先日、公開中の実写版「弱虫ペダル」を観て、アニメ版も配信で少しずつ見てみました。
原作は2008年から週刊少年チャンピオンで連載されている渡辺航さんのコミックで、既に600話を超え、刊行された単行本も68巻に上っているそう。
アニメ版は、テレビアニメ4シリーズのほか、1~3シリーズの総集編、劇場版などが制作されており、主要スタッフは、監督:鍋島修、シリーズ構成:吉田玲子(1・2シリーズ、劇場版脚本)/砂山蔵澄(3シリーズ)、キャラクターデザイン:吉田隆彦(1・2シリーズ)/番由紀子(劇場版、3・4シリーズ)、アニメーション制作:TMS/8PANなど。
全体のあらすじは、
千葉県立総北高等学校に入学した小野田坂道【山下大輝】は、毎週ママチャリで秋葉原に通うオタク少年だったが、その脚力を知った同級生の今泉俊輔【鳥海浩輔】・鳴子章吉【福島潤】の誘いでともに自転車競技部に入部し、一緒に走る喜びを知る。主将でエースの金城真護【安元洋貴】・山岳に強いクライマーの巻島裕介【森久保祥太郎】・平地での高速勝負に強いスプリンターの田所迅【伊藤健太郎】の3年生たちからクライマーとしての高い資質を見出された小野田は、巻島の指導を受けて実力を上げ、初心者の1年生ながら全国の強豪と競うインターハイのメンバーに抜擢され、チームの優勝に貢献する。
2年生となった小野田たちは、主将となった手嶋純太【岸尾だいすけ】・青八木一【松岡禎丞】の新3年生、1年生の鏑木一差【下野紘】とともにインターハイに出場し、2年連続の優勝目指して箱根学園、京都伏見などのライバル校と争う・・・というもの。
なお、原作コミックでは、2年生時のインターハイの終了後まで物語が進んでいるそうですが、アニメ版では、今のところ、2年生時のインターハイの最終日のレースが始まったところまでとなっています。
テレビアニメ版は、今では1クール3か月(12~13話前後)で終わるアニメが一般的なところ、1シリーズは3クール、2~4シリーズもそれぞれ2クールをかけて描かれており、合計すると9クール112話という長編になります。
それぞれのシリーズをごく簡単に紹介すると、
弱虫ペダル
2013年10月から2014年6月までの3クール、テレビ東京などで放送されたテレビアニメシリーズ第1弾。
RIDE.1からRIDE.38までの38話で、総北高校に入学した小野田が自転車競技部に入り、1年生対抗ウェルカムレースで頭角を現し、過酷な合宿を経て、3日間行われるインターハイに出場、2日目のレースの終盤を迎えるところまでが描かれます。
なお、インターハイの結果は、次のようになっています。
<1日目>
<2日目>
- スプリントリザルト:御堂筋翔
- 山岳リザルト:御堂筋翔
弱虫ペダル Re:RIDE
2014年9月19日に劇場公開された、テレビアニメ第1シリーズに新規カットを加えて再編集した総集編。
弱虫ペダル GRANDE ROAD
2014年10月から2015年3月までの2クール、テレビ東京などで放送されたテレビアニメシリーズ第2弾。
ROAD.1からROAD.24までの24話で、インターハイ2日目の終盤から、3日目のゴールまでが描かれます。
なお、インターハイの結果は、次のようになっています。
<2日目>
- 優勝:福富寿一 ※金城が2位
<3日目>
- スプリントリザルト:新開隼人(箱根学園3年)【日野聡】
- 山岳リザルト:今泉
- 優勝:小野田 ※巻島が5位、今泉が6位、金城と鳴子はリタイア
弱虫ペダル Re:ROAD
2015年6月12日に劇場公開された、テレビアニメ第2シリーズに新規カットを加えて再編集した総集編。
劇場版 弱虫ペダル
2015年8月28日に劇場公開された、完全新作の劇場版アニメ。原作者の渡辺航書き下ろしのオリジナルストーリーで、小野田たちが1年生時のインターハイの後、招待されて「熊本火の国やまなみロードレース」に参加する総北高校。例年は不参加だった箱根学園や、京都伏見、広島呉南などインターハイ上位校が参加する2日間のレースに挑む・・・という物語。
なお、レースの結果は次のようになっています。
<1日目>
- スプリントリザルト:新開隼人(箱根学園)※田所が2位
- 山岳リザルト:真波山岳(箱根学園)※今泉が4位
- 優勝:福富寿一(箱根学園)※金城が2位
<2日目>
- 優勝:東堂尽八(箱根学園)※巻島がトップでゴールするが、2日目のみのオープン参加のため順位なし
弱虫ペダル SPIKE BIKE
2016年9月9日に劇場公開された、小野田が入学した時の3年生の1年生時代に焦点を当てて描いた、本編のスピンオフとなる同名コミックを原作とする劇場版アニメ。
本作では、ともにクライマーである総北高校の巻島、箱根学園の東堂の2人の過去が描かれ、おまけパートでは、後に箱根学園でエース・福富のアシストとして活躍する荒北靖友【吉野裕行】が描かれています。
弱虫ペダル NEW GENERATION
2017年1月から同年6月までの2クール、テレビ東京などで放送されたテレビアニメシリーズ第3弾。
RIDE.1からRIDE.25までの25話で、インターハイを終え、3年生が抜けた新チームのスタートから、進級して新1年生が加わり、ウェルカムレース、県予選、合宿を経てインターハイに臨み、1日目のレースの山岳リザルトを越えるまでが描かれます。
なお、インターハイの結果は次のようになっています。
<1日目>
弱虫ペダル Re:GENERATION
2017年10月13日に劇場公開された、テレビアニメ第3シリーズに新規カットを加えて再編集した総集編。
弱虫ペダル GRORY LINE
2018年1月から同年6月までの2クール、テレビ東京などで放送されたテレビアニメシリーズ第4弾。
LINE.1からLINE.25までの25話で、小野田たちが2年生となって迎えたインターハイの1日目の終盤から、3日目のレースがスタートを切ったところまでが描かれます。
なお、インターハイの結果は次のようになっています。
<1日目>
- 優勝:葦木場拓斗(箱根学園3年)【宮野真守】※鳴子が2位
<2日目>
- スプリントリザルト:泉田塔一郎(箱根学園3年)【阿部敦】
- 山岳リザルト:葦木場拓斗
- 優勝:御堂筋翔 ※今泉が2位
各シリーズともに、レースの要所要所で、主要登場人物の内面の思いを描くシーンや過去の回想シーンを織り込んで、人物像に奥行きを加えながら物語が進んでいきます。原作コミックは未読ですが、おそらく、原作のスタイルを踏襲しているのでしょう。
その分、物語の進むスピードは遅いです。ポイント手前などの緊迫した場面では、実質20分強のテレビアニメ1話で、レースが実際には数十秒で過ぎてしまう数百メートルしか進まない回も珍しくありません。正直、引っ張りすぎと思う部分もありますが、それぞれの人物が自転車やレースに挑む思いが丁寧に描かれ、物語に深みを与えていることも、この作品の魅力のひとつなのだろうと思います。
連載中の原作コミックは、インターハイを終えた手嶋たち3年生が引退し、小野田たち2年生を中心とする新チームが始動するところまでで、まだ小野田たちが3年生に進級するには至っていないようです。今後もこれまでと同じようなペースで進むと仮定すると、3年生時のインターハイが終わるまでには、あと250~300話、期間でいうと5~6年かかる計算になります。となると、3年生編のアニメが制作されるとしても、原作に沿って作るのであれば、しばらくブランクが開くことになるのだろうと思いますが、続編が出た際には、また見てみたいと思います。