鷺の停車場

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テレビアニメ「悲劇の元凶となる最強外道ラスボス女王は民の為に尽くします。」

テレビアニメ「悲劇の元凶となる最強外道ラスボス女王は民の為に尽くします。」を見ました。


2023年7月から9月までの2023夏クールにTOKYO MXなどで放送された作品。原作が好きな家族に付き合う形で見始めたのですが、意外に面白かったので、最終話まで見続けることになりました。

2018年4月から小説投稿サイト『小説家になろう』に連載され、2019年6月から一迅社のアイリスNEOで書籍化されているライトノベル、略称「ラス為」を原作にテレビアニメ化された作品。主要スタッフは、監督:新田典生、シリーズ構成:赤尾でこ、キャラクターデザイン:河野仁美、アニメーション制作:OLM Team Yoshiokaなど。

 

公式サイトで紹介されている主要登場人物とキャストは、次のとおりです。< >内はそれぞれのキャラクターが登場する放送回です。

  • プライド(プライド・ロイヤル・アイビー)【ファイルーズあい】:女王制のフリージア王国の第一王女。悪知恵働く優秀な頭脳と予知能力、権力の持ち主で『君と一筋の光を』ではラスボスとして君臨していた。前世の記憶を思い出し、将来自分が起こすであろう悲劇を改変するべく努力し全力を尽くす覚悟をする。<第1~12話>

  • ステイル(ステイル・ロイヤル・アイビー)【内田 真礼/内山 昂輝(青年)】:プライドの義弟で『君と一筋の光を』では攻略対象者。平民ではあるが特殊な能力を持っていたため、プライドの補佐として王家に養子として連れてこられた。自分のことを優しく迎え入れてくれたプライドを守るために様々な策略を巡らせる。<第1~12話(青年は第8話)>

  • ティアラ(ティアラ・ロイヤル・アイビー)【戸松 遥】:フリージア王国の第二王女であり、プライドの2歳下の妹。『君と一筋の光を』の主人公であり、最終的に攻略対象者と共に、プライドを倒す宿命にあった。身体が弱く、暗殺や誘拐などから遠ざけるために6歳の誕生日まで存在を秘匿されていた。<第2~9・12話>

  • アーサー(アーサー・ベレスフォード)【榎木 淳弥】:騎士団長ロデリックの息子。父からは騎士になることを期待されていたが、戦闘向きの能力ではなかったため、騎士になることを諦めていた。『君と一筋の光を』では事故死した父に代わり、騎士団長となっており、攻略対象者。<第3~12話>

  • ローザ(ローザ・ロイヤル・アイビー)【井上 喜久子】:フリージア王国の現女王。プライドと同じく予知能力を持っており、万人に対して平等に接する性格だが、女王としての威厳を出すため、あえて目元をきつく厳しい表情を浮かべている。<第2・6・7話>

  • アルバートアルバート・ロイヤル・アイビー)【森川 智之】:プライドの父で、フリージア王国の王配(女王の配偶者)。常に眉間に皺を寄せた、厳格な印象とは裏腹に、とても優しく、そして時に厳しく、プライドへ愛情を注いでいる。<第1・2・7話>

  • ジルベールジルベール・バトラー)【遊佐 浩二】:フリージア王国の宰相を務め、プライドの父・アルバートとは旧知の仲。不老の特殊能力者でとらえどころのない性格をしており、あえてプライドの悪い噂を流すなど、腹の底が読めない。<第1・2・6~8・10~12話>

  • ロデリック(ロデリック・ベレスフォード)【安元 洋貴】:フリージア王国の騎士団長であり”傷無しの騎士”の異名を持つ。防御に長けた特殊能力とカリスマ性、鍛え抜かれた肉体、研ぎ澄まされた剣の腕を持ち、騎士団最強の実力を誇っている。<第2~5・8話>

  • クラーク(クラーク・ダーウィン【関 俊彦】:フリージア王国の騎士団副団長。温和な雰囲気だが、副団長として十分な実力を持つ。またロデリックとは団長、副団長の立場ではあるが、同時に親友でもあり、砕けた一面も見せる。<第3~5話>

  • カラム(カラム・ボルドー【小野 大輔】:フリージア王国騎士団の三番隊騎士隊長。一番隊隊長のアランと同時期に入隊したメンバーで、最優秀騎士に選ばれている。その他の能力も高い。<第3~5・9・10話>

  • エリック(エリック・ギルクリスト)【永塚 拓馬】:アランの部下で一番隊本隊騎士。隊長であるアランに似て、努力を怠らない実直で素直な性格。その成果もあり、平均的になんでもこなせる高い実力を身につけている。<第3・4・9・10話>

  • アラン(アラン・バーナーズ)【下野 紘】:フリージア王国騎士団の一番隊騎士隊長。明るい性格のお調子者だが、鍛錬で培った身体能力と剣技だけで騎士隊長の座に上り詰めた努力家。その性格からアーサーを始め多くの騎士から慕われている。<第5・9~11話>

  • ヴァル【諏訪部 順一】:ある特殊能力を持っており、騎士団襲撃の際に雇われていた盗賊。親に捨てられた過去を持ち、人に対する感情が不器用な面を併せ持つ。<第3・4・6・9~12話>

  • セフェク【M・A・O】:孤児。手の平から水を出す特殊能力を持っており、ケメトと共に行動している。<第10~12話>

  • ケメト【石上 静香】:孤児。引っ込み思案な性格で、いつもセフェクの後ろをついて回っている。<第10~12話>

そのほか、劇中で登場する、役名が付いている登場人物としては、次のような人たちがいます。< >内はそれぞれのキャラクターが登場する放送回です。

  • ジャック【広瀬 裕也】:プライドの衛兵。<第1・7・8話>

  • ロッテ【陶山 恵実里】:プライドの侍女。<第1・7・8話>

  • マリー【清水 彩香】:プライドの侍女。<第1・7・8話>

  • マリアンヌ(マリアンヌ・エドワーズ)【上田 麗奈】:不治の病にかかっているジルベールの婚約者。伯爵家の三女。<第7・8話>

  • ステイルの母【中野 さいま】:ステイルの母。<第2話>

  • カール【江越 彬紀】:ステイルの剣術の先生。<第3話>

  • ハンネス【大町 知広】:フリージア王国騎士団の騎士<第3話>

  • クラリッサ(クラリッサ・ベレスフォード)【南條 愛乃】:ロデリックの妻で、アーサーの母。<第5話>

  • ベイル【喜屋武 和輝】:ジルベールが下町で特殊能力者の情報を求めて接触する男<第7話>

  • パウエル【内田 雄馬】:人身売買組織に捕らえられていた特殊能力者。<第10・12話>

  • アダム【岡本 信彦】:人身売買組織のリーダー格。<第11話>
  • 鎖の大男【城岡 祐介】:<第10・11話>

 

公式サイトのストーリーで紹介されている各話ごとのあらすじは、次のとおりです。

第一話「~我儘王女は目を覚ます~」

フリージア王国の第一王女・プライド。8歳の頃、突如として前世の記憶を取り戻した彼女は、かつてハマっていた乙女ゲーム「君と一筋の光を」の世界に転生していたことに気が付く。このままゲームのストーリー通りに時が経てば、待っているのは極悪非道ラスボス女王に成り下がった自身が国や多くの民を苦しめる最悪の未来……。そんなシナリオを変え、全ての人たちが幸せになれる世界を目指して、プライドは前世の記憶と『予知能力』を武器に立ち上がる……。

第二話「~極悪王女は義弟に願う~」

義理の弟になった平民出身の少年・ステイルのことを温かく迎え入れたプライド。ゲーム本来のシナリオでは、自身に憎悪を向けるようになる彼の幸せを願い、プライドはさっそく行動を開始。フリージア王国の王配にして父・アルバートの協力もあって2人は信頼関係を築くのだった。だが、その様子を王国の宰相・ジルベールは快く思っておらず、何やら怪しい動きを始める……。さらに時を同じくして、ゲームの主人公にして王国の第二王女・ティアラと初対面の時がやってきて……。

第三話「~外道王女と騎士団~」

プライドが前世の記憶を取り戻してから、3年の月日が経過。この間に起こるはずだった悲劇は回避され、11歳のプライドはステイルやティアラと共に平和な時間を過ごしていた。だが、自身のラスボス女王としてのチート能力を実感したことで、ゲーム通りの最悪の未来に近づいているのではないかと不安を募らせるプライド……。そんな中、彼女のもとに王国の騎士団長・ロデリックの率いる兵が奇襲されたとの知らせが届く。彼らを助けるため、特殊能力を使った作戦を開始するプライドとステイルだったが……!?

第四話「~最低王女と誓いの青年~」

奇襲を受けた騎士団を救うべく自ら戦場に立ったプライド。彼女は、ラスボスとしてのチート能力を存分に発揮し、敵を瞬く間に撃退。見事、ゲーム本来のシナリオで死ぬ運命だったロデリックや騎士たちの救出に成功する。後日、今回の事件について会談の場を設けたプライドとロデリックたち。その場でロデリックから危険を顧みない軽率な行動をとったことを叱責されるプライド。さらに騎士としての誇りと生き方に泥を塗られるところだったと憤る彼に対してプライドがかけた言葉とは!?

第五話「~酷悪王女と剣~」

父・ロデリックを救ってくれたプライドへの忠誠を誓ったアーサーは、彼女を護る騎士になることを決意。さっそく稽古を開始し、後に最強の騎士と謳われるまでになる剣術の才能の片鱗を覗かせる。一方、ゲーム内での出来事が頭をよぎり、アーサーやロデリックのことが気になったプライドは、ステイルと共に騎士団演習場へ。するとそこでロデリックの意外な一面を目撃する。さらに時を同じくして演習場にやって来たアーサーは、稽古でステイルと手合わせをすることになり……!?

第六話「~自己中王女は裁く~」

ゲーム本来のシナリオでは、法律を逆手にとり非道な行いを繰り返していた極悪女王・プライド。11歳のプライドはそんな自分と同じ轍を踏むまいと、法律を正しく運用するため勉強に励むことに。そんな折、母・ローザから次期女王として騎士団を奇襲した盗賊の1人・ヴァルを裁くことを命じられる。本来であれば死刑が妥当であるものの、ヴァルのゲーム設定を思い返し決断を迫られるプライド。果たして、悩める彼女が出した答えとは!?

第七話「~冷酷王女とヤメルヒト~」

フリージア王国騎士団に入隊するために2年間、鍛錬に励んできたアーサーは、見事入隊試験に合格。叙任式の場で、改めてプライドのことを一生かけて護ると誓うのだった。そんなめでたい出来事の後、ジルベールが不穏な動きを開始。以前から推し進めていた国民に特殊能力の申請を義務化される法案を可決すべく、脅迫気味にプライドに迫る。その様子を見かねたアルバートジルベールを叱責し、2人は衝突してしまう。翌日、ジルベールは無断で城を抜け出して……。

第八話「~無礼王女と裁き~」

婚約者・マリアンヌの病気を治せる能力者を見つけるために暗躍をしていたジルベール。私的な目的の為に王族を裏切り、義姉の名に傷をつける行いをしていたジルベールにステイルは怒りを向け、即座に彼を断罪しようとする。しかし、ジルベールに関するゲーム本来のシナリオを思い出していたプライドはそれを制止。彼の心情を慮り、マリアンヌを助けるべく意外な人物に協力を仰ぐのだった。その後、今まで犯してきた罪を全て告白したジルベールに裁きの時が訪れる……。

第九話「~残酷王女と罪人~」

凄まじい倍率の選抜試験を突破し、プライドの近衛騎士に就任したアーサー。その結果にプライド、ステイル、ティアラはそれぞれ喜びの声をあげる。後日、公務を終え、宮殿への帰路につく4人は、行き倒れているヴァルを発見する。以前交わした隷属の契約の中の”心から誰かの助けを望む時は私のもとを訪ねなさい”という命令に従いやって来た彼に事情を尋ねるプライド。するとヴァルは、一緒に生活していた孤児のセフェクとケメトが人身売買組織に連れて行かれたことや、2人を救出してほしいことをプライドに伝えて……。

第十話「~薄情王女は潜入する~」

セフェクとケメトに対する本当の思いに気が付き、涙を流したヴァル。そんな彼の姿を見たプライドは捕らわれた2人の救出、そして人身売買組織を壊滅させるべく、ステイル、アーサー、ジルベールと共に行動を開始。ジルベールの年齢操作の能力を駆使して、敵の本拠地へと潜入した一同はセフェクとケメトを捜索。さらに敵を制圧しながら、捕らえられていた他の人々を解放していく。そんな中、ステイルは強力な能力を制御できず自暴自棄に陥っている少年と出会い……!?

第十一話「~惨酷王女と命令~」

一度は窮地に陥るも、見事な連携によって敵を制圧したプライドたち。事件は解決し、後は保護されたセフェクとケメトと合流するのみかと思われた時、プライドたちは謎の爆撃に襲われる。一刻も早く脱出を試みる一同だったが、ヴァルを探すセフェクとケメトが洞窟へ飛び込んでいったとの知らせが届く。そこで、洞窟の崩壊が始まる中、2人のもとへと急ぐヴァルとプライドたち。無事にセフェクを救出したものの、ヴァルとケメトが瓦礫によって閉じ込められてしまい……?

第十二話「~悪虐王女は未来に向かう~」

人身売買事件を解決し、平穏な日常生活を取り戻したプライドたち。事件後、ヴァルとセフェク、ケメトは王族専属の”配達人”として働き始め、以前よりも充実した生活を送っていた。そんな3人を見守るプライドは、平和な時間を噛みしめながら、”学校を作る”という自身の新たな目標の為に行動を開始するのだった。一方、実力を高める為にジルベールに稽古をつけてもらうアーサー。その途中、ステイルも加えてアーサーVSジルベールで模擬戦を行うことになり!?

 

(ここまで)

 

異世界で悪役に転生するというのは、先日劇場版を観た「乙女ゲーム破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…」をはじめ、ライトノベル、そしてそれを原作とするアニメのテンプレート、典型的な舞台設定パターンのひとつになっているようなので、この手の作品をよく見ている人からすると、ありきたりな展開の物語なのかもしれませんが、私自身は楽しんで見ることができました。

ゲームの世界に転生するというのは、他の人間(ゲーム制作者)が創作した架空の世界が、異世界であれ、実際の世界に存在するということなので、考えてみるとよくよく奇妙な設定だとは思いますが、転生前の自分が知識として知っている世界に存在する人物に転生し、その悲劇的な運命を変えようと抗っていく、という物語は、なかなか面白かったです。