鷺の停車場

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テレビアニメ「葬送のフリーレン」⑥第18話~第21話

2023年秋クールで日本テレビで放送が始まった「葬送のフリーレン」、今回は、1月12日(金)から始まった第2クールの第2回となる第18話から第21話まで、一級魔法使い試験の第一次試験の終了までを描いたの4話を紹介します。

frieren-anime.jp

繰り返しになりますが、2020年4月から「週刊少年サンデー」に連載されている原作:山田鐘人・作画:アベツカサによる同名マンガを原作とした作品で、主要スタッフは、監督:斎藤圭一郎、シリーズ構成:鈴木智尋、キャラクターデザイン・総作画監督:長澤礼子、音楽:Evan Call、アニメーション制作:マッドハウス など。

この4話分で登場する、名前が付けられている登場人物とキャストは、次のとおりです。< >内がそれぞれのキャラクターが登場(声優が出演)する放送回です。

  • フリーレン【種﨑 敦美】:千年以上生きるエルフで、勇者パーティーとして魔王を倒した魔法使い。魔法であればどんなものでも興味を持つ魔法オタク。性格はずぼらでドライ。仲間たちとの旅を経て、知らず知らずのうちにその心にも変化が現れる。<第18~21話>

  • フェルン【市ノ瀬 加那】:フリーレンの弟子として共に旅をすることになる魔法使い。ハイターに育てられた戦災孤児。冷静な少女で、生活面でずぼらなフリーレンのお母さん役。<第18~21話>

  • シュタルク【小林 千晃】:フリーレンとフェルンと共に旅をすることになる戦士で、アイゼンの弟子。子どものような性格。臆病ながら高い戦闘力を持ち、前衛を務める。<第18・21話>

  • ヒンメル【岡本 信彦】:魔王を倒した勇者パーティーの勇者で、自称イケメンのナルシスト。仲間思いで、困っている人を助けずにはいられない。10年間共に冒険をしたフリーレンに大きな影響を与える。<第18・19話>

  • ハイター【東地 宏樹】:魔王を倒した勇者パーティーの僧侶。ヒンメルの幼馴染で、高度な回復魔法を操る優秀な僧侶だが、酒好き。戦災孤児だったフェルンの育ての親。<第18・19話>

  • アイゼン【上田 燿司】:魔王を倒した勇者パーティーの戦士。頑強なドワーフ族でパーティーの前衛を務める。寡黙だが、パーティーの中ではツッコミ役。シュタルクの師匠。<第18・19話>

  • フランメ【田中 敦子】:1000年以上前に生きた、歴史において英雄と称される人間の大魔法使いで、フリーレンの師匠(せんせい)<第21話>

  • カンネ【和氣 あず未】:一級魔法使い試験の受験者の三級魔法使い。臆病で抜けているところがあるが、隠れた努力家で、気遣いのできる性格。同じく受験者のラヴィーネとは幼馴染で同じ魔法学校の出身。水を自由自在に操る「水を操る魔法(リームシュトローア)」を使う。<第18~21話>

  • ラヴィーネ【鈴代 紗弓】:一級魔法使い試験の受験者の三級魔法使い。口調は荒いが面倒見がよい。同じく受験者のカンネとは幼馴染で同じ魔法学校の出身。水を凍らせる魔法や、鋭く尖った形の氷を複数生み出して相手に放つ「氷の矢を放つ魔法(ネフティーア)」を使う。<第18~21話>

  • ヴィアベル【谷山 紀章】:一級魔法使い試験の受験者で、魔王軍の残党と戦ってきた北部魔法隊隊長でもある二級魔法使い。時に人を殺すことも厭わない冷酷さの一方で、根は優しく仲間想いな一面もある。<第19・20話>

  • ユーベル【長谷川 育美】:一級魔法使い試験の受験者で、三級魔法使い。饒舌で常にうっすらとした笑みを浮かべている。人を殺すことへの抵抗が無い。<第18~21話>

  • デンケン【斉藤 次郎】:一級魔法使い試験の受験者で、二級魔法使い。権力争いの末に宮廷魔法使いの座に。一級魔法使いと遜色がない実力の持ち主。<第19~21話>

  • リヒター【花輪 英司】:一級魔法使い試験の受験者で、二級魔法使い。魔法への知識も豊富な実力者だが、目的のためには殺しもいとわない。<第19~21話>

  • ラント【小松 昌平】:一級魔法使い試験の受験者で、二級魔法使い。クールな性格で、他人を信用せず打ち解けようとしない不愛想な青年。<第19~21話>

  • ラオフェン【石上 静香】:一級魔法使い試験の受験者で、三級魔法使い。魔法使いとしては未熟ではあるが、素直で優しい性格でデンケンに目をかけられている。<第19・21話>

  • エーレ【伊藤 かな恵】:一級魔法使い試験の受験者の三級魔法使い。魔法学校を首席で卒業した実力を持つ。<第19・20話>

  • シャルフ【村井 雄治】:一級魔法使い試験の受験者の三級魔法使い。無数の花弁を自由自在に操る「花弁を鋼鉄に変える魔法(ジュベラード)」を使う。<第19・20話>

  • エーデル【黒澤 ともよ】:一級魔法使い試験の受験者で、二級魔法使い。一人称は「儂」で、老人のような口調をしている。<第19話>

  • ブライ【高橋 伸也】:一級魔法使い試験の受験者の1人で、一次試験でエーデルと同じ第17パーティーとなった。スキンヘッドが特徴。<第19話>

  • ゼンゼ【照井 春佳】:一級魔法使い試験の試験官を務める一級魔法使い。少女のような見た目で自称「平和主義者」だが、表情は乏しく口調は厳しい。<第18・20・21話>

  • ゲナウ【新垣 樽助】:一級魔法使い試験の試験官を務める一級魔法使い。常に冷静で表情がほとんど崩れない。<第18・20・21話>

  • ゼーリエ【伊瀬 茉莉也】:エルフの大魔法使い。知識量やその強さは圧倒的で、ほぼすべての魔法を網羅している。「大陸魔法協会」の創始者<第21話>

  • クラフト【子安 武人】:フリーレンたちがシュヴェア山脈の麓の避難小屋で出会ったエルフのモンク(武道僧)<第18話>

  • ファルシュ【白石 兼斗】:男性の一級魔法使い。<第18話>

  • レルネン【宮内 敦士】:魔法使い試験の受付会場にいた老齢の一級魔法使い。<第18話>

各話ごとのあらすじは、次のとおりです。< >内が公式サイトのストーリーで紹介されている内容になります。

#18 一級魔法使い試験

<ザインと別れ、魔法都市オイサーストにやって来たフリーレンたち。この先の北部高原に入るには一級魔法使いの同行が義務付けられる。一級魔法使い試験は合格者が一人も出ない年もあり、そして死傷者が出ることもある難関。フリーレンとフェルンが向かった試験の会場には手練れの魔法使いたちが集まっていた。>

ヒンメルの死から29年後、ザインと別れて旅を続け、北側諸国のキュール地方までやってきたフリーレンたちは、丘の上から魔法都市オイサーストを一望し、さらに歩みを続ける。フリーレンは、どうせ一級魔法使いの資格を取ってもすぐ使えなくなっちゃう、フェルンが取ればいいじゃん、と言うが、フェルンは、一級魔法使いは魔法使いの中でも一握りの熟練した魔法使い、私なんかには無理、と尻込みする。シュタルクは、どうして北部高原に入るのに一級魔法使いの同行が必要なのか尋ねると、フリーレンは、昔から北部高原は狡猾な魔法を使う魔物が多い、優秀な僧侶と魔法使いがいないと越えられない難所だ、ただ、通行に貴重な熟練の魔法使いを要求するということは、北部高原では相当厄介なことが起こっているのだろうと語る。

馬車をつかまえてオイサーストに向かう一行。フェルンはフリーレンほどの魔力があれば余裕じゃないかと言うが、フリーレンは、魔法使いの強さを決めるのは魔力だけじゃない、技術や経験、扱う魔法やコントロール、努力や根性、そして才能、と言い、人生自分より魔力が低い魔法使いに11回負けたことがある、そのうち4人は魔族、1人はエルフ、残りの6人は人間だと語る。

そのころ、北側諸国のグラナト伯爵領辺境では、オイサーストに向かうユーベルがひと休みする。そこに3人の盗賊がやってくるが、通りかかったクラフトが3人の盗賊を一瞬で倒し、盗賊は逃げていく。ユーベルを見たクラフトは、人殺しの目をしているな、と言うが、ユーベルは何だ、つまらない、食えないオッサン、と言って歩き出し、クラフトは、ユーベルが一級魔法使いの試験を受けに行くと言うのを聞いて、フリーレンもそんなことを言っていた、次会ったときの土産話が楽しみだ、と思い、反対方向に歩き出す。

オイサーストに着いたフリーレンたちは、魔法使い試験の受付で、試験は2か月後で、受験資格に5級以上の魔法使いの資格が必要だと聞き、今の魔法使いの資格を持っていないフリーレンは、三級魔法使いの資格を持っているフェルンに任せて出て行こうとするが、フェルンは自分だけでは無理です、と必死に引き止める。魔法使いを雇ったりすれば、お金がなくなっておやつ抜きになる、と言われたフリーレンは、首飾りのような「聖杖の証」を出して、これじゃ無理だよねと言うが、それを耳にしたレルネンは、それを確認して驚いた顔になり、受験が認められる。

受付を出て、街を歩くフリーレンは、まさかまだこれを知っている人がいたなんて、と感想を漏らす。そんなにすごいものなのか、と問うフェルンに、そのはずなんだけど、と答えたフリーレンは、かつてヒンメルたちとオイサーストにやってきたときのことを思い出す。魔法使いを管理する団体はすぐに変わるからいちいち入っていられない、それに私にはこれがある、と「聖杖の証」をヒンメルたちに自慢げに見せるが、3人とも全く知らなかった。フリーレンは、がっかりした顔で、これだけが自分が魔法使いである証だったんだけど、と言うが、ヒンメルは、確かに僕たちはその首飾りのことは知らない、でも、君が凄い魔法使いであることを知っている、それでいいじゃないか、と語ったのだった。それを思い出して「聖杖の証」を眺めるフリーレンに、フェルンも、私たちはフリーレンが凄い魔法使いであることを知っていますから、と励ますように言葉をかける。

試験が来るまでの間、フリーレンたちは、図書館で魔法使い試験について調べる。一級魔法使い試験は、3年に1度、オイサーストと聖都シュトラールで行われるが、合格者が出ない年も多く、当たり前のように死傷者も出ていると知り、試験に備えて魔法の修行に励む。

そして迎えた試験当日、フリーレンやフェルンたち受験者の前で、第一次試験の試験官のゲナウ一級魔法使いが第一次試験について説明する。その場に立ち会っていたファルシュは、今年は、魔王軍の残党と戦ってきた北部魔法隊隊長のディアベル二級魔法使い、権力争いに勝ち抜き宮廷魔法使いの座に就いたデンケン二級魔法使い、史上最年少で三級試験をトップで合格したフェルンとなかなか粒ぞろい、二級の試験で試験官の一級魔法使いを殺害して失格になったユーベル三級魔法使いのような問題児もいるが、と言い、フリーレンを見て、熟練の老魔法使いみたいな魔力している人がいるが、あれは誰か、と隣のゼンゼに尋ねるが、ゼンゼは、知らん、と答える。

57名の受験生は3人1組のパーティーに分けられる。フリーレンのパートナーとなったのは、さっそくケンカをしているラヴィーネとカンネ、フェルンのパートナーとなったのはユーベルとラントだった。

第一次試験区域の北側諸国のグローブ盆地に移動した受験生は、ゲナウから具体的なルールの説明を受ける。各パーティーには鳥籠が配布され、この区域に生息しているシュティレ隕鉄鳥)という鳥が入った鳥籠を翌日の日没までに所持していること、その時点でパーティーメンバー全員が揃っていることが合格の条件、行動は基本的に自由だが、試験区域の外に出るとパーティ全員が失格になると説明し、試験が開始される。

試験が開始されても、ラヴィーネとカンネは鳥籠をめぐってケンカをしていた。呆れるフリーレンは、歩きながら自己紹介しよう、鳥籠を持つのはじゃんけんで決めなさい、と仲裁に入り、歩き出す。ラヴィーネとカンネはともに三級魔法使いで、同じ魔法学校を卒業した幼なじみだった。カンネが歩き疲れて休憩している間に、ラヴィーネは一人でシュティレを探しに行くと言い出し、少しするとシュティレを見つけたと戻ってくる。フリーレンはまず観察しようと言うが、カンネは「水を操る魔法」で水を空に巻き上げてシュティレを捕えようとし、ラヴィーネは「水を凍らせる魔法」を使ってその水を凍らせてシュティレの脚を氷漬けにする。2人の息の合った高度な連携にフリーレンは驚くが、力の強いシュティレには逃げられてしまう。フリーレンは捕らえるにはよく観察する必要があると諭し、その日は観察に充てることにする。

その夜、森で野営中に目覚めたカンネは、フリーレンがおらず、何か小さい雨音がすることに気づいて、外に歩いていく。雨が降っていないのになぜ音がするのか不思議に思うカンネは、何かに思い当たる。そこに、大きな鳥の魔物が襲い掛かり、その脚で押さえられてしまうが、フリーレンが魔法でその魔物を倒す。

ケンカばかりしているのに連携が取れることを不思議に思うフリーレンに、カンネは、自分は臆病でいざという時に何もできなくなることがよくあるが、ラヴィーネは乱暴だが自分を引っ張ってくれると語る。そして、カンネは、面白いことに気が付いた、とフリーレンにその内容を話し、これって何かの役に立つかな?と尋ねる。それを聞いて考えたフリーレンは、なるほど、もしかしたらシュティレを簡単に捕らえられるかも、と言うのだった。

#19 入念な計画

<一級魔法使い試験の第一次試験は、3人ずつのパーティーに分かれ、試験場に生息する隕鉄鳥<シュティレ>を日没までに捕獲し、さらにパーティー全員が揃っていることが合格の条件。シュティレは捕獲が困難なため受験者同士の争奪戦=サバイバルの様相を呈していく。カンネとラヴィーネと組んだフリーレンの作戦は…。>

一級魔法使い選抜試験の一次試験の3人一組となって行うパーティー戦。初日の夜、カンネとラヴィーネの寝顔を眺めるフリーレンは、ラヴィーネは乱暴だけどちゃんと私を引っ張ってくれる、とカンネが語っていたことを思い出し、かつてのヒンメルたちとの旅で竜との初戦闘の前夜のことを思い出す。怖いと言うアイゼンに、僕も怖い、と言うヒンメルは、他の冒険者を真似て鼓舞するつもだったが、うまくいかなかったみたいだ、と言うが、アイゼンはおかげで緊張がほぐれたと言い、ハイターは、自然体でいい、こういうのはきっと冒険の仲間ごとに変わってくるものだと言ったのだった。それを思い出し、なるほど、確かに仲間ごとに違うみたいだ、と思う。

そのころ、三級魔法使いのフェルンと三級魔法使いのユーベル、二級魔法使いのラントの第4パーティーは、シュティレの捕獲に成功する。フェルンは、これで一安心とほっとするが、ラントは他のパーティーに奪われないように守らなければならないと警戒し、ユーベルは対人戦の時間だ、とニヤッとする。

翌朝、フリーレンは、カンネ、ラヴィーネと前の日にシュティレ隕鉄鳥)を観察した結果を話し合い、シュティレを捕らえるための作戦を練る。シュティレは、音速を超えて飛行し、竜みたいに頑丈で通常の攻撃魔法ではびくともせず、魔力にとても敏感で近づいても逃げられてしまい、魔力をほとんど持っておらず魔力探知で居場所を把握することもできない。3人がシュティレを見つけられたのは前日の午前中の3回だけだった。見つけられてもどう捕らえるのか見当もつかない、と言うラヴィーネに、前夜に鳥の魔獣に襲われたカンネを助けた、狩猟を生業とする一族が編み出した民間魔法「鳥を捕まえる魔法」が使えるのではないかと話す。ラヴィーネはそれを使えば前日の時点で捕まえられたではないかと文句を言うが、その魔法の射程は50cm、そこまで近づく必要があった。

ラヴィーネは水を凍らせることができるが、シュティレを捕らえるのは困難と言い、カンネは水を操れるが、まとまった量の水を操るには事前に魔力を込めておかないといけないが、そうすれば魔力に敏感なシュティレは寄ってこないだろうと言うのを聞いて、フリーレンは、この作戦ならいけるかも、と2人に思いついた作戦を説明する。ラヴィーネは、確かに悪くないが、リスクが高い、他のパーティー全員に喧嘩を売ることになると言うが、カンネは、でもこうでもしなければ捕まえられないと言い、ラヴィーネもその作戦に同意する。

そのころ、シュティレを奪われないようにするため、洞窟に潜伏していた第4パーティーでは、ラントは終了まで潜伏してやり過ごそうと提案するが、ユーベルはつまんない、魔法使いなら堂々と戦わないと、と異を唱え、ひとまず水の補充に中央の湖に向かおうとする。その途中、ユーベルは川が枯れていることに気づく。ゼーリエが試験区域に張った結界により、水の流入が止まっていたのだ。ラントは、他のパーティーは最大の水場である湖に水を求めてシュティレがやって来ると考え周辺に張り込んでいるだろうと推測し、湖に向かうのをやめる。そんな3人に、隠れていた第8パーティーの二級魔法使いのヴィアベルが突然攻撃を仕掛け、フェルンが素早く防御魔法を展開してそれを防ぐと、三級魔法使いのシャルフと二級魔法使いのエーレも姿を現す。ヴィアベルはシュティレを渡せと迫るが、鳥籠を持っていたユーベルはそれを拒否する。

そのとき、試験区域の中央にある湖から爆音が響き、水柱が上がる。湖ではラヴィーネが魔法で水を凍らせ、湖一面が氷に覆われる。湖のそばに張り込んでいた第17パーティーのブライは、何のつもりだ、とこぼし、そのそばにいたエーデルも、洒落にならんぞ、と文句を言う。ヴィアベルも、この魔力は第2パーティーの奴だ、何考えてやがる、他のパーティー全員を敵に回すつもりか、と思う。

湖を凍らせたラヴィーネは湖から走り出し、慌てた第17パーティーは、炎の魔法でその氷を溶かそうとする。それを横目で見る第13パーティーの二級魔法使い・デンケンは、時間と労力の無駄、溶かしたところで意味はない、これほど派手に魔力を使えば、シュティレはもうこの湖には近づかない、シュティレは第2パーティーから奪う、これだけ暴れたということは、シュティレを捕獲する算段があるということだ、と同じパーティーの二級魔法使い・リヒター、三級魔法使いのラオフェンに語る。

カンネは、森の中を回り、水場を見つけ次第魔力を込めていく。そのころ、第8パーティーとの戦闘に入っていた第4パーティーのフェルンは、フリーレン様、一体何をするつもりですか、内心思う。

炎の魔法で湖の氷を溶かそうする第17パーティーを見て、ここにはもうシュティレは寄り付かないと気がついて他の水場を探して移動するパーティーも出始めるが、デンケンは、魔力探知が甘すぎる、あれでは空の脅威に対処できないと評し、リヒターも未熟だなと同意する。そして、試験を無茶苦茶にするつもりか、と他のパーティーが文句を言うのを小耳に挟んだデンケンは、違う、これは第2パーティーが練った入念な計画だ、それを紐解かない限りどうにもならない、と言って森の中を歩いていく。その途中には、空の魔物にやられて全滅したパーティーの遺体もあった。そして、見てきた水場に微力ながら魔力が込められていることを感知したデンケンは、シュティレを魔力を込めていない水場に誘いこもうとする第2パーティーの作戦に気づく。そして、広い試験区域の中を魔力を抑えて潜伏する第2パーティーを見つけるのは困難、どうせ居場所を教えてくれる、と腰を下ろして休み始める。

カンネから池や泉に手当たり次第に魔力を込めてきたと報告を受けたフリーレンは、魔力を込めていない水場のほとりでほぼ完全に魔力を消してシュティレを待ち伏せし、カンネとラヴィーネは、少し離れた木陰からそれを見張る。動物や鳥の魔物が水を飲みにやってきても微動だにしないフリーレン。日も陰り出したころ、ようやくシュティレが姿を現し、フリーレンの肩の上に停まる。それを逃さず、フリーレンは「鳥を捕らえる魔法」を使って、シュティレの捕獲に成功する。それを見届けたカンネとラヴィーネはフリーレンのもとに駆け付け、これで一次試験を突破だね、と喜ぶが、フリーレンは、いや、誰かに魔力を感知されたと言う。

第13パーティのデンケンは、フリーレンが魔法を使った瞬間を感知し、その場所を突き止める。すかさずラオフェンが高速移動してフリーレンたちの前に現れ、フリーレンは、逃げるのはもう遅いみたいだね、と2人に言う。

一方、第4パーティーと第8パーティーの戦闘は続いていた。フェルンと交戦するエーレは、防御魔法と一般攻撃魔法しか使わないフェルンの戦い方に、洗練されていて隙がないが古い戦い方、自分のおじいちゃんと戦っているみたいだと感じ、基礎的な魔法しか使わないのは手の内を見せないつもりかと問うと、フェルンは、戦闘では基礎的な魔法以外は使わないように、この時代の魔法使いならそれだけで十分、と言われていると答える。まるで熟練の魔法使いと対峙しているようだと違和感を感じるエーレは、ヴィアベルが相手だったら今ごろは死んでいた、と言う。それはおかしい、この中で一番強いのは貴女、と言うフェルンに、エーレは、ヴィアベルは魔王軍の残党と戦ってきた北部魔法隊の隊長で実戦経験の桁が違う、使うのは品性がまるでない勝つための卑怯な魔法、今戦っているユーベルはたぶん殺されると言うが、フェルンは、そうですか、と言うのみだった。

#20 必要な殺し

<一級魔法使い試験の第一次試験、フェルンはエーレと、ヴィアベルはユーベルと、ラントはシャルフと対峙する。ヴィアベルはユーベルとそれぞれ自身の魔法で戦う中で、彼女から危険なにおいを感じ取り…。一方、シュティレを捕獲したフリーレン組だったが、そこにデンケン・リヒター・ラオフェン組が狙いを定める。>

ユーベルと戦うヴィアベルは、物体を切り裂く魔法を繰り出しながら進んでくるユーベルの攻撃を防ぎながらじりじりと後退するが、その射程は5mほどだと見抜く。
そのころ、フェルンと対峙するエーレは、フェルンが繰り出す一般攻撃魔法の飽和攻撃の手数の多さに驚き、バカじゃないの、品性の欠片もない、と内心悪態をつくが、その物量をさばき切れなくなって魔法切れとなり、爆発が起きる。

一方、ヴィアベルは、目に収めたものの動きを封じる魔法・ソルガニールでユーベルを捕らえる。ユーベルは、最初からこれを使わなかったのはヴィアベルが手加減していたのだと思う。ヴィアベルは一度拘束を解いてシュティレを渡すようユーベルに迫る。その一瞬の隙を突いて再び攻撃したユーベルは、全身を視界に収めていないとソルガニールを発動できないことに気づく。一方、自分の首ではなく目を狙って攻撃したユーベルに、殺しを楽しむ奴だと感じたヴィアベルは、ユーベルをソルガニールで拘束し、お前はここで殺しておくべきだ、と狙いを定める。
女子供を殺したことはあるのか、と問いかけるユーベルにヴィアベルは、北部魔法隊は有事には戦争にも動員される、戦争に女子供を駆り出すのは珍しいことでも何でもない、と答えるが、なかなか手を下さない。ユーベルは、その人が得意とする魔法は人生や人間性に大きくかかわっていると思っている、相手の動きを封じるこの魔法はまるで殺すまでの猶予を欲しがっているみたいだ、両手は血で染まっているのにまだ人間でありたいと思っているんだ、と言うと、ヴィアベルは、そうだ、これは殺す覚悟のための時間だ、だが、俺はためらい臆することはあっても、必要な殺しは全部やってきた、と語る。

そして、ヴィアベルがユーベルを殺そうとしたその時、フェルンが、動かないでください、と魔法杖をヴィアベルに向ける。ヴィアベルは、魔力を完全に消して全く気配を見せずにフェルンが現れたことに驚き、シュティレを捕らえたのはお前だな、と口にすると、ユーベルが、運が良かっただけ、偶然シュティレのねぐらを見つけて、フェルンは鳥を捕らえる魔法を師匠から教わっていたと説明する。エーレはどうしたと尋ねるヴィアベルに、フェルンは殺したと答え、パーティーメンバー全員が揃っていることという一次試験の合格条件の1つが満たせなくなったと思ったヴィアベルは、そのまま立ち去っていく。フェルンはラントの援護に向かおうと声を掛けるが、ユーベルは、大丈夫だろう、あいつは相当な食わせ物だと言う。

そのラントは、シャルフの攻撃を受けていたが、それは様子見をしていただけで、独学で魔法を覚え、基礎がおろそかになっているシャルフの弱点を見抜き、一瞬でシャルフを倒す。

ヴィアベルがエーレが戦っていた場所まで歩いてくると、エーレは魔法切れで意識を失って倒れていた。ヴィアベルは、あのクソ女、平然とウソつきやがって、と悪態をついて、エーレの体を揺すって起こし、だっせぇな、魔法学校の首席だろ?と声を掛けると、エーレは、一般攻撃魔法の物量に押し切られた、捌ききれなかったと呆然とした顔で語る。それを聞いたヴィアベルは、一般攻撃魔法だけでこれほどの芸当ができるとしたら、フェルンは相当な化け物だと思う。
シャルフと合流すると言って歩き出したヴィアベルにエーレは、歩けないと言い、ヴィアベルが魔法で浮かせて動かそうとすると、物みたいに運ぶつもり?おんぶして、と迫り、ヴィアベルはエーレをおんぶして歩く。そして、シャルフのところに来ると、しびれて動けないと倒れていた。

エーレをおんぶし、シャルフを魔法で浮かせて移動するヴィアベルは、シュティレはもう奪えない、不合格は確定だと諦めかけていた。エーレは、それでも自分たちを見捨てないヴィアベルの優しさに、その優しさが魔族と戦う理由なのか、自分たちの村を救ってくれた、と言うが、ヴィアベルは、優しさなんかで命を張れるか、人間は欲望のために戦うんだ、俺の場合は下心だ、と言って、4~5歳のころ、魔族の動きが活発化して一家で中央に逃げるため村を出て行った好きな女の子に、魔族は俺が全員ぶっ殺してやる、その時はこの村に帰ってこい、と言ったことを話す。そして、帰路を心配するヴィアベルにエーレが一級魔法使いのおじいちゃんを紹介しようか?と言ったところで、偶然木の枝にとまるシュティレを見つけ、ヴィアベルがソルガニールでシュティレを拘束する。

一方、高速移動魔法で姿を現したラオフェンと対峙するフリーレン、カンネ、ラヴィーネの3人。その様子をデンケンとリヒターは物陰から観察していた。ラオフェンは高速移動でフリーレンの手からシュティレが入った鳥籠を奪い、姿を消す。ラオフェンの気配を察知したフリーレンは、面白い魔法だ、とつぶやく。

そのころ、試験区域内にテントを張り、お茶を飲んでいた試験官のゲナウのところに、第二次試験の試験官を務めるゼンゼが姿を現し、今回も有望な魔法使いを何人も死なせたみたいだな、と声を掛ける。ゲナウは、有望なやつはこの程度では死なない、それに一級魔法使いにはそれだけの価値がある、と語る。魔力探知が通用しないシュティレを捕らえられるかは運任せ、これは争奪戦に見せかけた対人戦、と言うゼンゼにゲナウは、運も実力のうち、それに運以外でシュティレを捕まえた連中もいる、3分の1くらいは残るだろう、その中に必ずデンケンはいる、一級魔法使いと比べても遜色ない、と話す。ゼンゼは、富と権力にしか興味のないご老体がなぜこんな試験に、と疑問を呈するが、ゲナウは何か思うところがあるのだろう、と話す。

そのデンケンは、リヒターとともに、ラオフェンに逃げられた後のフリーレンたちの前に姿を現していた。フリーレンは、ラオフェンが使ったのは、南側諸国の山岳民族に伝わる民間魔法のジルベーアだろう、2人はそのまま隠れていた方が良かったのでは、と問いかけると、デンケンは、ラオフェンはまだ未熟者、魔力の痕跡を残しすぎた、フリーレンなら容易に追跡できたはず、勇者一行の魔法使い、自分たちの世代で知らない魔法使いはいないと答える。それを聞いて、カンネは有名なの?とラヴィーネに尋ねると、ラヴィーネは伝説的な魔法使いだ、もしかしたらとは思っていたが、と答える。

リヒターはカンネとラヴィーネのどちらかを殺す、と攻撃しようとするが、デンケンは、足止めができればそれでいい、一級魔法使いに人死にの価値があるとは思えない、とそれを止める。フリーレンも、一級魔法使いなんてただの称号、それだけの価値があるとは思えない、と同意するが、リヒターは特権も知らずに試験に臨んだのかと呆れ、大陸魔法教会の創始者である大魔法使いゼーリエは、魔王軍との長い戦火の時代の洗練された魔法使いをいまだに追い求めている、だから、彼女は一級魔法使いの座に就いた者に1つだけ臨んだ魔法を授けるという特権を与えることを約束した、彼女は人類の歴史上のほぼ全ての魔法を網羅する生ける魔導書、この地上で全知全能の女神に最も近い魔法使いだ、巨万の富を得ることも、大病を癒すことも、絶大な力を手に入れることだってできる、望んだ魔法が授けられるということは魔法使いにとって願いが叶うに等しい、とその価値を語り、2人を殺そうとするが、デンケンは、たかがガキ2人、3時間寝かしつけるだけだ、と言って殺そうとするのを止め、フリーレンと対峙する。

リヒターは大地を操る魔法・バルグラントを発動して自分とカンネ、ラヴィーネが立つ場所を隆起させ、残されたフリーレンとデンケンは対峙する。

#21 魔法の世界

<一級魔法使い試験の第一次試験、シュティレをデンケンのパーティーに奪われたフリーレンたち。カンネとラヴィーネは圧倒的に魔力に差のあるリヒターに苦戦する。そしてフリーレンはデンケンとの戦闘の中である策を考えていた。日没が、第一次試験のタイムリミットが迫る。果たして二次試験に進むのは―!?>

約1000年前、フリーレンは師匠のフランメに連れられて、フランメの師匠であるゼーリエと会ったことがあった。

リヒターが大地を操る魔法・バルグラントを発動して自分とカンネ、ラヴィーネが立つ場所を隆起させ、残されて対峙するフリーレンとデンケン。若い奴は血気盛んでいかんな、特権など下らん、と言うデンケンに、フリーレンがどうしてそう思うの?と尋ねると、デンケンは、魔法というものは探し求めているときが一番楽しいと答える。

それを聞いたフリーレンは、フランメに連れられてゼーリエに会ったときのことを思い出す。フリーレンを見たゼーリエは、強いな、気に入った、望む魔法を1つだけ授けてやる、と言うが、フリーレンが、いらない、魔法は探し求めているときが一番楽しい、と言って断ると、やはりこの子はダメだ、野心が足りない、と言う。それに対して、フランメは、この子はいつか魔王を倒す、きっとこういう魔法使いが平和な時代を切り拓くんだ、戦いを追い求めるあなたには魔王を殺せない、私たちじゃ無理なんだ、平和な時代に生きる自分の姿を想像できないだろう、フリーレンは平和な時代の魔法使いだ、とゼーリエに語ったのだった。それを思い出し、フリーレンは、いいね、魔法使いはこうでなくちゃ、と思う。

一方、カンネとともにリヒターと戦うラヴィーネは、魔法を繰り出してもリヒターには効かず、魔力に差があり過ぎると感じる。脆弱すぎる、お前たちは派手に暴れたからだいたいの手の内は把握している、と言うリヒターに、ラヴィーネはあんたこそ魔力持つのかよ、と言い返すが、リヒターは、少し魔法史の講義をしてやろう、ゾルトラークの対処法として開発された防御魔法は、魔法そのものに対しては強い耐性を持つが、物質的なものに対する防御性能は昔とほぼ変わっていない、これには明確な理由がある、魔物や戦士の物理攻撃を防ぐには十分な防御性能だったからだ、防御魔法にオーバースペックはあってはならない、完璧を求めれば術式がより複雑化し発動速度に致命的な影響が出る、魔法の歴史は攻撃と防御の歴史、だから現代の攻撃魔法は物質を操るものが主流になった、と語り、再び土を操る魔法を繰り出し、2人は地面から隆起する土の塊で飛ばされて倒れてしまう。
リヒターは、俺の魔法は物質による圧倒的な質量攻撃だ、と言って近づいて2人の様子を確認し、そのまま眠っていろ、と立ち去ろうとするが、カンネが起き上がる。勘弁してくれ、痛めつける趣味はない、それとも殺してほしいのか、と言うリヒター。ラヴィーネは、不用意に近づいていいのかよ、人の身体の6割は水でできている、と言うが、リヒターは、イメージできないものは魔法では実現できない、と動じない。ラヴィーネは、リヒターが何かを嘘をついていることに気づき、何をそんなに怖がっている、と言うが、リヒターは、おとなしくしていろ、俺の役目はお前たちを寝かしつけることだ、デンケンが負けない限りはな、と告げ、2人も抵抗をやめる。

一方のフリーレンとデンケンの戦い、デンケンはこのままでは魔力を削られて終わり、老体にはちときつい、と早めに決着を付けようと炎の魔法を打ち出す。それを遠くから見るリヒターは、老いぼれめ、何て戦い方しやがる、とつぶやき、ゼンゼとお茶を飲むゲナウは、空に火柱が立ち上るのを眺め、派手にやるな、あのじいさん、と言う。ゼンゼは結界が大丈夫か心配するが、ゲナウは、愚問だ、この結界は大魔法使いゼーリエが施したものだ、力業で破壊できるようなものではない、と言い、ゼンゼが昨日の晩くらいから結界を解析している奴がいると指摘しても、無駄な行為だ、この世にゼーリエを超える魔法使いがいると思うか?と取り合わない。

防御魔法で守りを固めるフリーレンにデンケンは攻撃をしかけるが、フリーレンの反撃を受けて倒され、魔力切れになってしまう。信じられん、最後まで基礎的な戦闘魔法しか使っていなかった、これではまるで見習い魔法使いに対する指導試合じゃないか、と思うデンケンは、驚いた、これほどの高みに来てまだ上がいるとは、と感嘆する。
ラオフェンの居場所を聞き出そうとしてもデンケンはそれを拒み、フリーレンは、出てこなければデンケンを殺す、と言って近くに潜伏するラオフェンをおびき出そうとする。デンケンは、こいつに殺意はない、とラオフェンを止めようとするが、デンケンを回収して逃げられると思ったラオフェンは飛び出し、フリーレンに捕まってしまう。

ラオフェンとともに魔法で木の幹に縛り付けられたデンケンは、未熟者、殺意がないことは分かり切っていただろうに、と言い、ラオフェンが、何でそこまでして一級魔法使いになりたいのか、富も権力も欲しいものは何だって持っているんだろう?と問うと、デンケンは、故郷は北部高原の奥地で、今では一級魔法使いしか入れない、久々に墓参りに行きたかったと答える。デンケンはフリーレンに、ガキたちを助けに行った方がいいんじゃないか、リヒターはお前と対峙する前に彼女たち殺す、そういう合理的な判断ができる男だ、と言うが、フリーレンは、それなら大丈夫だ、カンネたちが勝つ、結界の解析がちょうど終わった、と答える。

デンケンがやられたことを察知したリヒターは、ガキのお守りはもう終わりだ、と2人を殺そうと再び土の魔法でラヴィーネとカンネを襲い、ラヴィーネは、本気で殺すつもりだ、これでは1分も持たないと感じる。

そのとき、フリーレンは、まさかお前は、とデンケンが驚愕し、天地がひっくり返ってもあり得ない、というゲナウの前で、結界の頂上に向けて魔法を発し、ゼーリエの結界を解除する。驚いたゲナウは、勇者一行の魔法使いを同じフリーレンで、聖杖の証を持っていたらしいとゼンゼから聞かされ、最後の大魔法使いか、と言葉を漏らす。

一方、結界が解除されたことを感知したゼーリエは、やってくれたなフリーレン、1000年ぶりだというのにずいぶんな挨拶じゃないか、これだから魔法使いはやめられない、魔法の世界では天地がひっくり返ることもある、とつぶやく。

まさか本当に結界を破壊するとは、とデンケンは驚き、ラフィーネが何でこんなことを、と尋ねると、フリーレンは、カンネが可哀そうだったから、魔法は自由であるべきだ、魔法はイメージの世界だ、水を操る魔法使いに雨の中で勝てるイメージを私は持てない、たぶんリヒターも同じ、と答える。

結界が解除され、雨が降ってきたことに動揺するリヒターは、一刻も早くとどめを、と土の魔法を発動させようとするが、ラヴィーネが氷を操る魔法でそれを止め、初めて隙を見せた、今ならお前が水の魔法を恐れていた理由がわかる、これはお前が言った物質による圧倒的な質量攻撃そのものだ、と言う。そして、カンネが水の魔法を発し、リヒターは大量の水に押し流されて倒される。水はフリーレンたちのところまで届き、フリーレンは2人のもとに向かう。早くここから離れよう、日没まであと2時間、魔力消せるよね?と尋ねるフリーレンに、ラヴィーネは、消せるも何も魔力切れだ、と言い、フリーレンはよく頑張ったと2人の頭をなでる。

一方、縛られたデンケンとラオフェンのところまで流されてきたリヒターは、すまん、と詫びるが、デンケンは、止むを得んさ、と答える。デンケン、リヒターは魔力切れで、リヒターはもう終わりだと諦めかけるが、諦めないデンケンは、ラオフェンに木を叩き折らせて束縛を解き、こういうとき、宮廷魔法使いは最後まで醜くあがくんだ、と他のパーティーの痕跡を探す。

そのころ、洞窟に潜伏していた第4パーティー。ユーベルはフェルンに、つまんないね、マジで基礎的な魔法しか使ってないじゃん、と言うが、それはフリーレンに言ってください、と答える。あいつのせいでびしょ濡れになった、ちゃんと叱っといてよね、とユーベルに文句を言われ、フェルンは、そのつもりです、それに戦闘魔法以外は制限されてないと、他の魔法も使えることを話すと、ラントは手の内をあまり晒さない方がいい、第二次試験からは敵同士なのだから、と忠告するが、そのラントにユーベルは、あんたはもう少し打ち解けても良かったと思うよ、と言う。

デンケンは、メンバーを1人失ってもシュティレを大事に抱えるパーティーを見つけ、こういうのは理屈じゃない、と言って、リヒターを連れて近づき、殴り合いを仕掛け、シュティレを奪い取る。

夕方には雨も上がり、焚火で暖を取るフリーレンのそばでラヴィーネとカンネは相変わらずケンカをし、ヴィアベルはエーレをおんぶしてシャルフを魔法で浮かせて運び、シュティレを力づくで奪い取ったデンケンは、ラオフェンからケガの手当てを受ける。そして、エーデルたち第17パーティーはシュティレの捕獲に成功する。

そして日没となり、試験官のゲナウは、第一次試験の終了を告げ、合格者は計6パーティ18人、第二次試験は3日後、詳細は追って通達する、と言って解散を告げる。

一方のシュタルク。ひとり酒場で飲みながら、2人が試験に行ってもう2日、夜遅くまで起きていてもフェルンに怒られない、幸せすぎて怖いぜ、とつぶやき、主人から、苦労してんだなあ、といたわられるのだった。

 

(ここまで)

この4話かけて、2日間にかけて行われた一級魔法使い選抜試験の第一次試験を描いています。3月末まで休みなく放送されるとして、残りはあと8話、原作では一級魔法使い試験は第三次試験まで行われているそうですので、物語の切りのいいところまで描くとなると、この第2クールでは、一級魔法使い試験が終わるまでが描かれることになるのでしょう。

続きはまた改めて。