鷺の停車場

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アニメ映画「劇場版 乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…」

休日の朝、MOVIX亀有に行きました。


ロビーはかなり混んでいました。


この日の上映スケジュールの一部。この日は、24作品・26種類の上映が行われていました。

観に来たのは「劇場版 乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…」(12月8日(金)公開)。

2014年から小説投稿サイト「小説家になろう」で連載が始まり、2015年から一迅社文庫アイリスで単行本の刊行が始まった山口悟の同名ライトノベルを原作として、2020年4月からの2020年春クールに第1期、2021年7月からの2021年夏クールに第2期が放送されたテレビアニメシリーズ「乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…」の劇場版。私自身は特にファンということではないのですが、最近になってテレビアニメシリーズにハマった家族に付き添う形で、観に行くことになりました。


スクリーン入口を入った廊下には、タペストリーが飾られていました。


上映は225+2席のシアター6。お客さんは40人ほどでした。


(チラシの表裏)

 

2期にわたって描かれたテレビアニメシリーズのその後を描いた、原作者が書き下ろした完全新作ストーリーだそうで、主要スタッフは、監督:井上圭介、構成:清水恵、脚本:清水恵・笹野恵、キャラクター原案:ひだかなみ、キャラクターデザイン・作画総監督:大島美和、アニメーション制作:SILVER LINK. など。

 

映画情報サイトでの紹介によると、

前世でプレイしていた乙女ゲーム「FORTUNE LOVER」の世界に悪役令嬢として転生してしまったカタリナ・クラエス。数々の破滅フラグを見事に回避して魔法学園を卒業した彼女は、春からの魔法省勤務を前に平穏な日々を過ごしていた。そんなある日、遠く離れた異国から商人の一行がやって来る。華やかなショーや踊り子たちに興味津々のカタリナだったが、どこか見覚えのある謎めいた少年と出会い、大事件に巻き込まれていく。

・・・という物語。

 

主な登場人物は、

  • カタリナ・クラエス【内田 真礼】:クラエス公爵の一人娘。8歳まではわがままな令嬢だったが、転んで頭を打って前世の記憶が蘇ったことで、前世でプレイしていたゲームの世界の悪役令嬢・カタリナに転生したことに気付き、ゲームの世界での破滅エンドを回避しようと奮闘する中で、誰からも愛される人物になった。魔法学園を卒業した後は魔法省に勤める予定。食べ物に目がない。

  • ジオルド・スティアート【蒼井 翔太】:ソルシエ王国の第三王子で、容姿端麗、頭脳明晰な美青年。8歳の時、もともとは他からの婚約話を避けるために、カタリナの額に傷をつけた責任を取るという名目でカタリナと婚約したが、人が変わったカタリナに興味を持ち、今はカタリナを本気で愛するようになっている。

  • キース・クラエス【柿原 徹也】:カタリナの義理の弟。魔力の高さからクラエス家の分家から本家に引き取られ、カタリナの弟となった。カタリナを女性として愛しているが、カタリナの無自覚さに頭を悩ませている。

  • アラン・スティアート【鈴木 達央】:ジオルドの双子の弟でソルシエ王国の第四王子。メアリの婚約者で、音楽の優れた才能を持つ。幼い頃はジオルドにコンプレックスを抱いていたが、カタリナと接するうちに克服していった。

  • ニコル・アスカルト【松岡 禎丞】:国の宰相であるアスカルト伯爵の子息。
    老若男女問わず人を引き付ける魔性の魅力を持つ。妹思いで、普段は無口で無表情気味だが、カタリナと接する中で、カタリナに惹かれ心を開くようになった。

  • メアリ・ハント【岡咲 美保】:侯爵家の四女でアランの婚約者。幼い頃は気弱だったが、カタリナと出会ったことで積極的になり、社交界でも名が知られるほどに成長した。カタリナが大好きで、カタリナを独占したがっている。

  • ソフィア・アスカルト【水瀬 いのり】:伯爵家の令嬢でニコルの妹。白い髪に赤い瞳のため、「呪われた子」と呼ばれたこともあったが、カタリナとの出会いで、ロマンス小説仲間となっている。普段はもの静かで穏やか。

  • マリア・キャンベル【早見 沙織】:転生前のカタリナがプレイしていたゲーム「FORTUNE LOVER」の本来の主人公。平民出身だが、光の魔力を持つため魔法学園に入学し、いじめられているところを助けてくれたカタリナと友人になった。優しく謙虚な努力家で、何事にも一生懸命。魔法学園を卒業した後はカタリナと同じく魔法省に勤める予定。お菓子作りが得意。

  • ラファエル・ウォルト【増田 俊樹】:カタリナより1つ年上のディーク侯爵の子息。かつては魔法学園の成績優秀者で生徒会長を務めていたが、闇の魔力を使ってカタリナの抹殺を企てたことで退学となり、今は現在は魔法省に勤めている。

  • アン・シェリー【和氣 あず未】:カタリナの幼い頃からカタリナに仕えている侍女。いつもカタリナに振り回されているが、カタリナを大切に思っている。

  • ソラ【鳥海 浩輔】:かつてはバーグ公爵家に仕える使用人で、闇の魔法を使ってカタリナを誘拐したこともあったが、今は魔法省に勤めている。

  • イアン・スティアート【白井 悠介】:ソルシエ王国の第二王子でジヨルドの兄。第一王子のジェフリーと並んで、次代の王の有力候補。

  • ポチ【内田 真礼】:カタリナが偶然手に入れた闇の使い魔。見た目は黒い子犬でカタリナからペットのように可愛がられている。普段はカタリナの影の中に潜んでいる。

  • アーキル【小野 賢章/羽鳥 颯希(幼少期)】:ムトラク王国からやってきた使者団の代表。口数は多くないが、心優しく、動物を操る能力を持つ。幼い頃に加わった商隊の仲間を家族のように思っている。

  • クミート【村瀬 歩】:商隊の一員の踊り子。中性的な美貌を持ち、ショーでは女形も演じる気さくな性格の青年。

  • ナシート【鬼頭 明里】:商隊の一員の双子の兄。幼い頃に親に捨てられたところを商隊に拾われた。

  • ハーティ【上田 麗奈】:商隊の一員の双子の弟。ナシートとともに、アーキルを兄のように慕っている。

  • アルクス【日笠 陽子】:商隊の一員の剣舞の舞手。人見知りな性格。

  • ピヨ【釘宮 理恵】:カタリナがポチを追いかけて倉庫に入った際に見つけた鳥の雛のような姿の生き物。ピヨピヨと鳴くことから、カタリナにピヨと名付けられた。

以上が公式サイトで紹介されているキャラクターですが、そのほかに次のようなキャラクターも出てきています。

  • あっちゃん【水瀬 いのり】:転生前のカタリナの親友でゲーム仲間。カタリナは知らないがソフィアに転生している。

  • カタリナ・クラエス(議長)【内田真礼】:カタリナの脳内で繰り広げられる脳内会議の議長役。

  • カタリナ・クラエス(弱気)【内田真礼】:脳内会議のメンバーの一員で、弱気な発言をする。

  • カタリナ・クラエス(強気)【内田真礼】:脳内会議のメンバーの一員で、強気な発言をする。

  • カタリナ・クラエス(真面目)【内田真礼】:脳内会議のメンバーの一員で、真面目な発言をする。

  • カタリナ・クラエス(ハッピー)【内田真礼】:脳内会議のメンバーの一員で、能天気な発言をする。

  • カタリナ父【横山 拓人】:カタリナの父でクラエス家本家の侯爵。心優しい性格。

  • カタリナ母【平松 晶子】:カタリナの母。しつけに厳しく、カタリナは戦々恐々としている。

  • 隊長【利根 健太朗】:ムトラク王国からやってきた商隊の隊長。

  • 聖獣【三宅 健太】:あることでカタリナたちの前に姿を現した巨大な鳥のような聖獣。

  • 店主【前田 雄】:ムトラク王国の商隊テントを訪れたカタリナが買い物をした店の店主。

  • ムトラク王【矢野 正明】:ムトラク王国の王様。アーキルにあることを命じていた。

  • 御者【高橋 伸也】:カタリナが乗る馬車の御者。かなりのスピードを出す。

  • マレット子爵【中國 卓郎】:アーキルのある企てに協力した子爵。

予告編が終わった後、本編の前に、とてもざっくりしたテレビシリーズ第1期・第2期のあらすじの紹介がありました。前に観たテレビアニメシリーズの劇場版でいえば、ガールズ&パンツァーなどと同じ感じです。ただ、主人公カタリナの境遇の説明はありましたが、他の主要キャラクターの紹介はなく、詳しくは小説か漫画、アニメを、という感じだったので、一見さん向けには紹介が不足しているように思います。せっかくこうした紹介を付けるのであれば、せめて、カタリナ取り巻きのサブキャラの紹介くらいはあった方が良かったのではないでしょうか。

さて、その後、本編が始まりました。ネタバレになりますが、備忘も兼ねて少し詳しめにあらすじを記してみます。


魔法学校を卒業し、魔法省で働くことになっているカタリナ、侍女のアンと馬車に乗って到着したところで、ポチが現れ、どこかに走り去ってしまう。それを追いかけるカタリナは、敷地内にある古い倉庫のような建物にポチが入っていくのを見る。
ポチを追ってその倉庫に入り、ポチがいた部屋に来ると、上から金色に輝くヒヨコのように丸っこい小鳥が落ちてくる。その小鳥はピヨピヨと鳴いてカタリナに懐き、カタリナはその小鳥を持ち帰る。飼いたいというカタリナに母親は難色を示すが、父親は快諾し、カタリナはピヨと名付けたその小鳥を飼い始める。

一方、兄・イアンから呼び出されたジオルドは、遠く離れたムトラク王国からの使者が予定よりもかなり早く到着することを聞かされ、受入れの準備を急ぐよう伝えられる。

一方のカタリナは、ピヨを肩に乗せてアンと馬車に乗っていると、異国の商隊のテントが目に入る。興味深々のカタリナはアンにお願いして寄り道してもらうと、見たこともない品物を売る露店が並び、舞台では妖艶なショーが行われていた。カタリナはピヨが気に入ったその国で崇められている聖獣の木彫りを買うが、ピヨはカタリナの肩を離れ勝手にどこかに行ってしまう。カタリナがその後を追うと、ピヨが入って行ったテントには、大きな虎がいた。虎に怯えるカタリナだったが、そこにミステリアスな青年が現れると、トラはおとなしくなり、青年の言うとおりにその場に座る。カタリナはその青年・アーキルから翌日にショーがあると聞き、そのショーを見に行くことにする。
翌日、メアリ、ソフィア、マリアを連れてショーを見に行ったカタリナは、ショーの後、一団の宴会に招かれ、仲間のナシート、ハーティ、アルクスたちを紹介され、その多くは親を失った孤児だと聞かされる。

一方、ジオルドは王宮でムトラク王国の使者を出迎える。アーキルはうやうやしく挨拶し、予定よりも早く到着したことを謝罪するが、王族の娘だという女性を紹介し、友好の証に王族に輿入れしたいと申し出る。
実は、アーキルは、ムトラク王国の第三王子で、王族が持っている動物を扱う能力にひときわ秀でていたことから、王に道具のように使われていた。それが嫌で商隊に入ったアーキルは、初めて暖かい人間関係に触れ、仲間を家族のように思っていた。そして、この国を訪れたのはある狙いがあったからだった。

ジオルドは、キースとニコルを呼び、王都を見て回るムトラク王国の女性を案内してほしいと依頼する。最初は文句を言うキースだったが、何か別の狙いがあるのではと警戒するジオルドが、本当に信頼できる仲間に監視を頼んだのだと気づいた2人は、女性たちをに同行して王都を案内する。

その夜、カタリナは、ある夜、夢で転生前の世界でプレイしたゲームを夢に見る。そのゲームでは、登場人物の青年は、王から聖獣を奪うよう命ぜられてそれを手に入れるが、その聖獣は呪われており、動物を扱う能力が高いその青年も聖獣を制御するために命をすり減らす。しかし、王は、青年の仲間たちを自由の身にする約束を反故にして、人質にした1人を除いて殺してしまい、それを知った青年は、聖獣を制御するのを止め、聖獣によってその国は滅ぼされてしまうという過酷な内容だった。

目覚めたカタリナは、そのゲームで過酷な運命をたどる登場人物の青年がアーキルと重なることに気づく。カタリナは、そのゲームの内容を思い出しながら整理し、今のアーキルが聖獣を奪いにこの国に来たのだと考える。

そして、王宮でムトラク王国からの使者を歓迎する歓迎会が開かれる。第三王子の婚約者であることがアーキルに知られると警戒されてしまうと思うカタリナだったが、その婚約者・ジオルドにつかまり、アーキルに婚約者として紹介されてしまう。外に出たアーキルを追ってカタリナは会場を出る。アーキルは身分を隠して会いに来たのは探りを入れるためだったのかと疑うが、カタリナは最初に会ったのは偶然だったこと、身分を明かさなかったのは気を遣わせないためで、町に出るときはいつもそうしていると説明し、アーキルは一応その言葉を信じてくれる。
ムトラク王が差し向けた監視の鳥に気づいたアーキルは、場所を変えて王宮内の自分の部屋でカタリナと話をする。カタリナは聖獣を奪うのをやめるよう説得しようとするが、アーキルはそれを断る。

カタリナは、どうすればアーキルがゲームのように過酷な運命に遭わずに済むか考え、呪われていた聖獣の呪いを解けばいいのではないかと考える。

カタリナは、いつもの仲間、ジオルド、キース、アラン、ニコル、メアリ、ソフィア、マリアを集め、夢で見たと言ってアーキルの狙いを話し、聖獣を見つけて呪いを解くのを手伝ってほしいとお願いする。
そこに、アーキルがどこにも見当たらないと報告が入る。カタリナたちは、アーキルが聖獣を奪いに行ったと考え、アーキルを探そうとするが、そこにクミート、ナシート、ハーティ、アルクスが姿を現し一緒にアーキルを探すことになる。

その頃、アーキルは、かつてカタリナがポチに連れてこられた古い倉庫に聖獣が封印されているとにらみ、その建物に侵入して封印された聖獣が入れられている箱を手に入れる。

アーキルは、聖獣を母国に運ぶ仲間に渡すため、協力者のマレット子爵と馬車に乗って走るが、外の何か違う雰囲気に気づいて、確認するためにアーキルが馬車を下りた間に、マレット子爵は聖獣がどんなものか見たい出来心で封印を解いてしまう。大きな鳥のような姿になった呪われた聖獣は、空に飛び上がり、ムトラク王国に向かって飛び始める。
クミート、ナシート、ハーティ、アルクスと馬車に乗ってアーキルを探していたカタリナは、封印が解かれた衝撃に気づき、呪われた聖獣が飛んでいくのを見つける。馬車を飛ばしてその後を追うが、ピヨの身振りから、ピヨで聖獣の注意を引き付けようと考え、ピヨを手に乗せて空高く手を伸ばし、聖獣に気づかせようとする。聖獣はそれに気づき、方向を変えてカタリナたちの乗る馬車に向けて飛んでくる。カタリナは被害を防ぐため、聖獣を湖に誘導しようと馬車を走らせ、攻撃を放ちながら追ってくる聖獣を何とか湖に誘導することに成功する。

そこに合流したジオルドたちは、それぞれの魔力を使って聖獣を動けないようにして、光の魔法が使えるマリアが呪いを解こうとする。闇の魔力は次第に弱くなっていくが、その時、大きな爆発が起き、飛ばされそうになるカタリナたちは体を寄せ合い何とかこらえる。アーキルは自分を犠牲にしても聖獣を抑えようとするが、クミート、ナシート、ハーティ、アルクスは自分たちがアーキルに助けられたことを訴え、アーキルが犠牲になるのを止めようとする。
そこに、左足の鎖を解くよう聖獣の声が聞こえる。ポチはワンワンと鳴いて自分がそれを解けることをアピールし、カタリナはポチを連れて聖獣の足につかまり、ポチがその鎖に噛みつくと、聖獣の呪いが解け、真っ黒だった聖獣の身体は金色に輝く。

聖獣は、ピヨが自分の一部だったこと、ポチによって封印が一部解かれたためにピヨが現れたことを話し、ピヨは聖獣の一部となって消えていく。
カタリナがジオルドたちと合流した後、聖獣は、かつて王族に自分の力の一部である動物を操る能力を分け与えたが、その後王族は聖獣を警戒するようになり呪いをかけられ封印されていたことを一同に話し、その能力を王族から取り返す。すると、アーキルたちを監視していた鳥は消え去り、アーキルたちは望んでいた自由の身を手に入れる。そして、聖獣は、ムトラク王国には戻らず、鷹くらいの大きさの金色の鳥に姿を変えてアーキルたちに同行することを選ぶ。

そして、アーキルたちの旅立ちの日、聖獣は、今後のトラブルを避けるために、カタリナたちの聖獣に関する記憶を消すと告げる、カタリナに惚れたアーキルは、再び会いに来るとカタリナに告げ、別れを告げる。

見送ったカタリナは、記憶を消されて何で城門の外にいるのか分からなくなるが、ジオルドたちに使者を見送っていたのだと教えられる。

馬車で出発したアーキルたち。聖獣は、再び会った時にカタリナの記憶が戻るように仕掛けをしておいた、特別サービスだと話し、それを聞いたアーキルは再会を心の中で誓うのだった。

(ここまで)

エンドロールが終わった後には、乙女ゲーム風おまけ映像が流れました。公開1週目はジオルド編だったようですが、2週目はキース編とメアリ&アラン編の2本連続上映でした。なお、3週目にはマリア編、4週目にはニコル&ソフィア編が流れるそうです。

 

テレビアニメシリーズからの、カタリナの裏表がなく、人を惹きつける人たらしっぷりが全開の物語。ジオルドなどカタリナの取り巻きのサブキャラの出番はそれほど多くなく、カタリナとアーキルがメインの物語になっているので、サブキャラが好きな人にとっては不満が残ったかもしれませんが、テレビアニメシリーズからのファンの人の多くには受け入れられる内容だったのではないかと思います。

 

なお、公開2週目の入場者特典をいただきました。


原作者書き下ろしのスペシャルエピソードでした。


なお、公開初週にも観に行った家族は、公開1週目の特典である、別のスペシャルエピソードをいただいていました。