鷺の停車場

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映画「いつも月夜に米の飯」

映画「いつも月夜に米の飯」(2018年9月8日(土)公開)を観ました。 

いつも月夜に米の飯 [DVD]

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公開中からちょっと気になっていて、新宿などで上映されていたのは知っていたのですが、終盤の展開が自分にはしっくりこなさそうな気がして、観に行こうか迷っているうちに、無理なく行けるスクリーンでは上映が終わってしまっていた作品。

監督・脚本は加藤綾佳、私は同監督の作品は初めて。

新潟で居酒屋を営む母(高橋由美子)に反目し、親元を離れ東京の高校に通う千代里(山田愛菜)だったが、母が失踪して新潟に帰り、居酒屋の料理人アサダ(和田聰宏)とともに居酒屋を切り盛りしていくうち、徐々に心を開いていき、アサダを好きになっていくが、失踪した母が帰ってきたら結婚したいと言うアサダ。そんなところに突然母が帰ってきて・・・というあらすじ。

なかなか怖いお話でした。

母が帰ってきて、3人で仲良く居酒屋を切り盛りしていく、ということになればハッピーエンドなのですが、そんな円満な結末にはなりません。母と娘がぶつかり、娘は母とアサダの結婚をぶち壊しにして、アサダは母の居酒屋から出ていくことになる、というドロドロな展開。新潟に帰っていたせいで単位が足りず留年が決まった千代里は高校を中退し、採用面接にアサダが働く料理店に向かい、エンドロール後のエピローグではアサダと千代里が一緒に暮らしている、という意表を突いた着地に持っていくところは、加藤監督の作家性なのだろうと思いますが、やはり私にはしっくりこなかったなあ。

俳優陣は、主役の山田愛菜はこんなもんかなあ、という感じでしたが、男癖の悪い女将、娘の恋敵を演じた高橋由美子が印象的。ふんだんに出てくるお料理の映像は鮮やかで、実際に新潟に行って食べてみたくなるくらい魅力的でした。