鷺の停車場

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アニメ「四月は君の嘘」②第6話~第11話

dアニメストアで見た「四月は君の嘘」の紹介の続きです。

前回同様、公式サイトに掲載されている各話あらすじを引用しながら紹介します(以下<   >内は公式サイトからの引用です)。

第6話「帰り道」

<学校の音楽室からピアノの音が流れる。公生の演奏を録音して、みんなで聴きなおしていたのだ。自分の演奏にショックを受ける公生。落ち込んでいる公生を気にもかけず、かをりはすでにコンクールに公生の応募書類を送ってしまったことを報告する。君は何のためにピアノを弾きたいの? そう問いかける、かをり。公生はひとりでピアノに向かう。ピアノと公生二人ぼっちの練習の日々がはじまった。公生に急接近するかをりの姿を見て、椿はさびしさを感じる。そこには彼女が踏み込めない音楽家の世界があった。中学最後の夏、椿はソフトボールの試合中に足を負傷し、惜しいところで負けてしまう。うつむき落ち込んだときに椿の目の前に現れた人物は……公生だった。>

原作の第9話「ラジカセと月」・第10話「帰り道」に相当する部分。Blu-ray・DVDでは次の第7話とともに4巻に収録。

公生とは家が隣の幼なじみ、ソフトボール部で音楽の世界は分からないけど、ピアノを止めて時間が止まってしまったかのような公生を心配していた椿。再びピアノに向き合い始めた公生の姿は、自分でも望んでいた変化のはずなのに、自分には入れない世界に進んでいってしまったような淋しさを感じ、ちっちゃい頃から一番近くにいたのに、いつの間にか一番遠くにいる、と思ってしまうのだった。自分では公生を弟のように思っていて、いや、弟のような存在だと自らに言い聞かせていて、本当は公生に恋していることに気付いていない、椿の心の揺れ動きが切ない。

第7話「カゲささやく」

<コンクールの日が近づく。課題曲は暗譜で弾けるようになった。だけど、その曲を自分のものにできたかがわからない。苦悩する公生は授業中に倒れ、保健室に運ばれてしまう。君はどうせ君だよ、保健室に来たかをりは、公生に語りかける。悩んで、迷って、苦しんで、たどりついた答えは笑っちゃうくらいシンプル……。とうとうコンクールの日がやってきた。またピアノが弾けなくなるんじゃないかと怯える公生。しかし、心の中のかをりが彼を勇気づける。そのころ会場には公生を待つ、2人の男女がいた。相座武士と井川絵見、2人は数年前に公生がコンクールで賞を獲り続けていたころ、公生に憧れ、嫉妬し、ライバル視していた同年代のピアニストたちだった。>

原作の第11話「カゲささやく」・第12話「蜃気楼」に相当する部分。

渡や椿の夏の大会は終わった。自分がどこにいるのか分からない、暗闇から抜け出せるのか葛藤しながらコンクールに向かう公生。「君はどうせ君だよ、私たちはショパンじゃない、ありったけの君で、真摯に弾けばいいんだよ」と励ますかをり。そこに、公生に特別な意識を抱く武士と絵見が登場します。この2人が、後半にはもっと重要な存在になっていくことになります。

第8話「響け」

<コンクールの優勝候補である武士は2年間、公生を待っていた。公生のピアノに憧れ、より高みを目指して強靭な意志で研鑽を積んできたのだ。その想いをピアノにぶつける武士。その演奏は会場から万雷の拍手で称えられる。その演奏を聴き終え、静かにステージへ向かう絵見。彼女は幼い公生に憧れ、ピアニストになることを誓ったという過去があった。公生がいなくなってから目標を失い、ここ数年不安定な成績を上げていた。だが、公生と再会したこのコンクールで彼女は最高潮の演奏を披露する。感情の起伏が音楽のうねりとなって観客に訴えかける。観客席にいたかをりは、絵見の演奏に共感するのだった。>

原作の第12話「蜃気楼」・第13話「うねる」・第14話「赤と黄色」に相当する部分。Blu-ray・DVDでは第9・10話とともに5巻に収録。

コンクールで優勝を重ねていた頃の超合金ロボのように完璧に演奏する公生を目標に自らを高めてきた武士は、俺の目標は有馬公生です、あいつの出るコンクールです、と招待されたドイツのコンクールを蹴ってこのコンクールに臨んでいた。一方、5歳で初めて発表会に出た時の自由な公生の演奏に衝撃を受けてピアノの道に進み、精密機械のように正確なかつての公生をぶっ倒してやるとコンクールに臨む絵見。それぞれ追う姿は違っても、数年ぶりにコンクールの舞台に姿を現した公生に気持ちを高ぶらせ、その思いをピアノにぶつける。ライバル・憧れの存在が突然表舞台から姿を消したことでぽっかり空いていた穴が治癒され、2人は精神的に最高の状態でピアノに向かうことができたのでしょう。

第9話「共鳴」

<絵見は、あこがれのピアニストだった公生に想いを伝えるべく熱演を披露する。ステージを終えたばかりの絵見は、公生のもとに向うが、かける言葉はなかった。想いは全部、ピアノに込めたのだから。そしていよいよステージに向かう公生。ピアノを前にした公生に、亡き母の幻影が語り掛ける。過去と対峙する公生の音楽の旅がはじまった。>

原作の第15話「共鳴」・第16話「ねぇ、ママきいてよ」に相当する部分。

自分の力を尽くして演奏した絵見は、終了後に公生に歩み寄り、何かを言いたげに胸ぐらを掴むが、その手を緩めて立ち去る。今、言葉は蛇足だ、想いは全部、ピアノに込めたのだから。公生の復活を待ち望む絵見は、その思いをすべて自分の演奏にぶつけたのだ。そして公生の順番がやってくる・・・

第10話「君といた景色」

<公生の演奏がはじまった。最初は好調だった演奏だがやがて中盤に来て、演奏が乱れはじめる。その荒れた演奏を聴いて、ざわめきはじめる観客。ピアノの音が聴こえなくなったという噂は本当なのか。観客席のかをりや椿、渡は心の中で公生を応援し、演奏を終えたばかり絵見と武士はその演奏を心配そうに見守る。公生はステージでひとり、母のトラウマと対峙していた。>

原作の第17話「墜ちる」・第18話「君といた景色」に相当する部分。

難曲とはいえないショパンエチュードホ短調作品25の5を公生が課題曲に選んだことを訝しむ武士と絵見。2人は公生が選ぶはずだと思ったから技術的に難易度が高い作品25の11をぶつけたのに。実は、公生の曲はかをりが課題曲の中から鉛筆を転がして選んだものだった。かをりにとっては、課題曲なんてどうでもよかったのだ、コンクールに出てくれれば。その曲を母のトラウマと闘いながら演奏し始める公生。最初はかつてのように完璧な演奏だったが、集中するにつれ、再び、音が聞こえなくなり、深い海に溺れたような感覚に襲われて、苦しい叫びのように演奏は乱れ、ついには演奏を止めてしまう。しかし、学校の音楽準備室でかをりが見守る中で練習した景色を思い出し、「そうだ、僕は君のために弾こう」と再びピアノを弾き始める。すると、演奏が、音が変わって輝きを放つ。公生の演奏の変化に飲み込まれる観客たち。かをりは、やっと帰ってきた、ピアノの中に君がいると感じるのだった。終了後の公生は、晴れ晴れした表情であいさつする。

第11話「命の灯」

<公生の演奏は終わった。コンクール会場の控室に戻った公生の前に、亡き母の音大の同期だった友人・瀬戸紘子が現れる。日本屈指のピアニストである紘子は、公生がピアノに込めた想いを読み取っていた。――ピアノは奏者のすべてを引きずりだすわよ。そのことばに戸惑う公生。そしてコンクールの結果が発表されたが、武士と絵見は妙に晴ればれとした公生の表情を見て、彼の変化と成長をたしかに感じ取るのだった。>

原作の第19話「線路沿いの道」・第20話「橋の下」に相当する部分。Blu-ray・DVDでは第12・13話とともに6巻に収録。

公生の才能に気付き、もとはその気がなかった母にピアニストへの道を強く勧めたのは紘子で、トラウマに苦しむ公生に罪悪感を抱いていた。終了後、紘子は公生を呼び止めて抱きしめる。結果発表の場、自分の目標として励んできた公生とあまりに違う演奏に当惑する武士は、公生に「今まで何やってきたんだ」と厳しい言葉を投げるが、公生は「これが今の精一杯の僕だ」「僕らはまだ旅の途上にいる」と語り、会場を後にする。
翌日、紘子が公生の家を訪ねると、公生は前日のままの服装でピアノの下で寝ていた。公生は夜通しピアノを弾いていたのだった。紘子が、正直公生がまたピアノを弾くとは思わなかった、どうして再びピアノを弾いたのかと尋ねると、かをりに引きずり上げられた舞台で体験したこれまで知らない光景をもう一度体験したい、だから、変なピアニストになりたいと思ったと語る公生。それを聞いた紘子は、公生の後見人としてピアノを教えることを決意するのだった。

 

ここでちょうど半分、1クール分ということでしょうか。

かをりの願いで引きずり出されたコンクールでしたが、その体験を通じて、公生は、自らの意思で、再びピアニストを目指すことを、トラウマを乗り越えようと努力する道を、自らの意思で選択することになります。一度中断した後、かをりのことを思いながら弾いたピアノが、届いたと実感できたことが、ピアニストとしての旅に出ることを決意させたのでしょう。