米澤穂信の〈古典部〉シリーズをひととおり読んだので、「米澤穂信と古典部」も読んでみました。
発行元のKADOKAWAのサイトなどでは、
・・・『氷菓』以来、米澤穂信と一五年間ともに歩み、進化を続けている〈古典部〉シリーズについて「広く深く」網羅した必読の一冊。
と紹介されています。
次のように、様々な内容が盛り込まれています。
・Interview〈古典部〉シリーズ15年のあゆみ
著者・米澤穂信さんへのシリーズ15年を回顧するインタビュー。
第1作の『氷菓』は大学4年生のときの作品だったのですね。それぞれの作品の経緯やそこに込められた思いなど、興味深いコメントがいくつもありました。最後には、今後の作品について、『いまさら翼といわれても』の後に続く夏休みを、その次か次では修学旅行を書きたいとのコメントも。次の作品も待ちたいと思います。
・〈古典部〉書き下ろし短編「虎と蟹、あるいは折木奉太郎の殺人」
ある日、大日向が地学講義室に持ち込んだのは、鏑矢中学校で配られていた「読書感想の例文」という冊子。盛り上がる一同に、奉太郎は気が気でない――。・・・という短編。今のところ、これがシリーズ最新作ということになります。
・対談集:北村薫、恩田陸、綾辻行人、大崎梢
これまでに雑誌などに掲載された米澤穂信さんと作家との対談を再録した対談集。著者がこれまで影響を受けたり、作品を書くに当たって参考にしたものなど、数多くの作品が出てくるのも興味深いところでした。
・著者による〈古典部〉シリーズ全解説
「解説」というほど詳しくはないですが、第1作の『氷菓』から、最新作の『いまさら翼といわれても』までの6作についての著者によるコメント。
・さらにディープな〈古典部〉隠れネタ大公開!
「桁上がりの四名家」、「ワイルドファイア」、「星ヶ谷杯」など、作品に出てくる小ネタ・キーワードが、著者のコメント付きで紹介されています。
・米澤穂信に30の質問 読者編/作家、声優、漫画家編
2編に分けて、様々な質問に対する著者のコメントが掲載されています。読者編の最後の質問「完結するまで書いていただけますか?」に対しては「はい、そのつもりです。」とのコメントが。
・あなたの本棚見せてください! 古典部メンバー4人の本棚大公開
折木奉太郎、千反田える、福部里志、伊原摩耶花の4人の本棚の一部という設定で、著者がそれぞれ30冊ずつセレクトした本の紹介。
・お仕事場拝見 2017年
イラストによる著者の仕事場の紹介。
・『いまさら翼といわれても』刊行密着レポート!
最新刊の発売時のサイン会の準備・当日の様子が写真付きで紹介されています。
・米澤穂信のマイルストーン
小学校時代から現在に至るまでの著者の歩みを、読んできた本、書かれた本の紹介を交えながら振り返っています。
・講演録 物語のみなもと
平成28年1月に岐阜で開かれた講演会の草稿をもとに、著者自身が書き下ろした講演録。
・門外不出の〈古典部〉ディクショナリー
部活/食べもの/モノ/神山市 の4つのカテゴリーに分けて、シリーズに出てくる様々なキーワードが解説されています。
以前に読んだときには何気なく読み流していた部分に、こういう狙い/経緯があったのか、と気付かされるところも数多くあって、次に作品を読み返すと、また印象が違ってくると思います。〈古典部〉シリーズが好きな方であれば、ぜひ一読してはどうかと思います。