な僧侶だが、酒好き。戦災孤児だったフェルンの育ての親。<第1~4話>

  • アイゼン【上田 燿司】:魔王を倒した勇者パーティーの戦士。頑強なドワーフ族でパーティーの前衛を務める。寡黙だが、パーティーの中ではツッコミ役。シュタルクの師匠。<第1~4話>

  • フランメ【田中 敦子】:1000年以上前に生きた、歴史において英雄と称される人間の大魔法使いで、フリーレンの師匠(せんせい)<第4話>

  • クヴァール【安元 洋貴】:“腐敗の賢老”の異名を持つ魔族。自身が編み出した「人を殺す魔法<ゾルトラーク>」を使い、魔族の間でも天才と称される。ヒンメルやフリーレンたちとの戦いの末に封印されている。<第3話>


各話ごとのあらすじは、次のとおりです。< >内が公式サイトのストーリーで紹介されている内容になります。

#01 冒険の終わり

<魔王を倒し王都へ凱旋した勇者ヒンメル一行。各々が冒険した10年を振り返りながらこれからの人生に想いを馳せる中、エルフのフリーレンは感慨にふけることもなく、また魔法探求へと旅立っていく。50年後、皆との約束のためフリーレンは再び王都へ。その再会をきっかけに、彼女は新たな旅へと向かうことに―。>

魔王を倒し、10年の旅を終えて馬車に乗り王都に帰る勇者ヒンメル岡本信彦、戦士アイゼン(上田耀司)、僧侶ハイター東地宏樹、魔法使いフリーレン(種﨑敦美)の一行。ヒンメルは帰ったら仕事を探さないと、この先の人生の方が長いと口にしフリーレンに、この先の人生は僕たちには想像もできないほど長いものになるのだろうね、と言う。王都に凱旋し、王宮で王様(佐々健太)から功績を称えられた後、街はお祝いムードで盛り上がる。4人は思い出話に花を咲かせ、夜空には50年に一度しか見られないエーラ流星が輝く。フリーレンはもっときれいに見える場所を知っているから案内するよ、と言い、50年後の再会を約束する。翌朝、フリーレンは魔法の収集に1人で旅立つ。

調合に使おうとした暗黒竜の角が手に入らず、魔王城で拾った角をヒンメルに預けたままになっていたことを思い出したフリーレンは、もうすぐエーラ流星の時期だし、と50年ぶりに王都に戻ってヒンメルの家を探す。そこに現れたヒンメルは年老いて背も縮んでいた。フリーレンはエーラ流星を見にヒンメルと出発し、アイゼン・ハイターとも合流し、流星がきれいに見える場所まで1週間の冒険に出る。到着して流星を見る4人。ヒンメルは、僕は全員が揃うこの日を待ち望んでいたんだ、ありがとう、君のおかげで最後にとても楽しい冒険ができた、とフリーレンに感謝する。

その後間もなく、ヒンメルが亡くなる。その葬儀にアイゼン・ハイターとともに出席したフリーレンは、私はこの人のことを何も知らない、たった10年一緒に旅しただけだ、人間の寿命は短いと分かっていたのに、なぜもっと知ろうと思わなかったんだろうと涙を流す。葬儀が終わり、フリーレンはハイター・アイゼンと別れ、私はもっと人間を知ろうと思う、と再び旅立つことにする。フリーレンはアイゼンを前衛に誘うが、アイゼンはもう斧が降れる歳じゃないと辞退し、1人で歩き出す。

ヒンメルの死から20年後、中央諸国の聖都シュトラール郊外に住むハイターの家を探すフリーレンは、幼いフェルン市ノ瀬加那に声を掛けられ、ハイターの家に案内される。フェルンは南側諸国の戦災孤児で、ハイターと一緒に暮らしていた。ハイターにはたくさん借りがあるから死なれる前に返しに来たというフリーレンに、ハイターは魔法使いとしての素質があるフェルンを弟子にして、一緒に連れて行ってくれないかと頼むが、フリーレンはそれだけはできない、足手まといになる、友人から預かった子を死地に送るつもりはない、と断る。ハイターは代わりに魔導書の解読と、解読の片手間にフェルンに魔法の指導を頼み、フリーレンは、それを引き受ける。

森で魔法の修行するフェルンをやっと見つけたフリーレンは、魔力探知にほとんど引っかからないフェルンの卓越した魔法操作技術に驚く。

#02 別に魔法じゃなくたって…

<森深くに暮らすハイターを訪ねたフリーレンは、彼と共に暮らす孤児フェルンと出会う。ハイターから頼まれ彼女に魔法を教えるフリーレン。そしてある出来事を機に、共に旅立っていく。
旅先でヒンメルの銅像がある村を訪れたフリーレンは、生前彼が好きだと言っていた花のことを思い出し…。>

フェルンに魔法の指導を始めたフリーレン。魔法の量と打ち出す強さが足りないが、一朝一夕に何とかなるものではない、気長に取り組むことだ、とフェルンに助言する。それから4年が経ち、修行に打ち込むフェルンは常人なら10年かかる道を超えていた。そんなとき、ハイターが倒れ、寝込んでしまう。フリーレンは修業は中止だ、ハイターのそばにいてやってくれと告げるが、フェルンは、私はハイターに命を救われた、一人で生きていく術を身に付けるのが私の恩返し、もう大丈夫だと思ってほしいのです、と言い、修行を続ける。

そして、魔導書の解読を終えたフリーレンがハイターにそれを告げると、ハイターはフェルンの上達ぶりを尋ねる。一人前と言っても遜色ないレベルだ、とのフリーレンの答えに、間に合いましたか、もう足手まといではありませんね、と言う。謀ったな、と言うフリーレンにハイターは、自分はもう長くない、フェルンにこれ以上誰かを失う経験をさせたくない、今夜にはフェルンを連れて出発してほしいと言うが、フリーレンは、お前が死ぬまでにやるべきことは、フェルンにしっかり別れを告げて、なるべくたくさんの思い出を作ってやることだ、と言って涙する。ハイターにフェルンを救った理由を尋ねたフリーレンは、ハイターの答えを聞いて、じゃあ私もそうするかな、と思い、ハイターの死を見届けた後、フェルンを連れて旅立つ。

ヒンメルの死から26年後、中央諸国のターク地方で、民間魔法を書いた書を報酬に農夫(喜屋武和輝)からカボチャ収穫の仕事を請け負うフリーレンたち。そして、ヒンメルの銅像がある村を訪れる。薬草家の女性さとうあいは、荒れ放題のヒンメルの銅像をきれいにしてほしいと頼み、ヒンメルは村を救ってくれたのにこんな仕打ちはあんまりだと嘆く。銅像の周りをきれいにしたフリーレンは、ヒンメルの故郷の花の蒼月草を見せてあげたいと言っていたことを思い出し、銅像の周りを蒼月草の花畑にしようと考え、見たことがなく、絶滅したという蒼月草を探すことにする。蒼月草を探し出して半年になり、フェルンはフリーレンが悠長に時間を使うことに苛立つ。フェルンの抗議を受けて、探し出すのを諦めようとしたとき、偶然のきっかけで蒼月草が群生する場所を発見し、魔法で銅像の周りを蒼月草でいっぱいにする。

#03 人を殺す魔法

<交易都市ヴァルムへとやって来たフリーレンとフェルン。買い出しを手分けしようと言うフリーレンの様子を怪しむフェルンは彼女の後をつけることに。果たしてフリーレンの目的は…。その後、2人はとある村にやってくる。そこにはかつてフリーレンとヒンメルが戦った魔族・クヴァールが封印されていた。>

ヒンメルの死から27年後、中央諸国の交易都市ヴァルムにやってきたフリーレンとフェルン。フリーレンは手分けして買い出しをしようと言うが、これは何か隠している時の顔だ、こういう時は碌なことがないと直感したフェルンは隠れてフリーレンを尾行する。フリーレンはアクセサリーショップでかなり悩んだ末にアクセサリーを購入し、街の人に美味しいスイーツの店を尋ね回る。慌てて自分の買い出しを済ませ、宿に帰ってきたフェルンに、フリーレンはたまには甘いものを食べに行こうと店に誘い、買ってきた髪飾りをフェルンに贈る。フェルンの誕生日のお祝いだったのだ。フェルンは、フリーレンが自分を知ろうとしてくれたがたまらなく嬉しいと伝える。

翌日、贈られた髪飾りをして歩くフェルンに旅の目的を尋ねられたフリーレンは、魔法収集の趣味の旅で特に目的はないが、風化する前にヒンメルたちとの冒険の痕跡をできる限りたどっていきたいと話す。

フリーレンは中央諸国のグレーセ森林でフェルンに防御魔法の稽古をつけた後、「腐敗の賢老」の異名を持つ魔族・クヴァール安元洋貴が封印されている村にやってくる。出迎えた老人園部啓一は封印場所にフリーレンたちを案内し、30年ほど前までヒンメルが毎年のように封印の様子を確認に来ていたこと、フリーレンは冷たいが封印が解けるころにはやってくると言っていたことを話す。

その夜、クヴァールを封印した理由を尋ねたフェルンにフリーレンは、単純に強く勝てなかった、奴が開発した史上初の貫通魔法・ゾルトラークで多くの者が殺された、しかし、強すぎることが仇となったと話す。

翌日、フリーレンはクヴァールを討伐するため、封印を解く。クヴァールはゾルトラークを放つが、フェルンは防御魔法でそれを防ぎ、ただの一般攻撃魔法だと驚く。フリーレンは、この間に人類の魔法の研究が進んで魔法体系に組み込まれ、対処法が確立されて人を殺す魔法ではなくなったとクヴァールに告げる。クヴァールは防御魔法の弱点にすぐに気づいて再び攻撃するが、フェルンが防御して隙を作ったところで、フリーレンがゾルトラークを放ち、クヴァールは死ぬ。村に戻ったフリーレンは老人たちから感謝されるが、フリーレンはその老人がかつて自分のスカートをめくったクソガキであることに気づく。

#04 魂の眠る地

<フリーレンとフェルンはアイゼンを訪ねる。旧交を温める中、「大魔法使いフランメの手記」を探すことを手伝ってほしいと頼むアイゼン。3人は、ハイターが生前に割り出した手記が眠る場所がある森奥深くへ。フランメの手記と呼ばれるものはほとんどが偽物だというが、その場所にあるのは偽物か、それとも…?>

ヒンメルの死から28年後、中央諸国のグランツ海峡にやってきたフリーレンたち。フリーレンはフランメの著書とされる魔導書を報酬に、漂流物が散乱する海岸の清掃の仕事を引き受ける。フランメの著書に本物なし、これも出来の悪い偽物だと言うフリーレンに、なんで引き受けたのか、ただの善意とは思えないとフェルンは質すが、フリーレンはこれは自分のためだ、と話す。村に滞在して3か月、冬が訪れ、フェルンは朝に弱く寒さが苦手なフリーレンを起こし、着替えさせて海岸に向かう。

清掃の進み具合を尋ねる村長(宮澤正)は、新年祭までに終わりそうだと聞いて、ぜひとも日の出を見てほしいとお願いする。この村では新年祭の日に日の出を見る習慣があったが、ヒンメルたちと来たときには、フリーレンは起きられずに日の出を見ていなかった。

何とか新年祭の前日に清掃を終え、フリーレンは徹夜して日の出を見る、興味はないが見て確かめるとフェルンに話す。ヒンメルたちと来たとき、ヒンメルが、君にも楽しんでほしかった、と言っていたことを思い出す。フェルンが目覚めるとフリーレンは眠っていた。フェルンに起こしてもらい朝日を見に行ったフリーレンは、きれいだけど早起きしてまで見るほどのものじゃないと思うが、とてもきれいですね、と目を輝かせるフェルンを見て、80年前にヒンメルが言っていたことの意味を悟る。

ヒンメルの死から28年後、中央諸国のブレット地方に30年ぶりにアイゼンを訪ねる。手伝ってほしいことはあるかと尋ねるフリーレンに、アイゼンはハイターと文通していたことを明かし、フォル盆地で大魔法使いフランメの手記を探してほしいと言う。ほとんど偽物だとフリーレンは言うが、アイゼンは生前にハイターが割り出した場所だと言う。大きな木を探して森の奥に進むと、遺跡を飲み込んだ大樹が見つかる。

なぜフランメの手記を探そうと思ったのか尋ねたフリーレンに、アイゼンは、30年前にフリーレンがヒンメルをもっと知っておけば、と言った言葉は、ヒンメルに直接伝えてやるべきものだ、フランメの手記には死者と対話したという記録が残っているとされている、お前はきっと後悔しているだろうから手助けしたかった、と語る。

大樹までやってくると、強力な結界が張られていた。1000年も前のことなのに結局私は先生の掌の上か、とフリーレンはつぶやき、生前のフランメ田中敦子がフリーレンに、お前はいつか大きな過ちを犯し、人を知りたいと考えるようになる、そのときはここに帰ってこい、手助けしてやる、と語ったことを思い出す。結界を解除して進んだ部屋の中には手記が置かれていた。それを確認したフリーレンは本物だ、と言い、なぜ本物だと分かるのか訝しむフェルンにアイゼンは、フリーレンはフランメの一番弟子だと明かす。

手記には、フランメが大陸のはるか北の果て、魂の眠る地「オレオール」でかつての戦友たち対話したと記されていた。それは、今は魔王城がある「エンデ」と言われる場所だった。アイゼンはオレオールに行ってヒンメルと話すよう勧める。行く当てのない旅を続けていたフリーレンは、寒さに怖気つきながらもオレオールに行くことを決める。

馬車で戻る途中、フリーレンはいい師匠かとフェルンに訪ねたアイゼンは、フェルンの話を聞きながら、80年前の王都での別れの際、弟子を取らないのか、旅は話し相手がいた方がいいとのアイゼンの勧めに、時間の無駄だ、いろいろ教えてもすぐに死んでしまうと拒み、みんなとの冒険だって私の人生の100分の1にも満たない、とフリーレンが言っていたことを思い出し、そいつはいい師匠だと語る。

そして、フリーレンとフェルンは、アイゼンに別れを告げ、オレオールに向けて旅立つ。フェルンが、ヒンメルたちが魔王城を目指した道のりと同じなんですね、と言うと、フリーレンは、そうだね、たった10年の冒険だよ、と言う。

(ここまで)

 

9月29日(金)の日本テレビでの放送時は、ネットでも話題になりましたが、21時からの「金曜ロ―ドショー」枠で「初回2時間スペシャル ~旅立ちの章~」として、以上の第1話から第4話までが一括して放送されました。「金曜ロードショー」でテレビアニメシリーズの初回が放送されるのは初めてとのことで、放送する日本テレビの並々ならぬ熱意が感じられる異例の扱いでした。

ここまで一気に続けて視ることで、ヒンメルたちとの魔王を倒す旅を終えたフリーレンが、魂が眠る地「オレオール」を目指して、再び同じ道のりを歩む旅に出るまでがよく分かり、次への期待をより大きくする効果があったのだろうと思います。もし、通常のように初回が第1話だけで終わり、第2話まで1週間開いてしまっていたら、ここまでの注目を集めることはなかったのではないでしょうか。

なお、日本テレビでの放送時は、第1話の冒頭にオープニングテーマのYOASOBI「勇者」、第4話の最後には通常のエンディングテーマのmilet「Anytime Anywhere」でなく、スペシャルエンディングテーマのmilet「bliss」が入ったのみで、各話の間にはテーマ曲や次回予告は入らず、4話分の本編が続けて放送される形(各話の中間・第2話と第3話の間、第3話と第4話の間にはコマーシャルが挿入)でしたが、その後の配信されたバージョンでは、各話ごとにオープニングテーマと通常のエンディングテーマ、次回予告が追加されています。

公式Xでは、放送回に対応する原作コミックを公開していますが、美しい画像でアニメ化されることで、より魅力が増しているように思います。

第5話以降の続きは改めて。