鷺の停車場

映画、本、グルメ、クラシック音楽、日常のできごとなどを気ままに書いています

映画「言えない秘密」

休日の朝、MOVIX亀有に行きました。


9時すぎの時間帯、ロビーのお客さんは少なめでしたが、11時半ごろに観終えて出たころにはけっこうな混雑になっていました。


ロビー手前の通路の壁には、先日MOVIX柏の葉で観た「劇場総集編ぼっち・ざ・ろっくRe:」のタペストリーが飾られていました。


上映スケジュールの一部。この日は、29作品・種類の上映が行われていました。


この日観るのは「言えない秘密」(6月28日(金)公開)。全国264館と大規模での公開です。


シアター入口を入った通路の壁には、タペストリーも飾られていました。


上映はこの映画館で一番大きい457+3席のシアター10。この映画館は比較的よく来ますが、このスクリーンで観るのはかなり久しぶりです。入ってみると、お客さんは40人ほどでした。


(チラシの表裏)

 

大ヒットした2007年の同タイトルの台湾映画を原案に日本でリメイクしたラブストーリーで、監督は河合勇人、脚本は松田沙也。

 

主な登場人物・キャストは、次のとおりです。

  • 樋口 湊人(ひぐち みなと)【京本 大我】:主人公。青葉音楽大学のピアノ科3年生。留学先のイギリスでの経験からトラウマを抱え、ピアノから距離を置こうとしていた。

  • 内藤 雪乃(ないとう ゆきの)【古川 琴音】:旧講義棟で湊人が出会った、ミステリアスな雰囲気を持った音大生。

  • 浅野 ひかり(あさの ひかり)【横田 真悠】:湊人と同じピアノ科に通う幼なじみ。湊人に密かな想いを寄せている。

  • 棚橋 順也(たなはし じゅんや)【三浦 獠太】:湊人と同じ大学の学生。

  • 広瀬 慎之介(ひろせ しんのすけ)【坂口 涼太郎】:湊人と同じ大学の学生。

  • 山本 修治(やまもと しゅうじ)【皆川 猿時】:青葉音楽大学の教員。

  • 内藤 敦子(ないとう あつこ)【西田 尚美】:雪乃の母。

  • 樋口 透(ひぐち とおる)【尾美 としのり】:湊人の父。喫茶店「CAFE POLONAISE」(カフェ・ポロネーズ)のマスター。

 

公式サイトのストーリーでは、次のようにあらすじが紹介されています。

 

過去の出来事からトラウマを抱えた大学生・湊人(みなと)は、どこか謎めいた雰囲気のある大学生・雪乃(ゆきの)が奏でるピアノの音色に導かれ、運命的な出会いを果たす。自然と惹かれ合い、雪乃の明るく純粋なピアノの演奏は、湊人が抱えるトラウマを癒し、やがて2人で過ごす日々は愛おしくかけがえのないものへとなっていく。しかし、ある日突然雪乃は湊人の前から姿を消してしまう―—。

 

切なく心に響くラブストーリーでした。タイムスリップの仕掛けは少し腑に落ちない部分もありましたが、序盤から、やや不思議に思える部分が、終盤になって見事に伏線回収されていく展開も見事で、涙腺が緩むシーンもありました。主演の京本大我と古川琴音は、雰囲気、佇まいも良かったですが、ピアノを弾くシーンがとても自然なのにとても驚きました。もしかすると音は別録りした部分もあったのかもしれませんが、見事な弾きっぷりでした。

 

以下は、ネタバレになりますが、備忘も兼ねて、以下、作品のあらすじを紹介します。(多少の記憶違いはあるだろうと思います)

 

予定より1年早く留学から帰ってきた湊人は、ピアノから距離を置き始めていた。

ある日、湊人が旧講義棟に足を向けると、中からピアノの音が聞こえてくる。その音楽が気になった湊人は、ピアノが鳴る部屋を探して2階の一室に入る。部屋の真ん中には1台のグランドピアノが置かれていたが、人の姿はない。しかし、ミステリアスな雰囲気の女の子が姿を現し、もう終わったから、と言って部屋を出て行く。

彼女が気になった湊人は、ひかりと受ける講義の最中も彼女がいないか教室内を見回すが、少し遅れて彼女が入ってきたことに気づき、講義が終わった後、彼女を追いかけてつかまえる。湊人は自分の名前を名乗り、弾いていた曲の名を尋ねると、彼女は、秘密、と答え、名前も言わずに去っていく。

湊人が、「カフェ ポロネーズ」を父親が営む自宅に帰ってくると、ひかりが待っており、単身赴任中の母親から電話がかかってくる。家を出てひかりを送る湊人は、留学して現実が見えた、単位を取って大学は卒業するがピアノは辞めようと思っていると打ち明け、父に言うとうるさいから内緒にしてくれるよう頼む。彼女のことが気になる湊人に、ひかりは、バカ!と言って帰っていく。

彼女に会いたくて、再び旧講義棟を訪れる湊人だったが、彼女はいない。しかし、旧講義棟のそばのベンチで昼寝をしていると、彼女が声を掛け、一緒にさぼろうと誘う。湊人は、自転車の後ろに彼女を乗せて大学を出て、ショッピングモールのゲームセンターでUFOキャッチャーなどで遊ぶ。ショッピングモールの一角に自由に弾けるグランドピアノが置かれているのを見た彼女は、音大生の実力を見せちゃえ、とけしかけるが、湊人は弾こうとはしない。その帰り、彼女は内藤雪乃と初めて自分の名前を明かす。湊人は連絡先を交換しようとするが、雪乃はスマホは持っていないと言い、連絡を取りたくなったらどうすればいいと尋ねる湊人に、私たちの出会いが運命ならきっとまた会える、と答える。

湊人が自宅に帰ると、父が音楽仲間とセッションをしていた。音楽仲間からピアノを弾かないかと誘われる湊人だったが、それを断り自分の部屋に帰っていく。

そんな折、旧講義棟の部屋に行った湊人は、そこにやってきた棚橋と広瀬にピアノを聴かせろと迫られ、強引にピアノバトルが行われるアンサンブル室に連れてこられる。話を聞きつけた学生たちが集まる中、雪乃もばったり出会ったひかりから湊人がピアノバトルに挑戦すると聞き、会場に足を運ぶ。相手は1年生のときに当時の4年生を破ってから無敗の「ピアノ王子」と呼ばれる門倉だった。ショパンの雨だれ、木枯らしなど名曲の1節を弾き競う2人。気が進まない湊人は、初めこそ高い実力をいかんなく発揮して観客をうならせるが、留学中のトラウマが脳裏に蘇り、途中で演奏を続けられなくなり、敗れてしまう。
湊人は、留学先での指導教官から、どうして言う通りに弾けないのか、お前には無理、ピアニストには向いていない、日本に帰れ、と言われたことがトラウマになっていた。

次の日、湊人は雪乃に声を掛けられる。雪乃は、もう忘れて、と言う湊人を海に連れて行く。砂浜で、雪乃は湊人の頬にキスをして、その腕を掴んで海に引っ張り込む。ずぶ濡れになりながら水を掛け合ってはしゃぐ2人。

湊人は、雪乃を父が音楽仲間のところに行っていて不在の自宅のカフェに連れていき、ずぶ濡れになった服を干している間、カフェでコーヒーを入れて雪乃にごちそうする。湊人は、ピアノの才能があると勘違いしたのが運の尽き、楽しい気持ちも思い出もない、辛いだけ、と心情を吐露すると、雪乃は、お店の中にアップライトピアノが置いてあるのを見て、弾いていい?と言って湊人もピアノの前に連れていく。雪乃はショパン仔犬のワルツを弾き始め、その楽しそうな様子に引き込まれ、湊人も雪乃の隣に座って連弾を弾き始め、楽しさを思い出す。弾き終えた後、雪乃は、湊人のピアノが好き、心にじいんときた、湊人が楽しいときにどんな音を出すのか知りたくなった、と話す。
日が暮れて、湊人は雪乃を自転車に乗せて、雪乃を送るが、母親に見つかるとうるさいから、と雪乃は自宅までではなく、近くの路地で降りて、2人は別れる。

父は、家の中に眠っていた赤いトイピアノを修理しながら、湊人がピアノを辞めたがっているのを察して、好きなことをしてくれればいい、話ができる友達がいるなら良かった、ゆっくり考えろ、と言葉をかける。湊人は修理が終わったトイピアノを鳴らしてみる。

湊人が旧講義棟の部屋に行くと、雪乃がいた。考え事したくて、とピアノを弾く雪乃に、湊人は隣に座って連弾をする。しかし、そこに教官の山本がやってくる。慌てて雪乃は隠れるが、山本は、ここは取り壊しが決まっている、安易に立ち入らないように、と言って去っていく。雪乃は、ここもなくなっちゃうんだ、と言葉を洩らし、部屋にあったショパンの恋人だったジョルジュ・サンド肖像画を見て、10年も好きな人といられたら幸せ、と言う。それでは足りないと言う湊人に、雪乃は、欲張りだなあ、と言って、持っていたポラロイドカメラで2人の写真を撮る。

一緒に海に行って遊んだりして、次第に2人は惹かれ合っていく。

棚橋と広瀬にクリスマスイブに行われるクリスマスパーティでライブの手伝いをさせられた湊人は、バンドのキーボード演奏を担当するが、演奏を途中で止めて、来ていた雪乃の手を取ってダンスに誘い、2人で楽しく踊る。

ライブが終了し、広瀬たちは2次会のカラオケに向かうが、ひかりは、湊人が来ていないことが気にかかる。その頃、湊人と雪乃はパーティ会場にまだ残っていた。こんなにはしゃいだのは初めてと話す雪乃に、湊人はプレゼントを渡す。雪乃が包みを開けると、木彫りのサンタクロースが上に乗ったオルゴールだった。オルゴールを耳に宛てて音を聞く雪乃。そして、会場にあったピアノで、初めて会った日に弾いていた曲を弾く。湊人も隣に座って連弾を始める。いつしか2人の手は重なり合い、2人は手を握って見つめ合い、そしてキスをする。家まで送ってくれる湊人に、雪乃は、その曲は古い校舎のピアノでは弾かないで、理由は秘密、いつか話す、と言う。

年が明け、大学の掲示版には、3月9日に開かれる学内ショパンコンサートのオーディションの案内が貼り出されていた。湊人は、それを受けることを伝えたくて、教室の一番後ろの席に雪乃が座っているのを見て、17時に旧講義棟前のベンチで待ち合わせるメモを回してもらうが、待ち合わせの場所である旧講義棟前のベンチにやってきたのはひかりだったひかりはメモが自分に回ってきたと言い、そういうつもりじゃなかったと謝る湊人にキスをし、私じゃダメなの、と告白するが、それを旧講義棟から出てこようとしていた雪乃が目撃し、動揺した雪乃は旧講義棟の中に走っていってしまう。湊人はその後を走って追いかけ、ピアノがある部屋に行くと、息を荒げた雪乃が座り込んでいた。喘息なの、と薬を飲む雪乃は、ひとりになりたい、と湊人を部屋から押し出し、扉に鍵を掛ける。扉越しに湊人は、ひかりはただの幼なじみ、俺は雪乃と一緒にいるとピアノが楽しい、もっと上手くなりたいと思える、雪乃がいたからまたこんな気持ちになれた、3月9日のショパンコンサートに出られるよう頑張ってみたい、と思いを打ち明けるが、雪乃は、お願い、もう帰って、と言い、湊人は帰っていく。

その日を境に、雪乃は姿を見せなくなる。雪乃に会いたいと、湊人は雪乃の家に行ってベルを鳴らしても返事はなく、出てきた母親は、からかわないで、帰って、と物を投げつけて追い返す。

ひかりと話す湊人は、この間のことを謝るが、ひかりも湊人に謝り、、湊人が心配でその役に立ちたかった、その役が取られて悔しかっただけ、と話す。

そして、ピアノに打ち込み、ショパンコンサートの最終選考に臨んだ湊人は、見事に出場を果たすが、その本番、ステージでピアノを弾く湊人は、途中で会場に入ってきて一番後ろで演奏を聴く雪乃の姿を見つけると、演奏を中断してその姿を追って駆け出し、会場は騒然となる。

ホールのロビーで雪乃を捕まえた湊人は、ふらつく雪乃を抱きしめる。雪乃はサヨナラを言いに来たと話し、湊人は、後で話そうと伝えるが、追いかけてきた教員たちに連れ戻されてしまう。

コンサートが終わると、湊人は慌てて旧講義棟のいつもの部屋に駆けつけるが、雪乃はいなかった。階段で会った広瀬と棚橋に雪乃のことを知らないか尋ねるが、2人とも雪乃のことは全く知らず、クリスマスパーティでは湊人が1人でノリノリで踊っていたと話す。スマホで見せられたその日の映像には、確かに雪乃は写っておらず、湊人が1人で踊っていた。

湊人はこれまでのことを振り返り、何かに思い当たった湊人は、雪乃の自宅を訪ねる。応対する母親は、雪乃さんはいますか、と尋ねる湊人に、ふざけないで、と最初は相手にしなかったが、湊人が自分の名前を名乗ると、少し時間を置いて、玄関のドアが開き、湊人の名前を確かめ、家に赤いトイピアノがないか尋ねる。湊人があると答えると、母親は湊人を家の中に招き入れる。

母親は湊人を雪乃の部屋に案内する。部屋には雪乃の写真、そして湊人がクリスマスイブにプレゼントしたオルゴールが置かれていた。母親は、雪乃は21年前に亡くなり、今日が命日であること、部屋は当時のまま残していることなどを話し、湊人に、あなたに呼んでもらいたいと雪乃が書いていた日記を手渡す。

それを開くと、演奏室で「Secret」と題された見たこともない楽譜を見つけ、それをピアノで弾き始めると、21年後の同じ場所にタイムスリップして湊人と出会って恋するようになったこと、タイムスリップすると最初に目が合った人にしか見えないこと、病気のせいにして前向きになれなかった自分が湊人のおかげで前向きになれたこと、21年後の自宅を訪れて自分が死ぬ日を知ったこと、ポロネーズにコーヒーを飲みに行き、マスターから間もなく子どもが生まれると聞いて、お祝いしたい、生まれてきてくれてありがとうと伝えたい、と涙したことなどが綴られており、亡くなった3月9日の日付の最後のページには、最後に聞きたいのは湊人のピアノ、と書かれていた。

母親は、雪乃がトイピアノを探しておりマスターに渡してくれと頼まれて後に贈ったこと、日記に書かれたことが空想なのか本当なのか分からなかったが、湊人に会って本当だとわかったこと、夜に大学で1人で亡くなっていたことなどを話し、最後に雪乃のそばにあった楽譜を湊人に手渡す。

それを聞いた湊人は、雪乃の家を飛び出し、取り壊しのため囲いが設けられた旧講堂に侵入し、ピアノで「Secret」と題したその曲を弾き始める。すると、時間が21年前に遡り、ピアノのそばには瀕死の雪乃が倒れていた。湊人は、雪乃を抱き起こし、現代に戻れば治療も可能かもしれないと思い、2人で「Secret」を弾こうと必死に試みるが、雪乃にもうピアノを弾く力は残っていなかった。湊人は雪乃を抱き寄せると、雪乃は、湊人の心臓の音が聞こえる、夢みたい、と言い、湊人の前ではただの女の子でいたかった、湊人といた時間が私の全部、湊人が好き、もっと一緒にいたかった、と思いを伝え、息を引き取る。

翌日、湊人が自宅に帰ると、少し前に父親が修理した赤いトイピアノの上に、雪乃の日記が置かれていた。父は、雪乃の母親が、これは湊人に持っていてほしい、と持ってきたのだと話すのだった。

(ここまで)


なお、入場者プレゼントをいただきました。


QRコードはマスキングしています)

公開日から3日間限定で配布された、完成披露試写会舞台挨拶の様子をノーカットで収めた特典映像が先行視聴できるオリジナルカードでした。