鷺の停車場

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テレビアニメ「響け!ユーフォニアム3」を観る②第4回~第7回

4月からNHK Eテレで放送されているテレビアニメ「響け!ユーフォニアム3」、続いて第4回から第7回までを紹介します。

繰り返しになりますが、本作は、黄前久美子の3年生時代を描いた「響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、決意の最終楽章」の前編(2019年4月刊行)と後編(2019年6刊行)を原作にテレビアニメ化した作品で、主要スタッフは、監督:石原立也、副監督:小川太一、シリーズ構成:花田十輝、キャラクターデザイン:池田晶子池田和美総作画監督池田和美、楽器設定:髙橋博行、楽器作画監督:太田稔、アニメーション制作:京都アニメーション など。

 

 

公式サイトで紹介されている主要登場人物・キャストは、次のとおりです。(< >内は、第4回~第7回でそれぞれのキャラクターが登場(声優が出演)している放送回です。)

  • 黄前 久美子(おうまえ くみこ:3年・ユーフォニアム【黒沢 ともよ】:部長に就任し、90名以上の部員を率いて高校最後の吹奏楽コンクールに挑む。<第4~7回>

  • 加藤 葉月(かとう はづき:3年・チューバ)【朝井 彩加】:新入生係に就任し、後輩たちの指導を行う。最上級生として張り切っている。<第4~7回>

  • 川島 緑輝(かわしま さふぁいあ:3年・コントラバス【豊田 萌絵】:低音パートリーダーに就任。音楽を楽しむことを大事にしており、後輩に慕われている。<第4~7回>

  • 高坂 麗奈(こうさか れいな:3年・トランペット)【安済 知佳】:部長を支える幹部としてドラムメジャーに就任。ストイックな性格で、より厳しく部員たちを導く。<第4~7回>

  • 黒江 真由(くろえ まゆ:3年・ユーフォニアム【戸松 遥】:久美子が夕方の学校で出会った、銀色のユーフォニアムで演奏をしていた少女。3年の春に吹奏楽の強豪校・清良女子高校から転校してきた。<第4~7回>

  • 塚本 秀一(つかもと しゅういち:3年・トロンボーン石谷 春貴】:穏やかな人柄で部員に慕われている副部長。久美子とは幼なじみで、一時期は付き合っていた。<第5~7回>

  • 釜屋 つばめ(かまや つばめ:3年・パーカッション)【大橋 彩香】:マリンバが得意。妹のすずめが、何か問題を起こさないか気に掛けている。<第5~7回>

  • 久石 奏(ひさいし かなで:2年・ユーフォニアム【雨宮 天】:自称「かわいい後輩」。久美子には懐いているが、真由のことは警戒している。<第4~7回>

  • 鈴木 美玲(すずき みれい:2年・チューバ)【七瀬 彩夏】:真面目な性格で、演奏を引っ張るチューバパートのエース。さつきは小学校の同級生。<第4~7回>

  • 鈴木 さつき(すずき さつき:2年・チューバ)【久野 美咲】:いつも明るいムードメーカー。去年の悔しさをバネにコンクールメンバー入りを目指している。<第4~7回>

  • 月永 求(つきなが もとむ:2年・コントラバス【土屋 神葉】:緑輝を師匠として慕う。周囲には壁を作っていて、「月永」という名字で呼ばれることを嫌っている。<第4・5回>

  • 剣崎 梨々花(けんざき りりか:2年・オーボエ【杉浦 しおり】:奏と仲良し。社交的で誰とでも話すことができる。葉月と共に今年の新入生指導係を担当する。<第6・7回>

  • 釜屋 すずめ(かまや すずめ:1年・チューバ)【夏川 椎菜】:吹奏楽初心者。つばめの妹で、姉のことが大好き。<第4~7回>

  • 上石 弥生(かみいし やよい:1年・チューバ)【松田 彩音】:吹奏楽初心者。バンダナがトレードマークで、ギャグを言うのが好き。<第4~7回>

  • 針谷 佳穂(はりや かほ:1年・ユーフォニアム【寺澤 百花】:吹奏楽初心者。弥生・すずめ・沙里と一緒に入部を決める。笑いの沸点は低め。<第4~7回>

  • 義井 沙里(よしい さり:1年:クラリネット【陶山 恵実里】:吹奏楽経験者。美玲と同じ中学校出身で、演奏技術も高い。<第4・7回>

  • 滝 昇(たき のぼる)【櫻井 孝宏】:北宇治高校吹奏楽部の顧問。<第4~7回>

そのほか、エンドクレジットで個別の役名が紹介されているキャラクターは、次のとおりです。(< >内はそれぞれのキャラクターが登場(声優が出演)している放送回です。)

  • 松本 美知恵(まつもと みちえ)【久川 綾】:北宇治高校吹奏楽部の副顧問。久美子のクラスの担任でもある。<第4~7回>

  • 黄前 健太郎(おうまえ けんたろう)【中 博史】:久美子の父。<第5・7回>

  • 黄前 明子(おうまえ あきこ)【七緒 はるひ】:久美子の母。<第5・7回>

  • 黄前 麻美子(おうまえ まみこ)【沼倉 愛美】:久美子の姉。大学を中退し、美容師になるため専門学校に通っている。<第7回>

  • 高坂 奈穂美(こうさか なおみ)【井上 喜久子】:麗奈の母。<第5回>

  • 樋口 一弦(ひぐち いづる)【畠山 航輔】:龍聖学園の2年生。求の中学時代の親友で求を心配している。<第4回>

  • 月永 源一郎(つきなが げんいちろう)【江原 正士】:求の祖父の吹奏楽の名指導者で、現在は龍聖学園の顧問。<第4回>

  • 佐々木 梓(ささき あずさ)【田所 あずさ】:久美子の中学時代の親友。マーチングバンドの強豪である立華高校に進み、現在は吹奏楽部の部長を務めている。<第6回>

  • 中川 夏紀(なかがわ なつき)【藤村 鼓乃美】:久美子の1学年上のユーフォニアムの先輩で、前年の副部長。<第7回>

  • 吉川 優子(よしかわ ゆうこ)【山岡 ゆり】:久美子の1学年上のトランペットの先輩で、前年の部長。現在は夏紀と同じ大学に進んでいる。<第7回>

 

各話とのあらすじは、次のとおりです。

第四回 きみとのエチュード

<初心者も少しずつ上達し、部の雰囲気も好転。サンフェスとコンクールを並行で練習するハードな日々だが、皆前向きに取り組んでいた。
しかしそんな中、求だけは不機嫌さを隠そうとせず、周囲も気を遣う始末。
緑輝がフォローするも、求の頑なな態度は変化しなかった。
そしてサンフェス当日、北宇治高校の前に演奏するのが求の出身校・龍聖学園で――。>

サンライズフェスティバルを間近に控えた吹奏楽部で、「月永」と苗字で呼ばれた求が、思わず声を荒げる事件が起こる。その日の帰り道、久しぶりに一緒に下校する久美子、葉月、緑輝、麗奈の4人で求のことが話題となり、求は緑輝以外の人を警戒していること、有名な指導者で龍聖学園の顧問である月永源一郎がたぶん求の身内であること、求が苗字で呼ばれることを嫌うのは源一郎と何か確執があるのだろうという結論に至るが、緑輝は、求の音楽への情熱は本物だと話し、しばらくは様子見をすることとなる。

サンフェス当日、北宇治高校吹奏楽部のメンバーたちは龍聖学園とすれ違うが、龍聖学園の樋口一弦は求に、顧問の月永源一郎に会ってほしいと頼む。求はこれを強い口調で断ってひと悶着となるが、演奏が終わった後、久美子と緑輝は樋口を呼び止め、事の詳細を聞く。樋口から、源一郎が孫の求を本気で心配しており、求と源一郎の確執の原因が3年前の求の姉の死に関係しているらしいと聞き、緑輝は求と向き合うことにする。
緑輝は求に本心を話すように促すが、求は、ごめんなさい、と頭を下げ、話すことを拒む。その頃、久美子は、顧問の滝から、源一郎が求を龍聖学園に転校させたがっていると聞かされる。

その日の帰り、久美子は駅で求から声をかけられ、姉がかつて指導者の孫という立場に悩み、吹奏楽への思いを失ったまま病気で亡くなってしまった、自分は姉が求めていた楽しい吹奏楽を求めなければいけない気がしている、吹奏楽を心から楽しむ緑輝は姉に似ており、そのままでいてほしいために過去について話せなかった、と本心を打ち明けられる。久美子は求に、源一郎と樋口にはきちんと話すよう伝え、翌日、源一郎と樋口に話した求は、久美子に、僕は北宇治の人間です、と思いを伝える。そんな求に、緑輝は、何か一緒に弾きませんか?と提案し、エルガーの「愛の挨拶」をデュエットし、笑い合うのだった。

 

原作小説「響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、決意の最終楽章 前編」の「二 秘密とフェスティバル」の終盤部分をベースに、「響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、決意の最終楽章 後編」の「プロローグ」「三 つながるメロディー」で描かれた求をめぐるエピソードを交えて描かれています。

第五回 ふらりでトワイライト

<サンフェスも無事に終わり、8月のコンクールに向けての練習が本格化。
部の目標である「全国大会金賞」を達成するためにオーディションの形式を変えることにした久美子たち。
初めてのコンクール、最後のコンクール……それぞれの想いを胸にチャンスをものにしようと意気込む部員たちだが、真由はひとり浮かない顔をしていて……。>

サンフェスが終わり、久美子は、家で父から進路について、やりたいことがあるなら言いなさい。無理強いはしないから、と言葉をかけられる。久美子、葉月、つばめで進路のことが話題となる。麗奈からは音大への進学を勧められる久美子だが、そもそも自分が働いているイメージすら湧かないのだった。

そして、久美子と麗奈、秀一の幹部3人は、大会ごとにオーディションを行うことを決める。

パート練習中、真由は、転校してきたばかりの自分がコンクールに出るのは他の部員に申し訳ないと、オーディションを辞退できないか悩むが、久美子は、北宇治は実力主義、と言って、オーディションへの参加を勧める。真由の態度に違和感を覚える久美子は、真由からあがた祭に誘われるも、思わず先約があると嘘をついてしまう。

松本との二者面談に臨んだ久美子は、なれるものの選択肢を早くから捨てる必要はないが、迷いを怠けの言い訳にするな、とアドバイスされ、大学の資料を渡される。

あがた祭の日、久美子は誘われて麗奈の自宅を訪問する。食事を終えたふたりは、進路のことやコンクールの自由曲「一年の詩」への感想などを語り合うが、麗奈は久美子を自宅内のスタジオに誘い、「一年の詩」の第3楽章にあるトランペットとユーフォニアムのソリを一緒に吹き、全国大会でこのソリを一緒に吹こうと誓い合う。

お祭りも終わりが近づいたころ、久美子と麗奈は外に出て歩く。麗奈は、久美子が違う大学に行ってしまうと、ふたりの関係も終わってしまうのではないかと恐れる思いを明かす。久美子は、それを聞いて思わず笑い、この関係は特別だから大丈夫、と言うのだった。

 

細部にアレンジはありますが、おおむね、原作小説「響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、決意の最終楽章 前編」の「三 戸惑いオーディション」の前半部分に対応しています。

第六回 ゆらぎのディゾナンス

<修学旅行もあっという間に終わり、コンクール府大会メンバーを決めるオーディションが近づいてきた。部員たちが練習に励む中、真由は転校してきたばかりの自分がオーディションを受け、コンクールの舞台で吹くことに対して申し訳なさを感じているという。北宇治は実力主義であると説く久美子だったが、真由は納得した様子はなく……。
そして運命のオーディション当日を迎える。>

府大会が近づき、吹奏楽部員たちがオーディションへ向けて練習する中、真由は久美子たちに、自分はオーディションを辞退したほうがいいのではないかと再び相談を持ちかける。久美子は、北宇治は実力主義だと強調するが、真由は、私が選ばれて嬉しい人なんて本当にいるのかな、と複雑な顔をする。2年前にオーディションでの判定をめぐり部内がもめたことを思い出した久美子は、あの時の決断は間違っていないと思いながら、オーディションの難しさを感じる。

学校からの帰り道、たまたま佐々木梓と会った久美子は、ベンチに座ってそれぞれの進路について語り合う。梓は麗奈と同じ音大志望だったが、その先の将来のことは考えていないと言う。久美子はそんな考えもあるのかと思うが、自身の進路は決め切れない。

そして、いよいよオーディションの日がやってくる。久美子は真由が手を抜くのではないかと心配するが、それが杞憂に終わって安心したのも束の間、自分の番が回ってきて、今年が最後の挑戦なのだと気合いが入る。

そして、松本がオーディションの結果を発表する。ユーフォニアムは久美子と真由、奏の3人が選ばれ、チューバは加藤葉月が初めて選ばれ、前年に続き鈴木美玲も選ばれるが、鈴木さつきは落選し、代わりに初心者の1年生・釜屋すずめが選ばれる。美玲は、さつきが落ちた理由が分からないと、密かに久美子に相談する。久美子は、自分も意外だったと本心を明かしつつ、滝先生を信じるしかないと美玲を説得し、意見を言ってくれた美玲に感謝の言葉を伝えるのだった。

美玲からの相談を受けた後、校舎裏で個人練習をする久美子は、心を落ち着かせるために「響け!ユーフォニアム」を吹き始める。すると、その音を聴いた真由がやってきて何の曲?と尋ねるが、久美子は、教えるほどの曲じゃないとごまかしてしまう。練習後、音楽室の鍵を返しに職員室に行った久美子は、思い切って滝になぜさつきではなくすずめを選んだのか尋ねると、滝は、すずめの音量が武器になると考えたと話す。それを聞いた久美子は、滝の言葉を信じて、京都府コンクールに臨む。

 

細部にアレンジはありますが、おおむね、原作小説「響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、決意の最終楽章 前編」の「三 戸惑いオーディション」の後半部分に対応しています。

第七回 なついろフェルマータ

<府大会を無事に突破し、しばしのお盆休みを満喫する部員たち。貴重な休みを充実させるべく、受験勉強もほどほどに予定を詰めていく久美子。休み初日に葉月や奏たちと大学説明会へ参加した久美子は、大学のブースを見て回るが、なかなか将来やりたいことを明確にできずにいた。そんな久美子とは対称的に葉月は進路をすんなり決めてしまい――。>

関西大会への出場を決めた北宇治高校吹奏楽部は、関西大会に向けた練習に励むが、久美子は真由への苦手意識を自覚し、何度か真由に話しかけようとするがなかなか2人きりで話せないでいた。

練習が3日間休みとなるお盆、久美子は麗奈に誘われ、一緒にプールに行くことにする。お盆休みの直前、部員たちが大掃除をしていると、卒業生で元部長・副部長の中川夏紀と吉川優子が部員たちにアイスを差し入れにやってくる。

そして、お盆休みに入り、久美子は葉月と一緒に大学説明会に行く。ブースを回って疲れ、喫茶店で休憩する2人は、将来について話をする。葉月は担任で副顧問の松本先生からの提案もあり、保育士を目指し短大に進学することを決める。久美子は、葉月の決断の早さに驚くが、自分の進路は決められない。帰宅した久美子は、帰省中の姉・麻美子からやりたいことを優先するよう助言されるが、母・明子は安定を求め、久美子の悩みはますます深まる。

そして、プールに行く日、久美子が声をかけ、低音パートを中心に10数人が参加する。みんながプール遊びを楽しむ中、つばめが飲み物を買いに行き、プールサイドで真由が1人で座っているを見た久美子は、思い切って話しかける。話していく中で、真由は、普通の人よりも自分というものがなく、大抵のことはどちらでもいい人間であることを明かす。それを聞いた久美子は、真由への苦手意識の正体が、中学時代の自分と重なるためであることに気付く。

そして、3日間のお盆休みが終わり、北宇治高校吹奏楽部は合宿に臨むのだった。

 

おおむね、原作小説の「響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、決意の最終楽章 後編」の「一 駆け出すオブリガート」に対応しています。

なお、原作小説では、久美子は、お盆休みの1日目は進路説明会に、2日目は部員たちとプールに、3日目は吉川優子・中川夏紀に誘われて音大に進んだオーボエの鎧塚みぞれが出演する演奏会に行くことになっていますが、最後の3日目の部分はアニメではカットされています。

 

続きはまた改めて。