鷺の停車場

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テレビアニメ「恋は雨上がりのように」

テレビアニメ「恋は雨上がりのように」を見ました。

www.koiame-anime.com

2018年の1~3月にフジテレビなどで放送された作品。2014年6月から2018年3月にかけて、月刊!スピリッツ、週刊ビックコミックスピリッツに連載された眉月じゅん作の同名のマンガをアニメ化した作品。

同年の5月に劇場公開された小松菜奈大泉洋主演の実写版の映画は、当時スクリーンで観に行っていました。テレビアニメ版があるのは以前から知っていましたが、dアニメストアで近々配信終了になるということで、見てみることにしました。

監督:渡辺歩、シリーズ構成:⾚尾でこ、キャラクターデザイン・総作画監督:柴⽥由⾹、アニメーション制作:WIT STUDIOという主要スタッフ。

 

大まかなあらすじを紹介すると、

 

陸上部の短距離のエースだったが、レース中のアキレス腱断裂の怪我で走るのを止め、ファミレス「ガーデン」でバイトしている高校2年生の橘あきら【渡部紗弓】。45歳・バツイチの冴えない店長の近藤正己【平田広明】に密かに恋するあきらは、近藤に告白し、デートの約束を取り付けるが、バイト仲間であきらを狙う加瀬【前野智昭】にその想いがバレてしまい、加瀬とデートする破目になる。

母親に引き取られたが、時々近藤のところに遊びに来ている一人息子の勇斗【竹内順子】と親しくなり、勇斗を送って近藤が住むアパートに行ったあきらは、部屋の様子から近藤が小説を書いていることを知る。

その頃、小さい頃からの親友で陸上部のキャプテンを務める喜屋武はるか【宮島えみ】は、陸上部に顔を出さなくなったあきらとの関係を不安に感じ、あきらに復帰を促す。

一方、大学時代の文学仲間だった九条ちひろ宮本充】の小説の単行本を図書館で見た近藤は、ちひろと違って夢を諦めかけている自分に、気持ちが沈んでいくが、10年ぶりにちひろと会って酒を飲み交わし、語り合うことで、再び小説に向かう気持ちを取り戻していく。

再び原稿用紙に向かうようになった近藤は、あきらのことを思い、陸上に再び向き合うよう促し、はるかの働きかけもあって、あきらは再び走ることをはるかに伝える。

・・・という物語。

 

公式サイトに掲載されているストーリーは以下のとおりです。

第1話:雨音

女子高生・橘あきらがバイトしているファミレスの店長は、万年店長の冴えない中年男・近藤正己。
店員に威厳を示せず、客のクレームにはペコペコ頭を下げる・・・そんな、何をしても決まらない近藤を鋭く見据えるあきら。
自分を蔑むようなあきらの表情に密かに凹む近藤。
絶対に交わらない二人の視線が交わった時、17歳と45歳の人生が色鮮やかに変わり始めるーー

第2話:青葉雨

客の忘れ物を届けるために走り、足を痛めたあきらはしばらくバイトを休むことに。
足を庇いながら生活するあきらだったが、怪我の痛みよりも近藤に触れられた場所が熱を帯び気になってしまう。
一方、あきら不在のガーデンであきらの過去を知る近藤。
そして、見舞いにきた近藤と思いがけず二人きりになったあきらは、ふと・・・

第3話:雨雫

近藤に想いを告げたあきら。
しかし近藤はそれを告白だとは受け止めていない。
陸上部の後輩たち、親友のはるかともうまく関われず、胸にモヤモヤを抱えたままのあきらは再び想いを伝える。
「あなたのことが好きです」
ただただまっすぐに自分に向けられる17歳の眼差しに、ついに近藤が口を開く―

第4話:漫ろ雨

近藤とデートすることになり浮かれるあきら。
しかし、ひょんなことから加瀬に近藤への想いを知られてしまう。
秘密にするかわりに・・・と加瀬がだした条件は、『デートすること』。
仕方なく出かけるあきらに加瀬は言う。
「君と店長はうまくいかない、絶対に」
そんななか・・・とうとうあきらと近藤のデートの日がやってくる―

第5話:香雨

勇斗を近藤の家まで送ることになったあきら。
しかし近藤は不在、家で待つことに。
部屋には沢山の本や書きかけの小説・・・
新たに触れる近藤の一面に、あきらは胸をときめかす。
そこに響く近藤の足音。
近藤を驚かすという勇斗の提案で、押し入れに隠れるあきらだったが―

第6話:沙雨

うだるような暑さの夏休み。
補習を受けるあきらは、偶然会った陸上部キャプテンのはるかと久しぶりに一緒に登校することに。
部を離れたあきらとの友情の行方を確かめたいはるかだったが、
話を切り出すタイミングをうかがっているうちにバスは学校に着いてしまい、2人それぞれの道へ。
そして突然降り出した雨の中、あきらは立ち寄った図書館で偶然にも近藤と出会い・・・。

第7話:迅雨

大学時代の仲間・ちひろが書いた小説のことが仕事中も頭から離れない近藤。
そんな近藤との距離を縮めようと、本の話題を切り出すあきら。
高揚するあきらの心とは裏腹に沈んでいく気持ちを抱え、近藤はあきらを拒絶するような言葉を発してしまう。
そして、ショックを受け消沈の日々を過ごすあきらは風邪で寝込んでいる近藤を想い、台風の最中あることを決意するーー

第8話:静雨

嵐の中、近藤に抱きしめられたあきらは二人の関係を『友達』だと言う近藤にモヤモヤとした気持ちを抱えていた。
『友達』を好きに変えたいあきら。しかし何をしたらいいのかがわからない。
そんなある日、近藤と羅生門について意見を交わし合ううちに、何かを変えるきっかけは自分の中にあるのではないかと思い始めるあきら。
そしてあきらは思い切った行動に出る・・・。

第9話:愁雨

はるかを夏祭りに誘ったあきら。
以前の様に笑いあったのも束の間、押さえていた気持ちがぶつかり合い、二人は喧嘩別れをしてしまう。
一方、近藤はちひろと十年ぶりに再会し、酒を交わしながら小説漬けだった大学時代の話に花を咲かせる。
友と向き合い始めた近藤。友に背中を向けてしまったあきら。 それぞれの痛みを抱えた二人はガーデンで顔を合わせるーー

第10話:白雨

『友人としてオススメの本を教えてもらう』名目で古本市にやって来たあきらと近藤。しかし近藤は本に夢中であきらをほったらかしにしてしまう。
文学に恋をして、追いかけて、追いかけて、周りの人を傷つけてきた。
そしてまたおんなじことを繰り返している自分に嫌気がさす近藤。
そんな近藤をまっすぐ見つめるあきら。そしてその口から出た言葉はーー

第11話:叢雨

深まる秋、陸上部ではあきらと同じ怪我をしたにも関わらず復帰した他校の選手の話題で持ちきりになっていた。
そんな日の帰り道、雨宿りをするはるかの前をあきらが通り過ぎる。
話しかけようとするがタイミングが合わず、ついにはるかはあきらにある事を告げる為、思い切った行動に出る。
一方、急にアパートにやって来たちひろと語り合った近藤は、己の中にある小説への想いの正体を掴み始めていた。
あきらと近藤。まだぬかるんだままの道へと一歩踏み出すのはーー。

第12話:つゆのあとさき

放課後の学校に響く学生達の声。冬へと加速する季節とは正反対に、青春は温度を上げ、17歳の心をかき乱す。全てが少しずつ変わっていく中、自分だけが取り残されたように感じるあきら。
一方、近藤は本社とガーデンを忙しく行き来し、家では夜通し原稿用紙に向かっていた。
あきらは近藤を想い、近藤はあきらを思う。 二人の視線が交わった時、17歳と45歳がたどり着いた明日にあるものは・・・

(ここまで)

 

最後のエンディングは、あきらが再び走るようになるのは共通するものの、細部は実写版の映画とは全然違っています。これは、テレビアニメも実写版の映画も、原作のマンガが終結する前に並行して制作されたことによるようで、実際に読んではいませんが、原作マンガのエンディングもまた違っているようです。

それを除けば、基本的なストーリーは実写版映画と同じで、気づいた明らかな相違は、終盤にあきらが近藤の息子の勇斗に走り方を教える場所や、怪我から復帰した他校の選手の扱いが異なるくらいでした。もちろん、実写版の映画と比べて、このテレビアニメ版の方が尺が長いので、より多くのエピソードが描かれています。

夢を失い、そこから目を背けていた女の子が、大人の男性への恋を経て、再びそれに向き合うようになる、喪失からの再生の物語。夢を実現したちひろとの交流で、再び夢を追いかけるようになった近藤は、夢を諦めるとどうなるか身にしみて理解しており、あきらがそのようになってほしくないと、再び向き合うよう促し、あきらも再び陸上に向かうことを決心します。

あきらがなぜ他の店員には疎まれている近藤に恋するのかは最初は理解不能なのですが、夢を失いかけているという点で、あきらと共通する近藤に、直感的にひかれたのだろうと、後になって腑に落ちました。

再び夢に向き合うようになった2人は、互いを想う気持ちをまだ抱き続けています。あきらが大人になっても近藤に恋し続けるとは、実際は考えにくいのですが、そうであったとしても、折れかけた自分の心を立ち直らせてくれた恩人として、心に残っていくのだろうと思いました。

原作マンガを踏襲したと思われるキャラクターデザインは、個人的な好みとは違いますが、爽やかな余韻が残る作品になっていました。