鷺の停車場

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テレビアニメ「聖女の魔力は万能です」Season2(第2期)②第4話~第6話

今年10月からの秋クールにTOKYO MXなどで放送されているテレビアニメ「聖女の魔力は万能です」第2期の「聖女の魔力は万能です SEASON2」、引き続き見続けています。

ここでは、ザイデラ国の皇子・テンユウとのエピソードが描かれた第4話から第6話までを紹介します。

seijyonomaryoku.jp

カドカワBOOKSから刊行されている橘由華さんの同名ラノベを原作にテレビアニメ化した作品で、主なスタッフは、監督:井畑翔太、シリーズ構成:渡航、キャラクターデザイン:石川雅一、アニメーション制作:ディオメディアなど。

 

前回の繰り返しになりますが、公式サイトで紹介されている主な登場人物は、次のとおりです。

  • セイ(小鳥遊 聖)【石川 由依】:朝から深夜まで仕事漬けだった20代の会社員。スランタニア王国の「聖女召喚の儀」によって、突然見知らぬ異世界に喚び出されてしまう。元々植物好きだったこともあり、自ら望んで薬用植物研究所で働く。真面目な性格と探究心の強さに聖女としての魔力が加わり、魔法やポーション作りで5割増しのパワーを発揮する。ただし、恋愛方面はちょっと不慣れ。

  • アルベルト・ホーク【櫻井 孝宏】:王宮第三騎士団の団長。ホーク辺境伯家三男。騎士団では所属する騎士たちからの信頼も厚く、よきリーダーとしての姿を見せる。ブルーグレーの瞳を持ち、そのクールな印象の外見と氷属性魔法の使い手であることから、多くの女性たちに「氷の騎士様」と呼ばれている。だが、セイの前では柔らかな表情を見せることも……。

  • ヨハン・ヴァルデック【江口 拓也】:薬用植物研究所の所長。ヴァルデック伯爵家次男。王宮を飛び出したセイの事情を知りながら、研究所にあたたかく迎えてくれる。セイが持つ魔力の特異性には早々に気づくが、必要以上に口出しはせず、いつもおおらかに見守っている。アルベルトとは幼なじみで、次第に接近していくセイとアルベルトの関係を秘かに楽しんでいる様子。

  • ユーリ・ドレヴェス【小林 裕介】:宮廷魔道師団の師団長。もとは一般庶民であったが、魔法適性の高さを買われドレヴェス侯爵家に養子として迎えられた。人当たりのいい好青年に見えるが、当人は魔法や魔力の研究にしか興味がないという変わり者。魔法の使い手としては王国で敵う者がいないほどの実力を持ち、人に対して鑑定魔法を使える唯一の人物でもある。儀式によって聖女を召喚した張本人で、セイの未知数な魔力にはもちろん興味津々。

  • ジュード【八代 拓】:薬用植物研究所の研究員。セイを最初に研究所へ案内し、その縁で教育係を担当することになる。人懐っこく面倒見のいい性格で、セイが気軽に接することができる貴重な存在。

  • アイラ(御園 愛良)市ノ瀬 加那】:セイと同時に召喚された女子高生。聖女ではない自分が歩むべき道を模索し、セイのアドバイスで宮廷魔道師団に入団。新人魔道師として魔法の勉強をしている。セイとエリザベスのお茶会友達。

  • エリザベス・アシュレイ【上田 麗奈】:侯爵令嬢。王宮図書室での出会いをきっかけにセイと親しくなる。賢さと行動力を併せ持ち、誰に対しても分け隔てなく接する才女。セイの友人兼よき理解者として、彼女の幸せを願っている。

  • エアハルト・ホーク【梅原 裕一郎】:宮廷魔道師団の副師団長。ホーク辺境伯家次男。アルベルトの兄だが、弟以上にクールな雰囲気の持ち主。真面目な常識人で、上司であるユーリの破天荒な行動にいつも振り回されている。

  • オスカー・ドゥンケル【逢坂 良太】:セイが開発した商品を取り扱う新たな商会を立ち上げるために、ヨハンが呼び寄せた商人。同僚のフランツと共に、基本的な店舗経営や商品の生産管理などを担当する。

  • テンユウ【小林 千晃/稗田 寧々(幼少期)】:ザイデラ国の第十八皇子。母は皇帝の七番目の側室。ある目的のため、スランタニア王国の王立アカデミーに留学する。植物への造詣が深く、薬用植物研究所の視察も希望する。

  • セイラン【三木 眞一郎】:ザイデラ国の交易船の船長。モルゲンハーフェンの港で負傷した船員を助けてくれたセイを、交易品倉庫に招く。そこにあった積み荷の数々で、セイを感激させることになる。

公式サイトで紹介されている以上の11人のほかに、第4話から第6話までに登場する、名前が付けているキャラクターとしては、次の人たちがいます。

  • ジークフリート・スランタニア【山野井 仁】(第4・6話):スランタニア王国の国王。

  • ドミニク・ゴルツ【加藤 亮夫】(第4話):スランタニア王国の宰相。

  • マリー【磯辺 万沙子】(第4話):王宮でセイのお世話をする侍女。

  • フランツ【飛田 展男】(第5話):オスカーとともに、セイが開発した商品を取り扱う新たな商会を立ち上げるために、ヨハンが呼び寄せた商人。

  • テンジュン【浦 和希】(第6話):テンユウの母親違いの兄。

  • テンユウ母【新藤 みなみ】(第6話):テンユウの母で、ザイデラ国の皇帝の7番目の側室。

各話ごとのあらすじは、次のとおりです。< >内が公式サイトで紹介されているストーリーになります。

Episode 05「目的」

<研究所で遭遇して以来、留学生のテンユウは連日セイを探し回っていた。ごまかすのも限界と判断したヨハンは、聖女であることを明かさずにセイと会わせる。テンユウと植物談義で盛り上がったセイは、彼の目的が気にかかり……。>

それから、テンユウは薬用植物研究所に視察に訪れるたびに、セイはいないのかと同行するジュードに尋ねて探し回っていた。ジュードはもう限界だと音を上げ、テンユウもセイから会うのを避けられていると気付いているだろうと考えたヨハンは、セイを隠すのを諦め、王宮に掛け合った上で、セイを一研究員としてテンユウに会わせることにする。

興味津々で質問するテンユウに、自分の能力を明かさないよう気を付けながら対応するセイだったが、テンユウの詳しい知識に驚き、スランタニアと植生が違うザイデラでは違う薬草を材料にしているとの話に興味が湧いたセイは、テンユウと薬草談義で盛り上がってしまう。

ハッと気づいて話を終わりにしようとしたとき、テンユウはこの研究所では上級ポーション、例えば他では治せない状態異常を回復するようなポーションを作らないのか、と尋ねる。セイは、確かに知り合いに上級ポーションを作れる人はいるが、失敗することの方が多い、上級の材料は非常に高価で材料費の回収が困難なので、日常的に作るのは困難なため、自分も製作に挑戦することすら厳しいのが実情、と自分が作れることは隠して答える。それを聞いたテンユウは、私の勘違いだったか、と言って帰っていく。

テンユウが帰った後、テンユウと話すのは楽しいが、嘘をつくのは心が痛むとこぼすセイ。ヨハンたちとテンユウの目的が何なのか考えても結論は出ず、ヨハンは、セイが聖女だということ、聖女に何ができるのかということの2点は引き続き秘匿するようセイたちに話す。

セイは、攻撃は最大の防御だ、知識を仕入れる必要があると考え、テンユウとの話をザイデラの薬草に逸らそうと、オスカーとフランツに会ってザイデラの植物図鑑の入手を依頼する。2人は、モルゲンハーフェンで会ったセイランが上級ポーションを作れる薬師を探している、セイランにはテンユウが後ろ盾になっており、テンユウ自身が薬師探しを指示している可能性が高い、ただ、セイランに聖女の話題を振っても全然食いつかなかった、ザイデラの人々は聖女とは魔物討伐に秀でた者という程度の認識しかないようだと語り、セイと2人は、ただポーション作りの才能のある人間を探したいだけ、という結論に至る。

上級ポーションならザイデラの方が探しやすいはずなのに、と逆に気になったセイは、テンユウに探りを入れようと考える。作戦会議をしようと図書館でエリザベスを待つセイだったが、やってきたのはアルベルトだった。アルベルトは来週から魔物が多く出るようになった故郷にしばらく里帰りすることになったので、出発前に顔が見たかったと話す。そこにやってきたエリザベスは、2人に遠慮して帰っていく。協力させてくれと申し出るアルベルトに、セイがテンユウの目的を探りたいと話すと、アルベルトはある作戦を提案する。

そして、研究所にやってきたテンユウは、来週からは別の研究所に視察に通おうと思うとセイに語る。そこにやってきたアルベルトは、状態異常を回復する上級ポーションを知り合いの薬師に作ってほしいと依頼して去っていく。聞き耳を立てていたテンユウの反応を見て、効果あり、とセイは直感する。ヨハンはその作戦の大胆さに呆れるが、直感どおり、テンユウがセイと会いたいと言ってくる。

セイと会ったテンユウは、この間の話が耳に入った、その薬師を紹介してほしいとお願いする。セイは、気難しい方なので、と言って、いったい何を求めているのかと尋ねる。テンユウは、他言無用でお願いしたい、と釘を刺して、徐々に体力が失われて手足が動かせなくなる病に対応するポーションを探している、ザイデラの薬師では手の打ちようがなかった、その病にかかっているのは自分の母だ、と打ち明ける。

Episode 06「天祐」

<難病に苦しむ母がいるテンユウは、セイランがもらったポーションを手がかりに、優れた薬師を探していた。だが、どんな上級ポーションでも進行中の病に効くとは限らない。事情を知ったセイは万能薬作りに挑戦してみることに……。>

テンユウが幼い頃、皇帝がみんなを収穫祭に連れて行く、自分も兄さんたちと一緒に行っていいか、と尋ねるテンユウに、母は、なりません、あなたはお兄様たちとは違う、宮廷で目立ったことはしてはいけない、万が一にも敵を作らないように、と諭し、ごめんなさい、力のない母で、とテンユウに詫びる。

成長したテンユウ。勉学に励むテンユウに兄・テンジュンがお前も御前会議に顔を出せばいいのに、と声を掛けるが、テンユウは、政治には興味がない、皇位継承権があるといっても18番目、兄さんたちとは生まれも立場も違う、身の丈に合った生活ができればそれでいい、と言う。そこに、侍従が走ってきて、母が病に倒れたことをテンユウに知らせる。

テンユウは何年も寝たきりになっている母の病を治そうと、宮廷の書庫を調べる許可を得るが、母はこの体はきっと誰にも治せない、あなたは自分のことを考えなさい、あなたが健やかに生きてくれることだけが自分の喜び、と諭すが、テンユウにとって、母が健やかに生きてくれることだけが自分の喜びだった。

セイと会ったテンユウは、スランタニアで貴重なポーションを分け与えてもらったことを耳にし、きっと優れた薬師がいるに違いないと当たりを付けて留学に来た、セイがその薬師だと考えたときもあった、間違った推理だったが結果は幸いだった、腕の立つ薬師に仲介していただけることをありがたく思う、と話す。自分がその薬師であることを隠すことに内心胸を痛めながら、話を聞くセイ。さらに、母の状態は徐々に進行しており症状を語りつくすことができない、薬師に直接診てもらわないと症状に正確に対応するポーションを作ることはできないがそれは難しいだろう、とテンユウが語るのを聞いたセイは、いっそ、症状関係なく治せるポーションがあればいいのに、とつぶやく。それを聞いたテンユウは、そんなものがあれば夢のようだ、自分もここでできることはやってみる、薬師によろしく伝えてほしいと言って去っていく。

万能薬を作れないかというセイに、ヨハンは、もし作れたとしても、その製法をテンユウに提供していいかどうかは、自分だけでは判断できない、少なくとも宰相、場合によっては国王の許可が必要だと言うが、研究すること自体は応援すると後押しする。

万能薬について尋ねたコリンナからの返事には、万能薬については聞いたことがないが、その症状に効きそうな薬草について書かれていた。それは、王都では薬草扱いされていない植物だった。

テンユウと会ったセイは、ポーション作りがうまく進んでいないことを詫び、テンユウの留学中に作りたいと考えているようだ、と伝えると、テンユウは、母の病状が思わしくない、異国の地で離れて暮らすよりもそばにいてあげた方がいいのでは、と心の内を明かし、どれくらいの時間が残されているか分からないが、またお話できると嬉しい、と話す。

それを聞いて、早く完成させなければと思うセイのもとに、故郷から帰ってきたアルベルトがやってくる。お土産にアルベルトがセイに渡したのは、リンゴの花から採れたハチミツだった。それを紅茶に入れて飲んだセイは、研究に行き詰っていた気持ちが和らぎ、ハチミツは万病に効く、リンゴを1日1個食べると医者いらず、と効能についてアルベルトに話したところで、ハチミツとリンゴを組み合わせてポーションに使うことを思いつく。

セイはヨハンに話してリンゴを探してもらうが、季節外れで苗木しか手に入らない。セイは聖女の術を発動して苗木を成長させ、リンゴの実を実らせる。その様子を目の当たりにしたヨハンは目を丸くする。

日が経ち、ジークフリートは朝早くにテンユウを呼び出す。ジークフリートは、その昔、我が国に薬師の祖と呼ばれる薬師がいて、今では作れない薬の作成術にも長けていたと話し、王家に残されているその薬師が作ったとされる万能薬と呼ばれるポーションだ、と言って、テンユウの前にポーションを出し、我が国との友好の証に差し上げよう、とそれをテンユウに下賜する。テンユウは、自分は力なき皇子、これに見合う対価は用意できない、と最初は受け取りを固辞するが、ジークフリートは、対価はいらないとは言えないが、今すぐ用意しろと言うわけではない、投資だ、貴殿と本当の友人になりたいのだ、と語り、テンユウは感謝してそれを受け取る。

そして、セイのもとに、急に国元で用事ができたと帰国することになったテンユウからの手紙が届く。ジュードとセイは、扱いは陛下に任せたからどんなやりとりがあったかは分からないが、セイの作った薬を受け取ったから帰国するのだろうと話をする。セイは、いつかテンユウから母との話を聞けるといいな、と思うのだった。

セイランの船で帰国の途に就いたテンユウ。いったいどのような方が作られたのだろうと口にするセイランに、テンユウは、誰が作ったのかはわからないが、誰が尽力したのかはわかる、と話し、自分が万能薬について話をしたのはセイと話した一度きりだったから、きっと母を治してくれるだろう、と心の中で思うのだった。

(ここまで)

 

第2話でセイランに自作の上級ポーションを渡したことから招いた、テンユウとの一連のエピソード、最初は不穏な空気が漂う展開でしたが、最後は心温まる話に着地し、安心しました。

第7話以降については、また改めて。