鷺の停車場

映画、本、グルメ、クラシック音楽、日常のできごとなどを気ままに書いています

映画「劇場」

週末に柏駅西口のキネマ旬報シアターに行きました。

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この週の上映作品。

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観に来たのは「劇場」(7月17日(金)公開)。4月17日(金)に公開予定だったときから気になっていたのですが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で公開が延期となっていました。7月17日(金)から公開となりましたが、公開が延期された多くの作品の公開のあおりを受けたのか、公開初週からの上映館はわずか18館とかなり縮小されてしまい、Amazon Prime Videoで同時配信という異例の試みも行われています。千葉県内での上映はここだけということなので、来てみました。

上映時間の5分ほど前に映画館に着いて入口のチケット売り場に行くと、残りは最前列など3席ほどとのこと。これまでの経験上、この映画館では、普通の上映は半分もお客さんが入っていないのが通常なので、1席ずつ間隔を開けての販売とはいえ、こんなに入っているのは初めてかもしれません。

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上映は148席のスクリーン2。実質的な定員は74人ということなので、70人くらいはお客さんが入っていたことになります。最前列の席で観るのは初めてかもしれません。

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これも、舞台挨拶ができなくなってしまった代わりなのでしょうか、入場時には行定監督と主演の山﨑賢人・松岡茉優の自筆メッセージカードをいただきました。

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(映画館でもらったチラシ)

又吉直樹の同名小説を、監督:行定勲、脚本:蓬莱竜太などのスタッフで実写映画化した作品。

公式サイトのストーリーによれば、

 

『高校からの友人と立ち上げた劇団「おろか」で脚本家兼演出家を担う永田(山﨑)。
しかし、前衛的な作風は上演ごとに酷評され、客足も伸びず、劇団員も永田を見放してしまう。
解散状態の劇団という現実と、演劇に対する理想のはざまで悩む永田は、言いようのない孤独を感じていた。
そんなある日、永田は街で、自分と同じスニーカーを履いている沙希(松岡)を見かけ声をかける。
自分でも驚くほどの積極性で初めて見知らぬ人に声をかける永田。
突然の出来事に沙希は戸惑うが、様子がおかしい永田が放っておけなく一緒に喫茶店に入る。
女優になる夢を抱き上京し、服飾の学校に通っている学生・沙希と永田の恋はこうして始まった。
お金のない永田は沙希の部屋に転がり込み、ふたりは一緒に住み始める。
沙希は自分の夢を重ねるように永田を応援し続け、永田もまた自分を理解し支えてくれる彼女を大切に思いつつも、理想と現実と間を埋めるようにますます演劇に没頭していき―。』

というあらすじ。
 

時間的にはちょっと長い感じもありましたが、深く余韻の残る作品でした。

一言で言えば、才能はないが夢を諦めることができないいわばダメ男と、彼を優しく献身的に応援するあまり、かえって彼をダメにしてしまう女の恋愛物語。共依存とも言えそうなその関係は、痛々しくも映りますが、最後には一歩踏み出すような前向きな形で終わります。

山﨑賢人と松岡茉優の主演2人の演技も◎。個人的に、永田には、生理的な嫌悪感のようなものを感じてしまい、途中までは見るのが辛い部分が多かったのですが、その嫌悪感もちゃんとした演技あってのことだろうと思いますし、松岡茉優の演技は、彼女でなければ映画は成り立たなかったのではないかと感じさせるくらい、凄いと思いました。

前述のように、Amazon Prime Videoでも同時配信されているのですが、家のテレビでは、途中見るのが辛くてチャンネル変えてしまっただろうと思うので、スクリーンで観ることができて良かったです。

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ちなみに、ロビーには、チラシのほかに、ロケ地マップも置いてありました。